国内でも多くの大会が開催されるようになり、いよいよトレイルランニングのシーズンがやってきました。今週末はUltra-Trail World Tourのシリーズ戦が3つ開催されます。さらに、日本からも多くの冒険者が参加する人気の大会、サハラ砂漠マラソン Marathon des Sablesはモロッコのサハラ砂漠で開催中です。
国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーも2019年中の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。
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(写真・今年の奥三河パワートレイルのスタート。Photo by (c) 計測工房)
トレイルランニング関連ニュース
- ハルカススカイランの「VWCエリート部門」への予選シリーズ:ISF(国際スカイランニング連盟)が主催するバーティカルワールドサーキットのシリーズ戦の一つで大阪で開催されるハルカススカイラン Harukas Skyrun(11月10日開催)では、他のシリーズ戦での成績などに基づいて選ばれた選手のみが参加する「VWCエリート部門」が一般のレースから分かれてかいさいされています。この選ばれた選手のみのレースに出場するための予選となる国内のシリーズ戦が設けられることとなりました。ミッドランドスカイラン(愛知県、5月12日)、真田バーティカル100(長野県、6月8日)、東京タワー階段競走(東京都、6月16日)、尾瀬岩鞍スカイスピード(群馬県、10月12日)の4レースの結果に基づく獲得ポイントのランキングにより、ハルカススカイラン「VWCエリート部門」の国内選手枠男女各5人が決まります。詳しくはJSAのウェブサイトから。
- ITRAの各国代表の選挙結果:先週のこのコラムで紹介した国際トレイルランニング協会(ITRA)の国別大会主催者会員代表と個人会員代表の選挙結果が発表されました。今回の選挙では任期がこれまでの2年から4年に改められ、各国でのITRAの役割や取り組みについての広報や広聴、国内の会員や競技団体との交流といった期待される役割が明文化されました。当サイト・DogsorCaravanの編集人である岩佐幸一も今回、日本の個人会員代表に選ばれ、2015年以来3期目を務めることとなりました。
先週末のイベント
4月1日月曜日 – 5日金曜日:Ultra Fiord
- Ultra Fiord (100m, 100k, 70k, 50k, 42k, 30k):チリ南部のパタゴニアの核心部で開催されるレース。例年、厳しい天候となることが多いこの大会ですが、今年は初日のバーティカルキロメーターが開催されたほかは30kmから100マイルまでの全てのレースが悪天候のため、キャンセルされました。代わって4日木曜日に34kmの代替レースが行われました。
4月6日土曜日:AR50、Leona Divide、Umstead、South Dawns Way
- American River 50: カリフォルニア州で開催。アメリカン川の川沿いのトレイルを走る50マイルのレースです。女子は昨年に続いてエミリー・ホーグランド Emily Hawgoodが7:23で優勝。男子は競り合いの末にクリス・デナッチ Chris Denucciがリード・バウアー Reed Breuerをわずかに15秒リードして6:20で優勝しています。リザルトはこちら。
- Leona Divide 50m: アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルスの郊外で開催される50マイルのレース。リザルトはこちらに掲載の見込み。
- Umstead 100: アメリカ南部、ノースカロライナ州で開催。リザルトはこちら。
- South Dawns Way 50m: イングランド南部、ブライトンの郊外のトレイルで開催。リザルトはこちら。
4月7日日曜日:青梅高水山、奥三河、多度山、Sungai Menyala
- 青梅高水山トレイルラン(30k/15k): 東京都青梅市。関東の春のトレイルランニングの名大会は今回で21回目の開催。男子は牛田美樹が2時間19分で優勝、18秒差で栗原孝浩が2位、3位は竹内悠真で2位の栗原から38秒差とタイトなレースでした。女子は中野沙知が3時間1分で優勝。石川奈都子(3時間2分)、今野昌子(3時間6分)が2位、3位でした。リザルトはこちら。
