STYで4位入賞!Boaランニングチームのミハエルとレティシアに聞きました。【PR】


4月27日のウルトラトレイル・マウントフジ Ultra-Trail Mt. Fujiの92kmのレース・STY(静岡から山梨)では、上位入賞選手の顔ぶれが例年より国際的になったことが話題になりました。男子のレースで4位になったのはミハエル・カビヒャー Michael Kabicherさんと女子で6位になったレティシア・ピビ Laetitia Pibisさんは「Boaランニングチーム」のメンバーです。

(写真・STYの表彰式を終えて笑顔のミハエル・カビヒャー Michael Kabicherさんと女子で6位になったレティシア・ピビ Laetitia Pibisさん Photo courtesy of Boa Technology Inc.)

Boaランニングチームはダイアルをカチカチッと回すとシューズのフィット感を簡単かつ精密、確実に調整できる「Boa®︎フィットシステム」で知られるアメリカのBoaテクノロジー社がサポートするランニングチーム。今回はメンバーの2人がアジア遠征としてウルトラトレイル・マウントフジの前週に韓国で開催されたKorea 50kに参加し、レティシアさんは女子優勝、ミハエルさんは男子準優勝という成績を残したのちに、STYでも見事な成績を挙げました。特にレティシアさんはKorea 50kで足を捻挫しながらも表彰台まであと一歩と健闘しました。

STYで4位となり、大会実行委員長・鏑木毅さんに笑顔で迎えられるミハエル・カビヒャー Michael Kabicherさん。 Photo courtesy of Boa Technology Inc.

STYで4位となり、大会実行委員長・鏑木毅さんに笑顔で迎えられるミハエル・カビヒャー Michael Kabicherさん。 Photo courtesy of Boa Technology Inc.

Boaランニングチームのメンバーが初めて日本のトレイルランニングレースに参加する前日、河口湖でチームのことや日本のトレイルランニングのこと、そしてBoa®︎フィットシステムについてお話を聞きました。

大会前日、河口湖でインタビューに応じてくださったミハエル・カビヒャー Michael Kabicherさん(左)とレティシア・ピビ Laetitia Pibisさん Photo by Koichi Iwasa, DogsorCaravan

大会前日、河口湖でインタビューに応じてくださったミハエル・カビヒャー Michael Kabicherさん(左)とレティシア・ピビ Laetitia Pibisさん Photo by Koichi Iwasa, DogsorCaravan

トレイルランニングに魅了されたミハエルさんが立ち上げたBoaランニングチーム

当サイト岩佐:ようこそ日本へ。Boaランニングチームとして日本に来られるのは今回が初めてだと思います。どんなチームなんですか?

ミハエル・カビヒャーさん
スキーブーツや自転車用シューズでよく知られている「Boa®︎フィットシステム」ですが、トレイルランニングのチームを立ち上げたきっかけは私が2016年にトランス・アルパイン・ラン Trans Alpine Run(オーストリア、イタリアにまたがるヨーロッパアルプスの山岳コースを二人一組で7日かけて縦走するステージレース)を友人のイバン・パウルミシュ Ivan Paulmichlと二人で完走したのがきっかけです。当時Boa®︎を採用したトレイルランニングのシューズはまだなかったのですが、チームの活動が実っていくつかのモデルが登場してきました。そこでもっとチームを大きくしよう、ということになったんです。その時、レティシアもメンバーに加わってくれました。今では、私が拠点にしているオーストリアを中心に、イタリア、フランス、アメリカ出身のメンバーを加えて9人のメンバーで活動しています。
Boa Running Teamのメンバー。Image from Boa Running Team

Boa Running Teamのメンバー。Image from Boa Running Team

岩佐:チームとしてどんなポリシーで活動していますか?

レティシア・ピビさん
Boaランニングチームはメンバーの雰囲気がいいチームですね。チームとして欧州各地のレースに一緒に参加することもありますが、どのレースを走るかはメンバーがそれぞれ自分で決めます。レース以外に年に数回、ミーティングを開いて自分が挑戦したいことや目標をお互いに披露するのですが、メンバーからはいつも刺激を受けますね。もちろん、Boa®︎の試作モデルのシューズを一緒にテストして開発チームにフィードバックするのもチームの大事な役割です。昨年2017年はメンバーが各地のレースでいい成績をあげることができたので、Boaランニングチームの存在感も増してきました。とはいってもメンバーにプレッシャーはなくて、自由にトレイルランニングを楽しんでいます。
ミハエルさん
トレイルランニングを思い切り楽しむ、でもトレイルを走るときは自分の限界に挑戦する。そんなオン、オフのバランスがうまく取れているチームです。でも僕が一番好きなのは、レースの後でチームのメンバーで一緒にビールを飲むことからな。ちなみにオーストリアはビールの一人当たり消費量が世界一なんですよ。

テクニカルな山岳コースにやりがい感じるミハエル、実はスポーツはなんでも大好きというレティシア

岩佐:お二人はどんなトレイルを走るのが好きですか?

