昨年の春に紹介して意外にも反響が大きかった、キリアン・ザックことSalomon/Advanced Skin SLAB 12Lの体前部にストック・ホルダーをつけるテクニック。今回、UTMBに備えて、Ultimate Direction/SJ Ultra Vestにも同じような細工を施してみました。
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[tips] UTMF/STY対策:キリアン・ザックの体前部にストック・ホルダーをつけて積極的にストックを活用する | DogsorCaravan.com
Ultimate Direction/SJ Ultra Vestはボトルを胸のハーネスに設けたポケットに収めるスタイルが特徴のベスト型バックパック。今年の春に発売されて以来、アメリカでも日本でも多くのランナーがトレイルランニングのレースで使っている姿が見られるヒット作。容量別に3タイプあるSignature Seriesの真ん中のSJ Ultra Vestは20oz(590ml)のボトル2本がついて収納量は公称9.2L。装備の内容にもよるものの、UTMBやUTMFの装備が収まる。
UTMBでは登りが長く続く箇所が多く、レース自体も長時間に及ぶので、トレッキングポール(ストック)をうまく活用したいところ。ただ、これをどのように持ち運ぶか。多くのバックパックでは背中にポールを固定する仕組みだが、ポールを取り出したり片付けたりするためには、背中からバックパックをいちいちおろす必要がある。
これが特にレース後半になってくると億劫になってしまい、ポールを出しっぱなしで使わない時は手に持って走ったり、逆に背中に取り付けたまま使わずに走ることになってしまう。
そこで当方が考えたのが、バックパックの胸の部分にトレッキングポールを固定すること。これなら取り外しも楽で、必要なところで取り出し、不要なところでしまうという動作が機動的にできる。慣れてくれば走りながら手探りでポールを片付けたり取り出したりできる。
用意するもの
- Ultimate Direction Scott Jurek Ultra Vest | Hydration Race Vest: ただ、胸のチェストストラップの部分にある程度の強度のあるパーツがあれば、ほかのバックパックでも応用可能かも。
- ゴムが入って伸び縮みするバンジーコード: アウトドアショップでメートル単位で売っている。当方は2メートルを356円で購入。
- コードロックと終端の留め具: これもアウトドアショップで1個単位で売っていて、4個ずつ用意。計588円。
作り方
- 非常に単純で、チェストストラップの根元のプラスティックのパーツにバンジーコードを通し、コードロックを取り付け、終端に留め具を取り付けるだけ。
- チェストストラップの根元のパーツで一旦バンジーコードのループを作っておくと使わないときに安定するかも。
使い方
- Black Diamond/Ultra Distanceのような軽量のポールをたたんだ状態にして、左右のチェストストラップに取り付けたホルダーで上下を留める。コードロックを使って下に落ちないように締めておく。
実際に取り付けて走ってみたところでは、チェストストラップのパーツの強度にも不安はなく、安心して使えそう。ポケットに入れたボトルとも干渉しない。ただ、以下の点がちょっと工夫がいる。
- 上下のチェストストラップの間隔が狭いので、収納するのが少し面倒(Salomon/Advanced Skin SLAB 12Lでは上下の間隔がちょうどよく、たたんだポールの両端を引っ掛けるだけで固定できた。手順としては、下のストラップにつけたホルダーを大きく開いておき、ポールの先端側を差し込む。それから上のストラップのホルダーに通してコードロックで固定。そのあと下のホルダーもコードロックで固定(固定しない状態でも安定するかも)。
- バックパックの丈が短いせいもあり、ポールの上端をホルダーで固定した状態では、ポールの下端は腹のあたりに当たる。土で汚れたポールの先端がシャツの腹の部分に当たって汚れることになる。これを避けるため、できるだけポールの下端が腹に当たらないように高い位置で留める必要がある(幸いUltra Distanceで試したところでは顎に当たるほどではない)。
おまけ:背中にポールを留める場合の補助ホルダー
- あまったバンジーコードと、SJ Ultra Vestについているパーツを使って、背中にポールを留める際のホルダーを作ってみた。コードロックにある程度大きいものを使えば、特段の仕組みがなくても写真のように引っ掛けておくだけでも外れない。
これからUTMBや八ヶ岳スーパートレイル、信越五岳などのロングレースが開催され、参加される方はそろそろ準備をはじめるころ。もし、とっておきのテクニックや工夫があればコメント欄などでお知らせください。