20回目を迎えるハセツネ・カップ(日本山岳耐久レース)が今年も10月7−8日に奥多摩で開催される。日本のトレイルレースとして長い歴史を誇り、実質的なトレイルランニングの日本選手権と考えられているこの71.5キロのレース。これに今年はなんとアメリカの若く型破りなトレイルランナー、Dakota Jones/ダコタ・ジョーンズが参加する模様。
1990年生まれの21歳、Dakota Jonesは2009年頃からアメリカのトレイルランニングレースに出ており、アメリカでも屈指のハードさを誇るHardrock 100(コースの平均高度が富士山頂を超え11,000ft(約3,350m)、累積獲得高度はUTMBを上回る33,992ft(約10,360m)の100マイルレース)で昨年2011年に2位、今年2012年に3位となるなど、アメリカのトレイルランニング界で注目の若手。彼がよいコンディションでハセツネに臨めば、おそらく他のランナーは誰も敵わないのではないだろうか。
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こちらが都内で今日発見された(?)掲示物。Montrailのサポートアスリートとして、上段中央の奥宮俊祐さんの左にDakotaの写真が載っている。
Dakota Jonesのランナーとしての成績をふり返ると、既に挙げたHardrock 100での活躍の他、今年2012年4月にはカリフォルニアのLake Sonoma 50Mで優勝、昨年12月のThe North Face Endurance Challenge in SFでの2位、など昨年のシーズンから注目度が増している。さらに今年は3月5月にスペイン領カナリア諸島で行われて世界の有力選手が集まって注目されたTransVulcania(50マイル)でもヨーロッパの強いランナーを制して優勝している。
アメリカのサイト、UltraSignupによるDakotaのレース結果のページはこちら。
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Dakotaのブログなどを見る限りでは、山が大好きでトレイルランニングにすっかり魅入られてしまった若者という人物が目に浮かぶ。今年のHardrockの前は早くから開催地のコロラド州シルバートンに入り、ピックアップトラックに寝泊まりして毎日山に入っていたとか、コロラドの4000m級の山にトレイルランニングというよりはクライミングのスタイルで登ったりしている。この夏も、シャモニーに滞在し、UTMBで3位となったMike Footeのサポートをしたり、Kilianと一緒にモンブランに登ったりしている様子がブログに綴られている。
強いアメリカの選手が来日して日本のレースに参戦しても、あまり驚くような結果を見ることが少ない気がするが、Dakotaはどうだろうか。彼の若さと山で鍛えた身体、そして型破りで自由なトレイルランの楽しみ方をみていると、ハセツネのようなアメリカのトレイルランニングレースとは異質な面が多いレースでもやってくれそうな気もする。
今年のハセツネの大きな話題の一つになりそうだ。
下の写真は今年のTransVulcaniaでキリアンをリードしてトップに立ったDakota。(写真はTransvulcania 2012 – Los verdaderos protagonistas | La Voz de La Palmaより)
(追記:2012/09/23 データが一部不正確だったため修正しました)