- 奥三河パワートレイル(70k): 愛知県豊根村の茶臼山高原をスタート、設楽町を経て湯谷温泉(新城市)でフィニッシュする約70km / 4,000mD。男子は板垣渚が7:26で優勝。7分差で続いた2位には伊藤健太が7:33、3位は黒河輝信で7:34。伊藤と黒河は約30秒の差でした。女子は大石由美子が9:09で優勝してクイーンの健在をアピール。2位は太田美紀子で9:14、3位は向井成美で9:36でした。リザルトはこちら。
- 多度山トレイルラン(24k, 13k): 三重県桑名市多度町。25kmのチャレンジコースは石坂健太(2時間16分)と村田祥江(2時間37分)が優勝。リザルトはこちら。13kmのエンジョイコースは橋本慎一(1時間1分)、前田彩花(1時間9分)が優勝しています。リザルトはこちら。
- Sungai Menyala Forest Trail (50k, 25k):マレーシア・ポートディクソン。50kの女子はベロニカ・バドビコバ Veronika Vadovicova(スロバキア、中国在住)が優勝し、2位にケイト・シェリダン Kait Sheridan(アメリカ、香港在住)、3位になかじまあすか Asuka Nakajima(日本、インドネシア在住)でした。男子ではジェフ・キャンベル Jeff Campbell(カナダ、香港在住)、喜多村久 Hisashi Kitamura(日本、マレーシア在住)、ジョン・エリス John Ellis(オーストラリア、香港在住)という結果でした。リザルトはこちら(掲載され次第リンクします)。
今週末のイベント
4月5日金曜日 – 15日月曜日:MDS
- Marathon des Sables (250km/5days):モロッコ南部のサハラ砂漠で開催される6つのステージからなる合計250kmのステージレース。本稿執筆時点では初日の7日日曜日の第1ステージの結果がでており、男子はラシッド・エルモラビティ Rachid El Morabityとモハメド・エルモラビティ Mohamed El Morabityの兄弟が一位、二位でした。ジュリアン・ショリエ Julien Chorierが出場していて初日は七位。女子はラグナ・デバッツ Ragna Debats(オランダ)が首位で1日目を終えています。経過速報とリザルトはLiveTrailのウェブサイトから。
4月12日金曜日 – 14日日曜日:Penyagolosa, Istria, Patagonia, Buffalo, Zion
- Penyagolosa Trails (115k, 63k): スペインのカステリョー・デ・ラ・プラーナ Castelló de la Planaで開催。昨年はトレイル世界選手権 Trail World Championshipsが開催されて話題になりました。世界選手権となった昨年は5月に開催されましたが、今年は従来どおりに4月の開催に戻して開催。115kmのCSP、65kmのMiMの二つのレースが行われます。Ultra-Trail World Tourのシリーズ戦。女子ではヘマ・アレナス Gemma Arenas(スペイン)、キャト・ブラドレー Cat Bradley(アメリカ)、男子ではクリストファー・クレメンテ Cristofer Clemente(スペイン)、マリオ・メンドーザ Mario Mendoza(アメリカ)、コディ・リード Cody Reed(アメリカ)、ジェライ・デュラン Yeray Duran(スペイン)など。
- 100 Miles of Istria Ultra-Trail (100m / 110k / 69k / 42k): クロアチア東部の町、ウマグを拠点に開催。100マイルのコースは+7,120mD+でこちらもUltra-Trail World Tourのシリーズ戦です。男子有力選手にはアントワーヌ・ギュイヨン Antoine Guillon(フランス)、エリオ・フモ Helio Fumo(ポルトガル)、アンドレア・マッキ Andrea Macchi(イタリア)、そして日本の大瀬和文 Kazufumi Ose。女子ではフェデリカ・ボイファバ Federica Boifava(イタリア)、ミシェル・イーツ Michele Yates(アメリカ)に注目。
