音楽の都・ザルツブルクでトレイルランニング。モーツアルト 100 mozart 100は今週末開催 #mozart100

当サイトではトレイルランニング大会の取材で訪れたヨーロッパの国はスペイン、フランス、イタリア、スイスといったところ。今回、そこにオーストリアが加わることになりました。今週末の6月16日土曜日にスタートする「モーツアルト 100 mozart 100」は音楽の都として知られるザルツブルグとその周囲に広がる山々とその谷間にある湖をめぐるコースで開催。山や自然の魅力と古都の歴史と文化に触れるこの大会には103km、61km、42km、31km、21km、13kmのコースがあり、100kmのコースを1日かけて楽しむことも、もっと気軽にザルツブルクの自然を楽しむこともできます。そして103kmのレースはUltra-Trail World Tourの第11戦となっています。

当サイトでは今回のmozart 100の行われるザルツブルクに来ていますが、今回はレースを実際に走って体感します。このため、コース上からのライブ速報は行いませんが、大会後にはレースレポートをお送りする予定です。

Sponsored link


大会の舞台は音楽の都・ザルツブルクと美しい保養地・ザルツカンマーグート

ザルツブルクという街の名前は「塩の城」の意味。アルプス山脈の東端に当たるこのエリアは古くから岩塩が取れることで知られ、周囲の岩塩坑から産出された塩の取引で反映したのがザルツブルクの街の始まり。この地に設立された教会は8世紀末に大司教区となり、ザルツブルクは以後1000年にわたってカトリック教会の大司教が治める教会国家としての地位を維持し、隣接するドイツ、オーストリアからは独立した存在でした。旧市街の背後にそびえる山、メンヒスベルクに11世紀に築かれたホーエンザルツブルク城は大司教区の守りの要として一度も陥落したことはなく、今日ではザルツブルクの街のランドマークとなっています。また、大司教が平時に住んだ宮殿であるレジデンツ、大聖堂、大司教が愛人のために築造したミラベル宮殿といった壮麗な建造物は観光の名所です。

そして、ザルツブルクが生んだ偉大な音楽家、モーツアルトがこの街に新たに音楽の都としての名声をもたらしました。モーツアルトがザルツブルクに生まれたのは1756年。幼少の頃から非凡な音楽の才能を発揮したモーツアルトが17歳になるまで住んだ生家は旧市街の目抜き通りであるゲトライデ通りにあり、今はモーツアルトについての展示施設として公開されています。今日では毎年7月から8月にかけて開催されるザルツブルク音楽祭が世界的に有名ですが、これも1920年にモーツアルトの没後50年をきっかけに開催されたイベントが始まりとなっています。

このザルツブルクで開催されるmozart 100が初めて開催されたのは2012年。年々、海外から参加選手を集める大会として成長しています。

mozart 100のコースはザルツブルクの歴史的なエリアと山と湖の豊かな自然をつなぐ

今年は103km 4,600mD+のmozart 100、61kmのmozart Ultra、42kmのmozart Marathon、31kmのmozart Light、21kmのmozart Half Marathon、13kmのmozart City Trailに加え、103kmと61kmではチームで参加するリレー、13kmでは3人一組の合計タイムで競うチーム戦も開催。どのレースも16日土曜日に開催され、スタート・フィニッシュの会場となるのは旧市街の歴史的建造物に囲まれたカピテル広場です(31km、21kmはスタートのみ別の場所から)。

103kmのmozart 100のスタートは午前5時。スタートから約7kmはザルツブルクの街から南へ向かい、東側のトレイルの登りに入ります。14km地点まで標高差220mの登りでPerchauer Scharteの峠を越えます。途中の11km地点の村、Hinterwinklに最初のエイドステーション(ドイツ語でLabestation)があります。コースはEbenauの村まで一旦下りますが、16km前後からシングルトラックの登りに。17.5km地点でPlötzの滝をみて、20km地点付近の標高810mのGitzenbergまで急な登りが続きます。ここを越えると、まもなく21km地点の第二エイド、Hof-Lebachに到着。

mozart 100のコースマップ。

ここからはフシュル湖 Fuschlseeへの下り。ザルツカンマーグート Salzkammergutと呼ばれる、風光明媚な山と湖、温泉で知られる保養地が点在するエリアに入っていきます。25km地点で湖畔に到着し、東西に細長いフシュル湖の南岸を東へ進んでいき、湖の東端にある31km地点の第三エイド、Fuschlに向かいます。このエイドにはドロップバッグをおくことが出来ます。また、コース後半にもこのエイドを再び通過することになります。

フシュル湖から7kmほどは標高差300m強の登り、そして47km地点の第四エイド、Winklまではシングルトラックの急な下り。ここからコース最大のハイライト、シャーフバーグ山 Schafbergへの登りが始まります。ウォルフガング湖の北側に切り立つシャーフバーグの山頂までは湖畔のザンクト・フォルフガングの町から登山鉄道で行くことができる観光名所です。しかし、レースのコースは山頂までは向かわず、750mの登りで50km付近にある標高1300mの地点で下りに転じます。ザンクト・フォルフガングの町とその先に広がるウォルフガング湖を目の前にしながら下っていきますが、ザンクト・フォルフガングにたどり着く前にコースは西へ転じて、湖の北側を進んで、湖畔にある第五エイドのFürberg(59km地点)に至ります。

この先、ザンクト・フォルフガングの町からはケーブルカーで登ることのできる南側の山、Zwölferhornに登りますが、コースの登りは標高差450mの中腹まで。標高1,100mの65km地点に給水エイドが置かれます。ここからは第六エイドのFuschl(73km)までの長い下りです。エイドを出ると、フシュル湖 Fuschlseeの北岸を進んでいき、湖の西端からは往きに通ったコースに合流して第七エイドのHof-Lebach(84km地点、第二エイドと同じ)へ。

往きと同じコースでしばらく進みますが、86.5km付近で帰りのコースは北側へ。88.5km付近の展望ポイントであるWatzmannblick、91km地点のKoppler Moorの湿原を経て、第八エイドのKoppl(94km)まで登ります。ここからさらに標高差200mほどで95km地点のノックスタイン山 Nocksteinへ。南側にそびえる山、ガイスベルク Gaisbergを見ながら標高差550mを下っていくと、ザルツブルク市のエリアに入ってきます。フィニッシュまでは残り3km足らずですが、最後にザルツブルクの新市街側にある山、カプチナーベルク Kapuzinerbergへ標高差200mの登りがコースのフィナーレとなります。山頂からフィニッシュまでは1.6kmの下り。カプチナー修道院からシュターツ橋 Staatsbrückeでザルツァッハ川を渡れば、ザルツブルクの旧市街。カピテル広場にフィニッシュです。

今回のmozart 100には現在のところ、103kmのレースの434人のほか、あわせて1300人弱がエントリーしています。日本からは100kmのレースに最近国内外のレースで活躍する長田豪史 Goshi Osadaを含めて6人がエントリーしています。

この記事が気に入ったらDogsorCaravanをBuy Me a Coffeeで直接サポートできます!

Buy Me a Coffee

Sponsored link