[DC] 南インド洋・レユニオン島の息をのむ圏谷で繰り広げられる100マイルレース・Grand Raid de la Réunion/グラン・レイド・レユニオン2013 プレビュー

GRR-logo

南インド洋のマダガスカル沖に浮かぶフランス海外県・レユニオン島で開催されるグラン・レイド・レユニオン/Le Grand Raid Réunion。そのうち164km、累積獲得高度9900mD+におよぶトレイルランニングレース、La diagonale des fousが10月17日(木)午後11時(日本時間18日金・午前4時)にスタートします。現在世界最強のトレイルランナー、キリアン・ジョルネ/Kilian Jornetをはじめとする欧州の有力ランナーが多数参加するほか、今回は日本から鏑木毅/Tsuyoshi Kaburakiが参加することで注目されています。

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 La diagonale des fous(ラ・ディアゴナル・デ・フゥ)とは?

レユニオンは火山活動により形成された島で、島の中央部に活動していない火山、ピトン・デ・ネージュ、島の南東部に現在活動中の火山、ピトン・ド・ラ・フルネーズがあります。前者のピトン・デ・ネージュを囲むようにして3つの巨大な圏谷があり、この圏谷が壮大に切立った稜線、息を飲む巨大な絶壁などを生み出しています。 グラン・レイド・レユニオン(以下GRR)はこの火山の生み出した巨大な自然の中のトレイルを島の南岸から北岸へと進みます。

このコースを詳しく説明すると長くなるので、以下は当サイトによるかいつまんだ説明です(コースは年によって少しずつ変わり、以下は2013年のコースに関するものです)。

大会本部ご提供のデータから当方が作成したGoogle Earthを使ったコースのツアービューの動画は下をご覧ください。


Overview of the course of Le Diagonale des Fous, Grand Raid Reunion 2013 – YouTube

  • 海岸からスタートして2200mの稜線までの60km

スタートはレユニオン島南岸の美しいビーチのある町、サン・ピエール。ここからしばらく海岸沿いにロードを走った後にコースは登りへ。活動中の火山、ピトン・ド・ラ・フルネーズを眺めながら、巨大な渓谷の縁に沿って高度を上げていきます。そして、ついに前述の圏谷の一つ、シラオス圏谷を見下ろす稜線に立ちます。午後11時のスタートから上位選手が稜線に立つのは明け方の見込み。

  • シラオス圏谷の中、60km-76km

圏谷の中にある高原へと続く急で長いトレイルを降りて、標高1200mの高原の町、シラオスへ。このシラオスが序盤の大きなエイドステーション(65.9km地点)となります。ただ、圏谷の中は単純な盆地ではなく、中央部の高原と圏谷の外辺の稜線の間は深い谷となっている等、複雑な地形。

  • マファテ圏谷へ、76km-111km

シラオスから再び切立った圏谷の外周の稜線へと上り詰めると目の前にマファテ圏谷が。雨期の雨水が削った谷で複雑に入り組んだ山と谷をいくつも越えていきます。三つの圏谷の中で、このマファテ圏谷は舗装された道路が通じていないなど、最も自然の姿に近いトレイルが続きます。そして再び圏谷の縁のピーク、マイドへ。日中の圏谷の底はかなり気温があがり、このパートまででいかに力を残しておくか、このパートをいかにうまくこなすことができるか、ランナーの力量が問われます。そして上位選手でもこの区間で毎年順位が大きく入れ替わるドラマティックな展開が起こります。上位選手がマイドに到着するのは夕暮れ前となります。

  • マイドから長い長い下りで海岸の町、ポセッションへ、111km-143km

標高2030mから絶好の展望が臨めるマイドからわずか20kmほどで海岸の町、ポセッションまで下ります。このパートの後半、川を渡ってからはまた小さな登りがあるため、下りはテクニカルではないもののかなりの急坂。上位選手がポセッションに到着するのは夜。

  • 再び登りのトレイルへ、そしてフィニッシュのサン・ドニへ、143km-163.5km

やっと海岸の町まで下りてきたとおもったのもつかの間。富士山にあるような溶岩の石畳の急坂を登ってトレイルへ。標高683kmのコロラドまで登ったら後は急降下。のこり4kmで標高差600m強を下った先がフィニッシュ地点のサン・ドニのグランドとなります。多少コースは異なるものの、昨年優勝したキリアンのタイムは26時間33分。

有力選手紹介

地元メディアの情報を参考に、以下に今年のDiagonale des Fousの有力選手をご紹介します。

男子:やっぱりキリアンが優勝なのか、フランス本土や地元レユニオンの実力ある選手に日本の鏑木毅がどこまで挑めるか

キリアン・ジョルネ/Kilian Jornet(スペイン)が出るとなれば、2010年と昨年2012年に続いて今年もキリアンが優勝と考えるのは自然でしょう。今シーズンも春先から多くのレースを走り、先週はSkyrunning World SeriesでUltraの部に続いてSkyの部でも年間チャンピオンとなった後で、このGRRにどこまでモチベーションを持っているか。

ヨーロッパからは9月にTor des Geantsで2位に入ったオスカー・ペレス/Oscar Perez(スペイン)、昨年の短縮コースでのUTMBで優勝のフランソワ・デーン/François D’Haene(フランス)、昨年のこのレース2位で今年はウルトラトレイル・マウントフジで来日したアントワーヌ・ギュイヨン/Antoine Guillon(フランス)、昨年のUTMBでトップ10入りしたセバスチャン・バファード/Sebastien Buffard(フランス)にも注目。今年初挑戦となる日本の鏑木毅は現地でも注目度が高く、町の中でもトレイルランニングファンからしきりに写真やサインを求められています。

2200人の出場者のうち、1250人を占めるのが現地・レユニオン島のランナー。今年で21年目を迎えるGRRがきっかけとなって、レユニオン島ではトレイルランニングは人気あるスポーツの一つで1250人の中には上位が見込まれる選手も多数。

2011年のこのレース5位のFreddy Thevenin、2010年4位や2011年2位の実績を持つPascal Blanc、2008年2位や2011年3位のDidier Mussard、若手のGilsey Feliciteなどが注目されています。

Pascal-Kaburaki

レースを控えたレユニオン島で挨拶する鏑木毅(右)と地元レユニオン島のPascal Blanc(左)

女子:二人の「エミリー」の対決か

女子では昨年優勝のエミリー・ルコント/Emilie Lecomteが最有力選手でしょう。フランスでは50kmくらいのレースから100マイルまで様々なレースを走っており、今年はアンドラのRonda dels Cims(170km)で3位に入っています。

注目度ナンバーワンといえば、エミリー・フォスバーグ/Emelie Forsberg(スウェーデン)。山岳スキーの選手から昨年トレイルランニングを走りはじめた彼女は昨年と今年(ウルトラの部)のSkyrunning World Seriesで優勝する等実力はハイレベルです。その他、今年のTDSで 優勝のNathalie Mauclair(フランス)が参加します。

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地元レユニオンの選手では昨年のGRRの90kmの部で4位、今年のレユニオン島のCaldera Trail(74km)で優勝のAlexandra Clainの名前が上がっています。

 

当サイトでGRRのLa Diagonal des Fousの模様をライブ中継でお贈りします。

当サイトではこのレースの間、スタートからフィニッシュまでを鏑木毅さんをはじめとする上位選手の様子を中心にTwitterの@DogsorcaravanFacebookページ当サイトのなどで現地から生中継で情報をお贈りします。

各選手の順位情報は大会公式パートナーの携帯電話会社SFRの解説したウェブサイトでリアルタイムで速報が発信されます。

 

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