粟ケ岳バーティカルキロメーター Mt. Awa Vertical Kilometer 2018・スカイランニング日本選手権 リザルト

Skyrunner-Japan-Series-logo-768x744プリンス・上田瑠偉 Ruy Uedaが皇帝・宮原徹 Toru Miyaharaからついに勝利を勝ち取りました。4月21日土曜日に新潟県三条市で開催された粟ヶ岳バーティカルキロメ―ター Mt. Awa Vertical Kilometer®は5.5kmで標高差1,100mを登りますが、粟ケ岳山頂までのコース後半の1km強は例年よりも多くの残雪の上を進むというユニークなバーティカルキロメーターでした。今年のスカイランニング日本選手権・VKカテゴリー、そしてスカイランナー・ジャパンシリーズ(SJS)の開幕戦ともなった今回の大会は男子は上田瑠偉、女子は が優勝しました。

大会では賞品やトロフィーに地元・三条市の特産品、貴重な工芸品が提供されたほか、あわせて行われた15kmと4km のトレイルランニングレースには地元から中学生を含むたくさんの選手が参加して、春の陽気と粟ケ岳の眺めと自然を満喫しました。

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(写真、粟ケ岳VKのコースのハイライトとなる開けた尾根、馬の背の雪上コースを駆け上る上田瑠偉。 by Sho Fujimaki, courtesy of Mt. Awa Vertical Kilometer )

2016年にスタートしたこの大会は9月に開催されていましたが、今年から4月に変更。標高1293mの粟ケ岳にはまだ雪が残る季節となるため、日本のスカイランニング、トレイルランニングの大会としては珍しく、雪に覆われた登山道がコースとなります。

バーティカルキロメーターのコースは、八木ヶ鼻温泉・いい湯らてい前をスタートしてから約2km、北五百川の集落を通り抜けた先の棚田の間にあるスタート地点から計時が始まります。最初に目立った雪が現れる五合目・粟薬師は選手と同じルートで徒歩でしかアクセスできない場所ですが、大会ボランティアの皆さんが運んだ水、選手が預けたトレッキングポールや軽アイゼンが用意されました。

男子のレースは日本のバーティカルキロメーターの皇帝・宮原徹がウェーブスタートの最終組のトップ選手グループをリード。その宮原についていったのは上田瑠偉でした。五合目を過ぎたところで上田が前を走りますが、宮原もぴったりと上田をマーク。しかし、七合目付近からコース上の雪が増えてくると、宮原は緩んだ雪やぬかるみに足を取られてペースが落ちる一方、上田は冷静にパワーハイクで宮原との差を広げはじめます。結局この差は縮まらず、52分40秒で上田瑠偉が山頂に到着。宮原との差は1分19秒。バーティカルキロメーターでは、5月の上田バーティカルキロメーターで2016年、2017年に宮原との直接対決に敗れていた上田がついに宮原を下しました。

宮原は滝ヶ原自衛隊の一員として毎年取り組む富士登山駅伝の他には、バーティカルキロメーターに絞り込んでレースに出ており、2015年にスカイランナー・ジャパンシリーズ、スカイランニング日本選手権が始まってからは積極的にシリーズ戦に出場し、昨年の尾瀬岩鞍VKでジョー・グレイに敗れて2位となったほかは出場したVKのレースで全て優勝。その無敗ぶりから当サイトは「皇帝」のニックネームを献上していました。粟ケ岳VKでも過去二回とも優勝していますが、今日は経験の少ない雪の上でのランニングに苦戦しました。レース後には「レースには負けたけれど、粟ケ岳で力を出し切ったのでさわやかな気持ちです」と話し、上田の健闘を讃えました。

粟ケ岳への登山道、馬の背を走る宮原徹 Toru Miyahara。Photo by Sho Fujimaki, courtesy of Mt. Awa Vertical Kilometer

粟ケ岳への登山道、馬の背を走る宮原徹 Toru Miyahara。Photo by Sho Fujimaki, courtesy of Mt. Awa Vertical Kilometer

3位には高校二年生の近江竜之介 Ryunosuke Ohmi 。小学生の頃から山を走るレースで才能を発揮して注目され、高校生になった昨年からは一般の部で上位に。今回ついに日本選手権でトップ3に入る快挙となりました。4位には昨年後半のケガから復活した 、5位は昨年のジャパンシリーズVKカテゴリー年間2位の永里剛城 。同年間3位の新牛込崇史 Takashi Shinushigome は今回は11位でした。

