海外のトレイルランニングの大会に参加するためのツアーをやっている旅行会社って今までありそうでなかったような気がします。そこに去年の後半から、ヨーロッパやアジアのトレイルランニングのツアーをひっさげて登場したのがフィールズ・オン・アースです。
1月はまだトレイルランニングの大会も少なく、シーズンオフといった感じですが、先月もヨーロッパに出張して各地の大会主催者を訪ねてきたという、フィールズ・オン・アースの久保さんに話しを聞くために東京・赤坂見附のオフィスを訪ねました。
海外のスポーツイベントのツアーならフィールズ・オン・アースへ
(聞き手・DogsorCaravan.com岩佐)こんにちは。いつもお世話になってますが、こちらのオフィスには初めて来ました。赤坂見附のど真ん中じゃないですか。
(フィールズ・オン・アース・久保さん)ようこそいらっしゃいました。小さなオフィスで恐縮です。フィールズ・オン・アースは海外のスポーツイベントに参加するためのツアーをご提案しています。企業の出張や視察旅行、スポーツチームの遠征旅行を手がけている旅行会社、ユーレックスの新しい事業として昨年スタートしました。
なるほど、それでビジネスは順調なんですか?なんか、ウェブサイトをみるとトレイルランニングのレースばっかり並んでますけど大丈夫なんですか?
おかげさまで好評をいただいています。最近、私自身がトレイルランニングにハマっているので、ちょっとトレイルランニングが目立ってますが、、海外のロードマラソンとか、ツール・ド・フランスの観戦ツアーみたいな自転車のイベントもたくさんご提案してますよ。
今一押しのピレネー山脈の3つの大会
でも12月にヨーロッパに行ってトレイルランニングの仕事ばっかりしてたそうじゃないですか。出張の話しを聞かせてくださいよ。DogsorCaravan.comもちょっと役に立ったって聞いてますよ。
DogsorCaravan.comでアンドラ・ウルトラトレイルの記事をみて、面白そうな大会だな、と思って岩佐さんに主催者を紹介してもらって会いに行ってきたんですよ。そうしたら、ピレネー山脈のフランス側、ミディ・ピレネーのあちこちの大会主催者を次々に紹介されたんです。どの大会も日本からもっとたくさんのトレイルランナーに参加してほしい、とすごい熱意でしたよ。
すごいなー、お役に立ててうれしいです。それで早速、フィールズ・オン・アースのツアーにしちゃったんですね。
そうなんです。なんていうか、モンブランとかアルプス山脈に比べるとピレネー山脈は国際的にそんなに有名ではないかもしれませんが、山は本格的で見どころがたっぷりです。麓の町ものどかな雰囲気で、フランスの田舎町らしい感じなんですよね。今日は来年の夏から秋にピレネー山脈で開催される3つの大会を紹介しますね。
山の中の美しいリゾート地、アンドラ・ウルトラトレイル
ピレネー山脈はフランスとスペインの間にあるんですが、二つの国の間に挟まれた山の中にアンドラという国があるんです。アンドラは冬はスキー客で賑わうヨーロッパの人気のリゾート地なんですが、周囲は標高3000m級の山に囲まれていて、登山やハイキングのフィールドとしても有名です。そこで毎年7月に開催されるのがアンドラ・ウルトラトレイルで、今年は7月14日から17日にかけて開催されます。
170kmのRonda dels Cimsはすごい山岳系バリバリのコースだそうですね。2013年に山本健一さんが出場して2位になった様子が日本でもテレビで紹介されました。
山本さんの活躍もあって日本のトレイルランナーは現地では大歓迎です。主催者のジェラールさんに聞いたんですが、何年か前に大会直前にコースに残る雪をかき分ける作業を大会でした時に、日本からの参加者が手伝ってくれたそうです。大会に参加する選手が準備を手伝ってくれたことにみんなで感激した、とおっしゃってました。
コースはかなりハードですが、やりがいはありそうです。フィールズ・オン・アースではエントリー枠付きのツアーをご提供し、大会会場のすぐ近くにホテルも確保しています。
手作り感が楽しいグラン・レイド・ピレネー
アンドラのジェラールさんに紹介してもらって、急遽会いに行ったのがグラン・レイド・ピレネーの主催者のシモンさんです。ピレネー山脈のフランス側で開催される大会で、コースは本格的な山岳コースで一番長いレースは160kmあります。これも相当やりがいがありますよ。
この大会も山本健一さんが2012年に出場して優勝した時、日本でも話題になりましたね。確かUTMBと同じ週末に開催されるんですよね。
今年もUTMBと同じ8月26日から28日に開催されます。国際的なビッグイベントのUTMBに比べると、このグラン・レイド・ピレネーは地元の有志のボランティアがやっている大会で、大会の運営とかも手作り感があってなんとなく温かい雰囲気がありますね。でもこのミディ・ピレネーでは有数の人気大会で地元では大いに盛り上がります。
じゃあ、UTMBを目指していたけど抽選で外れた人はピレネーを経験するいいチャンスになりますかね。
そうですね、実は日本のトレイルランナーの皆さんからすでにそういうお問い合わせもいただいています。今回、フィールズ・オン・アースでは大会側が斡旋する会場近くのホステルの宿泊枠を確保しています。こちらは大会に参加するには便利で、宿泊費も割安なのでオススメです。この宿泊枠は限りがあるので、ピンと来た方はすぐにお問い合わせいただきたいですね。この大会は当社が日本からのエントリーをオフィシャルとして受付します。
世界遺産を走りながら観光できる?カルカッソンヌ
アンドラのジェラールさん、ピレネーのシモンさんから話を聞いたらしく、「うちにも是非来て」とおっしゃるので、カルカッソンヌにも行ってきました。ここは古代ローマ時代に築かれた城塞都市として有名で、街並みが世界遺産に指定されています。この街を拠点に10月13日から15日に開催されるのが、グランレイド・カター / Grand Raid Catharesという大会です。
次々に大会を紹介されるとは、なんかわらしべ長者みたいじゃないですか。この大会もハードなコースなんですか?
