DC Weekly 2019年2月13日 – HK4TUC、Tarawera、笠戸島、奄美

香港では298kmを60時間や75時間で完走するというチャレンジが、ニュージーランドではUltra-Trail World Tourの第2戦が行われました。国内でも、中国地方、九州でレースがありました。一方、キリアンはノルウェーで世界記録を更新しています。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーも2019年中の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

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(写真・Hong Kong Four Trails Ultra Challengeに日本から参加した井原知一さん、仁科昌憲さんと二人の挑戦を支えたサポートクルーの皆さん。Photo by Soken Nishina)

トレイルランニング関連ニュース

  • 西田由香里さん:連休中の2019年2月10日、突然の悲報が伝えられ、当サイトでも取り急ぎお伝えしました。山岳スポーツ、トレイルランニングのコミュニティには悲しみが広がっています。
  • キリアン、24時間の累積獲得高度で世界新記録を達成:キリアン Kilian Jornetがまた一つ新しい記録を手にしました。キリアンは2月10日午前10時にノルウェーのスキー場で、24時間以内に標高差で何メートルを登ることができるか、という挑戦をスタート。地元のスキークラブのメンバーの応援をうけながら、スキーで登って下ることを24時間で51回繰り返し、23,486mを登って累積獲得高度の世界新記録を更新(これまでの記録は昨年5月にノルウェーのLars Erik Skjervheimが達成した20,939 m)。キリアンは最初の12時間は順調、その後は4時間ほど苦しかったものの、最後はまた元気に動けた、と振り返りました。今シーズンのキリアンは例年出場しているスキーモーのW杯に参戦しませんが、4月にはチーム戦で行われるスキーモーの大きな大会であるAdamello(4月7日)、Mezzalama(4月27日)に参戦します。

先週末のイベント

2月6日水曜日 – 9日土曜日:Hong Kong 4 Trails Ultra Challenge

  • Hong Kong 4 Trails Ultra Challenge:香港の4つのロングトレイル・計298kmをシングルステージで走り続けるというイベントは今回が9回目の開催でした。日中の気温は高く、参加した29人のランナーを苦しめました。そうした中、60時間で完走したランナーに与えられるのが「フィニッシャー」の栄誉。今年は3人が60時間以内での完走を果たし、「フィニッシャー」は大会が始まって以来、9人となりました。今年最初のフィニッシャーはクリスティアン・ジョルゲンソン Kristian Joergensen(デンマーク、フィリピン在住)で55時間52分。二人目のフィニッシャーは日本の井原知一 Tomokazu Iharaで57時間42分。そして3人目に香港在住のニッキ・ハン Nikki Han(イギリス)が58時間20分で完走。8回目にして女性として初めての60時間以内での「フィニッシャー」が誕生しました。75時間以内で完走した「サバイバー」を合わせたリザルトは次の通り。日本から参加していた仁科昌憲 Soken Nishinaは中盤でリタイアでした。
    1. Kristian Joergensen, Denmark (based in Philippines), 55:52 hours https://itra.run/community/kristian.joergensen/735298/14985/
    2. Tomokazu Ihara 井原知一, Japan, 57:42
    3. Nikki Han, United Kingdom (based in Hong Kong), 58:20 https://itra.run/community/nikki.han/263277/12593/
    4. Abimanyu Shunmugam, Singapore, 64:03
    5. Lau Chun Man 劉俊文, Hong Kong, 65:26
    6. Chris Kwan Yee Ting 關綺婷, Hong Kong, 66:10
    7. Leon Jiang Liang Jun 蒋良君, China, 66:52
    8. Habiba Benahmed, France (based in Hong Kong), 68:54
    9. Knattapisit Krutkrongchai ณัฐพิสิษฐ์ ครุฑครองชัย, Thailand (based in Hong Kong), 73:28
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2月9日土曜日 – 10日日曜日:Tarawera

