[DC] 追記あり・会員も募集開始・鎌倉トレイル協議会が「ガイダンス&ルール」を発表

KamakuraTrail-Open201201

当サイトでもこれまでの経緯をご紹介したとおり、12月1日(月)に鎌倉トレイル協議会の「ガイダンス&ルール」説明会が開催されました。この記事ではこの日の説明会の模様を動画や配布資料とともに詳しくご紹介します。

【追記・質疑応答の動画について字幕に加筆を行い差し替えるとともに、その理由をお示ししました。2014.12.10】

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KamakuraTrail-Open201201

鎌倉生涯学習センター(きらら鎌倉)で開催された鎌倉トレイル協議会の説明会。

説明会では、パブリックコメントを受けてまとめられた鎌倉のトレイルをトレイルランナーが利用する上でのルールが発表されました。また、今後ルールの普及や啓発のための活動を進めるため会員を募集することも発表され、会場でも入会受付が行われました。

また、協議会のアドバイザーである石川弘樹さん、鏑木毅さんからも鎌倉のトレイルの魅力、トレイルランニングのマナーやエチケットを広く知ってもらうことの大切さについてお話がありました。

動態調査結果:トレイル利用者のうちトレイルランナーは4%強

説明会では鎌倉トレイル協議会が天園、葛原岡などの主なポイントで11月中に行った動態調査の結果が紹介されました。6箇所の調査地点を通過した人のうちトレイルランナーの割合は4.37%であったこと、大仏トレイル(葛原岡神社〜大仏トンネル)に比べ、天園トレイル、葛原岡トレイル(浄智寺〜葛原岡神社)の利用者が倍であったことが紹介されました(協議会が発表した調査結果はこちら)。

鎌倉トレイル協議会が行った動態調査の結果の一部。協議会の発表資料より。

鎌倉トレイル協議会が行った動態調査の結果の一部。協議会の発表資料より。

アンケート結果:ハイカーのほとんどはトレイルランナーと遭遇した経験あり

説明会ではあわせて鎌倉のトレイルでハイキングをしていた人たちへのアンケートの結果も紹介されました。半分以上は年に数回訪れていること、横浜や北鎌倉から獅子舞、建長寺、瑞泉寺を目指す人が多いこと。数人のグループで訪れている人が多く、8割以上の人はトレイルランニングを知っていて、ほとんどの人がトレイルランナーと遭遇したことがある、ことが紹介されました。(協議会が発表した調査結果はこちら)。

鎌倉のトレイルでハイキングをしていた人たちへのアンケートの結果の一部。協議会の発表資料より。

鎌倉のトレイルでハイキングをしていた人たちへのアンケートの結果の一部。協議会の発表資料より。

鎌倉トレイル・ガイダンス & ルール

概ね9月に公表された試案に沿ったガイダンス&ルールが発表されました。試案に対して寄せられたパブリックコメントを受けて、トレイルでのすれ違い方のマナーや声のかけ方の配慮についてより具体的な内容が記されています。

《鎌倉トレイル・ガイダンス & ルール》

古都鎌倉には豊かな自然があります。
ここでは自然を感じ、歴史を味わい、ゆっくり進みましょう。
鎌倉のトレイルは、からだを鍛えるためにあるのではなく、心を豊かにするためにあります

1)人と自然に感謝しよう。
鎌倉の自然環境やトレイルの地権者、管理者、地域の寺社仏閣、住民の方々、他のトレイル利用者に対して、常に「走らせてもらっている」という謙虚な気持ちで利用しましょう。

2)挨拶をしよう。
トレイルでハイカーや観光客など出会う人に「こんにちは」と元気に挨拶をしましょう。こちらから声をかけることで、トレイルを共有する人とコミュニケーションをとりやすくなります。山を走るトレイルランニングには、ここにあるようなマナーや心構えが必要ですが、どれもむずかしいことではありません。たとえば、この挨拶は一般社会で当たり前のこと。ひとりひとりがマナーや心構えを持って走れば、鎌倉のトレイルを利用する他の人々との共存へのきっかけになるでしょう。

