[DC] 緑あふれるトレイルの80kmで小林慶太、山ノ内はるかが優勝・スパトレイル [四万 to 草津] / SPA TRAIL #SpaTrail

今年初開催で、群馬県の四万温泉から草津温泉へと向かう約80kmのトレイルランニングレースとして注目されたスパトレイル [四万 to 草津] / SPA TRAILが6月15日(日)に開催されました。早朝5時の明るくなったばかりの四万(しま)温泉を出発し、野反(のぞり)湖、チャツボミゴケ公園、大平湿原などを林道やハイキングコースを通って草津国際スキー場へと向かう81.4kmの旅に約770人が参加。

レースを制したのは、今年4月のウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)で8位に入賞して注目された小林慶太で7時間52分で優勝。女子は21歳の若手、山ノ内はるかが10時間1分で優勝しました。

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SPA_TRAIL___COURSE_MAPレース前日の14日土曜日に中之条町の沢田体育館(旧中之条西中学校)で参加するランナーの受付が行われ、地元の子供たちによるブラスバンドの演奏やダンスパフォーマンスで前夜祭がスタート。その後、大会プロデューサーの鏑木毅さん、松本大さんによる大会前のブリーフィングが行われ、コースの概要、安全のための注意事項などが説明され、集まったランナーが熱心に耳を傾けます。

SpaTrail-Briefing

大会前日、沢田体育館で行われたブリーフィング。

大会当日の翌15日日曜日早朝の四万温泉の気温は約10℃。少し肌寒い中、スタート地点の桐の木平駐車場を午前5時にレースがスタート。快晴の中、緑色に輝く木立の中の林道、この大会に備えて刈り払われた登り坂、そして快晴の青空の下に碧い水面をたたえた野反湖の周回コースを経てレースは後半に。エイドステーションでは地元・六合(くに)のお菓子・かりんとうやそばがエイドステーションで振舞われました。

SpaTrail14-Start

午前5時に四万温泉をスタート。

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A2中之条町ふるさと活性化センター/29.4kmのエイドステーション。

気温は28℃くらいまで上がりましたが、爽やかな青空のもと後半のチャツボミゴケ公園、大平湿原の美しいトレイルをへて多くのランナーがフィニッシュ。制限時間15時間の終盤となる午後6時頃からは一時強い雨が振りましたが、多くのランナーが名湯の間を結ぶ80kmの旅を楽しみました。

SpaTrail-Nozori

野反湖を眼下にコースを進むランナー。

レースの展開

この日のスパトレイルのレースは事前に予想されたとおり、若手の力あるランナーがリードする展開となりました。

序盤に先頭を走ったのは、4月のハセツネ30kで2位のほか今シーズンは精力的にレースに出場して好成績を残している大瀬和文。A2中之条町ふるさと活性化センター/29.4km(世立)では大瀬に続いて、2分後に石井克弥、さらに1分後に小林慶太、その1分後に須賀暁と30歳前後の若手ランナーが続きます。全体に走りやすいパートが多いこのレースは序盤からスピードに力のあるランナーが先頭を引っ張る展開が予想されましたが、上位選手によれば前半は決して速すぎるという気はしなかったとのこと。

A3野反湖ビジターセンター/42.7kmにトップで到着したのは大瀬。3:54は大会プロデューサーの鏑木毅さんの試走タイムとほぼ同じペース。5分差で須賀、小林がほぼ並ぶ形で続きます。4位以降は石井克弥、小野塚稔、三浦誠司、高橋和之がトップから16分の範囲で続きます。

SpaTrail14-Oose

序盤でトップを走る大瀬和文。

SpaTrail14-Kobayashi

序盤では3番手につけていた小林慶太。

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A3野反湖ビジターセンター/42.7kmで補給する石井克弥。

