コロナ禍の海外レース挑戦記・スペイン Val d’Aran by UTMB(その2)午後のバルセロナ、知る人ぞ知るレリダの街、大会開催地のビエイヤへ【久保信人】

【編者より:久保信人 Kubo NobuhitoさんによるVal d’Aran by UTMBの参加レポートの第二回をお送りします。大会は7月9-11日にスペイン・カタルーニャで開催されました。フィールズオンアースの責任者で、海外旅行とスポーツのプロである久保さんに一年半ぶりの海外レース参戦の様子を振り返ります。】

コロナ禍の海外レース挑戦記・スペイン Val d’Aran by UTMB(その1)ドキドキのスペイン渡航とバルセロナ到着【久保信人】

2021.07.31

バルセロナラン

約2年ぶりのヨーロッパ、そしてバルセロナ。個人的にではあるがパリやミラノ、ブリュッセルなど欧州の大都市の中でも一番好きな都市はバルセロナ、といつも話している。

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カラリとした抜けるような青い空、ガウディ建築の並ぶ、美しい街並み、日焼けした健康的なカタルーニャの陽気な人々、大都市に隣接するリゾートのような美しいビーチ、そして魚介を使ったヘルシーでおいしい料理、全体的な街の雰囲気全体が「陽」な印象がとても居心地がよい。

まずは今日の宿から500mのスペインでもっとも有名な世界遺産「サクラダファミリア」へ。つい最近まで1年以上ずっと閉館していて、つい最近になってやっと週末のみオープンされたとのこと。

2年ぶりに訪れたサクラダファミリは完成まであとわずか!以前より相当完成に近づいていた。2年前はまだまだ建物の半分くらいは足場に隠れて建築工事が行われていたが、今はほんの10%程度足場が組まれているだけのように見える。内覧もオープンしており、以前よりははるかに少ないながらも、欧州系の観光客が観光を楽しんでいた。

サクラダファミリアのファサードの道をずっと左にまっすぐ進むと、バルセロナの「代々木公園的なシウタデリャ公園」に突き当たる。まだ公園内に入ったことがないので、そこを目指してバルセロナの街を走る。気温は27度ぐらいで、強い日差しだが日本より湿度が低いので心地よい。

街中は多くのバールやレストランのシャッターが下りており、Uber Eatsのような四角いリュックを背負ったデリバリーの自転車やバイクが東京同様にたくさん走っている。

バルセロナっ子が集まるシウタデリャ公園とバルセロナビーチ

少し寂しい様相も見せたバルセロナ市街地だったが、シウタデリャ公園に入ると、たくさんのバルセロナっ子が、ピンポンしたり、ピクニックしたり、池でボートを漕いだり、とてもにぎわっていた!東京でもコロナ禍緊急事態宣言中に駒沢公園などにものすごく人が集まった時と同じような景色でにぎわっている。

世界中みな考えることは同じなんだなあ!公園内では大半がマスクを外して、ソーシャルディスタンスを取りつつ楽しそうに過ごしている。

シウタデリャ公園からバルセロナビーチまでは1㎞あるかないかで到着。少し寂しげだった街中とは裏腹に、バルセロナっ子はみんなここにいたのか!と圧倒される賑わいっぷり!

オーシャンビューのカフェテラスはほぼ満席、ビーチもかなりの人口密度でビーチバレーしたり、アウトドアジムで筋トレしたり、ものすごい賑わいだ!

この光景はニュースでも流れており、若者を中心に再度感染は増加傾向だそうだが、とても活気のあるビーチサイドの景色に、個人的には嬉しい気持ちになった。

小さな子供たちはストリートパフォーマーの巨大なシャボン玉に大喜びではしゃぎ、オープンテラスのバーではスペインギターのライブ演奏でみな立ち上がって踊ったり、長い封鎖状態からの解放を満喫しているように見えた。

人気のタパスレストランでディナー

実に活気と笑顔にあふれるバルセロナビーチは楽しすぎて延々に走っていられそうだったが、気が付くと15㎞も走っていた。そのまま晩御飯の目星をつけていたバルセロナ人気のタパスの店へ。

