ウルトラトレイル・マウントフジ Ultra-Trail Mt. Fuji 2022 リザルト

3年ぶりの大会で熱いレース展開となりました。4月22日から24日の三日間にわたって開催されたたウルトラトレイル・マウントフジ ULTRA-TRAIL Mt. FUJIは距離157.9km、累積獲得高度 6,388mの「UTMF165k」に、今年初開催の距離69.4km 累積獲得高度3,675mの「KAI69k」を加えて開催されました。UTMF165kでは男女ともにコース中盤からレースをリードした西村広和 Hirokazu NISHIMURA、宮﨑喜美乃 Kimino MIYAZAKIが優勝。KAI69kは吉住友里 Yuri YOSHIZUMIが男女総合4位で女子優勝。男子は最終盤の霜山への登りで単独リードを固めた甲斐大貴 Hiroki KAIが優勝しました。

今回のUTMFは最終日の24日日曜日は富士急ハイランドで朝から雨となったものの、よく晴れて日中の最高気温は25℃に達する恵まれたコンディションでの開催となりました。

Sponsored link


夜になって大きく上位のレースが動いたUTMF165k

UTMF165kでは4月20日にコース前半の天子山地(天子ヶ岳、長者ヶ岳、熊森山)のセクションを迂回し、天子ヶ岳の登山口から田貫湖を経てU2 麓へ向かうコースに変更することが発表されました。前週の雨や翌日は雨という予報を踏まえ、トレイルの環境保護、選手の安全管理のための措置でした。このコース変更により、UTMF165kのコースは距離で約7km短く、累積獲得高度で約1200m少なくなりました。

コースの序盤は富士山こどもの国をスタートし、送電線に沿った巡視路のトレイル、U1 富士宮を経て芝川を渡るまでの約27kmで標高差約400mの下り。そこからは変更後のコースでU2 麓(43.2km)まで主に林道の登りで標高差300m。コース変更でスピードの出やすい区間となった序盤で各選手がどう走るかが注目されるなか、U2 麓に男子トップでやってきたのは前回のUTMFで4位の小原将寿。2番手の石川佳彦に4分リードしていました。女子では太田美紀子が2番手の宮﨑喜美乃に4分リードして首位で到着しています。

今回のコースではU2 麓を出て端足峠への急登から山岳トレイルが始まります。男子のレースが動き出したのはパノラマ台から烏帽子岳を経て本栖湖畔に降り、その先にあるU4 精進湖(65.6km)。万場大や西村広和はエイドの少し手前で小原を捉え、エイドでは万場がトップ、2分差で西村、西村のすぐ後に小原が続いていました。小原は今月初めに患ったばかりの新型コロナの影響か、ペースを落としていました。その後もコースを進んだものの小原はU7 山中湖きらら(116.6km)でリタイアしています。

西村はU4 を出てから富士パノラマラインの舗装路を走ったのちの鳴沢氷穴(約72km)で万場の背中に追いつき、トップで紅葉台へと登るトレイルに入ります。コース前半で先頭を走り始めた西村広和 Hirokazu NISHIMURAがその後、着実にリードを広げ、18時間15分で富士急ハイランドにフィニッシュ。UTMFは2012年から3度続けて完走している西村ですが、当時は優勝争いには遠いタイムでした。今回は2位との差を30分まで広げての堂々の勝利となりました。

独走する西村を追って2位を走っていたのは万場、続く3位が土井陵でした。U8 二十曲峠(130.2km)では万場が土井に6分半先に到着していましたが、その後の杓子山からU9 富士吉田(142.4km)に向かう途中で万場がコースからロストした模様。この間に2番手となった土井陵 Takashi DOIが18時間45分でフィニッシュして準優勝。土井から6分差の18時間52分で万場大 Hajime MAMBAが3位となりました。土井は2019年に8位タイ。万場は2019年22位からトップ3に入る快挙となりました。

4位にはスタートからトップ10圏内を走り、着実に順位を上げた鬼塚智徳 Tomonori ONITSUKA。5位には45歳のベテラン、小林誠治 Seiji KOBAYASHIと九州の元実業団アスリートが続いてフィニッシュ。中盤に土井、万場に続いていたものの、山中湖からのトレイル区間で順位を落とした石川佳彦 Yoshihiko ISHIKAWAが6位。U5 富士急ハイランド(88.3km)でトップ10に浮上していた下家悟 Satoru GEYAが7位。U2 麓での53位から順位を上げ続けた吉村健佑 Kensuke YOSHIMURAが8位。9位にいいのわたる Wataru IINO、10位に西方勇人 Hayato NISHIKATAという結果でした。