ミハエルさん
私は本格的な山岳コース、トランス・アルパイン・ランのコースみたいな、岩がゴロゴロしたテクニカルなトレイルが好きですね。元々はロードのマラソンを走っていて、次にトライアスロンに挑戦するようになって、そしてトレイルランニングと出会いました。カルチャーとか、出会う人が皆面白くてすぐにこのスポーツのとりこになりました。テクニカルなコースほど面白いですね。スクランブリング(両手を使って岩をよじ登ること)も好きです。コースも決まっていないところを自分で判断して進むのがいいんですよ。そういうコースだとペースとかラップタイムとかは意識しなくなって、次の山やエイドまでどれくらいかかるかは、コースや自身の状態を見極めて判断することになります。そういうのが面白いですね。
STYを4位でフィニッシュしたばかりのミハエル・カビヒャー Michael Kabicherさん。92kmを走り終えたばかりだが爽やかな笑顔だった。Photo courtesy of Boa Technology Inc.

STYを4位でフィニッシュしたばかりのミハエル・カビヒャー Michael Kabicherさん。92kmを走り終えたばかりだが爽やかな笑顔でした。Photo courtesy of Boa Technology Inc.

岩佐:明日のSTYの92kmはこれまで走る一番長い距離だそうですね。

ミハエルさん
私が大好きなトランス・アルパイン・ランは7日間のステージレースで全部で255kmのコースですが、1日で92kmを走るというのは初めての経験です。果たしてどうなるかワクワクしてます。自分としては、92kmのコースをエイドステーションごとに区切って、それを一つずつ完走するつもりで走ろうと思っています。「ゴールまであと何キロだろう?」と考えないようにすれば、きっと大丈夫じゃないかな。

岩佐:レティシアさんはどんなトレイル、どんなレースが好みですか?

レティシアさん
私は登りくだりが続くのも長距離を走るのも好きですよ。元々、スポーツは何でも好きで、今までラグビー、合気道、体操なんかをやっていて、走るようになってからも短い距離から長い距離までいろんなレースに出ています。元々はトライアスロンに挑戦したくて走り始めたのがトレイルランニングを初めたきっかけです。山を走るんだと母にいったら「山に行くならランニングシューズなんてダメ、ちゃんとした登山靴で行きなさい」といわれました。でも恐る恐るランニングシューズで山を走ってみたら楽しかった!そんな感じでだんだん長い距離を走るようになりました。性格が長距離に向いているみたいです。
レティシア・ピビ Laetitia Pibisさんは前週のレースで足を傷めながらもSTYを女子6位でフィニッシュ。Photo courtesy of Boa Technology Inc.

レティシア・ピビ Laetitia Pibisさんは前週のレースで足を傷めながらもSTYを女子6位でフィニッシュ。Photo courtesy of Boa Technology Inc.

岩佐:ご自分のどんなところが長距離に向いていると思いますか?

レティシアさん
さっき、ミハエルは次のエイドまでたどり着くことに集中する、といいましたけど、私の場合は目の前に見えているあの木まで行こう、と思いながら走ってます(笑)。というのは言い過ぎですけど、それくらい目標を小さく分割して、一つずつ実現していくという考え方が私も好きです。あと、長距離のレースほど、いろんな人とコース上で出会えるのも好きですね。それまで知らなかった人たちと一緒にゴールを目指して励まし合う。それでついにフィニッシュした時の喜びは何にも代えられないです。

日本のトレイルランナーは研究熱心で努力家が多い

岩佐:今回、Boaランニングチームとしては初めての日本だとうかがってます。日本のトレイルランニングをヨーロッパと比べて、何か気づいたことはありますか?

レティシアさん
ヨーロッパだけでなく、アメリカのレースにも出ていますが、ギアやウェアでは日本はヨーロッパと似ている気がします。バックパックを使ったり、トレッキングポールを使ったり、コンプレッションタイツも人気がありますよね。

STYのスタート前の富士山こどもの国にて。Photo courtesy of Boa Technology Inc.

