サロモン SPEEDCROSS 6 レビュー：クラシックモデルの新作は走れる現代的なトレイルランニングシューズ

サロモンは同社の代表的なトレイルランニングシューズのアップデートモデルとなる「SPEEDCROSS 6」を発売しました。テクニカルでタフなトレイルを走破するための高いフィット感そしてグリップ力という強みはそのままに、ソール全体のスタックハイトを3mm低くすることでコントロール感が高まり、ナチュラルなランニングが楽しめるようになりました。

10月1日に東京・高尾に新たにオープンしたサロモンのコンセプトショップ「SALOMON TOKYO TAKAO CONCEPT」で、オープン前日に内覧会が行われ、その中で関係者向けに「SPEEDCROSS 6」を履いて高尾のトレイルを走る体験会が行われました。当サイトも試し履きをすることができました。

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「SALOMON TOKYO TAKAO CONCEPT」についてはこちらの記事でレポートしています。

高尾山にサロモンの新しいコンセプトショップ「SALOMON TOKYO TAKAO CONCEPT」がオープン、カフェと隣接、2階にコミュニティスペースも

2022.10.05

SPEEDCROSSといえばサロモンのトレイルランニングシューズの中でも人気の定番モデル。やや細めに感じる足型、スティッキーラバーに覆われたアウトソールにはスパイクのようなV字型のラグ。整っていない岩場や浮き出した木の根、滑りやすいぬかるみをスピーディに駆け抜けるためのトレイルランニングシューズとして愛されています。こうした機能を備えるために最適化した結果生まれた、つま先のアッパーからミッドソールにかけての包み込むようなプロテクションは一目でサロモンのSPEEDCROSSだとわかるデザイン。感度の高い人たちの間ではファッションアイテムとしても人気が高いのだとか。

そんな定番の最新作となる「SPEEDCROSS 6」を手に取ると「あれ、軽いな」。ソールのつま先とかかとの差であるドロップは10mmで先代モデルと同じですが、地面からの高さ（スタックハイト）が3mm低くなったことからシューズの重さは10%減の298g（Men’s 27cm）となっています。

アッパーはつま先部分とシュータンの繋ぎ目がなくなり、一体的な構造となっています。足を入れてみると、土踏まずのあたりがやや細目でかかとがすっぽり収まるしっかりしたフィット感。それでもきついということはなく、クイックレースで自在にフィット感が調整できるのはこれまでのSPEEDCROSSと同様です。

早速、トレイルを登って南高尾の尾根に上がります。ここからは小さいけど急なアップダウンの連続です。

走り始めてまず気づいたのは「SPEEDCROSSってこんな走りやすかったかな」ということ。前足部で感じる木の根や石を踏む感覚、着地から蹴り出しまでのソールの反発感はロードのランニングシューズに近い感じです。これまでのSPEEDCROSSはぐらつかない安定感と足を守るプロテクションを重視するためにランニングシューズとしては犠牲にしている面もある、という印象を持っていました。それがこの新作「SPEEDCROSS 6」ではランニングシューズとして快適に走れるようになっています。

ダウンヒルではSPEEDCROSSシリーズおなじみのグリップ力の高さを発揮。柔らかい土、滑りやすいウェットなぬかるみでソールがグリップするのはもちろん、岩の角や木の根っこの上のような不安定な足場に体重をかけてもブレる感じがしません。「SPEEDCROSS 6」のアウトソールのラグはY字型にすることで、V字型のグリップのよさとI字の部分の土抜け、土離れのよさを両立しているといいます。この辺りは、SPEEDCROSSの「らしさ」をさらに高めた部分です。

ランニングを終えた後は、シュータンに入れていたクイックシューレースのつまみを取り出して、サッとレースを緩めます。このシューレースの調整のしやすさはウルトラディスタンスのレースでは便利なはず。

サロモンのトレイルランニングシューズの代表的なモデルの最新作は一見クラシックですが、ランニングシューズとして大きく進化していました。試走したのが南高尾だったせいもあって、今週末に近くの奥多摩で開催されるハセツネCUPの本番シューズとしてもおすすめしたいシューズだと思いました。週末までは雨が続くという天気予報なので、「SPEEDCROSS 6」のグリップ力と泥離れのよさが威力を発揮しそうです。

SPEEDCROSS 6