今週末の7月1日土曜日にinov-8 CUP 美ヶ原トレイルランが開催され、その中でも80kmのレースは今年のスカイランニング日本選手権(Sky Ultraカテゴリー)となっており、来年2018年開催予定のスカイランニング世界選手権の日本代表選考レースともなっています。
Sponsored link
爽やかな夏の信州の高原エリアで開催される美ヶ原トレイルランの模様を、当サイトでは現地からリアルタイムのライブ速報をお送りします。速報は当サイトのTwitterアカウント(@Dogsorcaravan)を中心にお送りする予定です。ぜひフォローしてご覧ください。
今回のライブ速報はinov-8のご協賛によりお届けいたします。
稜線や牧場からの眺めが美しいコース、後半は十分な補給を
80kmのコースは距離79.50km・累積獲得高度3,980mD+。夜明け前の午前4時に大会全体のメイン会場となるブランシュたかやまスキーリゾート(長野県長和町、標高1,374m)をスタートします。スタートからの4kmあまりで標高差400mを登り、ゼブラ山へ。西へと向かい、ここから大きな時計回りのループを進むことになります。最初のエイドとなるA1和田峠(約14km地点)からは三峰山、茶臼山へと進む稜線上のトレイルで美ヶ原牧場へと向かいます。標高2000m前後の高原の美しいトレイルはコース全体のハイライトのひとつとなります。美ヶ原にある山本小屋付近に二つ目のエイド(A3、約26km)があります。
美ヶ原高原を抜け、物見石山(約27.5km地点)からは標高差1,200mほどの下りでコースの中間となるA4和田宿のエイドへ(約39km地点)。谷間にある中山道の宿場町はコース上で最も標高が低いせいもあってかなり暑く感じます。ここからは水沢峠の上り下りを経てA5長門牧場(約57.5km地点)まで700mほどの登りとなり、距離も長いのでA4和田宿での補給が重要となります。
長門牧場からはA6大門峠(約67km地点)までは森の中のふかふかしたトレイルを楽しめます。しかし高低図にある以外のアップダウンがあり後半の頑張りどころとなりそうです。大門峠からは標高差350mの最後の登りが待ち受けますが、南の耳(1,838m)を越えると残るは6kmほど。フィニッシュ地点のブランシュたかやまスキー場へとフィニッシュします。制限時間は午後8時までの16時間となっています。
コースの概要については、大会ウェブサイトにコースディレクター・ゆうじん氏による詳しいコースガイダンスが掲載されています。
また、美ヶ原トレイルランでは80kmの他に45km(午前8時スタート)、14km(午前9時スタート)のレースも行われます。
80kmの部は今年のスカイランニング日本選手権
80kmのレースは今年のスカイランニング日本選手権(Sky Ultraカテゴリー)となっていて、男子上位3人、女子上位1人(辞退者があった場合は繰り上げ)が来年2018年開催予定のスカイランニング世界選手権の日本代表選考基準を満たします。
なお、今年のスカイランニング日本選手権の日程は次の通りです。
- 5月3日 YOUTH:上田バーティカルレース/Ueda Vertical Race(5km +1000m、長野県)
- 6月10日 SKY SPEED:サナダバーティカル100/Sanada Vertical 100(0.3km +300m、長野県)
- 7月1日 SKY ULTRA:美ヶ原トレイルラン/Utsukushigahara Trail Run(80km +3800m、長野県)
- 9月9日 VERTICAL:蔵王バーティカルレース/Zao Vertical Race(4.6km +900m、山形県)*スカイランニングアジア選手権としても開催
- 9月10日 SKY CLASSIC:蔵王スカイレース/Zao SkyRace®(28km ±2100m、山形県)*スカイランニングアジア選手権としても開催
有力選手紹介
2年前の2015年に続いてスカイランニング日本選手権となる今回の美ヶ原には2年前と同様に国内の有力アスリートが集まります。
