富士登山競走 / Fuji Mountain Race 2017 リザルト・富士山に新チャンピオンが誕生、五郎谷俊と吉住友里が初優勝

今年で70回を迎える富士登山競走 / Fuji Mountain Raceが、本日7月28日金曜日に開催されました。例年通り、富士吉田市役所(標高770m)から馬返し(1450m)の10.8kmは緩やかな舗装路の登り。馬返しからはトレイルに入り、七合目花小屋(17km、2700m)から八合目までの約1kmは斜度40度の難所。その先は荒々しい火山岩の間を伝って富士山山頂へ。標高差3000m、21kmの山頂コースは日本の代表的な登山マラソンとして人気を集めています。昨年は悪天候のため山頂コースが五合目で打ち切りとなったので、2年ぶりの山頂でのフィニッシュとなりました。

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(写真・山頂コースで優勝した五郎谷俊は昨年の箱根駅伝5区を走り終えた後と同じように全力でフィニッシュした後倒れ込んだ。Photo by Koichi Iwasa / DogsorCaravan.com)

70回目となる今年は箱根駅伝5区での活躍で知られる五郎谷俊 Shun Gorotani(コモディイイダ)が2時間31分34秒で優勝、大会記録に3分53秒差まで迫る好記録です。女子はスカイランニングのバーティカルキロメーターで世界的に活躍する吉住友里 Yuri Yoshizumiが3時間1分17秒優勝。ともに今回が山頂コース初挑戦で栄冠を掴みました。

男子優勝の五郎谷俊は24歳。東洋大学で箱根駅伝に取り組み、2回目の挑戦となった2016年は山登りの5区で神野大地(青山学院)に続く区間3位となる快走で注目されました。現在はコモディイイダに入社して実業団駅伝で活躍。昨年の富士登山競走は5合目コースで大会記録を大幅に更新して優勝。出場資格を満たして臨んだ今年の山頂コースで見事優勝をしました。序盤からレースをリードし5合目の通過タイムは1時間16分3秒で昨年の自身の5合目コースでの優勝タイムを1分上回るペース。登山道でもそのペースはダントツで8合目は2時間12分で通過し、2位との差は12分。フィニッシュでは2位の加藤聡に14分もの大差をつけました。2位の加藤聡は今シーズンはスカイランニング・ジャパンシリーズ(SJS)で経ケ岳、菅平で優勝してランキング首位。富士登山競走では上位の常連で、また一つ富士登山競走山頂コースで2位のタイトルを獲得することになりました。

(なお、コース序盤で五郎谷俊がコース誘導ミスで一部コースから離れて走ったという情報があります。そのリザルトへの影響は追ってお伝えします。)

【追記:表彰式で審判長より、誘導ミスにより一部の選手がコースアウトしたと発表。しかし、結果には大きく影響しないものと判断し、順位、タイムに変更はなしとの決定が示されました。これにより、優勝した五郎谷俊のリザルトにも影響なし、と決着しました。】

女子優勝の吉住友里は社会人となってから市民ランナーとして走り始め、フルマラソンのPRは2時間37分56秒(2013年北海道マラソン)。2015年からトレイルランニングに取り組み、2016年はスカイランナー・ジャパンシリーズ(SJS)のバーティカルキロメーター・シリーズ戦で年間チャンピオンに。同年12月のスカイランニング・アジア選手権・MSIG Lantau VK、今年5月のVertical Kilometer World Circuit の一戦で欧州のトップ選手が集まったTransvulcania VKで優勝。VK以外でも昨年はIAUトレイル世界選手権・Trans Peneda Geres 85kで13位となるなど、大阪をベースに世界で活躍しています。吉住も昨年の富士登山競走は5合目コースで優勝し、今年の山頂コースで優勝を果たしました。2位には2011年、12年、15年に富士登山競走山頂コースで優勝している小川ミーナが吉住から12分差の3時間13分で続きました。

五合目コース男子は松本翔が優勝。五合目コースで2014年、山頂コースで2015年、2016年(五合目打ち切り)に優勝しており、4年連続で表彰式で頂点に立つことになりました。女子優勝は2015年ハセツネ30kで優勝している俵千香でした。