  • Tarawera Ultramarathon (100m, 102k, 87k, 62k):ニュージーランドで開催。リザルトはこちら
    • 今回が2回目となる100マイルでは男子はジェフ・ブラウニング Jeff Browningが16:18:54、女子はカミーユ・ヘロン Camille Herronが17:20:52とアメリカの二人が優勝しています。この日はカミーユ・ヘロンがレースを序盤からリードしてジェフ・ブラウニングなど男子選手が続くという展開。ところがブラウニングは40km地点付近でコースをロストして湖の周回コースへ。4.5kmを一周して元のコースに戻ってくることに。この間に先頭を走るヘロンとの差は40分も開きました。後半になって大きくペースを落としたヘロンにブラウニングが追いついたのは残り30kmを過ぎてから、という展開でした。続く男子二位争いは後半に上野暁生 Akio Uenoがリードし、グラント・ギーズ Grant Guise(ニュージーランド)が追う展開に。先にフィニッシュしたのはギーズで19:24、男子3位には上野暁生で19:51となりました。上野は昨年のKoumi100で2位でした。
    • Tarawera Ultramarathonが始まって以来続く102kmのレースはUltra-Trail World Tourの今シーズン第2戦です。女子は昨年のUTMF優勝でその後にウェスタンステイツでも優勝しているコートニー・ドウォルター Courtney Dauwalter(アメリカ)が9:28:03、男女総合8位で優勝し、昨年に続く好調ぶりです。2位にはステファニー・オーストン Stephanie Auston(オーストラリア)が9:49:22、3位はアンジェリーク・プレア Angelique Plaire(ニューカレドニア)で10:39:47。男子はリース・エドワーズ Reece Edwards(オーストラリア)と, 昨年2位のコディ・リード Cody Reed(アメリカ) が終盤まで並走しましたが、最後のスパートを制したのはエドワーズで8:22:51で優勝。リードは7分差をつけられて8:29:44で2位。ハリー・ジョーンズ Harry Jones(イギリス、タイ在住)が僅差で3位でした(8:30:35)。
Tarawera Ultramarathon 102kmで優勝したコートニー・ドウォルター。 Photo by Tim Bardsley-Smith

Tarawera Ultramarathon 102kmで優勝したコートニー・ドウォルター。 Photo by Tim Bardsley-Smith

100マイルで優勝したジェフ・ブラウニング。Photo by Tim Bardsley-Smith

100マイルで優勝したジェフ・ブラウニング。Photo by Tim Bardsley-Smith

100マイルの男子表彰式、中央が男子3位となった上野暁生さん。Photo by Yukiko Aida

100マイルの男子表彰式、中央が男子3位となった上野暁生さん。Photo by Yukiko Aida

2月10日日曜日:笠戸島、高隈山、奄美、フィリピン

  • くだまつ笠戸島アイランドトレイル(32k, 19k):山口県下松市の沖合、瀬戸内海に浮かぶ三日月形をした島、笠戸島で開催。32kmのロングのレースは昨年の19kmショートで2位の中村卓也が2時間58分55秒で優勝。2位は東徹(3時間4分55秒)、3位は小笠原光研で3時間6分26秒でした。女子は安ヶ平萌子が3時間41分17秒で優勝、2位の宮﨑喜美乃(3時間46分2秒)を5分弱上回りました。安ヶ平は昨年の尾瀬岩鞍VKで3位でスカイランニングユース日本選手権チャンピオンのタイトルを手にしています。3位は昨年2位の小松雅代で3時間49分51秒でした。リザルトはこちら
  • 高隈山ピークハントトレイル(38k, 15k):鹿児島県鹿屋市。大隅半島の高隈山地をコースとする38kmと15kmのレース。リザルトはこちらに掲載される見込みです。
  • OSJ奄美ジャングルトレイル(50k、20k):奄美大島で2009年から開催されるOSJトレイルランニングシリーズの開幕戦です。男子50kは横内佑太朗が3:45:45で優勝。横内は箱根駅伝出場経験を持つ26歳のランナーで、昨年のこのコラムでは野沢トレイルフェス(3位)、科野の国(優勝)での成績をお伝えしています。2位には牧野公則が7分強の差で続きました(3:53:07)。3位は町田知宏(4:06:50)。女子は吉住友里が男女総合5位となる4:32:27で優勝して今年のトレイルシーズン入り。2位は石田知世巳(5:28:50)、3位は山本庸子(5:30:21)でした。20kは田辺勉(1:52:29)、長井香(2:42:55)がそれぞれ勝利を掴みました。リザルトはこちら
    • OSJ奄美50kは今年6月のトレイル世界選手権の日本代表選考レースの最終戦となっていました。選考する日本ウルトラランナーズ協会(JUA)からは代表選考についての情報は発信されていませんが、あらかじめ示されている選考基準に沿って4つの選考レースの結果をまとめると次の通りとなります。上位の6枠が「内々定」で残りは「補欠」、「希望に応じて最大男女6名までを選出」とされています。
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(男子)

