【感想文付き】ウルトラトレイル・マウントフジは開催してほしいけれどいろいろ考えると開催は厳しそう 大会が今後の対応について発表

開催されるとしても、ちょっといつもとは違う大会になりそうです。

4月24-26日に開催予定のウルトラトレイル・マウントフジ Ultra-Trail Mt. Fujiは新型コロナウィルス(COVID-19)の感染が拡大していることを受けて、2月28日に今後の対応について発表しました。大会の可否については3月16日月曜日について発表される予定です。

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【追記・3月12日に記者会見が行われ、大会の開催中止が発表されました。】

あっという間にランニングイベントに切迫してきた、これまでの新型コロナウィルスの経緯

すでに報じられている通り、原因不明の肺炎が中国・武漢市で見つかったのは昨年の12月の初め。年が明けるとその原因が新型コロナウィルスだと判明しますが、中国では武漢市や湖北省を中心に感染者や肺炎による死亡者が急増。春節を前にした1月23日から武漢市では人の出入りの制限が始まります。日本で見つかった最初の感染者は1月16日に判明した武漢市を訪れていた中国人男性。1月28日には武漢市からの団体旅行客を乗せた奈良県在住のバス運転手の感染が判明。以来、日本人帰国のためのチャーター機が飛び、横浜港沖にクルーズ船のダイヤモンドプリンセスが停泊して乗員乗客が集団感染。2月の半ばからは和歌山県の病院、東京の屋形船、ハワイから帰ってきた愛知県の人といった具合に感染のニュースが続くことになります。2月24日には国の専門家会議が「今後1-2週間が感染スピードを抑えられるかの瀬戸際」として、人との対面する機会を避け、軽い症状の場合は自宅で療養してほしいといった見解を発表。これを踏まえた政府の基本方針が発表されたのは25日。27日には安倍首相が全国の小中学校、高等学校に3月2日からの休校を要請。集団(クラスター)での感染が起こっている可能性があるとして北海道では28日に鈴木知事が3週間の緊急事態宣言を発表。翌日からの週末の外出を控えるように呼びかけました。2月28日午後10時時点で国内の感染者数は938人(うちクルーズ船が705人、チャーター機が14人)、死者が11人(うちクルーズ船が6人)になっています。

この過程で大勢の人が集まるイベントは感染リスクが高いとして開催を見送る動きが強まります。とりわけ、2月17日に東京マラソン(3月1日開催予定)が一般参加選手の参加を止めてエリート選手のみのレースを行うと発表したことは大きなきっかけになりました。以後、当サイトではランニング関係のイベントの開催予定と開催・中止の状況をまとめた記事をリアルタイムで更新し続けていますが、2月28日までに3月中に開催を予定していたマラソンなどの大会はほとんどが中止を決めました。4月以降の大会もすでに中止を決めたところがあるほか、ほとんどは予定通り開催を目指すとしながらも状況をみて中止にする可能性があると告知しています。中には5月に開催予定ながら早々と中止を決めた大会もあります。

新型コロナウィルスの行方は見通せないものの

さて、こうした中でトレイルランニング界では春の大規模なイベントとしてハセツネ30K(3月29日)とウルトラトレイル・マウントフジ(、4月24-26日)が控えています。トレイルランニングについては、数万人の観客が集まるスポーツイベントに比べれば動員数はずっと少なく、スタジアムのように人が密集することもあまりない。その上、屋外のスポーツなので感染リスクは低いかもしれません。とはいえ、UTMFとなると参加者数が2,400人と規模は大きく、距離165kmで制限時間が46時間とレースが広範囲で長時間にわたります。これに伴い大会のスタッフの人数は多く、負荷は重くなります。選手が感じるリスクに比べて、スタッフや大会を受け入れる地元の皆さんにとっては相対的にリスクは大きく感じられるかもしれません。

そう考えると、この状態が4月下旬まで続くならばUTMFも中止というのが順当な判断になりそうです。とはいえ、新型コロナウィルスの状況が今後どうなるか、確たる予想ができない中では結論を出すのは少し先にする、という今回のUTMFの発表は理解できるところです。

開催される場合の運営方針をみると、参加者へのプライベートサポートが行えないほか、エイドステーションではおそらく調理したり、手に取りやすく直に並べた状態では食品を選手に提供せず、密閉容器からその都度取り出したり個別に包装されたものだけとなりそう。それでも食べ物のことだけなら100マイルを走り抜くというガッツを持った選手には大したことではないかもしれません。

しかし、エキスポも行われず表彰式や閉会式も登壇者とスタッフだけで観客がいない状態、レース中は選手以外の人が応援のためにエイドに立ち入ることも禁止、となると大会会場の雰囲気はこれまでとは様変わりしそうです。UTMFの魅力のかなり大きな部分が失われるのは避けられそうにありません。

今回のUTMFが開催された場合に大会当日に出走しない(DNS)という選択をしても、次回大会の優先エントリー権はキープできます(ただし今回の参加費の払い戻しはなく次回大会では改めて参加費が必要)。大会が中止となった場合は全員に次回大会の優先エントリー権が認められるとされています(今回の参加費の返金や次回大会の参加費減免については検討中)。

UTMFを取材する立場の当サイトとしては、日本を代表するビッグイベントの中止は何としても避けてほしいと思います。でも、未だ治療法が確立されていない感染症を引き起こす新型コロナウィルスの収束に2週間後には目処がついているとは素人目には思えません。仮に目処がついたとしても、多くの人をわずかであっても感染のリスクにさらした上に、魅力の多くを失った状態で大会を開催するべきか、疑問は残ります。

参加する予定の皆さんには外出して街や山を走ることもままならない毎日が続きそうですが、当サイトも一緒にUTMFが出す結論を待ちたいと思います。

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