Amazfit T-Rexレビュー:バッテリーと耐久性を強化してコスパに優れたアウトドアアクティビティ向けGPSスマートウォッチ

ハードなトレイルランニングに適したGPS付きスマートスポーツウォッチが手軽に手にできるようになっていました。

Huamiはスマートフォンなどで有名なシャオミのグループ会社で、「Amazfit」のブランドで展開するスマートウォッチが中国やアメリカで人気を集めています。日本市場にはこれから本格的に参入する予定(アマゾンに公式ストアをオープンしています)とのことで、同社からレビューのために製品を提供していただきました。テクノロジーが進歩、市場が拡大する中でAmazfitの製品ラインナップも拡大していますが、今回はアウトドアアクティビティに適したモデル「T-Rex」を試しました。

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結論からいえばT-Rexは丸一日の長時間のトレイルランニングに対応し、スポーツアクティビティ以外でもミドルレンジのスマートウォッチのトレンドとなっている機能は概ねカバーしているバランスのとれた製品です。ただ、ベゼルなどの外装部の質感は長時間身につけるアイテムとしてはちょっと物足りないかも。あと、ナビゲーションやトレーニングの進捗管理といったトレイルランニングに特化した機能は備えていません。

とはいえ、アマゾンのAmazfit公式ストアで27,800円(税込)というお値段を考えれば非常にコストパフォーマンスに優れた製品。T-Rexは初めてのスポーツスマートウォッチとしても、トレイルランニング専用の2つ目のスマートウォッチとしてもいい選択肢になりそうです。

外観はちょっとチープな感じだが、耐久性やディスプレイの見やすさ、バッテリーの持ちはすばらしい

T-Rexのスペック上のサイズは47.7 x 47.7 x 13.5 mm。筆者が普段から使っているGarmin fenix 6XやSuunto 9のようなアウトドアGPSスマートウォッチの上位モデルと比べると一回り小振りです。ケース、ベゼルともに材質は「Polymer materials」となっていて重量はストラップ込みで58g。ベゼルがステンレス、ケースがFRPのGarmin(93g、fenix 6X Sapphire Black DLC)、Suunto 9(81g)に比べると非常に軽量。

左から2つ目がAmazfit T-Rex。そのほかは左からApple Watch (40mm)、Garmin fenix 6X、Suunto 9 baro。

左から2つ目がAmazfit T-Rex。そのほかは左からApple Watch (40mm)、Garmin fenix 6X、Suunto 9 baro。

上から2つ目がAmazfit T-Rex。そのほかは上からApple Watch (40mm)、Garmin fenix 6X、Suunto 9 baro。

上から2つ目がAmazfit T-Rex。そのほかは上からApple Watch (40mm)、Garmin fenix 6X、Suunto 9 baro。

バッテリーの持続時間は「日常使用モード」で20日間、「GPS連続使用モード」で20時間。T-Rexを常時表示モードにして一日に2-3時間のランニングをしたところ、3日目の夜のバッテリー残量はT-Rexが45%(機能に差があるので厳密な比較とはなりませんが、手元のGarmin fenix 6Xを同時にフル充電にして並べて腕に着け続けたところ66%となっていました)。私の使い方だと、普段の充電は4-5日に一回くらいになりそうです。トレイルランニングのレースなら早朝にスタートしてその日の日付が代わるまでバッテリーが持つわけで、多くの場合は必要十分ではないでしょうか。バッテリーについては常時表示をオフにしたり、夜間は通知をオフにしたり、さらに心拍センサーをオフにする省電力モードもあるので、状況に応じて持続時間を伸ばす設定に切り替えることもできます。

T-Rexはデフォルトではディスプレイが常時表示になっていない

T-Rexは箱から出してそのまま使っているとベゼルのボタンいずれかを押さないと画面に何も表示されず、画面が表示されてしばらくすると表示が消えます。これだとバッテリーの持続時間はかなり長くなりますが、時計としてはちょっと不便に感じます。「設定」メニューの「表示を常にオン」に「閉じる」(デフォルトの「ボタンを押した時だけウォッチフェイスを表示」するモード)、「デジタル文字盤」、「アナログ文字盤」(スタンドバイ表示としてそれぞれデジタルまたはアナログの時刻と日付、バッテリー残量、その日の歩数と目標に対する達成度を常時表示)を切り替えることができます。さらに「スクリーンオン時間」で非表示またはスタンドバイ表示へ切り替えるまでの時間を6秒から14秒まで調整可能。上記のバッテリーの持続時間については常時表示をオン、スクリーンオンは14秒という設定で計っています。

