[DC] Toru Miyahara/宮原徹がコロラドの伝統の山岳レース、Pikes Peak Marathonで優勝

週末の8月18日(日)午前7時(日本時間同日午後10時)にアメリカ・コロラド州で開催されたPikes Peak Marathonで日本のトレイルランナー、宮原徹が3時間43分で優勝。58回目の開催というアメリカでも最も古い山岳レースの一つであり、世界でも有名なこのレースでの見事な優勝でした。


Pikes Peak Marathonはコロラド州のPikes Peakで行われ、麓のManitou Springs(標高1920m)から山頂(4199m)を往復する42キロで開催。日本でいえば富士登山競走に相当するアメリカの山岳レース。

Pikes Peak Marathon Course

コースの概要図。From Pikes Peak Ascent and Marathon [Course]

富士登山競走のコースレコード(2:27:41、2011年)を持つ宮原徹はトップのJason Delaneyに82秒遅れて山頂の折り返し地点に到着。その後、Jasonをかわしてトップに立つが下りでAlex Nicholsに猛烈な追い上げを受け、フィニッシュ前の800m地点では一旦Alexにトップを奪われる。しかしそこから猛烈な競り合いとなり最後にAlexを23秒差で振り切って3時間43分23秒でフィニッシュ。ちなみにコースレコードは1993年にレジェンド・Matt Carpenterの出した3:16:39。

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Jason Delaney and Touru Miyahara make the turn in 14,115 feet in the Pikes Peak Marathon – Pikes Peak Sports

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フィニッシュに向けて猛烈なスパートをかける宮原徹。Photo from Pikes Peak Marathon & Ascent

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フィニッシュラインに飛び込む宮原徹。Photo from Pikes Peak Marathon & Ascent

山頂の折り返し地点で、トップのJason Delaneyを宮原が追う様子のビデオはこちら。

Jason Delaney and Touru Miyahara make the turn in 14,115 feet in the Pikes Peak Marathon – YouTube

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いよいよ「世界の宮原徹」の誕生

Pikes Peak Marathonはアメリカのランニング界でも最もよく知られた山岳マラソン。欧州、米国でのSkyrunningが注目される中でもその伝統と有力選手による競争の厳しさで知られており、日本でいえば富士登山競走、アメリカのフルマラソンでいえばボストンマラソンに匹敵するといっていいだろう。昨年はKilian Jornetが優勝し、今年はISF(世界スカイランニング連盟)のSkyrunning World Seriesのシリーズ戦の一戦となっている。

このレースでの優勝は宮原さんにとって大きな意味のあることに違いない。日本では100キロくらいまでの距離の山岳レース、トレイルランニングレースでは最強のランナーとして不動の地位を確立している宮原さん。世界のレースでもこれまでKinabalu Climbathonでの3位などの成果を挙げているが、この権威あるPikes Peak Marathonでの優勝は世界の山岳ランニング界におけるトップレベルの実力の持ち主であることをはっきり印象づける素晴らしい成果。あえていうなら、UTMBやWestern Statesでの鏑木毅さんの活躍に匹敵する出来事だといえる。当方が春にJoe Grantと話した際には、Pikes Peak Marathonはテクニカルなパートこそ少ないが、標高が高いため力のあるランナーでも苦戦することが多いと聞いた。今回二位のAlex Nichols、三位のJason Delaneyともコロラド在住(Jasonは最近モンタナに引越したとのこと)のランナーだ。

現在30歳の宮原さんの世界のランニング界での活躍をこれから目にする機会が増えるかもしれない。

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