冬の間の骨折から復活し、今シーズン初のレースに出場したキリアン Kilian Jornetがモンブラン・マラソン Marathon du Mont-Blancで優勝。国内では美ヶ原も開催されました。また来月開催のトランスジャパン・アルプスレース(TJAR)の出場者が先週末に決まりました。今週はアンドラ・ウルトラトレイル Andorra Ultra-Trailが開催されます。【追記・今週末の7月8日日曜日開催の北丹沢について追記しました。2018.07.02】
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トランスジャパンアルプスレース(TJAR)の出場者が決定:2年に一度開催される日本アルプスを縦断する415kmのTJARは6月1日に参加希望の112人から書類選考の合格者88人を発表、6月23日、24日に選考会が行われ、その合格者24人が7月1日に発表されました。ここに前回2016年完走者で今回参加希望の16人を加えた40人から29人の出場者を選ぶ抽選会が同じ7月1日に開催されました。以下の当選者29人に前回優勝者の望月将悟を加えた30人が8月11日土曜日から19日日曜日に開催されるTJARに出場します。
船橋智,高田全希(初),大坪穂高(初),江口航平,吉藤剛,男澤博樹,雨宮浩樹,古澤法之(初),近内京太(初),有吉俊博(初),柏木寛之,福山智之,垣内康介(初),星加博之(初),岡田泰三,細田典匡(初),佐幸直也,片野大輔(初),石田賢生,秋元恒郎(初),原一平(初),仙波憲人,新藤衛,阿部公一(初),中野洋平(初),岩崎勉,前田圭紀(初),鹿野颯太(初),竹内雅昭(初)
先週末のイベント
6月29日金曜日 – 7月1日日曜日: Marathon du Mont-Blanc、Buff Epic Trail、Penalara
- Marathon du Mont-Blanc (90k, 42k, 23k, VK): フランス・シャモニーで開催されるトレイルランニングのビッグイベントです。リザルトはこちら。
- 42kmのレースはGolden Trail Seriesの第二戦。冬のスキーマウンテニアリングのレースで骨折していたキリアン・ジョネット Kilian Jornet(スペイン)が今シーズン最初のレースで優勝し、その強さを世界に示す形となりました。今年は快晴で気温が高いというコンディションで開催。レースは先週末のOlympus Marathonで優勝したアリツ・アゲア Aritz Egea(スペイン)を先頭にキリアンを含む10人ほどの集団がリードして始まります。「暑かったので、脚の攣りや熱中症にならないように慎重に走った」というキリアンが先頭に立ったのは37km地点のフレジエールのエイドの手前。最終盤でリードを広げたキリアンは3時間54分54秒でフィニッシュ。この大会で5回目の優勝となりました。2位にはマルク・ラウエンスタイン Marc Lauenstein(スイス)でキリアンから3分21秒差。3位になったのはスティアン・アンゲルムント・ビク Stian Angermund-Vik(ノルウェー)。先月のZegama Marathonで2位になった時と同じように最終盤に先頭集団に追いついて順位を上げていく鮮やかな走りでキリアンからは5分13秒差でフィニッシュ。4位にティボー・バロニアン Thibaut Baronian(フランス)、5位にアリツ・アゲア Aritz Egea(スペイン)という結果。先月のZegama Marathonで優勝のレミ・ボネ Rémi Bonnet(スイス)は大会直前の故障のため今回は出場を見送りました。このほか、8位にアレクシス・スベネク Alexis Sevennec(フランス)、10位にセイジ・カナディ Sage Canaday(アメリカ)、14位にグザビエ・テベナール Xavier Thevenard(フランス)、でした。女子はZegamaで3位のルース・クロフト Ruth Croft(ニュージーランド)がレースをリードして4時間37分30秒で優勝。Zegama優勝のイーダ・ニルソン Ida Nilsson(スウェーデン)は2分7秒差の2位でした。3位はエリ・ゴードン Eli Gordon(スペイン)で4時間41分でした。このほか、4位にアナリス・ルセ Anne Lise Rousset(フランス)、5位に昨年のチャンピオン、メーガン・キンメル Megan Kimmel(アメリカ)、10位にスンマヤ・ブッダ Sunmaya Budha(ネパール)、16位にマグダレナ・ブーレ Magdalena Boulet(アメリカ)でした。次のGolden Trail Seriesの大会は8月12日のSierra Zinal(31km、スイス)となります。