メニューの「設定」から「表示を常にオン」にすると常時表示に変更できる。デフォルトでは「閉じる」になっている。

メニューの「設定」から「表示を常にオン」にすると常時表示に変更できる。デフォルトでは「閉じる」になっている。

常時表示(スタンバイモード)に切り替えようとするとバッテリー残量についての警告が表示される。

常時表示(スタンバイモード)に切り替えようとするとバッテリー残量についての警告が表示される。

常時表示(スタンバイモード)に切り替えると、ディスプレイ上に常に時刻や日時など限られた情報が表示される。

常時表示(スタンバイモード)に切り替えると、ディスプレイ上に常に時刻や日時など限られた情報が表示される。

ディスプレイはAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)で解像度は360 x 360ピクセル。Garmin fenix 6Xに使われているMIP(メモリインピクセル液晶)の方が省電力で太陽光の下で見やすいですが、スマートフォンを見慣れた目にはAMOLEDのコントラストの高いディスプレイの方が好ましいと感じるかもしれません。またfenix 6Xとの比較ではディスプレイの解像度がT-Rexの方が高いので日本語フォントが読みやすい。また、タッチ操作が可能です。

Amazfit T-RexのAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)ディスプレイはGarmin fenix 6X(右)のMIP(メモリインピクセル液晶)よりもくっきりと表示されて見やすい。ただ、MIPの方が省電力で明るい太陽光の下でも見やすいというメリットがある。

Amazfit T-RexのAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)ディスプレイはGarmin fenix 6X(右)のMIP(メモリインピクセル液晶)よりもくっきりと表示されて見やすい。ただ、MIPの方が省電力で明るい太陽光の下でも見やすいというメリットがある。

防水等級はスイミングに対応した5ATMで、このほか耐高温、耐低温、耐湿、耐塩水など12種類のミリタリーグレードの耐久テストにパスしていると謳っています。

Amazfitのウェブサイトでは12のミリタリーレベルのテストをクリアしているという。

Amazfitのウェブサイトでは12のミリタリーレベルのテストをクリアしているという。

T-Rexのデザインもこの耐久性をアピールするようなやや無骨でタフなイメージ。ただ、樹脂製ということもあって50代男性の筆者には少々チープな感じに見えるのも確か。この辺りは本体カラーの違いによっても感じ方は変わるかもしれません。

人によって好みは分かれるだろうが、ベゼルやケースはプラスチック感を感じる。

人によって好みは分かれるだろうが、ベゼルやケースはプラスチック感を感じる。

機能面でも最新のスマートウォッチとしての機能はほぼ網羅

T-Rexは今日のスマートウォッチが備えている機能はほぼもれなく、高いレベルでカバーしています。センサーセンサー関係でいえば「BioTracker™️ PPG Bio-Tracking Optical Sensor」と呼ぶ光学心拍センサーを備えています。こちらはアクティビティ中の心拍だけでなく、常時心拍数をモニター。トレイルランニングには重要な位置情報のトラッキングにはGPSに加えてGLONASSにも対応し、三軸加速度計やコンパスを備えることで精度を高めています。

T-Rexのケース裏面に配置された「BioTracker™️ PPG Bio-Tracking Optical Sensor」。左右の金属端子は充電用で、付属の専用ケーブルをマグネットで接続する。

T-Rexのケース裏面に配置された「BioTracker™️ PPG Bio-Tracking Optical Sensor」。左右の金属端子は充電用で、付属の専用ケーブルをマグネットで接続する。

スマートフォンとはBluetooth 5.0およびBLEで接続・同期し、AndroidとiOSに対応するアプリ「Zepp」で、ウォッチ本体よりもさらに詳しくデータを参照したり、詳細に設定をしたりできるようになっています。スマートフォンとの接続に関連しては通知の受信機能や、スマホとウオッチの間でお互いを探す機能を備えます。スマートフォンの音楽プレーヤーを操作することも可能です。

