DC Weekly 2021年2月23日 – スカイランニング、Golden Trail Series、UTMB®︎、「Outside」が買収される

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

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トレイルランニング関連ニュース

九州初の100マイルレース「球磨川リバイバルトレイル」、5月29-30日に開催

昨年7月の豪雨災害で甚大な被害を受けた熊本県の球磨川流域で、復興を支援するというコンセプトで新たなトレイルランニングレースが開催されることが発表されました。「球磨川リバイバルトレイル」は今年5月29-30日に開催予定で、距離164km、累積9,100mD+の「球磨川コース」と100km、5,500mD+の「川辺川コース」の二つのレースが行われ、参加定員はいずれも300人。エントリーは事前にふるさと納税を行なった参加希望者を対象とする「ふるさと納税枠」の募集が3月12日にスタート。ふるさと納税枠で定員に満たなかった場合のみ一般エントリーを行うとしています。

スカイランニング地域選手権の日程が発表に

日本スカイランニング協会(JSA)は今年2021年の地域選手権の日程を発表しました。現時点では開催地・開催日は後日発表となっている地域もありますが、3月6日の九州選手権(熊本県・Mizukami Vertical Boost)を皮切りに、5月22日の北信越選手権・SKY(経ヶ岳バーティカルリミット)、8月1日の北海道選手権・VK(天塩岳速登競争)、9月11-12日の東北選手権・VK、SKY(ZAO SKYRUN、ジャパンシリーズも開催)、10月30日の中四国選手権・VK(四国中央スカイライン)、11月28日の北信越選手権・VK(鹿島槍スーパーバーティカル)などがラインナップされています。

スカイランニング欧州選手権は11月にポルトガルで開催

スカイランニングでは隔年で世界選手権と大陸別選手権を交互に開催することとなっていますが、2021年は大陸別選手権開催の年。ISFは欧州選手権を11月19-20日にポルトガルで開催し、「SKY」と「SKYULTRA」の2競技をそれぞれPisão Skyrunning(35km)、Pisão Extreme(65km)で行うことをアナウンスしています。なお昨年開催予定だった世界選手権は延期して7月9-11日にスペイン・カタルーニャで行われるBuff Epic Trailにおいて開催予定です。

North American Golden Trail National Seriesの日程発表

サロモンがサポートするショートディスタンスのトレイルランニングのシリーズ戦であるGolden Trail Seriesは先週、5大会からなる北米シリーズ「North American Golden Trail National Series」の日程を発表しました。今年は世界シリーズとなるGolden Trail World Seriesの他、ナショナルシリーズはフランス・ベルギーチェコ・スロバキア・ポーランドスペイン・ポルトガルがすでに発表されています。ただフランス・ベルギーの開幕戦で南部・ベドアンで開催のTrail du Ventouxは今年の大会を6月に延期することを発表しています。昨年はコロナ禍で大会開催が危ぶまれる中で予定通り3月7日に開催されて注目されました。なお昨年12月の発表によれば、当面は初年度の2019年のようなシリーズ戦のGolden Trail World Seriesと、2年目の2020年のように単発のGolden Trail World Championshipを隔年で開催するとしています。そのほかナショナルシリーズは毎年開催。Golden Trail World Seriesが開催される今年は、Golden Trail World Seriesのファイナル(11月6日、K42 Patagonia<アルゼンチン>)、各ナショナルシリーズのファイナルに加えて、世界のナショナルシリーズのグランドファイナル(10月22-24日、Azores Trail Run<ポルトガル>)が開催され、その男女トップ3が翌年のGolden Trail World Championshipに招待されます。続く来年は各ナショナルシリーズは開催されるもののそのグランドファイナルは開催されず、各ナショナルシリーズの男女上位3人がGolden Trail World Championshipに招待されることになります。

