167km、累積獲得高度8,073mD+の登山道や林道、舗装路でつなぐコースを一気に駆け抜けるトレイルランニング・イベントが今年も富士山麓で行われます。2012年にスタートし、今回が5回目となるウルトラトレイル・マウントフジ / Ultra-Trail Mt. Fuji(UTMF)が来週末の9月23日金曜日から25日日曜日にかけて開催されます。この記事では今回のUTMFの見どころと注目の有力選手を紹介します。【追記・アスリートの追加や出場見送りの情報を随時追記していきます。】
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当サイトでは来週からUTMFが開催される河口湖をはじめとする富士山麓に入り、大会の模様を現地からお届けします。そして大会当日は167kmのUTMFのレースを中心に上位選手のレース展開をライブ速報します。速報はTwitterアカウント / @DogsorCaravanを中心にお送りしますので、ぜひフォローしてご覧ください。
今回の当サイトのUTMFのレポートは、The North Faceのご協賛によりお送りします。
今年のUTMFは9月22日木曜日午後から選手の受付(ナンバーカード引換え)が始まります。9月23日金曜日午後1時に167kmのUTMFがスタート。翌朝の24日土曜日午前8時過ぎには最初のフィニッシャーが河口湖・大池公園に到着する見込みです。その後、24日土曜日の正午に71kmのSTYが富士山こどもの国をスタート。STYの優勝者はその日の午後8時前に大池公園にフィニッシュします。
日本における国際的な100マイル・トレイルランニングレースとして随一の存在
日本における国際的なウルトラトレイル・レースとして国内外から注目を集めている今回のUTMFは世界の代表的な長距離トレイルランニングレースから構成されるシリーズ戦、Ultra-Trail® World Tourの全12戦の第11戦となります。日本国内のトレイルランナーにとっては国内ではまだ数少ない100マイルレースに挑戦する貴重な機会であり、とりわけ自らの力を試したい有力アスリートにとっては国内で世界トップクラスの競技レベルのレースを走るチャンスです。海外のトレイルランナーにとってはこのスポーツが世界に広がっていることを象徴する憧れの存在。とりわけ特にアジア諸国からの参加者は年々増え続けています。
ちなみに今回はUTMFに1474人、STYに1074人の計2548人がエントリー。女性は全体の20.3%(UTMFは17.8%、STYは23.6%)で、今年のUTMB全レース計の女性比率が13%であったことから考えると、UTMFは女性比率が高いといえます。40の国と地域からエントリーしており、そのうち日本からの参加が78.9%。海外からは中国が10.5%(うち香港が6.0%)で最も多く、フランス(1.6%)、オーストラリア(1.1%)、アメリカ(1.0%)と続きます。このほか、10人以上の参加がある国はシンガポール、イギリス、台湾、タイ、マレーシア、カナダです。
UTMFの有力選手は?
ウルトラトレイル・マウントフジ / Ultra-Trail Mt. Fujiのメインイベントとなるのが167km / 8,037mD+のUTMFで、9月23日金曜日午後1時にスタート。例年通り河口湖畔がスタート・フィニッシュ地点となりますが、昨年までの八木崎公園から今年は2012年の第一回大会の会場となった大池公園に会場が移りました。コースは2012年の時計回りに始まって昨年までは毎年向きが交代していましたが、今回の2016年大会は昨年と同じ反時計回りとなります。コースは昨年と比べると前半の難所である天子山地のトレイルが少し減ったほか、エイドステーションも一部配置が見直されています(詳しくは当サイトの解説記事をご覧ください)。制限時間は46時間、エイドステーションは13ヶ所(うち4ヶ所は給水のみのウォーターエイド)です。
毎年、コースが変更されているものの、今年のコースに近い前回2015年大会の優勝タイムは男子が20時間40分58秒(ジェディミナス・グリニウス / Gediminas Grinius)、女子が25時間34分2秒(ウシュエ・フライエ / Uxue Fraile)でした。
女子 / Women
今年のUTMF女子は、例えばUltra-Trail® World Tourでトップ3に入るような海外のトップ選手がエントリーしていません。そのためレースとしては国内のトップ選手を中心にした接戦となる可能性が高いでしょう。
