国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。
(写真・Vibram Hong Kong 100で女子優勝のチャン・マンイー Man Yee CHEUNG。Photo courtesy of HK100)
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先週末開催のイベント
2月16日木曜日 – 19日日曜日
Vibram Hong Kong 100k (103km, 56km, 33km)
2011年に始まった香港でも国際的に知られたトレイルランニングイベントは3年ぶりにリアル形式での大会が開催されました。やや気温が高い中で行われた103kmの男子のレースを制したのは前回2020年のチャンピオン、ユウ・ペイチャン Peiquan YOU 游培泉 (CHN)。中盤からレースを単独リードして10時間37分でフィニッシュ。2020年の自らのタイムには及びませんでしたが3年のブランクを経てなお強さを発揮しました。7分差の10時間44分で2位になったのはチョウ・ジアジュ Jiaju Zhao 赵家驹 (CHN)。チョウは昨年12月のDoi Inthanon Thailand by UTMBの100マイルで優勝しています。3位にはレース序盤をリードしたデン・グオミン Guomin DENG 邓国敏 (CHN)が11時間7分で続きました。4位のロー・カンファ Canhua LUO 罗灿华、メン・グアンフー Guangfu MENG 蒙光富と上位は中国勢が占めましたが、7位に香港在住のローデヴァイク・フライン Lodewijk Vriens (NED)が11時間58分で入りました。
女子では13時間49分で香港のチャン・マンイー Man Yee CHEUNG (HKG)が優勝。チャンは昨年のDoi Inthanon 100マイルで6位でした。2位になったのはリ・アンナ Anna LI 李安娜 (CHN)で14時間18分。最初のウェーブから29分差の第4ウェーブでのスタートで2位に入るというサプライズでした。3位は14時間32分でルー・チン Qin LU 覃露 (CHN)でした。
このほか、木曜日に行われた”The Third”の33kmのレースはツァン・フクチャン Fuk Cheung TSANG 曾福祥 (HKG)が3時間2分、ウー・ユアンユアン Yuanyuan Wu (CHN) が3時間44分で男女それぞれのレースで優勝。金曜日の”The Half” 56kmはリ・シンジン Xingjing LI 李兴静が5時間5分、チョウ・ライファン Ruifang ZHOU 周瑞芳 (CHN)が6時間17分で男女それぞれで優勝。三つのレースにのべ1200人が参加する中、三つのレース全ての完走を目指す「グランドスラム」は10人が達成しています。リザルトはこちら。
Amazean Jungle Thailand by UTMB (160k, 100k, 50k, 25k, 10k)
タイ南部のヤラー県の密林エリアをコースとする大会。12月のDoi Inthanon Thailand by UTMBとともにUTMBワールドシリーズのシリーズ戦となっています。100マイルのレースはサンゲ・シェルパ Sange Sherpa (NEP、フランス在住)が25時間3分で男子優勝。男女総合3位となったシー・ウェンフェイ Wenfei XIE (CHN)が29時間12分で女子優勝。100kmのレースの男子はゲディミナス・グリニウス Gediminas Grinius (LTU)が13時間53分で優勝し、喜多村久 Hisashi Kitamura (JPN)が15時間7分で2位に続きました。総合4位の17時間29分でアニタ・ライ Anita Rai (NEP)が女子のチャンピオンとなりました。50Kはミハエル・レズニアク Michal Lesniak (POL)が6時間37分、ジョー・ミーク Jo Meek (GBR)が7時間14分で男女それぞれの優勝者に。リザルトはこちら。UTMBワールドシリーズの次のイベントは4月13-16日のIstria 100 by UTMB(クロアチア)となります。
2月18日土曜日 – 19日日曜日
Black Canyon Ultras 100k / 60k
アメリカ・アリゾナ州フェニックス郊外で開催。砂漠の乾いたトレイルをポイント・トゥ・ポイントの下り基調で南下するコースで知られます。100kmのレースはHOKA Golden Ticket Racesとなっていて、レベルの高いレースとなりました。
男子のレースはアンソニー・コスタレス Anthony Costalesが7時間33分でフィニッシュ。昨年のこのレースで5位だったコスタレスがセイジ・カナディ Sage Canadayによる大会記録(2016年)を19分上回る好記録での優勝となりました。2位には昨年のUTMBで3位のトム・エバンス Thomas Evans (GBR)が7時間37分、3位はヤノシュ・コワルジック Janosch Kowalczyk (GER)で7時間40分。女子はレース後半の80kmを過ぎても、トライアスロンのアスリートとして活躍するヘザー・ジャクソン Heather Jackson、イーダ・ニルソン Ida Nilsson (SWE)、キーリー・ヘニンジャー Keely Henningerの三選手が大会記録を上回るペース、そして集団でレースをリードします。 優勝争いが動き出したのは最後のエイドを出た残り5kmとなってから。キーリー・ヘニンジャー Keely Henningerが8時間45分でレースを制して優勝。ブリタニー・ペーターソン Brittany Petersonによる大会記録(2021年)を3分上回る大会新記録でした。わずか2分差でヘザー・ジャクソン Heather Jacksonが8時間47分で2位に。3位にはメーガン・モーガン Meghan Morganが8時間53分でトップ3入り。イーダ・ニルソン Ida Nilssonは5位でレースを終えました。