この間、女子のレースではU2 麓で2位の宮﨑喜美乃 Kimino MIYAZAKIがU3 本栖湖(53.7km)ですでに後続の女子選手に10分以上の差をつけてリード。その後も女子選手との差を広げるばかりでなく、男子選手を着実に抜き去っていき、フィニッシュでは男女総合19位となる22時間14分でフィニッシュ。フィニッシュと同時に倒れ込んで救護を受ける激走で優勝を手にしました。U7 山中湖きらら(116.6km)から明神山、山伏峠、石割山へと進む区間で女子2位に浮上した矢野淳子 Junko YANOが23時間35分で準優勝。同じく終盤に順位を上げた星野由香理 Yukari HOSHINOが23時間55分で3位でフィニッシュ。4位には澤田由紀子 Yukiko SAWADA、5位に今田麻紀子 Makiko IMADAが続きました。

KAI69kは吉住が男女総合4位の快挙、甲斐が終盤を制して男子優勝

KAI69kのコースは富士急ハイランドをスタートし、UTMF165kのコースをたどって富士急ハイランドでフィニッシュするコース。K2 山中湖きらら(28.1km)までは比較的起伏が少ない走れるコースですが、以降は急な登り下りや難所が現れるトレイルのコースとなります。

K2 山中湖きららには横内佑太朗がトップで到着、3分差で甲斐大貴が続き、その10分後に牛田美樹、半田佑之助という上位の顔ぶれ。この時、女子トップの吉住友里は総合9位で到着しています。

これも読む
20回目の大会は史上最高にハイレベルなレースに。Dacia UTMB Mont-Blancまであと2週間

山岳トレイル区間に入って、石割山と杓子山の途中にあるK3 二十曲峠(41.7km)では横内は甲斐に約6分前で差を広げましたが、この辺りから甲斐がペースを上げ始めてK4 富士吉田(53.9km)には横内と甲斐はほぼ同着。約4kmの市街地区間を経て、霜山への登りが始まるトレイルで甲斐が40秒差でリードという接戦となりました。最後の大きな登りと下りでの勝負を制したのは甲斐大貴 Hioki KAIで7時間32分で富士急ハイランドにフィニッシュ。初代KAI69kのチャンピオンとなりました。12分弱の差で横内佑太朗 Yutaro YOKOUCHIが2位に。3位には2018年のSTY優勝者の牛田美樹 Miki USHIDAが7時間53分で続いてトップ3に入りました。4位は宗石和久 Kazuhisa Muneishi、5位は平沢晋太郎 Shintaro HIRASAWAでした。

女子優勝の吉住友里 Yuri YOSHIZUMIは男子3位の牛田の19分後の8時間12分でフィニッシュ。男子4位の宗石とは23分の差をつけていました。続く女子選手には2時間もの大差をつける、大記録でKAI69kの初のチャンピオンというタイトルを手にしました。2位には中園真理亜 Maria NAKAZONOが10時間13分、3位は山内菜摘 Natsumi YAMAUCHIで10時間48分。4位に石原菜美 Nami ISHIHARA、5位に田中友花里 Yukari TANAKAが続きました。

UTMF165k リザルト

女子

  1. 宮﨑喜美乃 Kimino MIYAZAKI 22:14:15
  2. 矢野淳子 Junko YANO 23:35:55
  3. 星野由香理 Yukari HOSHINO 23:55:15
  4. 澤田由紀子 Yukiko SAWADA 24:01:24
  5. 今田麻紀子 Makiko IMADA 25:33:55
  6. 星野緑 Midori HOSHINO 25:56:18
  7. 渡邊ゆかり Yukari WATANABE 26:26:21
  8. 黒田清美 Kiyomi KURODA 26:30:20
  9. 中村美香 Mika NAKAMURA 26:44:24
  10. 松井一葉 Kazuha MATSUI 26:47:13