- 90km: 昨年まで80kmから今年は90kmとなったレース。男子のレースはシルバン・コー Sylvain Court(フランス)が11時間23分で勝利、2位はマキシム・カザジャス Maxime Cazajous(フランス)で3分42秒差、3位はドナルド・キャンベル Donald Campbell(イギリス)でした。このほかジュリアン・ショリエ Julien Chorier(フランス)が6位、ファビアン・アントリーノス Fabien Antolinos(フランス)が8位、ジウリオ・オルナティ Giulio Ornati(イタリア)が10位。女子は総合11位となる12時間9分でミンミ・コトカ Mimmi Kotka(スウェーデン)が優勝。2位はオードレイ・タンギィ Audrey Tanguy(フランス)で64分の大差でした。
- BUFF® Epic Trail (65k, 42k, 26k, 11k): カタルーニャ・バルエラで開催され、42kmのレースがミグラン・スカイランナーワールドシリーズのSky Classicシリーズ第5戦でした。男子はマルク・ピンサッチ Marc Pinsach(スペイン)が4時間23分32秒で優勝。2位にフィンレイ・ワイルド Finlay Wild(イギリス・スコットランド)で4時間29分44秒、3位にミゲル・カバレロ Miguel Capallero(スペイン)で4時間33分42秒でした。女子はイギリスのホーリー・ページ Holly Pageが5時間3分40秒で勝利、2位にオイハナ・アスコルベベイシア Oihana Azkorbebeitia(スペイン)が5時間27分、3位にメルセデス・ピラ Mercedes Pila(エクアドル)が5時間30分という結果でした。リザルトはこちら。
- Gran Trail Peñalara (116k / 65k / 11k): スペイン・マドリード近郊の名山、ペニャララ山(2428m)のピークを踏む山岳トレイルレース。116kmのレースでは男子はホセ・ルチャルド Jóse David Lutzardoが13時間28分、女子はジェンマ・アレナス Gemma Arenasが13時間28分でそれぞれ男女のチャンピオンとなりました。リザルトはこちら。
6月30日土曜日: 美ヶ原
- 美ヶ原トレイルラン(90k/80k/45k/ほか): 長野県長和町。80kmのレースでは今年のハセツネ30kのチャンピオン、城武雅 Masashi Shirotakeが8時間31分31秒で優勝。12分差の8時間43分で加藤聡 Satoshi Katoが2位。3位は半田佑之介 Yunosuke Handaで9時間53分36秒。このほか間宮秀幸 Hideyuki Mamiyaが10時間53分で男子8位、西城克俊 Katsutoshi Saijoが同じく10時間53分で男子9位に。女子は10時間38分の総合7位で大石由美子 Yumiko Oishiが優勝、浅原かおり Kaori Asahara(11時間24分)、山室宏美 Hiromi Yamamuro(11時間57分)が2位、3位で続きました。80kmのレースは暑さのせいか完走率は48%に止まる厳しさでした。70人がスタートした90kmは今年初開催。矢嶋信 Makoto Yajimaが11時間3分54秒で優勝、2位は栗原孝浩 Takahiro Kurihara(12時間7分27秒)、3位に鈴木祐児 Yuji Suzuki(12時間41分20秒)となりました。女子は2人がスタートしましたが、フィニッシュした選手はいませんでした。45kmは3時間56分で牛田美樹 Miki Ushida、5時間18分で三井由香里 Yukari Mitsuiが男女それぞれで優勝。男子では辻友寛 Tomohiro Tsuji(4時間6分)、杉本諭 Satoshi Sugimoto(4時間7分)、女子では北島良子 Ryoko Kitajima(5時間28分)、油田直美(5時間43分)がそれぞれ男女のトップ3に入っています。リザルトはこちら。
