【追記しました】DC Weekly 2020年9月1日 – 日本、アメリカ、欧州のFKTの話題、ミンミ・コトカが「RED-S」を告白、先週末のリザルトは野沢トレイルフェス

【編者より・9月6日に開催予定の霧島・えびの高原エクストリームトレイルについて、今週末開催予定の大会として追記しました。2020.09.02】

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

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(写真・野沢トレイルフェスのスタート。 by © 計測工房)

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これも読む
DC Weekly 2020年3月2日 - 国内では次々にランニング大会が中止に U.S. Olympic Team Trials

Wonderland TrailでFKTが次々更新される

アメリカ・ワシントン州のワンダーランド・トレイル Wonderland Trailはレーニア山の周りをぐるりと一周する93マイル・累積獲得高度24,000フィート(150km 6,700mD+)のロングトレイル。コースはすべてマウントレーニア国立公園のエリア内にあります。このワンダーランド・トレイルでもFKTに挑戦するアスリートが相次いでいます。ディラン・ボウマン は8月19日に16時間58分でこのコースを完走して約1時間半と大幅に記録を更新しました(それまでのFKTは2018年9月のライアン・ゲルフィ Ryan Ghelfiによる18時間27分)。そしてその翌週、8月24日にはタイラー・グリーン Tyler Greenが16時間40分でこの記録を破って新しいFKTホルダーとなりました。その同じ週の26日にはケイトリン・ガービン Kaytlyn Gerbinが18時間41分で女子のFKTを更新。ジェン・シェルトン Jenn Sheltonによる2015年8月の記録(22時間4分)を3時間半近く短縮という大幅な記録更新となりました。

フェルナンダ・マシェール、1日のうちにグラン・パラディーゾとマッターホルンの登頂に成功

ヨーロッパでもFKTに挑戦するアスリートのニュースがありました。ブラジル出身のフェルナンダ・マシェール Fernanda MacielはUTMFでも活躍してきたウルトラトレイルランナーですが、8月20日にヨーロッパアルプスの二峰、グラン・パラディーゾとマッターホルンを同日中に登頂することに成功しました。グラン・パラディーゾはロープを使わないソロ・スタイルで2時間40分で4,061mの山頂に登頂。下山まではあわせて4時間3分で自らが持つこのルートでのFKTを40分短縮して更新。そこからイタリアのチェルビニアに移動してマッターホルンの4,478mの山頂に登頂しました。マッターホルンでは昨年マシェールのルームメイトが亡くなる事故があったとのこと。マシェールはこれまでにUTMBなどのレース以外にも、女性として初めてトレイルランニングでアコンカグア山頂まで往復したほか、キリマンジャロのFKTホルダーでもあります。

星野由香理、日光国立公園縦断チャレンジに挑戦

日本でも自ら設定したテーマに挑戦するアスリートのニュースが続いています。星野由香理 Hoshino Yukariは「日光国立公園縦断チャレンジ」を8月28日金曜日の朝にスタート。福島県西郷村の甲子温泉をスタートして南に進み、奥日光から日光世界遺産エリアを目指す231km 13,500mD+のコースを4日目の31日月曜日の夕方に完走することを目指す、というチャレンジでした。今回の挑戦は体調や天候を考慮して、4日目の午後に予定よりも15kmほど手前でフィニッシュとなりました。コースやGPSトラッキングはIBUKIから、行動中のアップデートは星野由香理さんのInstagramアカウントから見ることができます。

ミンミ・コトカ、「スポーツによる相対的なエネルギー不足(RED-S)」と告白

ミンミ・コトカ Mimmi Kotka(スウェーデン)は2016年のCCC®︎、2017年のTDS®︎で優勝するなど、トレイルランニングにおける世界のトップアスリートとして認められる存在です。そのミンミ・コトカが8月24日に自身のFacebookページに「スポーツによる相対的なエネルギー不足(RED-S)」の状態にあることを告白し、しばらくスポーツから離れることを明らかにしました。