女子のレースはプリンセス・高村貴子 Takako Takamura が1時間11分で優勝。当サイトが取材していた五合目の先、スタートから約4kmの地点では背後に立石ゆう子 Yuko Tateishi が迫っていました(立石は2分前にいい湯らていをスタート)。しかしここから雪上のコースに入ると一気に差を広げました。住んでいる北海道の雪とは勝手が違ったようですが見事な勝利でした。

レース中盤の高村貴子 Takako Takamura。Photo by Koichi Iwasa

レース中盤の高村貴子 Takako Takamura。Photo by Koichi Iwasa

4分40秒差の2位には立石ゆう子。実質的に今シーズンからスカイランニングにデビューしたばかりで、今月のハセツネ30kでは4位。今シーズンは活躍する姿を見る機会が多くなりそうです。3位は地元の新潟県の蓑口めぐみ Megumi Minoguchi でした。

粟ケ岳バーティカルキロメーターの男女表彰台。左から大会プロデューサー松永紘明さん、男子3位の近江竜之介、2位の宮原徹、優勝の上田瑠偉、女子優勝の高村貴子、2位の立石ゆう子、3位の蓑口めぐみ、JSA代表理事の松本大さん。Photo by Koichi Iwasa

粟ケ岳バーティカルキロメーターの男女表彰台。左から大会プロデューサー松永紘明さん、男子3位の近江竜之介、2位の宮原徹、優勝の上田瑠偉、女子優勝の高村貴子、2位の立石ゆう子、3位の蓑口めぐみ、JSA代表理事の松本大さん。Photo by Koichi Iwasa

当サイトにとっては、粟ケ岳バーティカルキロメーターの取材は今回が初めて。コースは残雪他にも雪解け水で濡れた岩やぬかるみも多く、なかなかハードなコース。しかし人の少ない山には野生の趣きに満ちた雰囲気を感じました。参加者はさほど多くない大会ですが、地元のみなさんからはこの大会を通じて粟ケ岳をはじめとする三条市の自然の魅力をもっと知ってもらいたいという熱意を感じました。大会プロデューサーの松永紘明さんは「粟ケ岳バーティカルキロメーターを世界シリーズ戦にしたい」と話していましたが、このアットホームな大会が海外からの参加選手でにぎわう様子が早くも思い浮かびました。

三条市は江戸時代の鍛治以来、金属加工の技術で有名。その三条市にあり、プロが高く評価するつめ切りを作る諏訪田製作所が今回のトロフィーを製作された。Photo by Koichi Iwasa

三条市は江戸時代の鍛治以来、金属加工の技術で有名。その三条市にあり、プロが高く評価するつめ切りを作る諏訪田製作所が今回のトロフィーを製作された。Photo by Koichi Iwasa

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スカイランナー・ジャパンシリーズ開幕戦の粟ケ岳バーティカルキロメーターを制した上田瑠偉、高村貴子が新デザインのウィナーズビブを着た。Photo by Koichi Iwasa

スカイランナー・ジャパンシリーズ開幕戦の粟ケ岳バーティカルキロメーターを制した上田瑠偉、高村貴子が新デザインのウィナーズビブを着た。Photo by Koichi Iwasa

男子 Men

  1. 上田瑠偉 Ruy Ueda (Columbia Montrail) 52:40
  2. 宮原徹 Toru Miyahara (滝ヶ原自衛隊) 53:59
  3. 近江竜之介 Ryunosuke Ohmi 57:35
  4. 牛田美樹 Miki Ushida ) 58:50
  5. 永里剛城 Goki Nagasato (国分自衛隊) 58:54
  6. 横山忠男 Tadao Yokoyama 59:29
  7. 森口広也 Hiroya Moriguchi (滝ヶ原自衛隊) 1:00:39
  8. 浦野正紀 Masanori Urano 1:02:22
  9. 尾崎弘和 Hirokazu Ozaki 1:02:34
  10. 松本大 Dai Matsumoto ) 1:02:40

女子 Women

  1. 高村貴子 Takako Takamura 1:11:22
  2. 立石ゆう子 Yuko Tateishi 1:16:02
  3. 蓑口めぐみ Megumi Minoguchi 1:17:36
  4. 稲毛日菜子 Hinako Inage 1:20:48
  5. 木下久美 Kumi Kinoshita 1:21:46
  6. 須藤吉仕子 Kishiko Suto 1:23:49
  7. 長谷川香奈子 1:29:04
  8. 高村まゆみ Mayumi Takamura 1:29:36
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