優勝候補
先月のUTMB®︎で女子8位、29時間17分という好タイムで日本人女性として初めて表彰台に立った丹羽薫 / Kaori Niwa。UTMFでは2014年に8位、昨年は日本人女性として最高位の4位(26時間52分)。昨年はこのほかにもTransvulcania 73kで9位、ハセツネ・カップで4位、今年7月のスカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kで12位。先月のUTMB®︎からわずか4週後では万全のコンディションとはいえないはずですが、今回のUTMFの優勝候補として最も注目を集める存在です。
一方、丹羽に続いて昨年のUTMFで5位(27時間39分)だったのが高島由佳子 / Yukako Takashima。当サイトも現地からレポートした2014年信越五岳で高島は11時間56分で大会記録を大幅に更新しましたが、その実力の持ち主であれば、UTMFではもっとこう記録もねらえるはず。信越五岳が開催される妙高市在住の高島は多くのトレイルレースには出場しておらず、今年はEchigo Country Trail 50kで優勝(男女総合で5位)となっているのみ。今年のUTMFに焦点を合わせているのならば、また周囲を驚かせる結果になるかもしれません。そして星野(旧姓福田)由香理 / Yukari Hoshino, née Fukudaも優勝候補の一人です。昨年のUTMFは丹羽、高島に続く6位(29時間8分)。昨年は他にもITJ 72kと美ヶ原80kで優勝、ハセツネ・カップで2位、今年に入ってからKorea 50k優勝に続き、6月にUltra Skymarathon Madeira 55kで9位、スカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kで8位など、海外のレースに積極的に挑戦して結果を残しています。昨年も上位を争った丹羽や高島とどんなレースをするか、注目です。海外からの参加ではシルケ・コースター / Silke Koester(アメリカ)が優勝争いに加わるでしょう。先月のUTMBを33時間0分で女子14位で終えたばかりですが、Bighorn 100で昨年優勝、今年3位。この他にも今年4月のGorge Walterfalls 100kでは女子8位。その実力は日本のトップ選手と互角ですが、今年で3本目の100マイルレースとなるとベストのパフォーマンスは難しいかもしれません。この他、昨年のSTY女子優勝の宮﨑喜美乃 / Kimino Miyazakiにも注目です。【追記・宮﨑喜美乃は脚の故障からの回復を見極め、今回出場を見送ります。】
【追記・フェルナンダ・マシェール / Fernanda Maciel(ブラジル・スペイン在住)が今年のUTMFに参加することを確認しました。UTMFでは2012年のSTYで優勝、2014年に2位、昨年2015年は3位という活躍でおなじみ。UTMB®︎でも2012年に7位、2014年に4位と、ウルトラ・トレイルのイベントでは世界中で活躍。今シーズンはサハラ砂漠マラソン / Marathon des Sablesで3位、Lavaredo Ultra Trailで3位、スカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kで5位。今回のUTMFでは文句なしの優勝候補です。ただ、出場を予定していた今年のUTMB®︎は体調が優れず、医師のアドバイスで参加を取りやめています。今回はドクターのお墨付きを得ての参加とのことですが、無理をしないで笑顔でフィニッシュに期待したいところです。】
トップ10圏内を狙うみなさん
コリーヌ・ウィリアムズ / Corinne Lynda Williams(アメリカ)の名前を知る人は多くないかもしれません。ウィリアムズがトレイルを走るようになったのは現在住む沖縄に来てからですが、昨年の信越五岳では14時間2分で優勝(当サイトとのインタビューはこちら)。今年1月のHong Kong 100で4位になっています。その後はトレイルのレースの記録はありませんが初めての100マイルとなる今回の走りに注目です。今年6月の菅平42kで優勝(当サイトとのインタビューはこちら)している浅原かおり / Kaori Asaharaは昨年の白馬国際53kで4位、STY4位、ハセツネ・カップで6位で今年は美ヶ原80kで3位。