レースにおける彼女のパフォーマンスは2018年のUTMB®︎を途中で棄権した頃から陰りが見え始めていましたが、先々週末のL’Echappee Bellでもリタイア。「体の免疫が働かず、貧血、疲労、胃腸の不具合、といった症状は『RED-S』によるものだとついにわかりました」、「長時間のトレーニングで体に負荷をかけてきたものの、それに見合うカロリーをとることはなく、疲労もやり過ごしてきました。肉体の欲求を無視することで強い選手になることができるのですが、その結果として私は挫折することになりました。」と振り返りました。これまでの経緯について「体を飢餓状態のままにした時間が長すぎたのです。自分で意図してそうしたのではなく、しっかり食べたいと思っているのに実際には食べていない。何年もの間、週に何千カロリーも不足していたことに気がつきました。筋肉量が多いので体重はノーマルでしたが、実際には体脂肪率が低すぎました。」としています。

トレイルランニング界も、これまでも失ったパフォーマンスを長期間にわたって取り戻すことができない選手を少なからず見てきました。その原因はこの「RED-S」、あるいはオーバートレーニング症候群であったというケースが少なくないように思われます。女性アスリートに多いといわれますが男性でも当てはまるケースがあるようです。

コトカは「専門家の助けを借りてRED-Sを治し、私自身のトレーニングとレースに対する考え方を変えていこうと思っています」としています。

It’s time to take a break. I’ve poured my soul into ultratrail for the last years. But I don’t ultra well right…

Posted by Mimmi Kotka on Monday, August 24, 2020

ITRA、新型コロナ対策の三密回避のために大会参加選手を走力順にウェーブスタートさせるのに活用できるサービスを主催者向けに提供開始

トレイルランニング大会においても、新型コロナウィルスの感染予防策としてスタート時の選手の混雑を避けることが求められています。そのために一斉スタートではなく各選手にスタート時刻をあらかじめ指定するウェーブスタートとする大会が現れています。

ITRA(国際トレイルランニング協会)ではこうした大会主催者のニーズに応える新サービスとして、「ITRA Start List」の提供を開始しました。これは大会の参加選手のリストとITRAのデータベースにある各選手の成績指数のデータを結びつけるというサービス。これにより、参加選手を走力別にグループ分けしたり、走力順にリスト化することが可能となり、ウェーブスタートが円滑にできるようになります。詳しくはITRAのウェブサイトで説明されています。

カリフォルニアのスコー・バレーが名称を変更へ

アメリカ・カリフォルニア州のスコー・バレー Squaw Valleyはかつて1960年に冬季オリンピックが開催されたシエラネバダ山脈の中にあるスキーリゾートで、トレイルランニングではウェスタンステイツ Western Statesのスタート地点としても知られます。このスコー・バレーが「スコー」という言葉には北米のネイティブアメリカン女性への侮蔑的な意味が含まれるという理由から、名称を改めることを発表しました。新名称は2021年初めに発表し、2021年中に改称を終えるとしています。

先週末開催のイベント

8月29日土曜日 – 30日日曜日

野沢トレイルフェス (33k, 19.5kなど)

当初予定されていた8月1日から時期を移して長野県・野沢温泉スキー場で開催されました。今年は開催される大会が少ないこともあってか、多くの有力選手も集まったレースとなりました。33km女子はが3時間28分で優勝。2位以下を16分近く引き離しての圧勝で男女総合7位という好記録でした。2位には高村貴子(3時間44分)、3位に枝元香菜子(4時間0分)。男子は上田瑠偉が3時間2分でフィニッシュして優勝し、16分差で2位に上正原真人(3時間18分)、3位に馬場直人(3時間23分)が続きました。19.5kmは近江仁之介(2時間1分)、田中真紀(2時間21分)がそれぞれ男女のレースを制しました。リザルトはこちら

33km男子のスタート(Photo by © 計測工房)

33km男子のスタート(Photo by © 計測工房)

33km男子優勝の上田瑠偉(Photo by © 計測工房)

33km男子優勝の上田瑠偉(Photo by © 計測工房)

33km女子優勝の吉住友里(Photo by © 計測工房)

33km女子優勝の吉住友里(Photo by © 計測工房)

立山登山マラニック(65k)

富山県。浜黒埼海岸をスタートして、弥陀ヶ原、室堂、一ノ越を経て標高3003mの北アルプス立山・雄山山頂でフィニッシュする65kmのコースで開催。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

