トランスグランカナリア Transgrancanaria 2020リザルト・悪天候の中、パブロ・ビジャ Pablo VILLA、ラグナ・デバッツ Ragna DEBATSが優勝

ヨーロッパのトレイルランニングのシーズン開幕を告げる大会として知られるトランスグランカナリア Transgrancanariaは今週末、スペイン・カナリア諸島グラン・カナリア島で開催されました。今週末のグラン・カナリアの山岳エリアは強い風雨、低い気温の荒天に見舞われ、大会開催中にコースが一部変更して短縮されたほど。島を北から南へと縦断する126kmの「Classic」の男子ではこの大会を四連覇した経験を持つパウ・カペル Pau Capellとのレースを制したパブロ・ビジャ Pablo Villaが優勝。女子では昨年のこのレースでDNFだったラグナ・デバッツ Ragna Debats(オランダ)が雪辱を果たして優勝。

(写真・Classic男子優勝のパブロ・ビジャのフィニッシュ。Photo by Jordi Saragossa / Transgrancanaria)

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日本から参加した上田瑠偉 Ruy UEDAは快調な序盤の後、深夜になって気温が下がって体調が急変。52kmのエイドでリタイアという結果になりました。

Classic女子優勝のラグナ・デバッツ。Photo by Jordi Saragossa / Transgrancanaria

Classic女子優勝のラグナ・デバッツ。Photo by Jordi Saragossa / Transgrancanaria

Spartan Trail World Championshipの今年の開幕戦となった126kmのClassicは4日土曜日の23時にカンテラス海岸をスタート。スタートから5時間後、明け方が近い頃にはパウ・カペル、パブロ・ビジャ、そしてペレ・オーレル Pere Aurell(スペイン)の3人に先頭集団は絞られました。レースが展開したのは早朝にテヘダ Tejedaからガラニョン Garañon(85km)へと600m超を登る約7kmの区間。ガラニョンではビジャがオーレルに約5分先行して単独トップ、オーレルに5分遅れてカペルが3位。この間、ガラニョンの先にあるグラン・カナリア島を象徴するヌブロ岩 Roque Nubloに向かうループの区間が悪天候のために、ショートカットされることが発表されました。約5kmほどのコース短縮となった模様。

厳しい天候の中で開催された今年のTransgrancanaria。Photo by Carlos Diaz-Recio / Transgrancanaria

厳しい天候の中で開催された今年のTransgrancanaria。Photo by Carlos Diaz-Recio / Transgrancanaria

以降、コースは下り基調に転じて青空が広がるように。ビジャは順調にリードを広げ、カペルがオーレルを捉えて2位に浮上します。今回から新しくフィニッシュ地点となった島の南端部にあるパルケ・スル Pargue Surにはパブロ・ビジャPablo Villaが13時間37分でフィニッシュ。2020年のこの大会でカペルと優勝を分け合ったのに続いての勝利となりました。ビジャは2019年のTDS®︎で優勝しているほか、同年の粟ケ岳スカイレースで来日し、6位となった経験もあります。2位のパウ・カペル Pau Capell(スペイン)は21分差の13時間58分でフィニッシュ。2019年のUTMBチャンピオンでこの大会では四連覇しているトップアスリートですが、昨年はケガで膝の手術を受けていました。今回のレースでは順調な回復ぶりをみせました。昨年のこの大会で2位のペレ・オーレル Pere Aurell(スペイン)が14時間12分で3位となりました。

ケガから復活したパウ・カペルは今回2位に。Photo by Jordi Saragossa / Transgrancanaria

ケガから復活したパウ・カペルは今回2位に。Photo by Jordi Saragossa / Transgrancanaria

女子のレースはアビー・ホール Abby Hall(アメリカ)が単独リードして、エツェラー・シーラグ Eszter Csillag(ハンガリー)、ラグナ・デバッツ Ragna Debats(オランダ)、クラウディア・トレンプス Claudia Tremps(スペイン)の3人が追う展開で始まります。しかし、濃い雨雲の空から冷たい雨が降る朝になると、デバッツが独りでレースをリード。そのまま下りに入ってからもリードをキープして16時間0分でフィニッシュ。スカイランニングやトレイル世界選手権などで多くの金メダルを手にし、昨年のWestern Statesでは3位のデバッツが強さを発揮しました。2位のアビー・ホールは昨年のCanyons 100kで優勝したほか、欧州でもCCCで2位と活躍。今シーズンも注目を集めることになりそう。3位には昨年のこのレースで2位、昨年のUTMBで9位のクラウディア・トレンプス Claudia Trempsが入りました。

このほか、こちらもSpartan Trail World Championshipのレースとなった43kmの「Maraton」ではグラン・カナリア島在住のサラ・アロンソ Sara Alonso(スペイン)が3時間30分で女子優勝、男子はセバスチャン・リュングダール Sebastian Ljungdahl(スウェーデン)が3時間2分で男子優勝。合わせて行われた62kmの「Advanced」はトム・エバンス Tom Evans(イギリス)が5時間10分、アリアナ・ウィルヘム Ariana Wilhem(スイス)が6時間6分で男女それぞれのレースを制しました。

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Transgrancanaria リザルト

全体のリザルトはこちら

Classic男子

  1. パブロ・ビジャ Pablo VILLA GONZÁLEZ(スペイン、ADIDAS TERREX) 13:37:30
  2. パウ・カペル Pau CAPELL GIL(スペイン、THE NORTH FACE) 13:58:47
  3. ペレ・オーレル Pere AURELL BOVE(スペイン) 14:12:02
  4. バプティスト・シャサーニュ Baptiste CHASSAGNE(フランス、TEAM SIDAS-MATRYX) 14:17:31
  5. ロバート・ハイナル Robert HAJNA(ルーマニア、CSM CLUJ) 14:44:00

Classic女子

  1. ラグナ・デバッツ Ragna DEBATS(オランダ、LA CAMETA COIXA) 16:00:14
  2. アビー・ホール Abby HALL(アメリカ、ADIDAS TERREX) 16:21:29
  3. クラウディア・トレンプス(スペイン、ASICS EUROPE) 16:45:35
  4. カトリン・ゲッツ Kathrin GÖTZ(スイス、COMPRESSPORT) 17:05:42
  5. エツェラー・シーラグ Eszter CSILLAG(ハンガリー) 17:15:10

Maraton男子

  1. セバスチャン・リュングダール Sebastian LJUNGDAHLスウェーデン、HÄLLE IF) 03:02:30
  2. マーテン・ボスロム Marten BOSTROM(フィンランド) 03:05:37
  3. アントニオ・マルチネス Antonio MARTÍNEZ Péれz(スペイン、SCARPA) 03:08:32
  4. アンデルス・キェレヴィーク Anders KJÆREVIK(ノルウェー、SALOMON NORWAY) 03:09:53
  5. ユホ・イリネン Juho YLINEN(フィンランド、TEAM HOKA FINLAND) 03:10:52

Maraton女子

  1. サラ・アロンソ Sara ALONSO MARTINEZ(スペイン、SALOMON SPAIN) 03:30:40
  2. トニ・マッケン Toni MCCANN(南アフリカ、ADIDAS TERREX) 03:34:33
  3. アンナ・コメット Anna COMET PASCUA(スペイン、SCARPA) 03:37:56
  4. アンナ=スティーナ・エルクキラ Anna-Stiina ERKKILÄ(フィンランド) 03:38:25
  5. エレノア・デイビス Eleanor DAVIS(イギリス) 03:39:28
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