3)坂道はハイカー、観光客、親子連れが優先です。
道幅の狭い坂道では、下る人が手前で立ち止まって脇に避け、上る人に道を譲る「上り優先」が普通です。しかし、多くの人が利用するこの鎌倉では、坂道の上り下りに限らず、平坦な道でも状況に応じて臨機応変に判断し、ハイカーや観光客、親子連れに道を譲りましょう。

4)すれ違うときは走らず、歩いて。
a)ハイカーや観光客にとって鎌倉のトレイルは、名所巡りや自然鑑賞のために歩く道です。走って近づいてくるトレイルランナーに「違和感」を感じたり「怖い」と思う人もいるでしょう。トレイルの先にハイカーを認めたら、走るのを止め、歩いて進み、歩いてすれ違いましょう。また、道幅が狭いところでは立ち止まって脇に寄り、ハイカーや観光客に道を譲りましょう。もちろん挨拶も忘れずに。

b)見通しの悪いコーナーや分岐では、その先にハイカーや観光客がいるかもしれません、必ず速度を落とし、歩いて通過しましょう。

c)道幅の狭いトレイルでハイカーや観光客に追いついてしまったときは、前の人の速度にあわせ、後について歩くのが原則です。道幅が広くなったところで、挨拶をして横に並び、歩いて追い越しましょう。
ハイカーや観光客が、後ろについたランナーに気がつき、親切に立ち止まり、脇に避けて道を譲ってくれることがあります。このときも歩いて脇を通り抜け、「ありがとうございます」と、相手の好意にお礼を言いましょう。

5) 後ろから声をかけない方がいいときもあります。
a)「山の中、他には誰もいないはずなのに…うわあ、真後ろに人がいた」、これには誰でもびっくりします。多くの山では、前を行く人に追いついたときは、驚かれないように10mくらい近づいたところで、後ろから「こんにちわ」と声をかけ、こちらの存在に気づいてもらいます。
ですが、この鎌倉では、賑わっている時刻、区間では、前からも後ろからも大勢の人がやってきます。後ろから声を出して存在を気づいてもらう必要はないでしょう。ランナーが来るたびに後ろから声をかけられて嫌な思いをさせてしまうかもしれません、状況に応じた賢い判断が必要です。

b)ひとりひとり間隔をあけてグループで行動しているときは、ハイカーや観光客とすれ違うときに先頭が「あと○人やってきます」、最後尾は「私でおしまいです」などと伝えるのもマナーです。

6)トレイル以外に足を踏み入れない。
a)動植物を傷つけたり、採取してはいけません。裸地(多くの人が通行することで踏まれて植物が育たなくなったところ)を増やさないため、動植物を保護するため、また転倒転落予防のために、トレイル以外は(もちろん路肩も)走ったり歩いたりしてはいけません。

b)階段、丸太などによる段差には、それを避けるための脇道ができていることがありますが、脇道を利用することは裸地につながり、そこに雨水の流れてトレイルが崩壊することもあります。自然環境への影響と安全を考えてトレイルの真ん中を進むようにしましょう。

7)ゴミはすべて持ち帰りましょう。
a)社会常識、ごく当たり前のことです。海でも山でも街でもゴミは持ち帰りましょう。もともとトレイルランナーはゴミになるほどのものを携行しませんが、鎌倉のトレイルを利用する人はランナー、ハイカーの区別なく自分の出すゴミはもちろん、トレイルに落ちているゴミも拾って持ち帰るように心がけましょう。

b)鎌倉は観光客の多くが駅から駅へという行動パターンが多いため、鎌倉市では以下の市内5ヶ所に分別型ゴミ容器を設置しています。こちらを利用するのもいいでしょう。
ごみ容器設置場所:鎌倉駅 東口・西口、北鎌倉駅 県道側・円覚寺側、大船駅 東口

8) すべての責任は自分にあります。
鎌倉市内とはいえ、トレイルは天候、時刻、場所によって危険なところもあり、また季節によってはスズメバチ、マムシなど危険な生物が活発に活動します。トレイルすべてに案内看板が設置されているわけではありません。事前に下調べをし、必要と思われる装備やハイキングコースマップを持参して鎌倉のトレイルを楽しみましょう。

