砂漠だけじゃなく、岩壁や大きな山もありそう。今回は何としても完走を。今月末にアラビア半島の東端にある中東の国、オマーン Omanで137kmのトレイルランニング・イベント、Oman by UTMB®︎が開催されます。その名が示すとおり、UTMB®︎がそのノウハウを提供して海外で開催される大会で、今年3月に中国で開催された Gaoligong by UTMB®︎に続く第2弾となります。当サイトではOman by UTMB®︎からお誘いいただき、初開催となる大会に中の人である岩佐が参加します。大会の前後には、このウェブサイトやFacebookページ、Twitter、Instagramなどで大会の様子をお伝えしていきますので、どうぞお楽しみに!
オマーンは冬がトレイルランニングのベストシーズンらしい
オマーン Omanについては旅慣れたトレイルランナーでもまだ行ったことがあるという方は少ないでしょう。でもヨーロッパへの旅の途中に、ドバイやアブダビ(いずれもアラブ首長国連邦)、ドーハ(カタール)で飛行機の乗り換えをした方は多いはず。オマーンはドバイやアブダビのあるアラブ首長国連邦の東隣りにあります。
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ちなみにオマーンの人口は476.6万人、面積は31万㎢(日本の8割強)。アラビア半島でも有数の歴史を持つ港湾都市、マスカットが首都で都市圏人口は77.5万人。最も高い山はアフダル山地のシャムス山で標高は3075mです。マスカットの夏の平均最高気温は40℃を超える猛烈な暑さですが、この大会が行われる10月から4月は温暖な冬で観光やスポーツに適したシーズン。平均気温23度とのことですが、標高2000mのコース上の夜は体感気温はかなり下がります。
Oman by UTMB®︎のコースは砂漠じゃないらしい
アラビア半島にあるオマーンの地図を見ると多くは砂漠に覆われていますが、北西部には高い山が連なっています。これがハジャル山地、アフダル山地でOman by UTMB®︎の舞台となります。スタート地点の標高は600mですが、コースの標高は最高で2200m、累積獲得高度は7800mD+となります。コースの距離が137kmであることを考えると、登り下りはかなり大きいレースだといえます。
コースの路面は様々ですが、一部にはすっぱり切れ落ちた崖の上や鎖を頼りに岩場をスクランブリングで登ったりするスリリングなセクションもありそうです。
コースの高低図をみると、最初の30kmほどで標高2000mくらいまで登った後は比較的高低差は小さくなるように見えます。しかし全体の累積獲得高度をみると、高低図で小さな起伏しかないように見えるセクションも、実際には無数のアップダウンの連続なのかもしれません。そして終盤の116kmあたりから距離3キロほどで標高差600mを登るところがあります。ここに登りのテクニカルなセクションがあるようなので、最後まで試練は続きます。
スタートは11月29日木曜日の午後7時30分(日本時間30日金曜日0時30分)。日の出は午前6時半くらいなので序盤は長い夜に。トップ選手は翌日の午後、スタートから19時間30分ほどでフィニッシュすると見込み。一方、制限時間は44時間とかなり余裕を持って設定されているので、きっと当サイトの中の人も完走はできるはず。給水ポイントが15箇所、うち補給食が提供されるエイドが11箇所と補給も十分な体制がとられています。
Oman by UTMB®︎を完走するとモンブランへのエントリーが有利に
なお、Oman by UTMB®︎を完走したランナーにはモンブランで開催のUTMB®︎にエントリーに必要なポイントのうち6ポイントが認められます。さらにUTMB®︎へのエントリーに当たって次のような有利な条件が認められます。UTMB®︎のブランドで開催される大会はまだUTMB®︎のエントリー資格に必要なポイントを得られるレースが少ない地域で開催されることが多いので、そうした地域とUTMB®︎を結びつけることが期待されます。
- Oman by UTMB®︎ で獲得する6ポイントは向こう3年間有効(通常は2年間)。
- UTMB®︎の抽選で特別な優先権あり。
- 初めてプレエントリーした場合は抽選でのチケットが2枚に(通常は1枚)。
- 前年に外れて2回目の場合は抽選なしでエントリー権を獲得(通常はチケットが2枚、抽選なしでエントリー権が得られるのは2年連続で外れて3回目の場合)。
第一回大会ながら57カ国から選手が集まる国際的な大会になりそう
そんな今回初開催のOman by UTMB®︎には57カ国から415人がエントリー。日本からも当サイトの中の人も含めて3人がその中に加わっています。有力選手では2016年UTWT年間チャンピオンで今年3月に中国で開催されたGaoligong by UTMB®︎で優勝しているゲディミナス・グリニウス Gediminas Grinius(リトアニア)、2014年UTMB®︎で4位や2016年Hardrock 100でタイ優勝のジェイソン・シュラーブ Jason Schlarb(アメリカ)、スカイランニングを中心に活躍するイーダ・ニルソン Iida Nilsson(スウェーデン、アメリカ在住)、今年のTDS®︎で5位のディエゴ・パゾス Diego Pazos(スイス)、3月のGaoligong by UTMB®︎ 56kmで2位のメレディス・エドワーズ Meredith Edwards(アメリカ)のほか、ソンドル・アムダール Sondre Amdahl(ノルウェー)、ストン・ツァン Stone Tsang(香港)といった選手たちが出場する予定です。
出場選手の一覧や大会当日の通過速報はLiveTrailで見ることができます。大会ウェブサイトはこちら。
当サイトのオマーンからのレポートをお楽しみに
当サイトでは、大会の前後にOman by UTMB®︎の大会の様子のほか、オマーンへの旅の魅力をこのウェブサイトのほか、Facebookページ、Twitter、Instagramなどでお伝えしていく予定です。