富士登山競走のおさらい

富士登山競走は午前7時に富士吉田市役所をスタートし、冨士浅間神社、馬返し、吉田口登山道を経て富士山頂(久須志神社)に至る21キロ、標高差3000m。制限時間4時間半です。このレースにエントリーするには、直近3大会のいずれかでのスタートから五合目までのタイムによる参加資格を満たす必要があり、来年2018年大会では2015年および2016年大会のタイムで2時間25分、2017年大会のタイムで2時間20分と設定されています。

この山頂コースのレースとは別に富士山吉田口五合目までの15キロ、標高差1480mをコースとする五合目コースのレースがあり、一般参加で山頂コースに参加するにはまずこの五合目コースで上記の参加資格を満たすタイムを出して、翌年以降の参加を目指すことになります。五合目コースは午前8時半スタート、制限時間3時間半。

現在のコースレコードは山頂コース男子が2時間27分41秒(第64回大会<2011年>、宮原徹)、女子が2時間51分36秒(第39回大会<1986年>、中島和子)。五合目コースは男子が1時間17分5秒(第69回大会<2016年>、五郎谷俊)、女子が1時間32分12秒(第58回大会<2005年>、星野芳美)となっています。

富士登山競走・リザルト

(追記:大会会場での速報掲示の情報に更新し、5合目コースのリザルトを追記しました。)

山頂コース

男子

  • 1. 五郎谷俊 Shun Gorotani(コモディイイダ) 2:31:34
  • 2. 加藤聡 Satoshi Kato 2:45:39
  • 3. 江本英卓 Suguru Emoto 2:48:43
  • 4. 宮川朋史 Tomofumi Miyagawa 2:52:59
  • 5. 小川壮太 Sota Ogawa 2:53:41
  • 6. 石井克弥 Katsuya Ishii 2:54:05
  • 7. 牛田美樹 Miki Ushida 2:54:48
  • 8. 加藤淳一 Junichi Kato 2:54:55
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  • 12. 岩永浩明 Hiroaki Iwanaga 2:57:33
  • 13. 宮川鉄也 Tetsuya Migawa 2:59:58
  • 14. 岡嶋智己 Tomomi Okajima 3:00:10
  • 15. 松本陽介 Yosuke Matsumoto 3:00:32
  • 16. 細木郁生 Ikuo Hosoki 3:02:23
  • 17. 三浦裕一 Yuichi Miura 3:02:41
  • 18. 斎藤良介 Ryosuke Saito 3:02:54
  • 19. 菊嶋啓 Kei Kikushima 3:05:13
  • 20. 真田卓也 Takuya Sanada 3:05:51

女子

  • 1. 吉住友里 Yuri Yoshizumi 3:01:17
  • 2. 小川ミーナ Mina Ogawa 3:13:30
  • 3. 大石由美子 Yumiko Oishi 3:34:32
  • 4. 浅原かおり Kaori Asahara 3:46:35
  • 5. 岡本恵子 Keiko Okamoto 3:47:44
  • 6. 兼松藍子 Aiko Kanematsu 3:49:20
  • 7. 長坂恵子 Keiko Nagasawa 3:53:55
  • 8. 鈴木遥 Haruka Suzuki 3:57:56
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五合目コース

男子

  1. 松本翔 Sho Matsumoto 1:21:29
  2. 斉藤拓也 Takuya Saito 1:25:07
  3. 小寺晃弘 Akihiro Kodera 1:29:46
  4. 野永健宏 Takehiro Nonaga 1:30:09
  5. 三輪博基 Hiroki Miwa 1:30:43
  6. 清原和博 Kazuhiro Kiyohara 1:31:01
  7. 高村純太 Junta Takamura 1:31:50
  8. 児玉篤俊 Atsutoshi Kodama 1:31:53
  9. 原田幸秀 Yukihide Harada 1:33:39
  10. 門田紀明 Noriaki Kadota 1:34:56

女子

  1. 俵千香 Chika Tawara 1:36:48
  2. 田中礼美 Yoshimi Tanaka 1:42:09
  3. 長谷川奈々 Nana Hasegawa 1:45:02
  4. 荻原真紀 Maki Ogihara 1:45:14
  5. 廣瀬光子 Mitsuko Hirose 1:47:01
  6. 川西美穂 Miho Kawanishi 1:48:51
  7. 遠藤麻美 Asami Endo 1:49:09
  8. 平山真由美 Mayumi Hirayama 1:52:54
  9. 三浦可奈美 Kanami Miura 1:53:41
  10. 平川裕子 Hiroko Hirakawa 1:54:38
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