シー・ヤンシュー / Yanxiu Shi(中国)は昨シーズンに精力的にアジアのレースに出場し、3月のTranslantau 100kで4位、4月のTNF 100 Taiwan優勝、5月のTNF 100 China – Beijinで2位、6月のTNF 100 Philippinesで3位、12月にTNF 100 Hong Kongで3位。昨年のUTMFでは22位(34時間32分)でした。今年はレースは控えめで上位を狙います。大庭知子 / Tomoko Obaは国内のレースで上位常連、昨年のUTMFで15位。2014年ハセツネ・カップでは9時間50分で4位。鴨井夕子 / Yuko Kamoiは昨年のOSJおんたけウルトラ100kで2位、ハセツネ・カップでは2014年に6位、15年に7位。今年は5月の八ヶ岳野辺山100kで優勝し、8月にはアメリカのKatcina Mosa 100kで4位に。今回のUTMFが初めての100マイルとなります。黒田清美 / Kiyomi KurodaはUTMFは2013年から続けて出場していて、14年に9位、15年に7位。この他にも2014年上州武尊山120kで2位、2015年HURT100で3位など100マイルをはじめとする長距離に強いランナー。新保佳代 / Kayo Shinboは信越五岳で2014年4位、2015年2位。今年は先月UTMBを完走して31位になったばかり。STYには2014年に出場して4位となっていますが今回が初めてのUTMFとなります。
さらに注目の選手の皆さん
- 政正恵 / Masae Masa:2015年上州武尊山120kで優勝、2015年神流MR&Wの50kで優勝。今年のトレニックワールド外秩父50k優勝。
- シュー・シャオホン / Xiaohong Xu(中国):2015年TNF 100 China-Beijinで4位、Yangshuo Maxi Race 110k優勝、2016年Ultra-Trail HZ 100kで2位。
- 岡さゆり / Sayuri Oka:2013年信越五岳で8位、今年の菅平42kで7位。
- 野間陽子 / Yoko Noma:2014年スパトレイル4位、2015年OSJ山中温泉71kで4位、2015年ハセツネ・カップ13位。2016年OSJおんたけウルトラ100kで4位。UTMFでは2014年に21位。
- 中村雅美 / Masami Nakamura:2015年UTMF13位。
- 坂井優里 / Yuri Sakai:2014年UTMFで13位、2015年STYで9位、2014年Cascade Crest 100で9位。
- 伴明美 / Akemi Ban:UTMFで2014年10位、2015年ITJで9位、UTMB29位。
- 關利絵子 / Rieko Seki:2015年STYで6位、2014年白馬国際50kで2位。
- 金原由貴江 / Yukie Kimpara:今年2016年のOSJおんたけウルトラ100kで優勝、2015年UTMFで18位。
男子 / Men
男子もここ数年のように海外からトップ選手が勢ぞろい、とはいきませんが、見ごたえのあるレースとなるでしょう。
優勝争いに加わるのはこの4人
世界の最高峰のトレイルランニング・レース、UTMBで二回優勝。それだけでグザビエ・テベナール / Xavier Thevenard(フランス)を優勝候補に挙げるには十分でしょう。2010年のCCCで優勝しているとはいえ、2013年のUTMBを25歳で優勝した時はほとんど無名でしたが、2014年にTDS、2015年に再びUTMB、そして今年は55kmのOCCで優勝。今やUTMBの顔ともいえる存在で、今年はHardrock 100で初めてアメリカのレースに出場。キリアンとジェイソン・シュラーブがタイで優勝したのに続く3位。今回のUTMFでの活躍が期待されますが、UTMFのコースはUTMBやHardrockと比べると比較的走りやすいパートが多く、テクニカルな山岳パートは少なめ。ホームグラウンドではない日本での初レースであることも影響するかもしれません。
かたや今回アメリカから初来日のディラン・バウマン / Dylan Bowmanはアメリカの「走れる」トレイルランニングレースの実績豊富。アメリカの伝統ある100マイルレース、ウェスタンステイツでは2012年の7位、2013年5位、そして2014年には3位。シーズン最終盤にトップ選手が集結するTNFEC 50 mile Championshipでは2015年に2位。アメリカ以外でも昨年はTarawera 100k、TNF 100 Australia(現在のUltra-Trail Australia)とUltra-Trail® World Tourのシリーズ戦で連勝して注目を集めました。テベナールとはタイプが違うものの、トレイルランナーとしての実力は互角。先に触れたようなUTMFのコースの特徴からすれば、バウマンに分がある、といえるかもしれません。今シーズンは地元カリフォルニアのレースに出ながら調整し、UTMFに焦点をあわせてきたといいます。
