プレビュー・Vibram Hong Kong 100 Ultra Trail Race 2020

今年もやっぱり世界のトレイルランニングの開幕は香港から。

今年のビブラム・ホンコン 100 ウルトラトレイルレース Vibram® Hong Kong 100 Ultra Trail® Race(HK100)は1月18日土曜日に103km 5,300mD+のコースで開催。2020年のUltra-Trail World Tourの開幕戦ともなっています。さらに今年の大会の新しい取り組みとして、前日の17日金曜日に103kmの前半部をコースとした「ハーフ」(56km 2,010mD+)のレースが新たに開催されます。

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昨年6月以降、香港からは連日デモのニュースが伝えられるようになりました。揺れ動く情勢の中で香港のトレイルランニング大会には中止になったものもありましたが、多くの大会はランナーの皆さんの期待を受けて予定通り開催されています。HK100では状況を受けて、すでに参加権を得ていた選手についてもキャンセルを認めたりキャンセル分の追加エントリーを受け付ける、といった措置をとっていました。また、今年の大会は例年に比べると中国や香港以外からの参加者はやや少なく、日本からの参加も4割減となっている模様です。

政治や社会の動きにかかわらず、香港のトレイルやランナーのコミュニティは健在な様子。当サイトとしても何かの形で香港のトレイルランニングを応援していければと考えつつ、当サイトでは今年も18日土曜日午前8時にスタートするHK100を現地からレポートします。Twitterアカウント、@Dogsorcaravan に現地からの情報を投稿しますので、ぜひフォローしてご覧ください。

今年のHK100では昨年に続いて大会の模様を現地から伝えるライブ配信が予定されています。

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有力選手紹介

女子 Women

ラグナ・デバッツ Ragna Debats

ラグナ・デバッツ Ragna Debats

シャン・フージャオ Xiang Fuzhao 向付召

シャン・フージャオ Xiang Fuzhao 向付召

ラグナ・デバッツ Ragna Debats(オランダ)は現在のトレイルランニング、スカイランニングの世界で最も活躍しているアスリートの一人です。家族とともに早めに香港入りしているデバッツが今シーズンの開幕を勝利で飾る可能性は高そうです。昨年はUTMB®︎ Mont Blancに初登場、CCC®︎で優勝。5月のTransvulcania、Royal Race Gran Paradiso、Pirin Ultraで優勝してスカイランナー・ワールドシリーズでは年間2位に。春にはMarathon des Sablesでも優勝と幅広い活躍を見せています。

一方、ラグナを迎える優勝候補の筆頭は、昨年のUTMFで圧勝したシャン・フージャオ Xiang Fuzhao 向付召)。このHK100では2017年に4位となって以来、翌年は3位、昨年2019年は2位となり、HK100を通じて世界にその名前を知られる存在となりました。昨年は中国国内で精力的にレースに出て優勝しているほか、UTMB®︎にデビューして11位に。昨年末に香港で開催されたGolden 100kで男女総合優勝しており、調子はよさそうです。

ベロニカ・バドビチョワ Veronika Vadovicova

ベロニカ・バドビチョワ Veronika Vadovicova

アジアのトレイルランニング界を昨年賑わせたのはベロニカ・バドビチョワ Veronika Vadovicova(スロバキア)でした。上海在住中の2018年にトレイルにデビュー、昨年はAsia Trail MasterのCordillera Mountains 50k(フィリピン)、Sungai Menyala 50k(マレーシア)、Ultimate Tsaigu 80k(中国)、Vietnam Jungle Marathon 70k(ベトナム)で優勝。12月にはIzu Trail Journeyで優勝したのは日本のトレイルランニングファンにも記憶が新しいところでしょう。UTWTのレースには今回が初挑戦となりますが、活躍が期待されます。

さらに、昨年のこの大会で3位のヤン・ガンメイ Yang Guangmei 杨光梅(中国)、香港のベテランで昨年8位のインスエ・レオン Ying Suet Leung 梁影雪(香港)、同じく香港のトップ選手の一人でこの大会では2017年に3位、2018年に4位のマリー・マクノートン Marie Mcnaughton(ニュージーランド)にも注目。マクノートンは今年に入ってUltra-Trail Tai Mo Shan TFT 109kmで優勝しています。加えて海外勢では昨年のPenyagolosa MiM 59k5位のランディ・グレイリング Landie Greyling(南アフリカ)、昨年のL’infernal Trail des Vosges 120k優勝、年初のUltra-Trail Tai Mo Shan 160kで3位のクレア・バンワート Claire Bannwarth(フランス)もエントリーしています。

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DC Weekly 2019年11月25日 - びわ湖バレイスカイラン・ジャパンシリーズ最終戦、100kmアジアオセアニア選手権、JFK50

このほか、次の皆さんにも注目です。

  • チィ・シャンウェイ Qu Shangwei 瞿尚薇(中国): 2019年Xiaoxing 100 優勝
  • エスター・チーラグ Eszter Csillag(ハンガリー、香港在住): 2019年Trans Jeju 112kで2位。
  • まつもと・さやか Sayaka Matsumoto(日本、香港在住):2018年Oxfam Trailwalker Hong Kong総合6位、男女混合優勝。
  • ニコール・ラウ Nicole Lau(中国香港):2015年HK100で5位。
  • フー・フアロン Fu Huarong(中国):Ultra-Trail Ninghai 109kで3位。
  • チェン・ロンロン Chen Rongrong 陈蓉蓉(中国):2019年Morgan Ultra 70k優勝。