9)走らず、ハイキングを楽しむ時と区間。
鎌倉のトレイルは四季折々の自然の景観、行事などを楽しむために、多くのハイカーや観光客で混雑することがあります。曜日、時刻、区間によってはランニングにはふさわしくないことがあります。市内で開催されるイベント、桜や紅葉の時期を調べ、混雑を避けるようにしましょう。

a)
ここは走りません。
鎌倉トレイル協議会は以下の日時、その区間を「走らず、ハイキングを楽しむ」ようにします。
●天園ハイキングコースのうち
半僧坊〜天園(峠の茶屋) :通年/土日祝10時〜14時。
天園(峠の茶屋)〜獅子舞〜二階堂東電変電所 :紅葉時期(11月第3週〜12月第2週)/終日。
●浄智寺〜葛原岡神社 :通年/土日祝10時〜14時。

b)
集団で走るレース、競技会は開催しません。
ハイカー、観光客、親子連れなど多くの人で賑わう鎌倉のトレイルは集団レース活動はふさわしくありません。トレイルランニングのツアーやクリニックを行う場合は、できるだけ他の利用者の少ないコース、時間帯を選ぶようにします。

※この《鎌倉トレイル・ガイダンス&ルール》の内容は恒久的なものではなく、トレイル利用の状況に応じて追加、修正されます。

kamakuratrail-map

鎌倉市内のトレイルのうち、走らず歩くこととされた区間とその時期。PDFのファイルはこちら

ガイダンス&ルールの紹介ビデオと石川弘樹さん、鏑木毅さんのスピーチ

説明会の会場では、協議会のアドバイザーである石川弘樹さんが実際に鎌倉のトレイルに入って撮影したばかりというルールを具体的に紹介するビデオが紹介されました。さらに内容を充実させて、後日公表予定とのことです。また、石川弘樹さんと同じくアドバイザーである鏑木毅さんから、鎌倉トレイル協議会の活動に協力を求めるスピーチがありました。

紹介ビデオ・鎌倉トレイル協議会「ガイダンス&ルール」説明会 – YouTube

これも読む
マイク・フート Mike Foote・弾みで挑戦した100マイル、危機を乗り越えて見つけたトレイルランニングの魅力【THE NORTH FACEアスリート・インタビュー】

石川弘樹さんスピーチ・鎌倉トレイル協議会「ガイダンス&ルール」説明会 – YouTube

鏑木毅さんスピーチ・鎌倉トレイル協議会「ガイダンス&ルール」説明会 – YouTube

質疑応答では協議会の基本的な方針も話題に

一連の説明が終わった後、説明会の参加者との質疑応答が行われました。その中では、協議会の目指す方向として、トレイルランナーが他の利用者とともに鎌倉のトレイルを利用していくために自主的にルールを作ること、そのために多くのトレイルランナーに協議会の活動に加わってほしいことが説明されました。

【追記・下の質疑応答の動画について、鎌倉トレイル協議会より鎌倉市のボランティア団体(ハイキングクリーン)との間で協議会側の応答の趣旨を確認したため、その趣旨に沿って当サイトが加えた字幕に加筆するよう依頼がありました。当サイトとしてはこれに応じ、字幕の一部に以下の加筆を行いました。

  • 4:13から現れる字幕
    (字幕加筆前)A:地元ボランティア団体(ハイキングクリーン)とは連絡を取り、ガイダンス案についても意見をもらっていて、一定の理解を得ている。

    (字幕加筆後)A:ガイダンス&ルールについては地元ボランティア団体(ハイキングクリーン)から100%の理解は得ていないが、協議会の活動については一定の理解をいただいている。

2014.12.10】

字幕加筆版:来場者との質疑応答・鎌倉トレイル協議会「ガイダンス&ルール」説明会 – YouTube

鎌倉トレイル協議会は会員募集中、講習会参加などの特典もあり

鎌倉トレイル協議会では、ガイダンス&ルールの普及や啓発活動を進めていくために、会員の募集を始めました。年会費は個人会員が3,000円、法人会員が一口10,000円。会員の特典としては、シャツなどにロゴを貼り付けられるアイロンプリントのほか、協議会が会員向けに講習会などのイベントを開催する予定です。入会申込書はこちらからダウンロードできます。

KamakuraTrail-Yagi

会員にはアイロンプリントなどの特典も。

KamakuraTrail application

個人会員が3,000円、法人会員が一口10,000円。入会申込書はこちら

 

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