- Patagonia Run (100m, 100k, 70k, 42k, 21k, 10k): パタゴニア、アンデス山脈のアルゼンチン側のサン・マルチン・ロス・アンデスで開催される大会です。こちらもまたUltra-Trail World Tourのシリーズ戦です。昨年は荒天のため開催されなかった100マイルがとうとう初開催。パウ・カペル Pau Capell(スペイン)がエントリーしています。
- Buffalo Stampede (75k, 42k, 20k, Grand Slam): オーストラリア・ビクトリア州のマウントバッファロー国立公園で開催。メルボルンから車で約3時間のところで開催される今年で6回目となる大会。
4月12日金曜日 – 13日土曜日:Zion
- Zion Ultra (100m, 100k, 50k, 21k): アメリカのユタ州、ザイオン国立公園で開催される100マイルなどの大会です。
4月12日金曜日 – 13日土曜日:Mt. Apo
- Mt Apo Sky Race (100k, 50k, 25k): フィリピン・ダバオの郊外にそびえるアポ山(2,954m)の周辺エリアはトレイルランニング、スカイランニングの大会が多数開催されるエリア。その山へ登って下りるシンプルなコースで行われるレースはAsia Trail Masterのシリーズ戦です。
4月13日土曜日:Lake Sonoma, Bull Run Run, 善光寺
- Lake Sonoma 50m: アメリカ、カリフォルニア州のソノマ湖周辺のトレイルで開催される50マイル。今シーズンのウェスタンステイツへの出場権がかかったGolden Ticket Raceの最終戦です。有力選手としてはマグダレナ・ブーレ Magdalena Boulet、カミラ・ヘロンCamille Herron、イオウ・ワン YiOu Wang、マックス・キング Max King、ダコタ・ジョーンズDakota Jones、ジャレド・ヘイゼン Jared Hazenが挙げられます。
- Bull Run Run 50: アメリカ、ワシントンDC郊外のバージニア州クリフトンで開催。今回が27回目となる大会。
- 善光寺ラウンドトレイル (18K): 長野市。地附山公園を会場に、善光寺の裏山となる大峰山(大峰城跡)、葛山、頼朝山、地附山をラウンドする18km 1,100mD+のコース。注目選手としては女子の吉住友里、星野由香理、髙村貴子、男子の城武雅、横内佑太朗、岩井竜太、平賀太智がエントリーしています。
4月14日日曜日:白馬八方尾根、FunTrails名栗、希望が丘、ダイトレ、最上稲荷、多良の森
- 白馬八方尾根大バーティカルレース(スキーマウンテニアリング): 長野県の白馬・八方尾根で開催されるスキーマウンテニアリングの大会です。標高差920mの雪上一気登りのレースのほか、本来のスキーモーのスタイルである登って下るインディビデュアルのレースも開催されます。
- FunTrails Round 名栗トレイルランレース in飯能(25.9k, 7.6k): 埼玉県飯能市。東京、埼玉のトレイルランナーにはおなじみの名栗湖畔や棒ノ嶺などを通る周回ルートをコースとします。奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiyaさんがプロデュース。
- 希望が丘トレイルランニングレース(21km): 滋賀県野洲市の希望が丘文化公園と隣接する近江富士こと三上山をこーすにして開催される大会です。
- 大阪府チャレンジ登山大会: 大阪、奈良の府県境となるダイヤモンドトレイルの36kmで行われる大会。大阪府山岳連盟が開催する大会は今年で45回目の開催。
- 最上稲荷トレイルランレース(20k, 11k): 岡山市の最上稲荷(さいじょういなり)を会場として周囲の里山をつなぐコースで開催。大会ゲストランナーとして今月からプロアスリートとなった山本健一 Kenichi Yamamotoさんが出場します。
- 多良の森トレイルランニング(40k, 19k): 長崎県大村市。40kmのコースは野岳湖公園をスタート・フィニッシュとする3,400mD+のタフなコースです。
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