男子 Men

リャン・ジン Liang Jing

リャン・ジン Liang Jing

ジャン・ジェンロン Zhang Zhenlong

ジャン・ジェンロン Zhang Zhenlong

男子のレースには昨年2位のリャン・ジン Liang Jing 梁晶(中国)、3位のジャン・ジェンロン Zhang Zhenlong 张振龙(中国)が今年のHK100の優勝を狙います。2年前、2017年のHK100ではまだその名は香港では知られていませんでしたが、序盤から積極的にリードしてトップでフィニッシュしたものの失格となるというハプニング。昨年のHK100でも先頭集団でレースをリードし、2位でフィニッシュ。三度の目の今回、勝利を掴めるか。レースが練習というリャンは昨年も多くのレースで結果を残していますが、UTMFでグザビエ・テベナールと競り合って2位になったのが当サイトには印象的でした。ジャン・ジェンロンはリャンと同じ1990年生まれですが、トレイルのレースに出始めたのは2018年後半からのようです。しかし、その直後の昨年のHK100では終盤にかけて力強い展開で3位を勝ち取りました。その後のCCC®︎では9位となるなど経験を広げていて、今シーズンの活躍が楽しみな選手です。

昨年トップ3のリャン、ジャンに対して、アメリカのジャレド・ヘイズン Jared Hazenはスピードで上回る実力の持ち主です。2015年には19歳でWestern Statesで3位となり、昨年2019年にはあのジム・ウォームズレー に17分差で2位になって話題となりました。このほか2018年秋にはJFK 50、2019年春にはLake Sonoma 50で優勝。最近ますます好成績を挙げるようになっています。順当に行けば今回の優勝候補の最右翼だと言えるでしょう。一方、ペレ・オーレル Pere Aurell Bove(スペイン)は近年はスカイランニングのレースで活躍。2018年のTransvulcaniaで優勝、同年のTromso Skyraceで2位、Trofeo Kimaでは3位。こうしたテクニカルな山岳レースを得意とするオーレルにとって走れるパートも多いとされるHK100との相性は気になるところです。パートナーのラグナ・デバッツ とともに表彰台に立つ姿がみられるかもしれません。

デン・ゴーミン Deng Guomin

デン・ゴーミン Deng Guomin

年々、競技レベルが高まっている中国からは今回も多くの有力選手、多くは20代の若手が集まります。デン・ゴーミン Deng Guomin 邓国敏は昨年のHK100で4位。中国の有名レース、Ultimate Tsaigu 80kではヘイデン・ホークスに続いて2位、Lavaredo Ultra-Trailでは6位に。前回のHK100で8位のリー・ボー Li Bo 李波はその後も中国の40-60kmのレースで好結果を残しています。ルオ・カンファ Luo Canhua 罗灿华は2018年のGaoligong By UTMB®︎でゲディミナス・グリニウスに続いて2位。昨年は初挑戦のUTMB®︎を23時間21分で完走して11位でした。ユウ・ペイチャン You Peiquan 游培泉は昨年のUltimate Tsaigu 110kでルオ・カンファとほぼ同時のフィニッシュながら優勝を譲って2位。チャオ・ジァジィ Zhao Jiaju 赵家驹は昨年のUltimate Tsaigu 110kで3位、CCC®︎で11位。どの選手も今回のHK100でブレイクしても不思議はありません。

ウォン・ホーチュン Wong Ho Chung

ウォン・ホーチュン Wong Ho Chung

地元の香港からは昨年のUTMB®︎で6位となったウォン・ホーチュン Wong Ho Chung 黃浩聰が参戦します。HK100では2018年に8位、昨年10位で今年は表彰台でさらに上位を狙います。

カール・ヨハン・ソーマン Carl Johan Sörman

カール・ヨハン・ソーマン Carl Johan Sörman

中国以外からは昨年のUTMFで6位だったカール・ヨハン・ソーマン Carl Johan Sörman(スウェーデン、イタリア在住)。昨年は地元イタリアのレースで上位に入っていますが、国際的な大会ではLavaredo Ultra Trailで5位、CCC®︎で20位でした。ペッター・レストープ Petter Restorp(スウェーデン)は昨年の90km du Mont-Blancで4位。スマン・クルング Suman Kulung(ネパール)は昨年11月の186kmのステージレース、Everest Trail Raceで優勝。HK100では2018年に7位になっています。

奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiya

Shunsuke Okunomiya

日本勢では昨年のTrans Jeju 112k優勝やFormosa Ultra-Trail 100k 4位と東アジアのレースで活躍する野本浩礼 Hironori Nomotoも1月4日にUltra-Trail Tai Mo Shan 160kで優勝したばかりでHK100に参戦。そして2014年のHK100で7位の奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiyaや日本のウルトラランニングのレジェンド、 もエントリーしています。さらに木村隼人 Hayato Kimura福井哲也 Tetsuya Fukuiにも注目です。

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このほか、次の皆さんにも注目です。

  • チャン・ジャオ Zhang Jiao 张交(中国):2019年Wuyuezhail Cross Country Challenge 50km優勝
  • シェ・ピン Xie Bin(中国):2018年Maxi-Race China, Jiangshan 100km優勝
  • キム・ジソブ Kim Jisub(韓国):2019年TNF100 Hong Kong 50k優勝
  • ジョン・エリス John Ellis(オーストラリア、香港在住):HK100で2018年に6位、2019年11位。
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