日本からは150人が参加権を獲得・UTMB® Mont-Blanc 2021の抽選結果

今年のUTMB®︎ Mont-Blancは8月23-29日に開催が予定されています。ただ、新型コロナウィルスのために2020年大会が開催されなかったことから2021年大会へのエントリーは2020年大会の参加権保持者とランニングストーンで抽選免除権を持つ応募者、2020年大会エントリーで2度連続の抽選外れとなった応募者、そのほかの応募者という三段階でのエントリー受付となっていました。第三フェーズのエントリーの抽選結果が2月18日に発表され、2021年大会のエントリーは概ね終了したことになります。当サイトでは日本から参加権を獲得したランナーの数を毎年集計していますが、2021年は全てのレースをあわせて286人がエントリーして、150人が参加権を得ました。参加権を得たランナーの数は当サイトが集計を始めた2013年の201人を大幅に下回り、最多だった2020年大会の331人からは半減となりました。無論、上記の事情から抽選の当選率は過去とは比較できないほか、国や地域による新型コロナウィルスをめぐる事情も異なります。ただ、予定どおりにUTMB®︎ Mont-Blancが開催されても今回は日本をはじめとする海外からの参加者は少なくなりそうです。

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UTMB(全体の定員2300人)

  • エントリー数 194人(2020年718人、2019年470人、2018年281人、2017年288人、2016年284人、2015年334人、2014年425人、2013年274人)
  • 抽選による当選者 85人<2021年は前年からの持ち越しと2年連続外れで抽選免除も含む>(2020年149人<当選率 22.47%>、2019年135人<当選率 30.82%>、2018年104人<当選率 38.81%>、2017年117人<当選率 43.17%> 、2016年120人<当選率 45.80%>、2015年142人<当選率 44.10%>、2014年188人<当選率 44.24%>、2013年88人(当選率 40.7%)>

CCC(全体の定員1900人)

  • エントリー数 47人(2020年163人、2019年112人、2018年121人、2017年144人、 2016年95人、2015年75人、2014年81人、2013年56人)
  • 抽選による当選者 24人<2021年は前年からの持ち越しと2年連続外れで抽選免除も含む>(2020年31人<当選率 20.13%>、2019年35人<当選率 33.33%>、2018年58人<当選率 48.74%>、2017年77人<当選率 54.61%>、2016年57人<当選率 61.29%>、2015年54人<当選率 72.00%>、2014年49人<当選率 60.49%>、2013年32人(当選率 64.0%)>

TDS(全体の定員1600人)

  • エントリー数 25人(2020年62人、2019年90人、2018年63人、2017年69人、2016年73人、2015年32人、2014年17人、2013年11人)
  • 抽選による当選者 25人<2021年は前年からの持ち越しと2年連続外れで抽選免除も含む>(2020年48人<当選率 84.21%>、2019年49人<当選率 56.32%>、2018年41人<当選率 70.69%>、2017年53人<当選率 80.30%> 、2016年68人<当選率 93.15%>、2015年32人、2014年17人、2013年11人)

2015年までTDSはエントリー数が定員を超えなかったため抽選は行われませんでしたが、2016年からは抽選が行われています。

OCC(全体の定員1200人)

  • エントリー数 13人(2020年66人、2019年53人、2018年62人、2017年50人、2016年28人、2015年23人、2014年23人)
  • 抽選による当選者 9人<2021年は前年からの持ち越しと2年連続外れで抽選免除も含む>(2020年4人<当選率 7.02%>、2019年8人<当選率 17.02%>、2018年13人<当選率 21.31%>、2017年19人<当選率 38.78%>、2016年14人<当選率 50.50%>、2015年9人<当選率 39.13%>、2014年15人<当選率 65.22%>)

MCC

  • エントリー数 7人(UTMBのパートナー枠での申し込みのみで抽選はなし、2020年16人、2019年7人)

YCC

  • エントリー数 0人(抽選なし、2020年2人)

PTL(300kmの2ー3人一組のチームレース、全体の定員100チーム)

  • エントリー数 0人(2020年2チーム4人、2019年9チーム24人、2018年1チーム3人、2017年4チーム13人<うち1チーム1人は海外メンバーとのチーム>、2016年1チーム1人<海外メンバーとのチーム>、2015年4チーム11人、2014年4チーム11人、2013年2チーム6人)
  • 抽選による当選者 0人(2020年1チーム3人、2019年7チーム18人)