ミハエルさん
日本のトレイルランナーは、ヨーロッパよりも熱心に打ち込んでいる人が多くて、ギアやシューズにも細かく気を遣っていると思いました。それに日本は長距離走で有名な選手を輩出していますよね。きっと綿密に計画を立てて練習を積む人が多いのだと思います。明日のUTMFとSTYでも日本の選手がどんな活躍をするかが楽しみですね。UTMBやトランス・アルパイン・ランだけでなく、ヨーロッパアルプスで開かれるトレイルランニングのレースには日本から参加する選手が増えています。これからトレイルランナーの国際的な交流がますます盛んになるのが楽しみです。

Boa®︎フィットシステムならトレイルの状況に応じて細かくフィット感を調整できる

岩佐:Boa®︎フィットシステムがトレイルランニングシューズに搭載されることでどんなメリットがあるのでしょうか?

ミハエルさん
今シーズン登場したトレイルランニングシューズ、adidas Terrex Two BoaにはBoa®︎フィットシステムが搭載されています。このシューズの最大の特徴はトレイルの状況に応じて、シューズのフィット感を調節できることです。しかも緩めるのも締めるのも片手で即座にできます。私の場合は、トレイルの登りでは足の血流がいい方が好みなので、シューズのフィットを緩めにします。逆に急坂を下るときにはケガをしないようにしっかりとしたフィットにします。どちらも、手を足元にのばしてカチカチとダイヤルを回すだけです。あと山岳コースを走っていると、シューズにどうしても小石やゴミが入ってきます。そんな時もBoa®︎ならサッとシューズを脱いで中をきれいにしてから、もとのフィット感で履き直すのもあっという間です。100kmとか100マイルのようなウルトラ・ディスタンスのレースの途中でシューズを履き直す場合も簡単だし、足の状況に合わせてフィットを正確に調整できます。これは経験者ならメリットを実感していただけると思います。
Boa®︎フィットシステムを搭載した今シーズンの新作、adidas Terrex Two Boaを手にしたミハエル・カビヒャー Michael Kabicherさん Photo by Koichi Iwasa, DogsorCaravan

Boa®︎フィットシステムを搭載した今シーズンの新作、adidas Terrex Two Boaを手にしたミハエル・カビヒャー Michael Kabicherさん Photo by Koichi Iwasa, DogsorCaravan

一瞬で確実に好みのフィットでシューズを締められることで、ランニングがもっと楽しくなる

岩佐:シューズの締め具合もそうですけど、シューレースが途中で解けたりしないかも気になりますよね。

ミハエルさん
その点でもBoa®︎には長所があるんです。大事なレースのスタート前に、シューレースが解けないように二重結びにしたり、ヒモの先をはさみこんだりしますよね。Boa®︎フィットシステムならダイヤルをカチカチと回せば、緩んだり解けたりという心配はありません。スタート10秒前にシューズを締め直したりするのも簡単です。実際にシューレースが解けたり、レースの直前に締め直すことは少ないと思いますが、Boa®︎なら不安のタネが減らせます。安心して走ることに集中することができますよ。

岩佐:なるほど、じゃあお二人とも明日のSTYに向けて、Boa®︎搭載のシューズで不安はないですね。

レティシアさん
もちろん!さっき、河口湖の近くの神社でお祈りもしてきましたからなんの不安もありません。明日のスタートが楽しみです。

インタビューを終えて:アイディアを実際に使えるものにしたのがBoa®︎フィットシステム

ランニングシューズの中でもトレイルランニングシューズの進化は著しいですが、シューズのフィット感を決めるシューレースについては意外と変化が少ないように思います。そうした中でフィット感を即座に正確に調節できるBoa®︎フィットシステムは非常にユニークな存在。特に、トレイルの登りと下り、あるいはスムーズなロードとデコボコしたトレイルでシューズを走っている途中に締めたり緩めたりするといいというのは、アイディアとしては考えられても、Boa®︎フィットシステムがあって初めてできることでしょう。当サイト岩佐もインタビューの後で試してみましたが、これなら下りはシューズをしっかり締めるのが簡単確実です。

レティシア・ピビさん(左)とミハエル・カビヒャーさん(中)とのインタビューの様子。笑いの絶えない楽しい時間となりました。

韓国でのKorea 50kの翌週にSTYというタイトな日程の中でインタビューに応じてくださったお二人ですが、レースではしっかり結果を出しているのはさすがです。きっと、今シーズンはBoaランニングチームの活躍を当サイトでお伝えする機会が増えるに違いないと思いました。

(協力:Boa Technology Japan株式会社