UTMF/STYが迫ってきて、参加される皆様は各種ウェアやギアの準備やテストに余念がない今日この頃かと思う。
そこで当方からちょっとしたtipsをご紹介。
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UTMFのような長いレースでトレッキングポール(ストック)を使用する場合、ポールを使わない時にどのようにしまっておくかが気になるところ。多くのバックパックでは背中にポールを固定することになる。ただ、背中だとポールを取り出したり片付けたりするたびにバックパックを身体から外すことになる。これが特にレース後半になってくると億劫になってしまい、ポールを出しっぱなしで使わない時は手に持って走ったり、逆に背中に取り付けたまま使わずに走ることになってしまう。後者の場合は使いもしない荷物を増やしたことになってしまうし、取り付けが甘くて落としてしまってレース中にショックを受けるということにもなりかねない。
当方が試行錯誤した結果、たどり着いて昨年のUTMBで試して快適だったのが、バックパックの胸の部分にトレッキングポールを固定すること。これなら取り外しも楽で、必要なところで取り出し、不要なところでしまうという動作が機動的にできる。紛失の心配もない。慣れてくれば走りながら手探りでポールを片付けたり取り出したりできる。
先日のセミナーで、サロモンのキリアン・ザックことAdvanced Skin SLAB 12Lにちょっと細工をしたこの仕組みを再び投入したところ、参加の皆様で興味を持たれた方がいたので、その細工を紹介。
なお、Advanced Skinの5L、あるいは今年発売の量産型ことSkin Packシリーズとは12Lはちょっとザックのハーネス部分の造りが違うのだが、うまくやればたぶん同様の仕組みが実現できると思う。また、サロモン以外のバックパックでもハーネスの形状によっては同じ仕組みが可能かも。
[gear] ファーストインプレッション:Salomon Advanced Skin S-LAB 12L | Dogs or Caravan.com
その仕組みについては以下に続きます。
当方はキリアン・ザックの12LとBlack Diamond / Z-Pole Ultra Distance 110cmを使用。ポールは3つ折りのものがいい具合に収まるが、使用するザックのハーネスの形状によっては4つ折りのものがいいかもしれない。
(用意するもの)
ゴムが入って伸び縮みするバンジーコード(アウトドアショップでメートル単位で売っています)、コードロックなど(これもアウトドアショップで1個単位で売っています)
(作り方)
まず、バックパックの体前部、ハーネスの下(腰に近い部分)に下のような感じでバンジーコードとコードロックを取り付ける。特に縫製とかはしないので、結び目が緩んでくるとこの仕組み自体が外れてしまう可能性があるが、実際に使ったところでは特に不具合は感じない。
続いてハーネスの上(肩に近い部分)に同じくコードロックとバンジーコードを取り付ける。コードの端っこをこちらはストッパーで処理しており、ハーネスの下はただ結んであるだけなのと違いがあるが、特に意味は無い。ハーネスの左右にこれらを取り付けたら細工は終了。
(使い方)
まず、ポールを折りたたみ、ポール先端のバスケットが付いた方をハーネスの下(腰の方)にはめ込む。
角度を変えるとこんな感じ。最初にコードロックを調整してバンジーコードの輪を広げてポールを差し込み、コードロックを締める。一回これを済ませれば、2回目からはバンジーコードが伸びるのを利用して簡単にはめ込める。写真のようにポールのバスケットの部分を引っかける感じで固定するのと収まりがよく、かつ取り出しやすくてよい。
次はハーネスの上(肩の方)を固定。下の方と同様に最初にコードロックでいい位置を決めれば二回目以降は楽だが、気になるようなら毎回コードロックを調整するのもさほど苦ではない。こちらはグリップの部分を固定するので、バンジーコードの長さを腰の方より長めにしておくのがポイント。
これで完成。揺れにくく、つけ外しが簡単で、より積極的にトレッキングポールを活用できる。もちろん、ポールを使うことがない区間が長く続くことがわかっている場合などは、バックパックの背中の部分にポールを固定しておくこともでき、肩や胸がすっきりする(当方もUTMBのフィニッシュが近づくとポールを背中に片付けた)。
(おまけ)
バンジーコードとコードロックを使って、キリアン・ザックの背中にこんな感じの細工をしておくと、脱いだジャケットを固定しておけるほか、荷物が少なめの時に揺れを防げる。