汗だくのランパン、ランシャツ姿のままふらりと立ち寄ると、結構満席でバーカウンターの席に案内された。お任せタパスコース15ユーロを頼んで、実にうまそうな魚介を使った品々に舌鼓!やっぱりスペインは料理が美味い!繊細でやさしい味わいの鮮魚料理がじつに日本人の舌に合う。

おいしいTAPASを堪能した後は、ぶらぶらと思い立ったルートで宿を目指して再びジョグ。雰囲気のある石畳の路地を進むと、広々とした「サンタ・エウラリア大聖堂」前の広場に出た。

ここにもたくさんのストリートミュージシャンがライブをしていたが、大聖堂の脇道の方から、まるで録音されたオペラを巨大スピーカーで流しているかのような素晴らしい歌声が響いている。

吸い寄せられるようにサンタエウラリア大聖堂の脇道に向かうと、素晴らしいテノールの歌声はスピーカーも何もない、生の歌声だった!

ほれぼれする歌声に足を止める人々、こんな景色はなかなか東京では見られない。

素晴らしい路上ライブに感動して、またジョグしていると今度は何やらにぎやかなバグパイプやドラムの軽やかなリズムと、巨人(ヒガンテス)人形のパレードに偶然遭遇!カタルーニャの伝統行事、ヒガンテス人形の保存博物館25周年を記念したパレードが行われていた。なんとラッキーな。

このヒガンテスはバルセロナでも200年以上の歴史ある人間の塔を作る9月開催の「メルセ祭り」の中でも披露されるヒガンテスパレードで使われる巨人人形で、バルセロナ市内にあるヒガンテス博物館の25周年を記念したパレートだそう。

沿道の観客はマスクをしながらも楽しそうに手拍子したり、音楽に合わせて踊ったり、コロナ禍の中でも笑顔があふれる小さな町のお祭りだった。

ちょっと夕方にジョグに出かけただけでこんなにも数々の感動的な景色に出会えて、バルセロナ滞在数時間だけでも、このコロナ禍の旅に来れたことを本当に良かったと実感した。

7月4日 バルセロナからビエイヤへ移動

翌日の朝、またレンタカーでVal d’Aran by UTMBのメイン会場となるビエイヤ(Vielha)の街を目指して、バルセロナから約380㎞のドライブ。

日曜日なので街中の交通量も少なく、快適なドライブ、と思っていたらさっそく町の出口で道を間違えてバルセロナの街を一望する小高い丘「ムンジュイックの丘」に行ってしまった。

 

でもここからはバルセロナの街一帯を見渡せる展望があり、相変わらずの赤レンガ色がまぶしい美しい街並みをしばし楽しんでから、移動ルートに戻る。

バルセロナ郊外に1時間ほど進むと、こちらも世界遺産の奇岩の山「モンセラット」が見えてくる。アンドラウルトラトレイルのオフィシャルツアーでは立ち寄る景勝地で、風によって形成されたカッパドキアにも似た奇岩の山だ。

沿道の景色は広大なカタルーニャの絶景が続き、ところどころに見える丘の頂上に作られた村の景色がまたかわいらしい。

レリダの街に立ち寄る

移動ルートのちょうど中間点にあるレリダ(Lleida)は、2016年にスカイランニングの世界選手権、日本チームのサポートとオフィシャルツアーの時にも通った街で、小高い丘に立派な大聖堂が見えていて、是非一度立ち寄ってみたいと思っていた町だ。

2018年度版の「地球の歩き方」にはまだこの街に関する記載はなく、スペインの観光地としてはまだ日本にはなじみが薄いようだ。今回は5年越しのレリダに訪問し、丘の上にそびえる「レリダ旧大聖堂」にふらりと立ち寄ってみた。

この辺りは広大な平原で、強い日差しが照り付けとても暑い。体感気温は30度くらいだろうか。 丘の上までは近道をするため、怪しげなトレイルを直登してショートカット。

途中から要塞のような入り組んだ城壁の中を登っていくと、実に広大なパノラマが広がる丘の上にそびえる「レリダ旧大聖堂」(Turo de la Seu Vella)に到着。


12世紀後半に最初の建造物が創建されてから13世紀にロマネスク様式のファサードが創建され、13世紀後半から14世紀にかけて壮観なゴシック様式の中庭回廊が建造され、17の大窓で掲載された美しい回廊は、一歩足を踏み入れた瞬間に感動させる美しい回廊だ。