全レースの合計

  • エントリー数 286人(2020年1,031人、2019年756人、2018年531人、2017年564人、2016年481人、2015年475人、2014年557人、2013年347人)
  • 抽選直後の当選者、参加権者合計 150人(2020年331人、2019年300人、2018年241人、2017年303人、2016年285人、2015年260人、2014年280人、2013年201人)

「Outside」がメディアコングロマリットの傘下へ

アメリカのアウトドアスポーツ・アクティビティ雑誌でウェブやビデオのメディアも展開している「Outside」を、オンラインメディアのコングロマリット企業であるPocket Outdoor Mediaが買収し、同社は社名をOutsideに変更することが発表されました。Outsideは1977年に雑誌として創刊されたアウトドアメディア業界の老舗。一方、創業から4年のPocket Outdoor Mediaは積極的にアウトドアやスポーツ関連のメディアの買収を進めており、昨年10月には「Trail Runner」を出版するBig Stone Publishingを傘下に入れています。米メディアのAXIOSによれば、今回の「Outside」の買収にあたって複数のベンチャーキャピタルからシリーズBで1億5千万ドルを調達していたといい、改名後のOutsideには著名なベンチャーキャピタリストであるマイケル・モリッツ氏が取締役として加わるといいます。アウトドア・メディア業界では先月、iRunFarやGearJunkieなど9つのウェブメディアがAllGear Media Groupとしてメディアコングロマリット企業であるLola Digital Mediaの傘下に入ることが発表されています。

先週末開催のイベント

2月19日金曜日 – 14日日曜日

(延期?)HK168 (Full 168, Half 168, 63k, 33k)

香港で行われる100マイルなどのトレイルランニングレース。先週末の開催が予告されてから音沙汰がない状態が続いていましたが、先週になって大会ウェブサイトやFacebookの画像は今年11月26-28日開催予定と記したものに置き換わっていました。しかしその経緯についての説明などはなされていない状況が続いています。

今週末開催のイベント

2月24日水曜日 – 28日日曜日

Transgrancanaria HG (265k、129k、69k、42k、30k、17k)

スペイン・カナリア諸島のグラン・カナリア島で開催。欧州のトレイルランニングのシーズン開幕となるビッグイベントとして知られてきた大会は、地元政府の認可により新型コロナウィルスの影響が続く中ですが今年の大会を開催します。大会参加者数は例年より少なく、メインイベントとなる129kmは300人強にとどまりますが、全部合わせると約1700人弱がエントリーしています。ただし、外部からの応援などは制限され、大会運営は感染防止策を徹底した上での開催となります。これまで129kmを四連覇中のパウ・カペル Pau Capellも今年の大会に参加予定です。今年からはSpartan Trail World Championshipの大会ともなっています。

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DC Weekly 2022年8月15日 Sierre-Zinal、TJAR

2月26日金曜日 – 27日土曜日

(中止)Translantau (100k, 50k, 25k)

香港・ランタオ島で開催の大会で、日本からも多くの選手が参加してきた大会ですが、昨年に続いて今年もリアルの大会は開催されず、バーチャルイベントがオンライン上で開催されています。こちらも今年からSpartan Trail World Championshipの大会となっており、今年11月5-7日にリアルの大会を開催するべく準備中です。詳しい開催日程などは2月中に発表予定。

2月27日土曜日 – 28日日曜日

(延期)小江戸大江戸200k

埼玉県川越市の蓮馨(れんけい)寺をメイン会場にして開催される、川越と東京を結ぶジャーニートリップは今回が10回目の開催。緊急事態宣言が発令されていることから、今年の大会は3月27-28日に延期することとなっています。

2月27日土曜日

(中止)善通寺五岳山 空海トレイル(45k, 30k, 15k)

香川県善通寺市。弘法大師・空海生誕地とされる善通寺の西側の五つの山15km 1311mD+の周回コースで行われる大会は、昨年秋に2021年の大会を中止とすることを発表しています。

2月28日日曜日

(延期)Caumsett Park 50K

アメリカ、ニューヨーク州ロングアイランド。一周5kmの周回コースで開催されるロードの50kmウルトラマラソンが、例年USATFのロード50k全米選手権となっています。今年の大会は6月13日に時期を改めて開催すべく準備が進んでいる模様です。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

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