T-RexとiOSのZeppアプリ。

T-RexとiOSのZeppアプリ。

スポーツアクティビティ関連では屋外ランニング、トレイルランニングのほかスイミングやサイクリングなどのアクティビティがプレセットされており、アウトドア系では登山、スキー、ハイキングのほか屋外サイクリング、オープンウォータースイミングが用意されています。

現時点では次のアクティビティメニューが用意されている。屋外ランニング、ウォーキング、屋外サイクリング、プールスイミング、オープンウォータースイミング、ランニングマシン、屋内サイクリング、エリプティカルトレーナー、エクササイズ、登山、トレイルランニング、スキー、屋外ハイキング。

現時点では次のアクティビティメニューが用意されている。屋外ランニング、ウォーキング、屋外サイクリング、プールスイミング、オープンウォータースイミング、ランニングマシン、屋内サイクリング、エリプティカルトレーナー、エクササイズ、登山、トレイルランニング、スキー、屋外ハイキング。

スポーツ時以外の身体の状況をトラッキングするライフログ機能は歩数、消費カロリー量、移動距離、睡眠時間などを記録。座っている時間が長い時に立つことを促すアラート機能も備えます。こうしたライフログについての一次データを元に独自のロジックで二次的に算出される健康管理に役立つ指標が「PAI」です。これはAmazfit独自の指標で「心拍数データをベースに、毎日のアクティビティの強度や生理データを合わせて多角的かつ動的に総合的な評価を行う」というもの。心拍数を上げるスポーツや生活習慣と、その人の身体スコアなどの情報に基づいて日々PAIのポイントがたまり、直近7日間の合計を100ポイント以上に保つことで「心肺機能と心臓の健康が改善」されるといいます。また睡眠ログにおいても深い眠り、浅い眠りの比率や入眠時刻などによって100点満点の「睡眠スコア」を算出。睡眠前の状況や起床時の気分を記録したり、自分の状況に応じた睡眠についてのアドバイスが表示されるのもユニークです。

Zeppアプリで確認できるPAIの進捗状況。

Zeppアプリで確認できるPAIの進捗状況。

睡眠については時間だけでなく、睡眠スコアという形で睡眠の質についてもアドバイスが得られる。

睡眠については時間だけでなく、睡眠スコアという形で睡眠の質についてもアドバイスが得られる。

T-RexのウォッチでもPAIのスコアをリアルタイムで見ることができる。

T-RexのウォッチでもPAIのスコアをリアルタイムで見ることができる。

実際にT-Rexを試用:ランニング中のディスプレイのカスタマイズ性は高くない、スマホアプリの出来はいい感じ

では、T-Rexを実際に使ってみた様子をご紹介しましょう。

外に出てベゼル右上のSELECTボタンを押してアクティビティを選択。この時、バッテリーの残量がパーセントと残り時間で表示されます。今回は「トレイルランニング」を選んでみました。GPSの信号を捕捉すると中央のGOボタンが緑に変わり、このボタンを押すとスタートです。この時、ランニング中の通知(一定距離ごと、心拍数や心拍ゾーンを超えた場合など)、リアルタイムグラフ(ペース、心拍数、海抜高度のいずれか)について設定することもできます。

GPS信号をキャッチすると「GO」のボタンが緑に変わる。

GPS信号をキャッチすると「GO」のボタンが緑に変わる。

ランニング中はタイム、距離、ペース、心拍数がメイン画面、高度、累計獲得高度、累計喪失高度が2枚目のサブ画面、そして設定した場合は3枚目のリアルタイムグラフ画面をベゼルのUPボタン・DOWNボタン、またはディスプレイの上下スワイプで切り替えることができます。表示する項目の入れ替えやレイアウトの変更はできません。

アクティビティ中のディスプレイ1枚目。

アクティビティ中のディスプレイ1枚目。

アクティビティ中のディスプレイ2枚目。「累計上昇」は登りセクションの距離の累計を意味しているようだ。

アクティビティ中のディスプレイ2枚目。「累計上昇」は登りセクションの距離の累計を意味しているようだ。

ランニングを終了するとGPSログの軌跡に始まり、タイムやペースに始まる各種メトリックスを確認できます。加速度センサーが入っているのでケイデンスやストライドも記録され、心拍数や高度はグラフで視覚的に確認することができます。