14世紀半ばから15世紀にかけてこの街のシンボル的な存在でもある、街を見下ろす60.6メートルの鐘楼が創建された。

 

この鐘楼には238段の非常に狭い、まるでドラクエの世界に入り込んだような螺旋階段を上ることで、頂上まで登ることができる。鐘楼の頂からは、見渡す限りの壮大なカタルーニャの平原のパノラマを堪能でき、美しいレリダの街並みを一望できる。

このレリダ旧大聖堂のすぐ隣にはアラゴン王国の君主が滞在したという王の城「ラ・スダ」(La Suda)があり、こちらも見学が可能。屋上のテラスからの「レリダ旧大聖堂」の全様とレリダの街並みの景色は、旧大聖堂の鐘楼からの景色とはまた違った風景を楽しめる。

 

2022年以降Val d’Aran by UTMBのツアーでは、是非ここを訪問したいと思った素晴らしい建築だった。

ここレリダや旧大聖堂の情報は、グーグル検索でもあまり多くなく、まだまだ日本では知る人ぞ知る名勝地のようなので、是非ツアーで訪れてみてほしい。

いよいよピレネーへ

レリダの街を後にすると、しばらくしていよいよ壮観なピレネーの山々の姿が見えてくる。高速道路が終わり、一般道に入ると道はくねくねと山の間を縫うようにより大きな山の方に向かって走り出す。

山を愛するトレイルランナーとしては、ますますテンションが上がる車窓の景色に感動しっぱなしだ。この辺りはアラゴン県で実に暑く、景色も荒涼としてアルプス山脈とはまた全く違う山々の景色が新鮮で美しい。どんどん険しい山道になり、岩山を掘削した掘りっぱなしのトンネルをいくつも超えて行く。

やっといくつもの峠を越えると、目的地のビエイヤの街が見えてきて、アラン谷「Val d’Aran」を眼下に見ながら下ってゆく。「あれ?ココ来たことあるな!」この景色、初めてではなかった。

2016年のスカイランニング世界選手権で42㎞のカテゴリーに参加する選手をスタート地点まで搬送する際に、この道を通っていたことを思い出した。あの時通った街がビエイヤだったのか!私はその時、ビエイヤのスーパーで選手用の買い出しをしたり、給油をしたことを思い出した。てっきり初めて訪れる街だと思っていたので、2回目の再訪だったのだ。きっとこれも何かのご縁だろう。

約4時間半かけて、目的地のビエイヤに到着し、大会主催者が手配してくれた大会オフィシャルのホテルに到着。すると駐車場で今回一緒に参加するサロモンアスリートの丹羽薫選手が待っていてくれた!

丹羽さんは6月下旬からフランスのルションに滞在しながら、すでにVal d’Aran by UTMBの全コースを山小屋に宿泊しながら試走を完了して、リカバリー期間に入っている。

全てのコースを試走している丹羽さんからの情報を得られることは、私としては大変ありがたい。

大会オフィシャルホテルにチェックイン

今回はVal d’Aran by UTMBのご厚意で、大会オフィシャルホテルを手配していただき、期間中宿泊することとなった。このホテルはもともと2020年開催予定だったフィールズオンアースのオフィシャルツアーで予約をしていたホテルでもあり、オーナーとはすでにメールで何度もやり取りしていたが、実際にお会いするのは今日が初めてだ。

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コロナ禍によりツアーキャンセルを強いられたが、快く2021年、そして2022年への予約移行を受け入れていただき、2022年のツアーでも使用する予定のホテルだ。

大会オフィシャルホテルということもあり、UTMB本体のスタッフや関係者、招待選手の大半がこのホテルに宿泊することから、世界のトップ選手ともホテル内で出会うことができる。

ホテルには大半の部屋にバスタブ付きのバスルームに、地下には温水プールとジャグジーなどの設備もあり、お風呂好きの日本人にとっても良い設備がそろっている。

朝食、夕食のブッフェがまた素晴らしく、毎日日替わりでメニューが変わり、パエリヤやフィデウア(細いパスタのパエリヤ風料理)をはじめ、魚介類のメインも豊富で、アスリートにとってもヘルシーで栄養価の高い食事ができる、とてもおいしいブッフェが魅力だ。100マイルレース前につい食べ過ぎて太らないようにするのが大変だ!

 

 

 

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