女子
一昨年2015年のスカイランニング日本選手権となったこの大会で優勝した星野由香理 Yukari Hoshinoが今回の美ヶ原に戻ってきます。昨年の国内のレースではびわ湖バレイVK・スカイレースでともに優勝、西米良優勝、短縮されたUTMFで6位。海外ではKorea50kで優勝、Ultra SkyMarathon® Madeira 55kで9位となった後、7月のスカイランニング世界選手権・BUFF® Epic Trail 105kで8位。今シーズンはレースは控えめですが4月にはKorea50kで2位になっています。今回も日本選手権チャンピオンの最有力候補といえるでしょう。2015年に丹羽薫と競り合って美ヶ原80で優勝した際のタイムは10時間2分36秒でした。
星野と優勝を争う可能性があるのは浅原かおり Kaori Asaharaでしょう。昨年は菅平42k、野沢温泉60k優勝のほか、ハセツネCUP3位、スカイランニング日本選手権・志賀高原エクストリームでは2位、ITJで2位、OSJ新城2位、富士山麓で2位、短縮されたUTMFで8位と多くの大会で活躍。今年も5月のMt. Hiei 50kで優勝しています。昨年の美ヶ原80kにも参加していて優勝した北島良子、2位の鈴木潤子に続く3位で11時間43分でフィニッシュ。昨年の経験を活かしてどれくらい自身のタイムを縮めてくるかに注目です。
【追記:今回の80kmにエントリーしている岩村聖華 Seika Iwamuraは先シーズンまで実業団の長距離ランナーとして活躍した経歴を持ち、フルマラソンPRは2時間33分15秒(2010年大阪国際女子)。今シーズンから取り組んでいるトレイルでは5月のひろしま恐羅漢トレイルのミドル(27km)で優勝・男女総合10位でした。天候に恵まれて持ち前のスピードが活きれば優勝争いに加わるでしょう。2017.06.26】
その他、当サイトの注目するのは次の皆さん。
- 宮島亜希子 Akiko Miyajima: 2016年美ヶ原45kで4位、信越五岳110kで5位、2017年阿蘇ラウンドトレイルで6位。
- 安田直子 Naoko Yasuda: 2015年Fairy Trailびわ湖高島40kで4位、2016峨山道75kで3位。
- 牛田朱美 Akemi Ushida: 2015年奥三河63kで6位、STY8位。2016年美ヶ原80kで5位、信越五岳110kで7位。2017年阿蘇ラウンドトレイルで3位。
- スキャンラン百合子 Yuriko Scanlan: 2016年菅平42kで8位、美ヶ原45kで5位。
- 遠藤和子 Kazuko Endo: 2013年STY4位、2016年美ヶ原80kで4位。
男子
2015年の美ヶ原80kは先行する東徹 Toru Higashiを小川壮太 Sota Ogawaが追い、最後は1分差で東が逃げ切って優勝、という見応えあるレースでした。今回の美ヶ原でも再び二人の優勝争いをみることになるかもしれません。最近二人がレースで競った記録としては2015年の王滝50kで小川が優勝、東が2位。2016年は上田VKで小川が13位、東が19位、スカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kで東が22位、小川がリタイア。今年5月のひろしま恐羅漢65kは東が優勝、小川が2位でした。この他、東の昨年2016は西米良で4位や比婆山18.5kで優勝、小川はスカイランナー世界シリーズ・Sky Extremeカテゴリーで5位、Maxi Race China 60kで3位でした。この二人に勝負を挑むのは大瀬和文 Kazufumi Ose。2015年の美ヶ原80kでは東、小川、平澤賢市に続く4位でした。ここ数年は旺盛に各地のレースを走り、2015年のUTMFで6位、斑尾50k優勝、2016年はHong Kong 100で7位、奥三河70kで3位 Mt. Hiei 50kでは優勝(タイ)、2017年はTransLantau 50k優勝、Penyagolosa 110kで8位、Ultra Trail Australia 100kで9位となっていました。さらに牛田美樹 Miki Ushidaの存在も見逃せません。スカイランナー・ジャパンシリーズ(SJS)で2015年、2016年の年間チャンピオン。50kmまでのレースでは安定した強さを発揮していますが、ハセツネCUPでは2015年、16年ともに8位、ITJでは2015年3位、2016年優勝。今年は経ヶ岳VLで4位や菅平42kで2位となっていて、今回もレースをリードしそうです。
