カンフランク・ピリネオスで開催の2025年WMTRC世界選手権が地域経済に大きな影響、史上最高レベルの競技も実現

スペインのピレネー山脈にある小さな町、カンフランク Canfranc で開催された2025年マウンテン&トレイルランニング世界選手権 World Mountain & Trail Running Championships (WMTRC) は、大会閉幕からわずか1週間で、地域経済への顕著な影響と世界的な注目を集めたことが明らかになりました。大会期間中、同地域のホテルは100%の稼働率を記録し、交通、飲食、小売業など幅広い分野に直接的な経済効果をもたらしたといいます。

(Photo © YHABRIL / WMTRTC2025 CANFRANC PIRINEOS)

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地域経済を牽引した2週間

9月25日から28日まで開催されたこの世界選手権には、80カ国から1700人の選手が参加し、同大会史上最多の参加者数を記録。カンフランクとハカ Jaca を結ぶ地域は、大会期間の2週間にわたって経済の中心地となり、数千人の観客、選手、スタッフの流入により消費活動が活発化し、カンフランク・ピリネオスのブランドを世界規模で強化することに成功しました。

カンフランク市長のフェルナンド・サンチェス Fernando Sánchez 氏は、「私たちの挑戦は町の規模に合った世界選手権を開催することでしたが、大会の運営能力、選手の福祉、イベントの国際的なリーチを制限することはありませんでした。今日、私たちは設定した目標をすべて達成し、さらにそれ以上のことを成し遂げたと言えます。これをより人間的で、よりパーソナルな選手権にしました。そしてそれは選手たちにも認められ、評価されています」と語っています。

世界トップレベルの競技と放送

英語、フランス語、スペイン語での生中継のライブ配信が世界中で視聴され、大会の成功に大きく貢献しました。主催者の主要な目標の一つは、ピレネー山脈をトレイルランニングの世界的なディスティネーションとして位置づけることであり、連日のレース放送はその目的達成に重要な役割を果たした、と評価しています。

世界マウンテンランニング協会(WMRA)理事のサラ・ロウエル Sarah Rowell 氏は、「13カ国がメダルを獲得し、ネパールやカナダのように初めてメダルを獲得した国もあります。これはトレイルランニングと山岳ランニングの世界的な広がりと深化を示しています」と述べました。実際、カナダは女子アップヒル種目で史上初の団体メダルを獲得し、ネパールのスンマヤ・ブダ Sunmaya Budha (NPL)は女子ロングトレイル種目で銀メダルを獲得し、アジア勢として同種目で初めて表彰台に立ちました。

史上最高水準の競技レベル

大会ディレクターのアレックス・バレラ Alex Varela 氏は、「すべての人がピレネー山脈の素晴らしさ、壮観なレースコース、そして景観の美しさを称賛しました。競技レベルは史上最高でした。世界中からの選手たちの努力、犠牲、献身により、毎日スポーツの祭典を目撃することができました」と大会の意義を強調しました。

4日間にわたる大会では、アップヒル、クラシック、U20、ショートトレイル、ロングトレイルの5種目が実施されました。ドイツのニーナ・エンゲルハート Nina Engelhard (GER)がアップヒルとクラシックの2冠を達成し、ロングトレイル種目ではアメリカのジム・ウォルムズレー Jim Walmsley (USA)とケイティ・シャイド Katie Schide (USA)が優勝を飾りました。

次回は南アフリカへ

次回2027年の世界選手権は南アフリカのケープタウン Cape Town で開催されます。南アフリカのスポーツ・芸術・文化副大臣のバーサ・ピース・マベ Bertha Peace Mabe 氏は、カンフランクでの閉会式で「2027年世界選手権の開催責任を受け入れるにあたり、謙虚さ、情熱、そして目的を持って臨みます。私たちは最高から学んでいます。カンフランクでのオブザーバープログラムに参加したことで、この遺産を称えるイベントを実現するための洞察を得ました」と述べました。

WMRAのロウエル理事は、「カンフランク・ピリネオスでの大成功を収めた世界選手権でした。スペインのアラゴン地方の見事で厳しい地形で、世界最高の山岳・トレイルランナーたちによる4日間のスリリングな競技を楽しむことができました。世界中に帰国する各国チームから多くの感謝のメッセージを読むことで、彼らの取り組みがいかに評価されたかがわかります」と大会を総括しています。

(Source: ITRA)

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