イギリス出身でアメリカ・コロラドに住むライアン・スミス / Ryan Smithは2015年に活躍が際立ったランナーで、春のSean O’Brian 100kで優勝、ウェスタンステイツで16位、UTMBで8位、そしてTNFEC 50 mile Championshipでは2位のディラン・バウマンに12分差の5位。今回のUTMFでも優勝争いに加わるシーンがあるかもしれません。ただライアン・スミスも先月のUTMBを25時間37分の20位でフィニッシュしたばかり。今回はベストのパフォーマンスではないかもしれません。ちなみに今回は上記の女子有力選手として紹介したシルケ・コースター / Silke Koesterと夫婦でUTMFに参加します。
そして日本からは原良和 / Yoshikazu Hara。2013年のUTMF優勝者として日本だけでなく世界のトレイルランナーにその名を知られる存在で、24時間走の世界歴代2位(285.366km、2014年 Soochow International Ultramarathon)の記録、100kmロードウルトラマラソンでは世界選手権日本代表の経験を持つウルトラマラソンランナーとしても活躍。トレイルランニングでも信越五岳で三度優勝と大会新記録(2014年、10時間17分)、Tarawera 100kで2015年3位、2016年4位、今年3月のTranslantau 100kで優勝。最近では7月のAndorra Ultra Trail 170kに出場してリタイアしていますが、その際の当サイトとのインタビューでは「UTMFを今年の目標にしている」と話しています。2013年のUTMFでは海外のトップ選手を迎えて日本のアスリートとして負けるわけにはいかない、と闘志を隠さなかった原。上記の顔ぶれをみて2013年と同じ闘志が湧き上がってくれば、今回もドラマを見せてくれるでしょう。
トップ10を巡って
2013年からは毎年来日してUTMFに参加しているセバスチャン・シェニョー / Sebastien Chaigneauは日本でも人気のアスリート。日本食の大ファンでアスリートにとって理想的だと普段の食事にも取り入れているというエピソードもよく知られています。UTMFでは2009年に2位、2011年に3位。Transgrancanaria 120kで2012年、13年に優勝。2013年はUTMFで3位の後、Hardrock 100優勝という輝かしいキャリアの持ち主ですが、2014年からの2年間は体調を崩しがちで長い距離のレースからは遠ざかっていました。今シーズンは3月のTransgrancanaria 125kで14位、6月の80km du Mont-Blancで9位、9月はじめのUltra Tour Monte Rosa(3ステージ、計116km)で2位と順調な模様で、今回のUTMFが2年ぶりの100マイルへの挑戦です。笑顔でフィニッシュする姿がみられるなら、トップ10の上位に入ることもあるでしょう。小原将寿 / Masatoshi Obaraと大瀬和文 / Kazufumi Oseはともにトレイルランニング、特に長距離では日本を代表する存在でよきライバル同士。小原は先月のUTMBで16位とトップ20入りを果たしたばかりで、4月には奥三河70kで優勝。2015年はUTMFでも日本選手最高位の5位、峨山道とITJでは優勝。大瀬の今シーズンはHong Kong 100で7位、奥三河70kで3位、比叡山50kで優勝。昨年のUTMFでは小原に次ぐ6位でした。今回のUTMFでもお互いに競り合って上位を目指すシーンが見られるかもしれません。ちなみに二人の直接対決のケースでは次のように小原が勝ち越しとなっているようです。
- 2016年:UTMBでは小原が16位、大瀬が108位。奥三河70kでは小原が優勝、大瀬が27分差の3位。
- 2015年:UTMFでは小原が5位、大瀬が15分差の6位
- 2014年:UTMFでは小原が19位、大瀬が18分差の21位。UTMBでは大瀬が23位、小原が46位。
- 2013年:信越五岳では大瀬が3位、小原が4位。ハセツネでは小原が4位、大瀬が12位。