  1. 三浦裕一(ハセツネの1位)
  2. 城武雅(ハセツネの2位)
  3. 川崎雄哉(熊野古道の優勝)
  4. 牛田美樹(熊野古道の2位)
  5. 森本幸司(千羽海崖の優勝)
  6. 横内佑太朗(OSJ奄美の優勝)
  7. 矢嶋信(ハセツネの3位)
  8. 堀江謙一(千羽海崖の2位)
  9. 牧野公則(OSJ奄美の2位)

(女子)

  1. 高村貴子(ハセツネの1位)
  2. 宮﨑喜美乃(ハセツネの2位)
  3. 吉住友里(熊野古道の優勝)
  4. 斎藤綾乃(熊野古道の2位)
  5. 秋山穂乃果(千羽海崖の優勝)
  6. 吉住友里(OSJ奄美の優勝)
  7. 立石ゆう子(ハセツネの3位)
  8. 斎藤綾乃(千羽海崖の2位)
  9. 石田知世巳(OSJ奄美の2位)
  • Asia_Trail_Master Pilipinas Akyathlon (49k):フィリピン・ルソン島のウゴ山で開催。Asia Trail Masterの第三戦となった49km 3,500mD+のレースの上位はフィリピンの選手によって独占されました。男子優勝はElmer Retolado(6:28:16)、2位はLarry Apolinario(6:35:55)、3位にJeff Aligan(6:56:47)。女子はJenny-vi Fontanilla(7:56:54)で優勝し男女総合では9位。2位はCherryl Navarro(8:21:47)、3位はCes Wael(8:53:32)。リザルトはこちら。Asia Trail Masterの第四戦は3月10日に今回と同じウゴ山のエリアで行われる80kmのレース、Cordillera Mountain Ultraとなります。

今週末のイベント

2月9日土曜日 – 15日金曜日:The Coastal Challenge

  • The Coastal Challenge (230km, 6 stages):南米コスタリカで開催される6日間のステージレースで、今回は15回目の開催。本稿執筆時点では第二ステージまでが完了していて、マーカス・スコットニー Marcus Scotney(イギリス)が合計タイムでリード。2位にペレ・オーレル Pere Aurellが続き、3番に女子首位のイーダ・ニルソン Ida Nilssonとなっています。途中経過の情報はこちらから。

2月16日土曜日:Black Canyon, FOURmidable

  • Black Canyon Ultras 100k/60k:アメリカ・アリゾナ州で開催。100kmのレースはウェスタンステイツへの出場権をかけたGolden Ticket Raceの一つとなります。日本からは上宮逸子 Itsuko Uemiyaがエントリーしています。
  • Fourmidable (50K, 35K, half marathon, 13k):アメリカ・カリフォルニア州オーバーンで開催。50kmのレースが米国陸連(USATF)のトレイル50km全米選手権であると同時に、今年6月にポルトガルで開催されるトレイル世界選手権の米国代表選考レースともなっています。

2月17日日曜日 – 24日日曜日:Le Treg

  • Le Treg:アフリカ中央部のチャドで行われる180km、24,000mD+のシングルステージのコースで行われ、制限時間は72時間。
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2月17日日曜日:ふどうの森

  • ふどうの森トレイルラン(22.2k, 9k):岐阜県関市。関市、各務原市、坂祝町にまたがるコースからは濃尾平野、飛騨山脈を一望できます。

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