ランニングのスタート、フィニッシュ地点とコースの軌跡。

ランニングのスタート、フィニッシュ地点とコースの軌跡。

「期間」はランニングのタイムのこと。概ね日本語のローカライズはわかりやすく、漢字が簡体字で表示されることもないのだが、用語の日本語訳は「おや?」と思うことも。

「期間」はランニングのタイムのこと。概ね日本語のローカライズはわかりやすく、漢字が簡体字で表示されることもないのだが、用語の日本語訳は「おや?」と思うことも。

「平均歩調」はケイデンス、「平均歩幅」はストライド。

「平均歩調」はケイデンス、「平均歩幅」はストライド。

消費カロリー、コースの高度の平均値、最高値。

消費カロリー、コースの高度の平均値、最高値。

「合計上昇距離」「合計下降距離」はそれぞれ累計獲得高度、累計喪失高度のようだ。アクティビティ中に表示される「累計上昇」(登りセクションの距離の累計)と重なって一見してわかりにくいかもしれない。

「合計上昇距離」「合計下降距離」はそれぞれ累計獲得高度、累計喪失高度のようだ。アクティビティ中に表示される「累計上昇」(登りセクションの距離の累計)と重なって一見してわかりにくいかもしれない。

心拍数の分布はグラフで表示される。

心拍数の分布はグラフで表示される。

走った距離に占める、上り、下り、平地の内訳。

走った距離に占める、上り、下り、平地の内訳。

横軸を時間にした心拍数のグラフ。有機ELでくっきりとして見やすい。

横軸を時間にした心拍数のグラフ。有機ELでくっきりとして見やすい。

横軸を時間にした高度のグラフ。

横軸を時間にした高度のグラフ。

T-Rexで記録を止めてランニングのログを保存すると、自動的にスマートフォンにログは転送されて、スマートフォンのZeppアプリでラップタイムなどのさらに詳しいデータや、マップ上で走ったルートを確認できます。ルートはGPXファイルでエクスポートするほか、StravaやiOSのヘルスケアアプリに同期させることもできます。

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Zeppアプリで見るアクティビティのサマリー。メトリクスは細かく確認できて好ましい。ただ表記がウオッチ側と微妙に異なる項目も。「獲得標高上り」(累計獲得高度か)、「獲得距離」(上りセクションの距離合計)、「獲得標高下り」(下りセクションの距離合計)あたりが少々モヤモヤする。

心拍、上り下りの比率、ラップ表示はグラフィカルでわかりやすい。

心拍、上り下りの比率、ラップ表示はグラフィカルでわかりやすい。

グラフは横長表示にするとさらにわかりやすく、細かいデータも確認できる。

グラフは横長表示にするとさらにわかりやすく、細かいデータも確認できる。

さらに週単位、月単位でアクティビティの回数や時間、消費カロリーのサマリーを一覧できます。

週単位(左)、月単位でのアクティビティのサマリー。

週単位(左)、月単位でのアクティビティのサマリー。

ランニング以外で使う場合は常時表示されるシンプルな時計表示の状態からベゼルのいずれかのボタンを押すとウォッチフェイスが表示されます。ウォッチフェイスはデフォルトではクロノグラフ風でゴツめですが、Zeppアプリに用意されている種類以上のデザインをダウンロードして変更することも可能です。

Zeppアプリには30種類のウォッチフェイスが用意されている。ウォッチ本体にはデジタルとアナログの2種類のウォッチフェイスがデフォルトで用意されていて、あと1種類だけZeppアプリからダウンロードできるようだ。

Zeppアプリには30種類のウォッチフェイスが用意されている。ウォッチ本体にはデジタルとアナログの2種類のウォッチフェイスがデフォルトで用意されていて、あと1種類だけZeppアプリからダウンロードできるようだ。

ウオッチフェイスが表示された状態から、上下ボタンまたは上下スワイプで「状態」(またはステータス)、「心拍数」、クイックメニューの三つの画面に遷移します。このウィジェット的な機能は他の機能に差し替えたり追加したりはできないようです。「状態」は歩数、歩行距離、消費カロリー、「心拍」は現在と安静時の心拍数が表示され、ディスプレイをタップするとさらに詳しいデータが表示されます。クイックメニューは画面ロック、ディスプレイの明るさのコントロール、DND(Do not disturb)モードの設定、省電力モード、フラッシュライトの5つのアイコンが並びます。