いえ、こちらはゴリゴリの山岳コースというよりはカルカッソンヌの丘陵地帯がコースとなっていて、100マイルの累積獲得高度は7,300mD+です。決して簡単ではありませんが、カルカッソンヌやこちらも世界遺産となっているミディ運河も通るので、いくらか観光もしながら楽しめるコースではないかと思います。フィールズ・オン・アースでは日本からのエントリーをオフィシャルとして受付しますので、大会の詳細をこれからお伝えしていきます。
といっても7,300mD+といえばUTMFと同じくらいの登り下りがありますね。そういえば、カルカッソンヌっていうボードゲームもありますね。
そうです、この街がモチーフとなっているみたいですね。フランス料理に豆と肉を煮込んだシチューのようなカスレというのがありますけど、それもこの街がルーツになっています。
自転車の選手からトレイルランナー、そして参加ツアーを始めちゃった久保さんがプロデュース
ところで久保さんはご自身でもトレイルランニングをされていますよね。去年のハセツネではサブ10で完走でしたよね。
ちょっと久保さん自身の話も聞かせてくださいよ。こんなツアーをきめ細かく作ってる人ってどんな人だろうと思っていたんですよ。去年のUTMBで初めて会った時にはフランス語でなんか色々しゃべってたし。
トレイルランニングを始めたのは最近で2013年からです。私は学生時代から自転車のロードレースをやっていて、フランスのクラブチームに参加していたこともあります。その時にフランス語も覚えました。ただ、プロとして競技を続けていく実力はないと考えて24歳で競技としての自転車は辞めました。
しばらくスポーツからは離れていたんですが、36歳の時に「激走モンブラン」でUTMBの映像を観て「こんなスポーツがあるんだ」と衝撃を受けました。その時から少しずつ走り始めました。走るようになったのはそれが初めてです。そこから丹沢の山を走ったり、自宅からも近い三浦縦断のレースを完走してどんどんハマって行きました。道志村、東丹沢、北丹沢と次々にレースに出ました。信州戸隠で思いがけず年代別1位になったのは嬉しかったですね。
うーむ、「激走モンブラン」でハマっていったとは私と同じパターンじゃないですか。
昨年2015年は初めてのフルマラソンとして横浜マラソンを走って2時間54分でした。ハセツネにも初めて参加して9時間35分で完走しました。6月にはモンブランマラソンの80kmに出ました。かなり苦しかったですが、フランス時代の友達がサポートや応援をしてくれて、楽しかったですね。フランスでトレイルランニングがブームになっていることも肌で感じました。
それで、「フィールズ・オン・アース」を始めてしまったと。夢のような仕事じゃないですか!
そうですね、たまたま知り合いを通じてユーレックスの社長を紹介されたんですが、こういう海外のスポーツイベントのツアーを立ち上げたいというお話を聞いて。それで「フィールズ・オン・アース」をはじめることになったんです。
フィールズ・オン・アースだからできること
でもUTMBに行くような人だと、旅慣れていて全部自分で準備した方が安いっていうことにならないですか?
そうかもしれませんね。でもトレイルランニングを楽しんでいる方で海外に行きたいけど自分だけではどうしたらいいかわからない方もたくさんいらっしゃると思うんです。そうした方にも夢のレースを経験するお手伝いができたらいいなと思っています。それに旅慣れた方でも、飛行機がついてから宿泊先までの移動とか、現地での宿泊の手配とか、買い物やコースの下見の仕方とか、わかりにくいことが多いでしょうし、実際行ってみたら調べた通りじゃなかったっていうこともあると思います。そのあたりを「フィールズ・オン・アース」に任せていただければ、大会をもっと楽しめると思いますよ。
「フィールズ・オン・アース」ではトレイルランニングを応援する企画もされてますよね。それも久保さんのアイディアですか?
そうなんです!「フィールズ・オン・アース」の海外レース参加ツアーに参加された方で素晴らしい成績を上げた方には、当社の他のツアーにご招待するキャンペーンを始めました。あと、今年からジャパン・スカイランニング・アソシエーション(JSA)のオフィシャル・ツアー・オペレーターとなりました。今年7月のスカイランニング世界選手権に参加する日本代表選手の遠征旅行などを全面的にサポートしていきます。
さすが、トレイルランニングをやってる久保さんがプロデュースするなら、これからも「フィールズ・オン・アース」から面白いツアーが出てきそうですね。久保さん自身は今年はどんなレースに出るんですか?
今年は今月開催されるUTWTの開幕戦となる、Hong Kong 100の参加ツアーに帯同しますので、私もレースを走るつもりです。他にも去年、力を出し切れなかったモンブランマラソンとか、UTMBのCCCとか、あとスカイランニングのレースにも出てみたいですね。秋はハセツネでしょ、、
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