日本から参加の枝元香菜子 Kanako EDAMOTOは10時間31分で女子20位。2週前のテキサス州でのRocky Raccoon 100での4位に続いての参戦となったいいのわたる Wataru Iinoは12時間28分でフィニッシュしています。リザルトはこちら。
ウェスタンステイツへの参加権となるGolden Ticketはヘザー・ジャクソン、トム・エバンスがすでに参加権を得ていることから、男女とも3位の選手に繰り下がることになります。Golden Ticket Racesは4月28日のCanyons by UTMBの100Kが最終戦となります。
2月18日土曜日
Fourmidable (50K, 35K, half marathon, 13k)
アメリカ・カリフォルニア州オーバーンで開催。50Kのレースは今年6月にオーストリアで開催されるマウンテンランニング・トレイルランニング世界選手権(WMTRC)の米国代表選考レースとなっており、男女上位2選手がショートトレイル種目(40km)の代表チームのチケットを手にすることになります。女子はキンバー・マトックス Kimber Mattoxが4時間6分で勝利、2位にエムケイ・サリバン Emkay Sullivanが4時間10分、3位はクレア・ローズ Klaire Rhodesで4時間14分でした。男子は3時間29分の大会新記録でジョナサン・アジズ Jonathan Azizが優勝。クレイグ・ハント Craig Huntが3時間40分で2位、ジャコブ・グラント Jacob Grantが3時間45分で3位。リザルトはこちら。
米国の世界選手権代表選考レースはこのあと4月8日にLake Sonoma 50(カリフォルニア)、4月29-30日にSunapee Scramble(ニューハンプシャー)、5月6日にBreakneck Point Trail Marathon(ニューヨーク州)が予定されています。
2月19日日曜日
DA MONDE TRAIL Presents Way to Go!! (8km)
愛知県新城市の愛知県民の森で開催。奥三河で開催されるDA MONDE TRAILが開催するイベントです。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
今週末開催のイベント
2月22日水曜日 – 26日日曜日
Transgrancanaria (128k, 84k, 45k, 24k, 12k, VK)
大西洋に浮かぶカナリア諸島・グラン・カナリア島(スペイン)で開催されるトレイルランニングイベントで、欧州のトレイルランニングシーズンの始まりを告げるビッグイベントです。今年のSpartan Trail World Championshipの開幕イベントです。22日水曜日にバーティカル(5.5km 1,090mD+)、23日木曜日にStarter(24km 1,800mD+)、PromoおよびYouth(12km 725kmD+)、24日金曜日にMarathon(45km 1,900mD+)、金曜日深夜にClassic(128km 7,000mD+)25日土曜日にAdvanced(84km 5,000mD+)の各レースがスタートします。Classicにはコートニー・ドウォルター Courtney Dauwalter (USA) がエントリー。2018年のウルトラトレイル・マウントフジでの優勝以来、ウェスタン・ステイツ、Tarawera、UTMBで連覇、そして昨年はMIUT、Hardrock、レユニオンとビッグレースで優勝を重ねています。男子ではClassic4度優勝、2019年UTMBチャンピオンのパウ・カペル Pau Capell (ESP)が今年もスタートラインに立ちます。さらに女子ではこのレースで前々回3位、前回2位のクラウディア・トレンプス Claudia Tremps (ESP)、男子では昨年のCCCで4位の シェン・ジアシェン Jiasheng Shen (CHN) をはじめ有力選手が多数参加します。
2月24日金曜日 – 26日日曜日
Oxfam Trail Walker Hong Kong
4人のチームでマクレホーズトレイル100kmのコースを制限時間48時間で踏破するOxfam Trail Walkerのイベント。リアルな形式での開催は2018年以来5年ぶりの開催となります。
2月25日土曜日
善通寺五岳山 空海トレイル(45km, 30km, 15km, 6.5km)
香川県善通寺市。弘法大師・空海生誕地とされる善通寺の西側の五つの山15km 1311mD+の周回コースで3年ぶりに4回目の大会が予定されています。
2月26日日曜日
Nedbank Runified Breaking Barriers 50km Ultramarathon
南アフリカのネルソン・マンデラ・ベイで開催される50kmのウルトラマラソンの大会。ウルトラマラソンの人気の高い南アフリカで、コロナ禍で大会が少ない状況を打破すべく2021年に始まった大会です。第1回大会では男女ともに、昨年の第二回大会では男子の世界新記録が生まれた大会です。昨年2時間40分13秒で記録を更新したステファン・モコカ Stephen Mokoka (RSA)、昨年秋にこの記録を上回る2時間38分44秒を記録(世界記録について審査中)したアメリカのCJ・アルバートソン CJ Albertsonがこのレースに参戦見込みです。女子のレースは2021年に3時間4分24秒の世界新記録を打ち立てたイルベット・ファン・ジル Irvette van Zyl (RSA)が今年のレースに出場しませんが、昨年3時間4分58秒で記録更新まであとわずかまで迫ったアメレワーク・ボショ Amelework Bosho (ETH)が今年のこのレースで記録更新を狙います。
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