Golden Trail World Seriesは8月12日土曜日に第4戦となるシエール・ジナル Sierre-Zinalが開催されます。スイスの山岳ランニングの歴史ある名大会は今年も世界のトップ選手を集めて熱いレースとなりそうです。
シエールの街をスタートして山の上にあるジナルの村までの距離は31km。累積獲得高度は2,300mD+というコース。6300人の選手が参加する山岳ランニングのイベントとしては大規模な大会です。大会記録はともに2019年に記録されており、男子は2時間25分35秒(キリアン・ジョルネ)、女子は2時間49分20秒(モード・マシス)となります。
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(写真 © Sierre-Zinal / Golden Trail Series)
レースは8月12日土曜日の午前10時55分(日本時間同日午後5時55分)にスタート。レースの模様はGolden Trail SeriesのウェブサイトやYouTubeチャンネルでライブ配信で観ることができます。
今回は50回目の記念大会
シエール・ジナルは今回で50周年を迎えます。5つの4,000メートルの高峰を見ながら走るレースとして知られており、トレイルランニング界では世界的に知られた名大会です。例年、世界各国からトレイルランニングだけでなく、ロードのトップアスリート、マウンテンランニングのトップ選手が集まります。登り基調のポイントトゥポイントのコースは走りやすく、様々なバックグラウンドを持つアスリートについて力を発揮しやすいレースとして知られています。
50回目の今年はこれまでの大会のチャンピオンの多くが参加することも、ファンにとっては楽しみとなっています。キリアン・ジョルネ Kilian Jornet (ESP) とモード・マティス Maude Mathys (SUI) の大会記録は塗り替えられるのか。注目の土曜日となります。
注目選手
レースの直前まで予定されていた選手が出場を見送る可能性があります。有力選手の情報はGolden Trail Seriesのウェブサイトで更新されます。
女子選手
シーズンの始めにケガでGTWSには参戦していなかった昨シーズンのチャンピオン、ニーンケ・ブリンクマン Nienke Brinkman (NED) が、シエール・ジナルの50回目の大会でレースにカムバックします。リカバリーを経て、ジュディス・ワイダー Judith Wyder (SUI) と対決することになります。ワイダーはGTWS第3戦のDoloMyths Runで勝利を収めています。加えて今年のモンブランマラソンで優勝し、DoloMyths Runで2位になったソフィア・ラウクリ Sophia Laukli (USA) が首位争いに加わることでしょう。さらに今回の女子有力選手のリストは続きます。フィラリーズ・キサン Philaries Kisang (KEN) は2022年のシエール・ジナルで2位、今年のWMTRC世界選手権のバーティカルの銀メダリストです。アリー・マクローフリン Allie McLaughlin (USA) も2022年のマデイラ島でのシーズンファイナルでは二つのステージで首位を獲得したのち、今シーズンはシリーズに初登場です。また、サラ・マコーマック Sarah McCormack (IRL) 、ルーシー・ワンブイ・ムリギ Lucy Wambui Murigi (KEN) 、ダニエラ・オイムス Daniela Oemus (GER) 、ヤオ・ミャオ Miao Yao (CHN) 、ヌリア・ヒル Nuria Gil (ESP) の活躍も期待されます。
男子選手
コースレコードホルダーであり、この大会の顔ともいえるキリアン・ジョルネ Kilian Jornet (ESP) はケガからのリカバリーのため出場は見送る模様です。しかし大会会場には姿を見せてライブ配信でその声を聞くこともできるでしょう。
キリアン不在のレースでの優勝候補として名前が上がるのはレミ・ボネ Rémi Bonnet (SUI) です。昨年のGTWSシリーズチャンピオンであり、今年6月のシリーズ第二戦のモンブランマラソンで優勝しています。すでにこのレースでの優勝を目指すとコメントしています。
ボネに挑む選手は昨年のこの大会で準優勝のパトリック・キプネゲノ Patrick Kipngeno (KEN) です。さらにペトロ・マム Petro Mamu (ERI) は2016年の優勝者でありこの大会では表彰台の常連です。昨年はフィニッシュテープの直前でキリアンを追い抜いて3位になったのも話題になりました。
フィレモン・オンボゴ・キリアゴ Philemon Ombogo Kiriago (KEN) は昨年はキリアンに最後の下りで抜かれて5位でフィニッシュしています。ロバート・プケモイ Robert Pkemoi (KEN) は今年5月のシーズン開幕戦のゼガマで5位でしたが、シエール・ジナルのコースの特徴はプケモイには有利に働くかもしれません。
加えて、ロビー・シンプソン Robbie Simpson (GBR) 、エルハウジン・エラザウイ Elhousine Elazzaoui (MAR) 、エリ・ヘミング Eli Hemming (USA)、マティアス・キーブルツ Matthias Kyburz (SUI) 、チェザーレ・マエストリ Cesare Maestri (ITA) が続きます。
31kmのコースに世界の有力選手が集結する土曜日に
第50回シエール・ジナルは、世界中からトップアスリートを引き付ける、トレイルランニング界の象徴的なイベントとなります。今年のラインナップは、男女ともに非常に競り合っており、観客にとって興奮するものになることでしょう。キリアン・ジョルネの欠場は残念ですが、新しい才能が台頭するチャンスとなります。8月12日はこの記念すべきレースをライブ配信で応援しながら注目しましょう。