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DC Weekly | 先週末はOSJ新城、中辺路、Berkley Marathonsなど、今週はハセツネ30k、青梅高水山・2018年3月27日

今週末開催のイベント

9月1日月曜日 – 9月6日日曜日

Swiss Peaks (360k, 170, 90k, Marathon, Half marathon)

スイス・ヴァレー州で開催される360kmから21kmまでの5つのレースはレマン湖畔のフィニッシュを目指します。予定通り開催予定で、大会は寒さに備えた指定必携品(コールドキット)の参加者は携行するようにアナウンスしています。

9月2日水曜日 – 5日土曜日

(中止)Ultra Tour Monte Rosa(170km – one stage / multi-stage, 100km, 23km)

マッターホルン、モンテローザの麓、スイス・ヴァレー州のグレヘン Grächenを拠点に開催。170kmのコース(13,000mD+)と100kmのコース(6,420mD+)があり、170kmのコースでは4日・4ステージのステージレースも合わせて開催されるほか、最終日には23kmのレースも予定されていました。大会は新型コロナウィルスのため中止に。昨年の大会は初日に170kmがスタートしてから悪天候のためレースが中止、翌日に予定されていた100kmもキャンセルされました。

9月4日金曜日 – 6日日曜日

(中止)BUFF Mountain Festival (65k, 42k, 26k, 11k)

スペイン・ピレネー山脈のバル・デ・ボイ Vall de Boíで開催。今年7月9-12日に予定されていた大会ではスカイランニング世界選手権 World Championshipsが予定されていました。コロナ禍により世界選手権は中止となりましたが、大会は9月に延期して開催を予定していたもののその後キャンセルされました。スカイランニング世界選手権は来年2021年7月に開催予定のこの大会で行われる予定となっています。

(中止)The Rut Mountain Runs VK, 28k, 50k, 11kなど)

アメリカ・モンタナ州のBig Sky Resortで開催。アメリカの本格的な山岳レースの一つですが、大会は中止に。今週を通してバーチャルレースが開催されています。

9月5日土曜日 – 6日日曜日

OSJ安達太良山トレイル10KOSJ安達太良山トレイル50K

福島県二本松市の岳温泉、あだたら高原スキー場で開催。コロナ禍の中でいち早く開催することを発表して注目されました。土曜日に10K、日曜日に50Kのレースが行われます。

Thames Path 100

イギリスのロンドンからオックスフォードまで、川沿いの道を遡る100マイルのランニングレース。5月2-3日から延期されて、コロナ対策を行った上で予定通り開催される模様です。

9月5日土曜日

京都一周トレイルグランドトラバース (60km)

京都一周トレイルの北山コース、東山コースを走るイベントで制限時間は12時間。約200人が参加して開催予定です。

Eco Trail Brussels (80k, 42k, 18k, 9k)

都市と近郊をつなぐトレイルをコースとする「Eco Trail」シリーズのイベントで、ベルギーの首都・ブリュッセルで開催。新型コロナ対策を行った上で開催予定です。

(中止)Ben Nevis Race

イギリス・湖水地方で1951年から続くフェル・ランニングの代表的なイベント。今年は中止となりました。

9月6日日曜日

霧島・えびの高原 エクストリームトレイル(63km、36km)

宮崎県えびの市・鹿児島県霧島市、湧水町。九州を代表するウルトラディスタンスのトレイルランニングレースの一つ。今年の大会は7月18日に予定されていた大会を新型コロナのため8月23日、さらに9月6日に延期しての開催となりました。しかし目下台風10号が九州に接近しており大会では4日金曜日に開催可否を判断するとしています。昨年7月の大会も台風のためロング63kmのレースについて、コースをショート36kmと同じコースに短縮して開催されました。

(中止)多摩川源流トレイルラン(25k)

奥多摩の西隣となる山梨県小菅村で開催される多摩川の源流を育む美しい水源林や高原を走る大会。今年は中止に。

(延期)Mizukami Mountain Party(60km, 25km)

3月14日に

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林絵里 Eri Hayashi 2018年野辺山100kmウルトラマラソン・100km優勝インタビュー

熊本県水上村。宮崎県と県境を接する水上村の山間地で開催される4回目の大会は来年3月14日に延期して開催することがアナウンスされています。

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