SpaTrail14-Nozori

野反湖へと向かう刈払われた登りを進む。

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A4根広ねどふみの里/62.8kmで補給する高橋和之。

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終盤の大平湿原を越えて大沢川をわたる小野塚稔。勢い余って川にダイブ。

レースが動き出したのはA4根広ねどふみの里/62.8kmへと至る長い下りのパートでした。須賀と一緒に走っていた小林が徐々にトップの大瀬との差を詰め始めます。小林はエイドの手前3キロくらいから大瀬の背中を捉え、エイドにはほぼ同時に到着。補給を素早く済ませた小林がA5チャツボミゴケ公園/71.6kmを経て大平湿原まで標高差700mほどの登りでも先行し、そのまま草津国際国際スキー場/81.4kmにフィニッシュしました。現在30歳で実力あるトレイルランナーとして知る人ぞ知る存在の小林慶太ですが、意外にも大会での優勝はこれが初めてとのこと。2位に大瀬和文、3位に須賀暁が続いてフィニッシュ。

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優勝した小林慶太のフィニッシュ。Photo courtesy of GONTEX

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優勝の小林慶太(中央)、2位の大瀬和文(右)、3位の須賀暁(左)。Photo courtesy of GONTEX

4位には後半に入って先行するランナーを捉える粘りをみせた高橋和之が入り、5位に石井克弥、6位に三浦誠司、7位に小野塚稔、8位に仁科昌憲が入りました。

女子のレースは山ノ内はるかが終始リードして優勝。21歳の山ノ内はどのレースでも競走と思って走ることはなく山を走るのがただ楽しいと話していました。2位に大庭知子、3位に加藤揚子、4位からは野間陽子栗原葉子原田朋子川井朋子伊藤冬未が続きました。

SpaTrail14-Haruka

女子優勝の山ノ内はるかのフィニッシュ。

アメリカを中心に数多く開催されている80km(50マイル)のトレイルランニングレースですが日本では珍しく、さらに比較的走りやすいパートが多いというこのレースははっきりした特徴のある大会といえます。上位入賞したのは最近注目の比較的若手のランナーでしたが、大会プロデューサーの鏑木さん、松本さんの想定した優勝タイムからはやや遅れるタイムでした。来年以降もスピードに自身を持つランナーを集めるハイレベルなレースとなる一方で、名湯をつなぐ緑あふれるトレイルや名所をつなぐランニングの旅として、スパトレイルは人気を集めそうです。

SpaTrail14-WPodium

2014年のスパトレイル、入賞した女子トップ8の皆さん。

SpaTrail14-MPodium

入賞した男子トップ8の皆さん。

リザルト

【男子】

  1. 小林慶太 / Keita Kobayashi 7:52:18
  2. 大瀬和文 / Kazufumi Oose 7:56:37
  3. 須賀暁 / Akira Suga 8:00:16
  4. 高橋和之 / Kazuyuki Takahashi 8:24:16
  5. 石井克弥 / Katsuya Ishii 8:34:17
  6. 三浦誠司 / Seiji Miura 8:35:34
  7. 小野塚稔 / Minoru Onozuka 8:47:56
  8. 仁科昌憲 / Soken Nishina 8:49:10
  9. 関淳一 / Junichi Seki 8:49:42
  10. 小池政宏 / Masahiro Koike 8:51:55
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【女子】

  1. 山ノ内はるか / Haruka Yamanouchi 10:01:39
  2. 大庭知子 / Tomoko Oba 10:31:57
  3. 加藤揚子 / Yoko Kato 10:41:04
  4. 野間陽子 / Yoko Noma 10:50:21
  5. 栗原葉子 / Yoko Kurihara 10:57:23
  6. 原田朋子 / Tomoko Harada 11:14:57
  7. 川井朋子 / Tomoko Kawai 11:14:57
  8. 伊藤冬未 / Fuyumi Ito 11:15:22
  9. 甲斐愛子 / Aiko Kai 11:35:35
  10. 遠藤朋子 / Tomoko Endo 11:35:52

 

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