富士登山競走 Fuji Mountain Race 2019 プレビュー

当サイトでは7月26日(金)に開催の富士登山競走/Fuji Mountain Raceの上位の結果を富士山頂からライブでお伝えします。男女ともに現在二連覇中の五郎谷俊 Shun Gorotaniと吉住友里 Yuri Yoshizumiにとっては三連覇を目指すことになりますが、初挑戦の選手には強力な優勝候補もいます。72回目の栄冠を勝ち取るのは誰か。今年も7月最後の金曜日は富士山がひときわ熱く盛り上がります。

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距離21kmで標高差3,000mを駆け上がる

富士登山競走のメインイベントとなる山頂コースは過去の直近3大会のいずれかでのスタートから五合目までのタイム(五合目コースの完走タイムまたは山頂コース五合目関門の通過タイム)による参加資格があります。合格ラインとなるタイムは69回大会(2016年)の分は2時間25分、70回大会(2017年)と71回大会(2018年)については2時間20分。

山頂コースのスタートは午前7時。富士吉田市役所から冨士浅間神社、馬返し、吉田口登山道を経て富士山頂(久須志神社)に至る21キロ、標高差3000mのコースで、フィニッシュ地点の山頂での制限時間は4時間30分です。コースはスタートから馬返しまでの11.4km(標高差680m)は概ね舗装路の上り坂となっており、スピードが求められる区間。馬返しから次第に木の階段の段差や石畳が現れて、いわゆるトレイルらしい雰囲気に。山小屋跡をつづら折りの急坂で辿った先に富士山五合目・佐藤小屋(15km地点、スタートから標高差1480m)に到着。ここから吉田口登山道で富士山頂を目指します。八合五勺・御来光館(20.0km、標高3,450m)からの最後の1kmは溶岩の間を手づかみで登る難所が待ち受けています。

Fuji Mountain Race Profile

富士登山競走の山頂コース高低図(大会ウェブサイトより)

合わせて行われる五号目コースは富士山吉田口五合目までの15キロがコース。スタートは午前8時半で制限時間3時間30分。

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今回も富士登山競走はスカイランナー・ジャパンシリーズ Skyrunner Japan Seriesのスカイシリーズの第3戦です。

富士登山競走の現在のコースレコードは山頂コース男子が2時間27分41秒(第64回大会<2011年>、宮原徹)、女子が2時間51分36秒(第39回大会<1986年>、中島和子)。五合目コースは男子が1時間17分05秒(第69回大会<2016年>、五郎谷俊)、女子が1時間32分12秒(第58回大会<2005年>、星野芳美)となっています。

有力選手紹介

今回の富士登山競走にエントリーしている有力選手をみてみましょう。

女子 Women

吉住友里 Yuri Yoshizumi

女子のレースをリードするのは2017年、2018年に富士登山競走を連覇している吉住友里 Yuri Yoshizumiでしょう。とりわけ2017年のタイムは3時間1分17秒で、30年振りの3時間切りまであと一歩に迫っていました。今回三連覇を達成する可能性は高いでしょう。今シーズンはバーティカルキロメーター・ワールドシリーズでの上位入りを目標にしていて、4月の粟ケ岳VKで2位、5月のTransvulcania VKで4位、6月のOlympus Marathon VKで2位となっています。VKのほかにも6月にはポルトガルで行われたトレイル世界選手権に日本代表として出場して16位になっています。

2011年、2012年、2015年に富士登山競走で優勝している小川ミーナ Mina Ogawaはその後も2017年、2018年とも吉住に続いて準優勝。吉住とともに女子選手の中では一段高い実力の持ち主です。この大会での自己ベストは3時間7分51秒(2012年)、2位の昨年は3時間23分53秒でした。荻原真紀 Maki Ogiwaraは2013年2位、2014年3位、2015年2位(自己ベストの3時間22分29秒)で昨年は3年ぶりの山頂コースでしたが3時間28分41秒で準優勝。サブ3.5で山頂へ行ける数少ない選手です。

この三人が上位を占めることは間違いないでしょうが、そこに割って入るとすれば立石ゆう子 Yuko Tateishiでしょう。トレイルランニングにデビューした昨シーズンは粟ケ岳VKで2位、上田VKで優勝。ハセツネCUPでは3位に。今シーズンは高層ビルを階段で駆け上がるバーティカルランの世界シリーズ戦に取り組み、現在年間ランキング2位につけています。初挑戦となる今回の富士登山競走でもトップ3に入る可能性は高そうです。

