Apple Watchでランニングパワーが計測できるように。ランナーには待望の機能が追加される「watchOS 9」が発表に

日本時間で6月7日に開催されたWWDC 2022ではApple Watchに対して「watchOS 9」が今年秋に提供されることが発表されました。新しいソフトウェアがApple Watchにもたらす新しい機能は多岐にわたります。ランナーにとっては、ストライドの長さや接地時間の計測や、より客観的なトレーニング強度の指標として注目されるランニングパワーの表示、心拍数ゾーンの設定、水泳・自転車・ランの自動切り替えといった新機能に注目です。

フィットネス関係で当サイトが注目するwatchOS 9の新機能は次の通り。

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  • 三つの新しいランニングフォーム指標を追加
    • 上下動の大きさ(vertical oscillation)
    • ストライドの長さ(stride length)
    • 接地時間(ground contact time)

一番下に接地時間(GCT)が表示される。WWDCのYouTube配信より(以下同じ)。

  • 新しいワークアウト画面を追加
    • スプリットや標高についてもアクティビティ中に確認可能に。

高低図もリアルタイムに確認できる。

ラップタイム、ラップペースも表示できるように。

  • 心拍数ゾーンを設定してワークアウトの強度レベルを把握可能に

Apple Watchでも心拍数ゾーンを確認してトレーニング強度を調整できるようになる。設定から心拍数が外れると音声や振動で伝えてくれる。

  • カスタムワークアウト機能:インターバルの距離や時間などとリカバリー、その繰り返し回数を組み合わせたセットを設定可能。ワークアウト中の心拍数ゾーンを設定して外れた場合にアラート可能。
  • ランニングパワーの計測と表示:ランニング中にトレーニングの強度をリアルタイムに確認できるほか、目標値を超えた場合にアラート。
  • 過去のランニングと自動的に比較:よく走るルートは自動的に保存され、前回のタイムや自己ベストと比較可能。
  • マルチスポーツワークアウト:水泳、自転車、ランの切り替えを「センサーフュージョン」が感知して、自動的にワークアウトのモードを切り替える。

Apple Watchにはジャイロスコープや加速度計といったセンサーが搭載されており、そこに機械学習を加えて実現される「センサーフュージョン」によってこれらの新機能が実現されます。

「センサーフュージョン」技術により、ウォッチのセンサーのみで新たな指標が計測できる。

これらは、今のところは他社のスポーツにフォーカスしているGPSスポーツウォッチがカバーしてきた機能。これまでApple Watchのスポーツウォッチとしての機能では物足りなかったというアスリートは多かったでしょう。これならもうApple Watchで十分だという方も多いかもしれません。特に「ランニングパワー」は「体重×加速度×速度」で計算されるトレーニングの指標ですが、他社では専用のフットポッドなどが必要とするものが多く、ウォッチ本体のみでアクティビティ中に確認できる製品は限られます。

このほか、ランニングなどのアクティビティを記録できる「Fitness」アプリはこれまでApple Watchでだけ利用できていたのが、watchOS 9ではiPhoneのアプリとしても利用可能に。Apple Watchを持っていなくてもiPhoneを持って走ればiPhoneのモーションセンサーを使ってアクティビティを記録してくれるようになります。

watchOS 9は今年秋から、こちらも新たに発表されたiOS 16が動くiPhoneとペアリングした Apple Watch Series 4以降を対象に提供される予定です。

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