ウォッチフェイスから上下スワイプで表示される一つ目のウィジェットは心拍数。

ウォッチフェイスから上下スワイプで表示される一つ目のウィジェットは心拍数。

ウィジェット表示をタップすると心拍数のリアルタイムグラフなどが表示される。

ウィジェット表示をタップすると心拍数のリアルタイムグラフなどが表示される。

二つ目のウィジェットは歩数、移動距離、消費カロリー。

二つ目のウィジェットは歩数、移動距離、消費カロリー。

二つ目のウィジェットをタップすると歩数の推移に。

二つ目のウィジェットをタップすると歩数の推移に。

さらにスワイプするとクイックメニューになる。

さらにスワイプするとクイックメニューになる。

そのほか、天気やPAI、アラーム、タイマー、設定などの機能にはウオッチフェイス表示から左にスワイプしてアクセスします。

スマートフォンが取得した位置情報を元に現在地の天気予報が表示される。

スマートフォンが取得した位置情報を元に現在地の天気予報が表示される。

トレイルランナーには重要な日の出、日没の時刻は天気のウィジェットで確認できる。

トレイルランナーには重要な日の出、日没の時刻は天気のウィジェットで確認できる。

音楽のウィジェットはスマートフォンで再生中の音楽プレーヤー、YouTube、ポッドキャストアプリなどを操作できる。

音楽のウィジェットはスマートフォンで再生中の音楽プレーヤー、YouTube、ポッドキャストアプリなどを操作できる。

あと、1日の歩数、体重、カロリー、睡眠には目標を設定することができ、達成するとT-Rexに通知が表示されます。

、1日の歩数、体重、カロリー、睡眠の目標値はZeppアプリから設定する。

、1日の歩数、体重、カロリー、睡眠の目標値はZeppアプリから設定する。

まとめ:コスパの高いトレイルランニング・スマートウォッチ、トレイルランニング用のセカンドウォッチにもよさそう

以上、Amazfitのアウトドアアクティビティに適したGPSスポーツスマートウォッチ「T-Rex」を紹介しました。今日のスマートウォッチとして主要な機能は揃い、使い勝手を大きく左右するスマートフォンアプリの完成度も高い。しかしトレイルランニングのためのスマートウォッチとしてみた場合には、コアな機能は備えていません。例えばハードウェアに関するところでは気圧高度計や温度計、ANT+規格のアクセサリーとの通信機能。ソフトウェアではコースの管理やナビゲーション、トレーニングの進捗管理に関する機能、といったところです。T-Rexは「高機能ランニングGPSスマートウォッチにアウトドア要素としてバッテリー持続時間と外装の耐久性を高めたモノ」といえるかもしれません。

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と、少々ディスってしまいましたが、それでもT-Rexはトレイルランナーのためのスマートウォッチとして魅力的な存在です。本稿執筆時点ではアマゾンのAmazfit公式ストアでは27,800円(税込)で販売されています。ただ、並行輸入ではアメリカでの140ドルという価格に近い値段も(これから日本での販売に注力するとのことなので、この内外価格差も解消されることを望みます)。27,800円だとしてもこの価格はGarminやSuuntoの10万円を超えるような上位モデルはもちろん、エントリークラスのランニングウォッチと比較してもお得感があります。T-Rex単体でも活用範囲の広いスマートウォッチとして非常にコストパフォーマンスが高いのはもちろんですが、Apple Watchのようなオールマイティなスマートウォッチを常時身につけている人にもT-Rexは魅力的な選択肢かも。日常的なランニングなどのエクササイズはApple Watchに任せて週末の長時間のタフなトレイルランニングはT-Rexを使う、という使い分けもできそうです。そのほかもっと直感的にいうと、省電力だけどコントラストが低いストイックな液晶ディスプレイに慣れてはいても、T-Rexの明るくて鮮明な有機ELディスプレイはやっぱり格段に見やすいのです。

シャオミは中国のスマートフォンメーカーとして成功を収めた企業。そのグループ会社のAmazfitも、今後のモデルではさらにニッチで先端的な機能もキャッチアップしてくるかもしれません。そう考えると高機能なギアを求めるコアなトレイルランナーにもAmazfitは今後要注目のブランドとなるのでは、と期待しています。

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