小林慶太 / Keita KobayashiはUTMFで2014年に8位、昨年2015年は9位と2年連続で表彰台に登っており、海外選手が少なめの今年はさらに上位をねらえるはず。Hong Kong 100、TNF 100 Australia、UTMB、Templiersと海外レースも含め多くのレースが続いた昨年に比べ、今年は6月下旬にLavaredo Ultra Trail 119kに出た程度でレースは少なめ。今回のUTMFに焦点を合わせている様子が伺えます。海外勢では昨年のUTMFで小原、大瀬に続く7位だったサンゲ・シェルパ / Sange Sherpa(ネパール)が再びやってきます。毎年、年間を通じて数十のレース(大半は50km以上の長距離のもの)に出ているサンゲは8月にはUTMBを24位(26時間12分)でフィニッシュしたばかり。UTMBからのリカバリーについては無用な心配なのかもしれません。フランス在住でフランスのファンにも人気のアスリートです。フランスからはベノワ・ジロンデル / Benoit Girondelも参戦。これまでのリザルトをみると60-80kmくらいのレースを中心に活躍していますが今年はUltra-Trail® World Tourの一つとなって有力選手が集まったMIUT(マデイラ島)115kで8位になっているほか、2013年にはレユニオン(Diagonale des Fous 164k)で6位になったこともあります。そして、アメリカからはニカデマス・ホロン / Nickademus Anthony Hollon。当サイトがニック・ホロンの姿を初めて見たのは2014年のトル・デ・ジアン / Tor des Geantsで2位になった時。スピード勝負というよりはトル・デ・ジアンのように超長距離・長時間、高難度のイベントに好んで出ているようで、2013年にはBerkley Marathons完走、2014年Andorra Ultra Trail 170kで2位、Hardrock 100のカナダ版ともいわれるFat Dog 120mileで昨年優勝といった具合。100マイルのレースではハワイのHURT 100に毎年のように出ており、2015年3位、2016年に6位。恐らく今回が初来日で、富士山のトレイルをどう感じるのか聞いて見たいところ。
さらに注目の選手の皆さん
- 野本哲晃 / Tetsuaki Nomoto:2014年UTMFで7位(日本選手最高位)、2013年UTMFで11位。2015年TNF 100 Australiaで12位。OSJおんたけウルトラ100kで2009年、11年優勝。
- 加藤晶文 / Masafumi Kato:2015年ハセツネ・カップ5位。100マイルレースは今回初。第1空挺団所属。
- 須賀暁 / Satoru Suga:2014年スパトレイル3位、ハセツネカップ9位。UTMFは昨年2015年に30時間38分で60位。
-
鬼塚智徳 / Tomonori Onitsuka:2015年スパトレイル優勝、OSJおんたけウルトラ100kで2位。UTMFでは2014年にSTYで3位、2015年にUTMFで11位。今年のスパトレイルで4位。
- いいのわたる / Wataru Iino:Hong Kong 100で2015年7位、2016年9位。2014年上州武尊山120kで7位。ステージレースの活躍でも知られ、2012年サハラ砂漠マラソン / Marathon des Sablesで9位、2014年Madagascar Raceで2位、2016年Sahara Race Namibiaで優勝。100kmのロードウルトラマラソンでは今年六月の飛騨高山100kで3位。
- 松永紘明 / Hiroaki Matsunaga:昨年のUTMFで10位。CCCで2015年に23位、今年2016年に18位。2016年Ultra-Trail Tai Mo Shanで3位。
- ジョン・エリス / John Ellis(オーストラリア、香港在住):TNF 100 Hong Kongで2014年3位、2015年2位。Translantau 100kで2014年3位、2016年4位。昨年のUTMFでは32位。
- 田坂洋範 / Hironori Tasaka:2016年Antelope Canyon 50mile優勝、美ヶ原80kで3位、八ヶ岳野辺山100kで8位。2014年OSJおんたけウルトラ100kで優勝。2015年信越五岳5位、2014年上州武尊山60kで4位。
