3年ぶりの開催となるウルトラトレイル・マウントフジ Ultra-Trail Mt. Fuji(UTMF)まであとわずか。今年は当サイト・DogsorCaravanの岩佐が大会当日の公式ライブ配信の進行役を務めます。
UTMFといえば、当サイトの恒例は大会本番に向けたTHE NORTH FACEの注目ギア紹介。今回もライブ配信の打ち合わせの前に東京・丸の内のTHE NORTH FACE FLIGHT TOKYOに立ち寄り、おすすめをチェックしてきました。
VECTIVシリーズのセカンドモデル、Vectiv Infiniteが実はUTMFにはベストな理由
THE NORTH FACEのトレイルランニングシューズといえば、昨年登場したVECTIV(ベクティブ)シリーズ。ロッカー構造でランニング中のエネルギー効率を追求するソールユニットなど、VECTIV™テクノロジーを搭載したシューズです。DogsorCaravanでも最初に発売されたハイエンドモデルのFlight VECTIV(フライト ベクティブ)を中心にレビューしました。
ただ、THE NORTH FACE FLIGHT TOKYOの鵜野貴行さんは「UTMFであれば、セカンドモデルのVectiv Infinite(ベクティブインフィニティ)の方が適している方も多いと思います」といいます。着地時の安定感と反発力を生むパーツとして、Flight VECTIVの3Dカーボンプレートに対し、Vectiv Infiniteは3D Pebaxプレートを搭載しています。カーボンのハイエンドモデルより Pebaxのセカンドモデルの方がいいとはどういうこと?
「Flight VECTIVは高機能で、パフォーマンスを追求するアスリートに自信を持ってお勧めします。不整地でもしっかりと重心を意識して着地することで、高い反発力や足首のニット素材の伸縮性を活かすことができます。ただ走力や経験によっては、特に100マイルのように長距離を長時間走る場合には、かえって着地が不安定に感じてしまうことがあるようです。そうした方にはセカンドモデルのVectiv Infiniteが適しているでしょう。3D Pebaxプレートは足の中足部まで伸びているので着地のブレをサポートします。アッパーは高強度ケブラー糸のMatryxを使ったメッシュ素材なのでさらにブレを防ぎます。」(鵜野さん)
Flight VECTIVを履いていった筆者も店頭でVectiv Infiniteに履き替えてみましたが、少し歩いたりジャンプして着地した感じではロッカー構造とプレートが反発する感覚は確かにほぼ同じ。これなら疲れた足でも安定感が高いVectiv InfiniteがUTMFには最適というのもうなずけます。
チタンコーティングで進化したウィンドシェル、フライトエマージェンシーフーディ
UTMFでは防水・透湿性のあるレインジャケットが必携品になっていて、THE NORTH FACEにはHYPERAIR GTX Hoodie(ハイパーエアーGTXフーディ)という銘品もあるので、もはやウィンドシェルの出番はないのかなと思っていた筆者。
そこで鵜野さんが見せてくれたのは、今シーズン発売のFlight Emergency Hoodie(フライトエマージェンシーフーディ)。素材は柔らかい手触りが気持ちよいリップストップナイロンなのですが、裏面にはスパッタリング加工のチタンコーティングが施されています。これによりわずか 90g(Lサイズ)にもかかわらず高い保温性を発揮。上下どちらかからでも開閉可能できるファスナーはみぞおちから下についているポンチョのような構造。さらにフードの顔を出せる部分は小さめに作られているので、頭にフードを被った状態はもちろん、フードを脱いだ状態でも首元は冷気が入りにくい。
「高い稜線の上で強風に吹き付けられるような場合に体温が下がるのを防げます。バックパックを背負ったまま着られるように背面にはゆとりを持たせています。」(鵜野さん)
これだけコンパクトで軽いなら、お守りのつもりでUTMFの装備に加えるだけでなく、トレイルランニングの装備に常に加えておくのがよさそうです。
TR 10とTR Rocket、どっちを選ぶ?
THE NORTH FACEがトレイルランニングレースのためのベスト型バックパックとしてラインナップするのがTRシリーズ。4サイズとベルトの5つのアイテムがあります。ベースとなるナイロンの生地はさらに軽く、耐久性をアップ。ハーネスのボトルポケット、フロントのストレッチスリットポケット、背面のストレッチポケットにはストレッチ素材を立体的に用いて収納性を高めています。右側のフロントポケットの内側にはファスナー付きのポケットもあって、小物や貴重品も安心して持ち運べます。
定番ともいえるTRシリーズについて、悩むとすればサイズ選びでしょう。鵜野さんは「UTMFのレース本番で使うならTR 10(ティーアール10)がちょうどよいと思います」とのご意見。ただ、今回のUTMFは新型コロナ感染対策でエイドの仮眠スペースの利用は1時間以内だったり、毛布がなかったりします。防寒ウェアを追加することを考えると、9リットルのTR 10(Mサイズ)よりも15リットルで荷物の量に応じてロールトップで調節可能なTR Rocket(ティーアールロケット)を選ぶ選択肢もありそう。筆者だったらTR Rocketかな、と思いました。
今年のUTMF EXPOは富士急ハイランドコニファーフォレストで21日から24日に開催、THE NORTH FACEのブースも
今年は富士急ハイランド・コニファーフォレストがUTMF165kのフィニッシュ地点、KAI69kのスタート・フィニッシュ地点となります。今年のUTMF EXPOはこのコニファーフォレストでUTMF165kスタート前日の21日木曜日から最終日の24日日曜日まで開催。THE NORTH FACEのブースでは限定品などの商品の販売のほか、VECTIVの各シューズの試し履きもできるとのこと。どうぞお見逃しなく。
(協力・THE NORTH FACE)