当サイトのプレビュー記事で紹介したその他の選手の記録は次のとおり。

  • 太田美紀子 Mikiko OTA: DNF(U7 山中湖)
  • 林絵里 Eri HAYASHI: DNF(U2 麓)
  • 浅原かおり Kaori ASAHARA: finished 27:35:24
  • 市村浩美 Hiromi ICHIMURA: DNF(U7 山中湖)

男子

  1. 西村広和 Hirokazu NISHIMURA 18:15:32
  2. 土井陵 Takashi DOI 18:45:45
  3. 万場大 Hajime MAMBA 18:52:02
  4. 鬼塚智徳 Tomonori ONITSUKA 19:19:15
  5. 小林誠治 Seiji KOBAYASHI 19:53:34
  6. 石川佳彦 Yoshihiko ISHIKAWA 19:58:53
  7. 下家悟 Satoru GEYA 20:12:00
  8. 吉村健佑 Kensuke YOSHIMURA 20:12:12
  9. いいのわたる Wataru IINO 20:29:45
  10. 西方勇人 Hayato NISHIKATA 20:35:40
  • 小原将寿 Masatoshi OBARA: DNF(U7 山中湖)
  • 近江竜之介 Ryunosuke OMI: finished 25:42:16
  • 須賀暁 Satoru SUGA: DNF(U4 精進湖)
  • 長田豪史 Goshi OSADA: DNF(U3 本栖湖)
  • 板垣渚 Nagisa ITAGAKI: finished 23:51:25
  • 白川裕登 Yuto SHIRAKAWA: DNF(U2 麓)
  • 小川壮太 Sota OGAWA: DNF(U4 精進湖)
  • 黒河輝信 Terunobu KUROKAWA : DNS
  • 矢部達也 Tatsuya YABE: DNF(U6 忍野)
  • 牧野公則 Masanori MAKINO: finished 21:33:01
  • 森本幸司 Koji MORIMOTO: finished 29:29:18
  • 伊藤康 Ko ITO: finished 27:08:37
  • 奥宮俊祐 Shunsuke OKUNOMIYA: finished 27:21:05
  • 木村隼人 Hayato KIMURA: DNF(U4 精進湖)
  • 山本浩平 Kohei YAMAMOTO: DNS
  • 野本浩礼 Hironori NOMOTO: finished 22:14:40
  • 吉村憲彦 Norihiko YOSHIMURA: DNS
  • 高橋和之 Kazuyuki TAKAHASHI: finished 21:18:04
  • 菊嶋啓 Kei KIKUSHIMA: finished 25:10:34
  • 松永紘明 Hiroaki MATSUNAGA: finished 31:21:06
  • 田中裕康 Hiroyasu TANAKA: finished 22:46:24
  • 鏑木毅 Tsuyoshi KABURAKI: finished 27:28:02
  • 横山峰弘 Minehiro YOKOYAMA: DNF(U2 麓)
  • 山本健一 Kenichi YAMAMOTO: finished 23:13:54
  • 西城克俊 Katsutoshi SAIJO: finished 27:00:54
これも読む
2022年 Doi Inthanon Thailand by UTMB プレビュー

KAI69k リザルト

女子

  1. 吉住友里 Yuri YOSHIZUMI 8:12:29
  2. 中園真理亜 Maria NAKAZONO 10:13:13
  3. 山内菜摘 Natsumi YAMAUCHI 10:48:39
  4. 石原菜美 Nami ISHIHARA 11:15:12
  5. 田中友花里 Yukari TANAKA 11:33:07
  6. 阿波崎はるな Haruna AWASAKI 12:14:28
  7. 山村知美 Tomomi YAMAMURA 12:38:52
  8. 高橋実世 Miyo TAKAHASHI 12:42:49
  9. 荒川裕子 Yuko ARAKAWA 12:57:34
  10. 小野寺利絵 Rie ONODERA 12:59:07
  • 岡さゆり Sayuri OKA: finished 15:51:04

