[DC] 貫禄すら感じるセイジ/Sage Canadayの連覇、意外な選手の活躍に新ヒーロー登場の予感・2014 Tarawera Ultramarathon リザルト

Tarawera Ultramarathon

週末の3月15日土曜日にニュージーランドの北島で開催されたVibram Tarawera Ultramarathon/ビブラム・タラウェラ・ウルトラマラソンUltra-Trail World Tourの第3戦で例によって世界の有力選手が集まる一方、荒天のためコースは大幅に短縮。波乱の展開を制したのは男子では事前の評判通り、昨年のこの大会で優勝したセイジ・カナディ/Sage Canaday(Hoka OneOne、アメリカ)。女子では、昨年からランニングを始めたばかりでレースはほとんど初めてという地元ニュージーランドのジョー・ヨハンセン/Jo Johannsenが優勝。その他にも意外なランナーの活躍にこのスポーツの新しい展開が予感されるイベントでした。日本から出場の原朋子/Tomoko Haraさんは12位に入りました。

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ますます強くなったセイジ/Sage Canaday

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サイクロン接近で変更されたコース。左側からスタートして赤線に沿って進み、元のコースの40km地点付近で折り返して69km地点でフィニッシュ。青色がもとの100kmのコース。

レースが開催される週末はサイクロンが接近するため、レース前日に大会からコースを短縮する、とのアナウンスがありました。100kmのレースは69kmに短縮されたコースで行われます。

レースの展開は前半に抑えたランナーが後半に徐々に前に出る、というウルトラ/トレイルレースの王道の展開でした。男子優勝のセイジ・カナディ/Sage Canadayは30km地点くらいまでは先行するランナーについていかずに後続集団の中で走り、以降は猛烈なペースアップで後続のランナーへのリードをどんどん広げて、結局フィニッシュでは2位に19分もの大差をつけました。この他、地元ニュージーランドのヴァジャン・アームストロング/Vajin Armstrong(MacPac、ニュージーランド)は1月のVibram HK 100で4位になった時と同じように、後半にペースを上げて先行するランナーにレースを仕掛ける展開。序盤にレースをリードしていたマイク・アイシュ/Michael Aish(Mizuno)を交わして3位に入りました。

意外なランナーの活躍に新しいヒーロー誕生の予感

こうした有力選手の実力あるレース以上に今回のTaraweraで印象に残ったのは、事前に予想されなかった選手がたくさん上位に入ったこと。

その筆頭は女子で優勝した地元ニュージーランドのジョー・ヨハンセン/Jo Johannsen。この32歳の女性ランナーについては探してもレースの記録はなく、ランニングを始めたのはわずか半年前との話が伝わっています。この日は女子のレースでは早い段階からレースをリードし、最後まで隙をみせることなく優勝を飾りました。世界的なレースとなったTaraweraでの活躍をきっかけにこれから注目されるでしょう。

さらに並んで注目すべきは男子で2位に入ったユン・ヤンキアオ(运艳桥)/Yun Yan-Qiao(The North Face、中国)。ユンは既に実力のあるランナーであり、特に北京で開催されるThe North Face 100 Chinaでは2009年に鏑木毅に続いて2位、2011年にも2位(この年は鏑木毅は3位)、昨年のVibram HK 100で優勝といった実績があります。しかし、これまで欧米の選手が集まる大きなレースでは2012年UTMB(103km)で212位という記録がある程度。今回のTaraweraでアジアだけでなく、グローバルなトップ選手として認識されることになりそうです。

また日本関連では原朋子/Tomoko Haraさんが女子12位に入ったことも注目です。四万十川ウルトラマラソンで二連覇、昨年のサロマ湖100kmウルトラマラソンで2位という原朋子さんにとっては、初めての海外でのトレイルレース。今回の結果についてはその実力からすればもっと上位もねらえたはずで、こうした経験が今後につながっていくことが期待できそうです。

リザルト(大会サイトより

(男子)

  1. セイジ・カナディ/Sage Canaday (Hoka, USA) 5:33:38
  2. ユン・ヤンキアオ(运艳桥)/Yun Yan-Qiao (The North Face, CHN) 5:52:30
  3. ヴァジャン・アームストロング/Vajin Armstrong (Macpac, NZL) 5:57:49
  4. マイク・アイシュ/Mike Aish (Mizuno, NZL/USA) 5:58:37
  5. スコット・ホーカー/Scott Hawker (Hoka, AUS) 6:06:52
  6. Martin Gaffuri (New Balance, FRA) 6:21:31
  7. Mortiz Auf De Heide (GER/AUS) 6:22:21
  8. Mike Wardian (Hoka, USA) 6:28:46
  9. Matt Murphy (AUS) 6:36:27
  10. Manuel Lago (BRA) 6:37:30
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(女子)

  1. ジョー・ヨハンセン/Jo Johannsen (NZL) 7:02:43
  2. クレア・ウォルトン/Claire Walton (UK) 7:11:48
  3. ダーン・タフェリー/Dawn Tuffery (NZL) 7:16:16
  4. ベス・カーデリ/Beth Cardelli (Salomon, AUS) 7:18:54
  5. メーガン・アルボガスト/Meghan Arbogast (Scott, USA) 7:26:24
  6. ショーナ/ステファンソン/Shona Stephenson (Inov-8, AUS) 7:34:14
  7. Fiona Hayvice (NZL) 7:40:54
  8. Katrin Gottschalk (NZL) 7:44:24
  9. Katherine Macmillan (AUS) 7:44:33
  10. Sandi Nypaver (USA) 7:57:24

レース記事、ランナーによるレポート、写真、ビデオなど

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