週末はOSJ湘南クラブハウス主催の鏑木毅さんによるUTMF対策セミナー合宿に参加。来る5月18-20日に開催されるUltra-Trail Mt. Fujiで最もハードなパートと予想されるコース後半を二日に分けて試走。その様子は早速、鏑木さんが自身のブログにまとめておられる。また、鏑木さんによるレースの心構えなどはのりさんのブログに詳しい。
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当方もコース後半の最難関とされる天子山地に初めて足を踏み入れた。登り下りの厳しさやトレイル表面の状況のみについていえば、かなりハードではあるがUTMBやCCCの経験の範囲内といえるだろうか。
ただ、やせ尾根や崩落箇所、踏み跡が薄くて道迷いしやすい箇所が多い。特に毛無山から雨ヶ岳を経て端足峠へと向かう北側斜面の下りには4月21日現在で固まっていないいわゆる腐った雪がかなり残っており、ただでさえわかりにくいトレイルが一層わかりにくくなっている。ゴールデンウィーク中もこの部分は基本的には試走を避けるのが賢明と思う。
ご参考まで、今回の本栖湖までのGPSログは下の通り。
Course of Ultra-Trail Mt. Fuji, 2012 / A8 Nishi-Fuji to A9 Lake Motosu at Garmin Connect
(一日目)
A8・西富士中学校からA9・本栖湖スポーツセンターまでを試走。当方のGPSログでは27.69km、2,629mD+。コースの概要や危険箇所については、上記の鏑木さんのブログ記事に詳しい。
この日のセミナーはかなり慎重でややゆっくりしたペースに思えた。先頭の鏑木さんのペースはやや抑え気味で、先月の上級セミナーをキャンセルされた故障のせいもあるだろうが、集団がバラけるのを防ぐためあえてペースを落とされたのだと思う。途中と最後尾にもトランシーバーを持ったスタッフが付いていつになく厳戒態勢。当方もこの日はUTMF本番を想定したフル装備で、リズムよくパワーハイクで登ることに集中。
この区間については次のことを頭に入れておこうと思った。
・西富士中学校から最初のピークである天子ヶ岳(1,330m)までは標高差800mの登り。
・天子ヶ岳から長者ヶ岳、天狗岳、熊森山、雪見岳、金山を経て地蔵峠(1500m位)までは小規模なアップダウンを繰り返す。体感的にはかなり消耗する感じ。途中にやせ尾根や崩落箇所が現れるので要注意。
・地蔵峠から毛無山(1,945m)まで標高差450mの長い登り。
・毛無山から雨ヶ岳(1,771m)まで急な下り。雪解けや降雨の後ではかなり泥で滑りやすい可能性あり。
・雨ヶ岳から端足峠(1200m位)までも標高差500mほどの長い下り。脚を残すように慎重に下る必要あり。
・端足峠から竜ヶ岳(1,485m)まで、前半はやや急な登り。
・竜ヶ岳からの下りはまた標高差600mの長い下り。慎重に下る。
この日、コース途中の熊森山あたりで新しく試そうとしていたレインパンツ(Montane/Minimus Pants)を落として無くしていた。ところが翌日になってそのパンツを拾ってくださった方と出会い、無事に手元に戻ってきたのだ。Ito様、荷物を増やして拾っていただき、ありがとうございました。
(二日目)
A9・本栖湖スポーツセンターからフィニッシュの大池公園までを試走。当方のGPSログでは2.km、mD+。この日はロードのウルトラマラソンのイベント、富士五湖チャレンジが開催され、途中で選手を応援しながらゆっくりしたペースで試走。
・本栖湖スポーツセンターから「北の山」のバス停の当たりまでロードで進み、樹海トレイルに入る。途中で精進湖民宿村を通って再び樹海トレイルへ。
・この日はそのまま樹海トレイルを進んだが、レースのコースは精進登山道と交差するところ(アスファルトで舗装された路面が表れるところ)で北に向かい、赤池交差点へ。舗装路を東へ4-5キロ進んで鳴沢氷穴の駐車場・売店まで。
・ここから紅葉台、三湖台、五湖台へと進む。約200mほど標高差を登る林道と階段をはさむトレイル。五湖台からは眼科に河口湖大橋とフィニッシュ地点の大池公園がみえる。
(感想)
・UTMFに関していえば、100キロ地点から現れるこの大きな山の塊はUTMBで終盤に現れる三つの大きな登りに相当するといえそうだ。恐れすぎる必要はないが事前の試走は避けるのが賢明だろう。
・100キロ地点までは登りももちろんあるが林道だったり、登りが短かったりで走ろうと思えば走れるランニング・レースとなるだろう。一方、西富士中学校からの27キロは急な登りが続くマウンテン・レースとなる。このコースの大きな切り替わりは有力選手の上位争いに大きな影響を及ぼすのではないか。順位の入れ替わりや上位選手の棄権など、ドラマチックな展開が後半にやってくる可能性がある。
・装備については基本的にはUTMBと同様に考える。高機能なウォータープルーフジャケット(できる限りレインウェアとウィンドシェルの機能をカバーするもの)、着替えとして持つ必要十分な機能を持った長袖シャツ(夜間および高地、荒天時のため)が重要。
・今回は、いつも鏑木さんのセミナーでご一緒する方から、遠く大阪からご参加の方まで30人近くの皆様とご一緒したが、UTMF/STYにかける思いの熱さを痛いほど感じた。先頭はともかく、全体のスピードはかなり速く、これほど多くの参加者がぴったりついていくとは全体にレベルが高い。一方で鏑木さんからは、このレースは世界最高峰のトレイルレース、UTMBと肩を並べることを目指しており容易に完走できるとは考えないでほしい、旅として楽しんで時には途中でドロップする勇気を持つべき、とのお話。我々ランナーの多くにとっても、今までに無い経験をすることになりそうだ。