[DC] 環境省、「国立公園内におけるトレイルランニング大会等の取扱いについて」を公表

年度末となる本日3月31日、環境省国立公園課「国立公園内におけるトレイルランニング大会等の取扱いについて」を公表しました。2月に東京都内で説明会が開催され、関係者の間で注目を集めていましたが、これが「各地方環境事務所長宛て 国立公園課長通知」として公表された形となります。

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この「取扱い」は国立公園内で大会を開催しようとする場合に、環境省とその出先機関が取る対応がまとめられていますが、都道府県などの自治体での判断においても参照されることが考えられ、影響の大きいルールといえます。2月の説明会の直後には一部メディアが国立公園でのトレイルランニング大会は禁止される、といった趣旨で報道したことから関係者やファンの間で論議を呼んでいました。

環境省説明会

2月15日に東京都内で行われた環境省による説明会の模様。

「取扱い」の内容は2月の説明会で出席者に配布された資料(当サイトのレポートをご参照)から大きく変わっていません。

しかし、本日公表された資料と詳しく比較すると、当局側の判断の基準や大会主催者に求める対応がやや具体化され、わかりやすくなっています。例えば、特別保護地区と第1種特別地域では「原則回避」とされていたものが、避けるべき理由が示され、一定の措置が講じられる場合には実情に応じて判断する、とされています。またコースとして設定する上で求められる配慮として登山道外への踏み出し防止柵の設置や、土壌が流出している箇所への養生マットの設置といった例が挙げられています。また、大会の環境に与える影響のモニタリングについてもより具体的な考え方が示されてます。もっとも、こうした具体例が適切で現実的かどうかについては地域により違いがあるかもしれません。

一方で、国立公園の各エリアごとの自然環境や利用実態にあわせて大会の指導や取扱いがなされるのが適当、との文言も明記されました。このこと自体はこれまでも説明されていましたが、この点を明記することで当局の対応が各地で裁量により大きく異なる可能性も残したように思われます。

 

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