【追記:山田琢也 Takuya Yamadaが今年の美ヶ原80kに出場します。最近は大会プロデューサーとして各地で活躍していますが、今月はスリーピークス八ヶ岳トレイル38kで4位になっています。今回の走れる80kmでも上位でレースをリードする可能性は高そうです。2017.06.26】
ここで、最近活躍の著しい若手にも注目です。昨年10月にスカイランニング日本選手権・志賀エクストリームトレイルで優勝した小川壮太に続いて、2位、3位となった三浦裕一 Yuichi Miura、町田知宏 Tomohiro Machidaが今回の美ヶ原80kにエントリーしています。二人は12月のアジア選手権・MSIG Lantau 50kに日本代表として出場して三浦が7位、町田が8位となっています。上記の3人よりは一世代若い二人が上位を占めることも考えられます。三浦は2015年のハセツネCUPで2位、2016年は美ヶ原45kで3位、ITJ71kで2位。今年に入ってからはハセツネ30Kで4位、戸隠マウンテントレイルで2位、菅平42kで3位となっています。町田は昨年の科野の国28kで優勝、今年は千羽海崖40kで2位、名久井岳28kで優勝といった記録を残しています。
加えて当サイトが注目するのは次の皆さん。
-
望月将悟 Shogo Mochizuki: TJARを四連覇中で日本で最も有名なトレイルランナーの一人です。美ヶ原の80kmは超長距離の鉄人には短すぎるようにも思えますが、今年に入ってからOSJ新城64kで2位、奥三河70kで3位、戸隠マウンテントレイル6位と好成績を残しています。
- 須賀暁 Satoru Suga: 20代の若手。最近では昨年の赤城山32Kや中能登50kで優勝、短縮されたUTMFで4位、熊野古道50kで4位。
- 宗石和久 Kazuhisa Muneishi: 2016年スパトレイル優勝、上州武尊山30k優勝。
- 久保隆史 Takashi Kubo: 2016年美ヶ原80kと上州武尊山120kで2位、Echigo Country Trail 50kで3位、 ITJで8位。
- 木村隼人 Hayato Kimura: 2016年奥三河5位、美ヶ原80kで8位、峨山道70kで3位、ITJで5位。今年は奥三河4位、Echigo Country Trail 50kで2位に。
- 石井克弥 Katsuya Ishii: 2014年美ヶ原80k優勝。2015年スカイランニング日本選手権・菅平42kで3位、経ヶ岳VLで6位。
- 柴田幸生 Yukio Shibara: 2016年白馬国際53kで6位、2017年奥三河70kで5位。
- 井上隆詞 Takanori Inoue: 2015年奥三河63kで5位、2016年OSJ新城64kで3位、びわ湖バレイスカイレースで6位。
- リチャード・コグラン Richard Coghlan: 2016年Tarawera 85kで優勝。美ヶ原80kで13位、白馬国際50kで5位、信州戸隠45kで2位。今年の道志村42kでは男子総合6位。
- 荒木諒 Ryo Araki: 2016年信州戸隠45kで3位。
45kの注目選手
80kのレースと同時に開催される45kのレースには北島良子 Ryoko Kitajima、新保(澁谷)佳代 Kayo Shibuya, née Shinbo、貝瀬淳 Jun Kaise、半田佑之介 Yunosuke Handa、大塚浩司 Koji Otsukaの皆さんがエントリーしています。