- 今西泰彦 / Yasuhiko Imanishi:2014年OSJおんたけウルトラ100マイル優勝、2015年同100kで5位。昨年のUTMFで30位(27時間24分)
- 高橋和之 / Kazuyuki Takahashi:2015年上州武尊山120kで2位、UTMFで19位(26時間17分)。今年の奥三河70kでは7位。
- 山屋光司 / Koji Yamaya:2015年Hong Kong 100で10位。2015年Bighorn 100で16位、2016年Cascade Crest 100で17位。UTMFでは2012年に6位、2013年に8位。
- 吉田賢治 / Kenji Yoshida:2015年ハセツネカップで19位(8時間39分)。2015年ITJで12位。UTMFでは2012年16位、2013年26位、2014年93位。
- 鳥海宏太 / Kouta Toriumi:2015年UTMFで12位。2014年OSJおんたけ100kで3位、2015年同優勝。
- 大作健次郎 / Kenjiro Osaku:2015年UTMFで13位、2014年同21位。
- 田中裕康 / Hiroyasu Tanaka:2016年Cascade Crest 100で7位。2015年OSJ KOUMI 100優勝。
STY
UTMFのコースの東側、後半部の71km / 3,613mD+をコースとするのがSTYで、UTMFがスタートした翌日、24日土曜日の正午に富士山こどもの国(静岡県富士市)をスタートします。制限時間は20時間、エイドステーションは5ヶ所(うち1ヶ所は給水のみのウォーターエイド)。前回2015年大会の優勝タイムは男子が8時間20分7秒(セバスチャン・シェニョー / Sebastien Chaigneau)、女子が10時間12分24秒(宮崎喜実乃 / Kimino Miyazaki)でした。
女子 / Women
STY女子の有力選手の中で経験と実績で頭一つ飛び抜けているのはマリー・マクノートン / Marie Mcnaughton(ニュージーランド、香港在住)でしょう。香港をベースに、例えば今年はTranslantau 100k、MSIG Sai Kung 50kで優勝。TNF 100 Hong Kongで2014年2位、2015年優勝。海外から有力選手を集めるHong Kong 100では2015年4位、2016年7位。今年はUltra-Trail® World TourのレースではUltra-Trail Australia 100kで6位、Lavaredo Ultra Trail 119kで5位、そして先月のUTMBで15位(33時間56分)。順当に行けばマクノートンが初めての日本でのレースを制するでしょう。それを迎えるのは日本のトレイルランニング界のクイーン、2014年日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー稲葉賞受賞の大石由美子 / Yumiko Oishiです。ハセツネカップで2011年、13年に優勝、2013年ITJ優勝でしたが2014年に膝に大きなケガをしてからはレースから遠ざかっていました。しかし、今年四月には奥三河70kで優勝。昨年2015年に2位となったSTYに再びエントリーしています。さらに昨年のSTYで3位の上宮逸子 / Itsuko Uemiyaも優勝争いに加わるでしょう。2013年、2014年に信越五岳で2位。昨年はフランスのTrail Nivolet Revardで5位、OSJおんたけウルトラ100kでは3位、今年二月のSean O’Brien 50では5位と海外での経験も積んでいます。海外からは今年のHong Kong 100で6位のエミリー・タン / Emilie Tan(カナダ、オーストラリア在住)、53歳の大ベテランながら今も中国を中心に出場するレースでは上位常連のシン・ルーリン / Ruling Xing(中国)に注目、シン・ルーリンは昨年UTMFに参加して27位(36時間7分)。TNF 100 China-Beijinでは2009年に優勝、10年に2位、12年に3位、13年に3位、14年に2位、15年優勝、16年4位、と上位に君臨しつづけています。
そのほか、上位が見込まれる皆さんは次の通り。
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松井一葉 / Kazuha Matsui:昨年2015年のハセツネカップで5位(9時間58分)。この時の当サイトとのインタビューはこちらから。