- V3K Ultra (55k): イギリス・ウェールズのスノードンで開催される山岳トレイルレース。こちらも気温が高い中での開催となりました。リザルトはこちら。
今週末のイベント
7月3日火曜日 – 7月8日日曜日: Andorra Ultra-Trail
- Andorra Ultra Trail (233k / 170k / 112k / 83k / 42.5k / 10k):スペインとフランスに挟まれたピレネー山脈の中にあるアンドラ公国で開催。昨年から始まった233kmの新イベント、ユーフォリア Eufòriaも含め、世界屈指の山岳コースには日本からも多くの選手が参加します。
7月4日水曜日: Mt. Marathon
- Mt. Marathon Race:アメリカ・アラスカ州シューワード。海のそばの町から標高920mまで登って下りてくる5kmのコースはテクニカルで、選手にはケガする人が続出という過激な山岳レース。その始まりは1915年にさかのぼり、毎年独立記念日に開催される人気の大会です。
7月5日木曜日 – 7月7日土曜日: Corsica
- Ultra Trail di Corsica (110k): 地中海のコルシカ島は巨大な山脈があってアウトドアファンの間では人気ですが、そこで開催されるトレイルランニング大会です。108.4kmのコースの累積獲得高度は7,150mD+。フランスの長距離トレイルレースのシリーズ戦、Ultra Mountain National Tourの一戦です。
7月6日金曜日 – 7月8日日曜日: High Trail Vanoise
- High Trail Vanoise (70k / 39k / 18k / VK / Mini): フランス・バルディゼールで開催。70kmのレースがミグラン・スカイランナー・ワールドシリーズのSky Extraの第3戦。
7月7日土曜日 – 7月8日日曜日: St. Bernard, Kilian’s Classik
- Trail Verbier St Bernard (111k, 61k, 29k, 6k): スイス・ヴァレー州のスキーリゾートして有名なヴェルビエを拠点に開催。111kmのコースの累積獲得高度は8,400mD+とかなりのも
- KILIAN’S CLASSIK (25k, 45k, 10k, 17k): キリアンの名を冠した大会でピレネー山脈の中の村、フォン・ロムーで開催されます。
7月7日土曜日: 志賀高原
- 志賀高原マウンテントレイル(40k、13k): 長野県志賀高原で開催。山室忠さんがプロデュースする大会です。40kのレースには浦野裕之、土屋克則、山田琢也、奥山聡、上野朋子がエントリーしています。
7月8日日曜日: おごせ・ときがわ
- 北丹沢12時間山岳耐久レース(44k): 神奈川県相模原市。青根緑の休暇村を会場に開催される44.24kmのレースは今回で20回目の開催。鐘撞山や姫次への急登、山深さを感じさせるトレイル、そして7月初旬の蒸し暑さで知られるクラシックレースですが、今年はスカイランニング関東選手権の大会となっています。今年は昨年優勝の名取将大、2位の石川朋奈のほか、谷允弥、秋元佑介、小山真一、栗原健誌、近藤敬仁、矢嶋信(先週末の美ヶ原90k優勝)、大瀬和文、三浦裕一、牛田美樹(先週末の美ヶ原45k優勝)、小林慶太、細山雄一、城武雅(先週末の美ヶ原80k優勝)、北原一樹、富塚翔亮、井上真悟、平賀太智、吉田賢治、栗原孝浩、東徹がエントリー。女子では昨年優勝の斎藤綾乃のほか、福田恵里佳、村井絢子、大石由美子(先週末の美ヶ原80k優勝)、渡邊ゆかり、大庭知子、大松知恵が当サイトの注目選手です。先週末の美ヶ原を走った選手はさすがに難しいとすれば、男子の優勝争いは東徹、大瀬和文、名取将大、女子は斎藤綾乃を福田恵里佳と村井絢子が追うという展開を予想します。午前6時30分と午前7時のウェーブスタートです。
- トレニックワールド in おごせ・ときがわ 50km & 30km: 埼玉県越生町のニューサンピア埼玉おごせを会場に開催。昨年までの9月開催から時期を移しての開催です。
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