さらに女子の注目選手には次の皆さんが続きます。

  • 大石由美子 Yumiko Oishi: 2017年に3位(3:34:32)、2018年に4位(3:41:11)。
  • 大庭知子 Tomoko Oba: 2017年に4位(3:46:35)。
  • 浅原かおり Kaori Asahara: 2017年に4位(3:46:35)、2018年に5位(3:45:59)。2019年UTMFで3位。
  • 遠藤麻実 Mami Endo: 2017年五合目コース7位、2018年6位(3:49:30)
  • 仲田光穂 Mitsuho Nakata: 2018年8位(3:56:58)
  • 石川純子 Junko Ishikawa: 2011年9位(3:47:48)、昨年37位。
  • 長坂恵子 Keiko Nagasawa: 2012年3位(3:30:42)。2018年は15位。
  • 田中真紀 Maki Tanaka: 2018年上田スカイレース4位。
  • 星野由香理 Yukari Hoshino: UTMFで2018年4位、2019年7位。2019年美ヶ原80kで2位。
  • 福島舞 Mai Fukushima: 2018年スリーピークス八ヶ岳優勝、2019年平尾台17k優勝。

男子 Men

五郎谷俊 Shun Gorotani

男子のレースでは五郎谷俊 Shun Gorotaniの三連覇、そして大会新記録更新がなるかどうかに注目です。箱根駅伝5区で2016年に区間3位となり、現在は実業団(コモディイイダ)アスリートとして活動する五郎谷は2017年の富士登山競走で2時間31分34秒で優勝、宮原徹の大会記録に3分53秒差の歴代2位を記録しました。昨年は2:39:28で優勝。昨年はスカイランニング世界選手権(スコットランド)に日本代表選手として出場したほか、今年6月にはサロマ湖で100kmウルトラマラソンにデビューしています。

上田瑠偉 Ruy Ueda

しかし、今年の優勝争いはそうすんなりと決着しそうにありません。新チャンピオンの有力候補として挙げるべきは上田瑠偉 Ruy Ueda。ハセツネCUPの大会記録所持者で2016年のCCC®︎準優勝、最近はスカイランニングのワールドシリーズに参戦していて今シーズンは開幕戦の粟ケ岳スカイレースで優勝するなど世界のトップ選手の一人として注目を集めます。富士登山競走には満を持しての初挑戦となりますが、前々週(Buff Epic Trail、4位)、前週(Gran Paradiso、3位)の海外遠征から帰国直後でコンディション調整が気になるところ。実業団(愛知製鋼)アスリートとして今春まで活躍してきた大塚良軌 Yoshiki OtsukaはマラソンPRが2時間11分40秒(2014年福岡国際)という走力の持ち主。初めてのトレイルランニングのレースとなったスリーピークス八ヶ岳(ショート22km)で優勝したのちにサロマ湖100kmでは5位に。今回の富士山でも上位が見込まれます。さらに海外からはクリスティアン・マティス Christian Mathys(スイス)がエントリー。この32歳のスイス人は国際的なレースでは目立った成績は少ないですが、今年6月のポルトガルでのトレイル世界選手権では序盤から積極的にレースをリードして3位になったことが記憶に新しいところ。もしかしたら日本でまたサプライズを見せるかもしれません。2016年のMatterhorn Ultraks 45kで2位になった経験もあります。

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今年も富士登山競走には実力伯仲の選手たちが集結。続いて紹介するみなさんも誰が表彰台に立つトップ6となってもおかしくない実力の持ち主です。

  • 加藤聡 Satoshi Kato: 2011年に2位(PR 2:41:11)、12年に3位、13年、14年、17年は2位、2018年4位。
  • 牛田美樹 Miki Ushida : 2018年2位(PR 2:53:30)。昨年のSTY優勝、志賀高原エクストリーム38k優勝。
  • 菊嶋啓 Kei Kikushima: 2015年2位(PR 2:49:31)。
  • 山田雄喜 Yuki Yamada: 2018年五合目コース優勝(1:18:38)。
  • 城武雅 Masashi Shirotake: 2018年五合目コース3位(1:23:02)、2018年ハセツネCUPで2位。
  • 江本英卓 Suguru Emoto: 2017年3位(PR 2:48:43)、2018年7位。
  • 高瀬裕行 Hiroyuki Takase : 2018年3位(PR 2:56:23)。
  • 宮川鉄也 Tetsuya Miyagawa : 2018年5位、2017年13位、2015年3位(PR 2:50:28)。
  • 宮川朋史 Tomofumi Miyagawa: 2017年4位(PR 2:52:59)、2018年8位。
  • 小川壮太 Sota Ogawa: 2012年2位(PR 2:50:58)、2017年5位(2:53:41)、2018年9位(2:59:38)。
  • 村田稔明 Toshiaki Murata: 2018年10位(3:00:25)。
  • 藤飛翔 Tsubasa Fuji: 2018年11位(3:02:41)。
  • 吉原稔 Minoru Yoshihara: 2017年10位(2:56:28)。
  • 岡嶋智己 Tomomi Okajima: 2018年15位、2017年14位(3:00:10)
  • 近藤敬仁 Yoshihito Kondo: 2011年3位(2:48:26)。
  • 三浦裕一 Yuichi Miura: 2018年ハセツネCUP優勝。2018年スカイランニング世界選手権・Ben Navis Ultraで10位。
  • 東徹 Toru Higashi: 2013年ハセツネCUP優勝。2018年スカイランニング世界選手権・Ben Navis Ultraで15位。
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