- 太田美紀子 / Mikiko Ota:今年2016年奥三河70kで2位。昨年のハセツネカップで12位。
- 折戸小百合 / Sayuri Orito:昨年2015年の画山道4位。今年は比叡山50kで6位、菅平42kで4位、Zao Skyraceで5位。
- 芦澤ひとみ / Hitomi Ashizawa:2015年白馬国際50kで3位、美ヶ原80kで4位、びわ湖高島フェアリートレイルで2位。
- 三浦枝利子 / Eriko Miura:2016年奥三河70kで7位。
- 江守美加子 / Mikako Emori:2015年白馬国際50kで5位。
男子 / Men
STYでは昨年に3位、4位だった大杉哲也 / Tetsuya Oosugi、ヴラド・イクセル / Vlad Ixel(オーストラリア、香港在住)が今年のSTYに戻ってきました。昨年は優勝したセバスチャンに20分差の3位だった大杉は関西の伝統あるイベント、ダイトレ(大阪府登山競走大会)で優勝を重ねるなど、関西ではよく知られた存在でしたが2013年に初めて出場したハセツネカップで2位となって全国のファンの注目を集めました。今年は比叡山50kで最後まで大瀬和文とせり合いを続けて結局タイでフィニッシュして優勝。今年は大瀬和文や小原将寿らとともに十月にポルトガルで開催のIAUトレイル世界選手権に日本代表として出場しますが、その前にこのSTYで大きな勝利を手にすることができるか。ヴラド・イクセルの昨年STYでの4位は大杉から16分の差でした。今シーズンはTNF 50 Thailand、Translantau 50k、TNF 50 Koreaで優勝、Transvulcania 73kで12位になっています。
この二人に続くと思われるのが昨年のハセツネカップで2位となった三浦裕一 / Yuuichi Miura。あまりたくさんのレースには出ない三浦は今年は七月に美ヶ原45kに出ていて3位。今年の活躍の舞台に選んだSTYで昨年のハセツネの時のような快走に期待です。そしてジェレミー・リッチー / Jeremy Ritcey(カナダ、香港在住)がUTMFに戻ってきました。最初の年、2012年にはSTYに出場して4位、その後2013年、2014年はUTMFに出たもののDNFとなっています。今年に入ってからはHong Kong 100(17位)、Translantau 100k(2位)のほか、Ultra-Trail Australia(28位)、Eiger Ultra Trail 101k(20位)、TDS(37位)に参加しています。
さらにこれらの選手に続いて上位を目指すみなさんは次の通り。
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吉原稔 / Minoru Yoshihara:2016年奥久慈50k優勝、奥三河70kで2位、Zao Skyrace 22kで2位。
- 谷口佳希 / Yoshiki Taniguchi:2015年白馬国際50k優勝、2015年霧島えびの高原エクストリームトレイル60kで2位。
- 荒木宏太 / Kota Araki:2014年ハセツネカップで16位(8時間5分)。
- 西村好康 / Yoshiyasu Nishimura:2014年、2015年STYでともに6位。
- 半田佑之介 / Yunosuke Handa:今年の美ヶ原45k優勝、2014年と2015年の白馬国際50kで2位。
- 牧野公則 / Masanori Makino:2016年ハセツネ30kで2位、奥久慈50kで5位。2015年STYで8位、ハセツネカップ10位。
- 寺尾修 / Osamu Terao:STYで2013年5位、2015年10位。2016年比叡山50k優勝。2015年ハセツネカップ34位(8時間54分)。
ウルトラトレイル・マウントフジ Ultra-Trail Mt. Fuji観戦に役立つリンク
- ウルトラトレイル・マウントフジ Ultra-Trail Mt. Fuji大会ウェブサイト
- 各レースのコース詳細図、高低図、エイドステーション・チェックポイントの一覧と通過予定時刻の目安
- 大会の競技規則、必携装備品
- 過去の大会のリザルト(2012年、2013年、2014年、2015年)
- 各レースに参加する全ランナーの通過状況などが一覧できるLiveTrail®のウェブサイト
- 大会の公式Twitterアカウント @UTMtFUJI
- 大会の公式Facebookページ
- 大会の様子を伝えるインターネット動画(ウェブサイトが公開され次第リンクします)