男子

  1. 甲斐大貴 Hioki KAI 7:32:00
  2. 横内佑太朗 Yutaro YOKOUCHI 7:43:48
  3. 牛田美樹 Miki USHIDA 7:53:13
  4. 宗石和久 Kazuhisa Muneishi 8:35:23
  5. 平沢晋太郎 Shintaro HIRASAWA 9:02:45
  6. 町田知宏 Tomohiro MACHIDA 9:02:45
  7. 清田広輝 Koki Seita 9:04:52
  8. 吉原稔 Minoru YOSHIHARA 9:12:48
  9. 丸山将真 Shoma MARUYAMA 9:30:26
  10. 岩井竜太 Ryuta IWAI 9:30:26
  • 半田佑之助 Yunosuke HANDA: DNF (K4 富士吉田)

カテゴリー表彰

UTMF165k ニューヒーロー(29歳以下で過去にUTWT対象レースで入賞経験がなく成績顕著な男女各一名)

女子:該当なし

男子:山本諒馬 Ryoma YAMAMOTO 22:03:42

これも読む
ウルトラトレイル・マウントフジ ULTRA-TRAIL Mt. FUJI 2023は4月21-23日開催、国際シリーズ戦加盟は見送り #UTMF

UTMF165k ベテラン(40 – 49歳)

女子

  1. 礒村智恵子 Chieko ISOMURA 27:17:32
  2. 下村祥子 Shoko SHIMOMURA 27:26:53
  3. 小山田江美 Emi Oyamada 27:29:53

男子

  1. 高橋和之 Kazuyuki TAKAHASHI 21:18:04
  2. 角田和男 Kazuo SUKIDA 21:32:34
  3. 牧野公則 Masanori MAKINO 21:33:01

UTMF165k マスター(50歳以上)

女子

  1. 天方美和 Miwa AMAGATA 27:58:28
  2. 池田由佳 Yuka IKEDA 28:08:14
  3. 浜彩子 Saiko HAMA 30:48:45

男子

  1. 木曽哲男 Tetsuo KISO 23:07:42
  2. 入江克典 Yoshinori IRIE 23:41:48
  3. 黒田博之 Hiroyuki KURODA 23:45:53

UTMF165k レジェンド(60歳以上)

女子

  1. 今野昌子 Masako KONNO 35:51:19
  2. 東浦千代 Chiyo HIGASHIURA 38:29:04
  3. 田中園子 Sonoko TANAKA 38:32:13

男子

  1. 伊藤輝文 Terufumi ITO 26:13:29
  2. 田中勝 Masaru TANAKA 28:15:32
  3. 野村正勝 Masakatsu NOMURA 31:33:44

KAI69k ニューヒーロー(29歳以下で過去にUTWT対象レースで入賞経験がなく成績顕著な男女各一名)

女子:該当なし

男子:該当なし

KAI69k ベテラン(40 – 49歳)

女子

  1. 廣嶋優子 Yuko HIROSHIMA 13:03:58
  2. 小林佳珠子 Kazuko KOBAYASHI 13:40:03
  3. 李美映 Miyeong LEE 13:50:54
これも読む
【追記あり】ウルトラトレイル・マウントフジが私的サポートの新ルール、そしてレース名を「FUJI」とすることを発表

男子

  1. 山影智美 Tomomi YAMAKAGE 9:30:37
  2. 上ノ川知也 Tomoya KAMINOKAWA 9:30:46
  3. 河村剛 Tsuyoshi KAWAMURA 9:34:35

KAI69k マスター(50歳以上)

女子

  1. 名村洋子 Yoko NAMURA 13:17:21
  2. 本庄恵 Megumi HONJO 13:48:42
  3. 大場直美 Naomi Oba 13:50:54

男子

  1. 岩瀬史明 Fumiaki IWASE 9:47:45
  2. 新海雅彦 Masahiko SHINKAI 10:39:25
  3. 津久井賢 Ken TSUKUI 10:50:09

KAI69k レジェンド(60歳以上)

女子

  1. 赤澤多恵子 Taeko AKAZAWA 13:51:45
  2. 松平佳子 Yoshiko MATSUDAIRA 14:42:29
  3. 横田維佐子 Isako YOKOTA 16:16:30

男子

  1. 齊藤豪俊 Hidetoshi SAITO 10:44:27
  2. 武田重和 Shigekazu TAKEDA 12:41:40
  3. 大美周一 Shuichi OMI 12:56:57
この記事が気に入ったらDogsorCaravanをBuy Me a Coffeeで直接サポートできます!

Buy Me a Coffee

Sponsored link