20回目の大会は史上最高にハイレベルなレースに。Dacia UTMB Mont-Blancまであと2週間

今年で20回目となるDacia UTMB Mont-Blancは、8月28日から9月3日まで全部で1万人の選手が集まり、モンブランの麓に広がるトレイルを走ります。今年の大会はUTMBワールドシリーズ・ファイナルとして初めての開催となります。このファイナルは三つのカテゴリーのレースから構成され、まずはフランス、スイス、イタリアの3カ国にまたがる距離171kmと累積獲得高度10,000mD+のUTMB(100Mカテゴリ)。そしてクールマイユール Courmayeur からシャモニー Chamonix を目指すCCC(100Kカテゴリ)。さらにスイスのオルシエール OrsièresをスタートするOCC(50Kカテゴリ)が開催されます。

(Photo © UTMB)

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UTMBワールドシリーズの一年を締めくくるファイナルとしては初めての開催となるためか、今年の各レースは最高にハイレベルな選手の顔ぶれとなります。すなわち、2003年以降のエントリーリストのUTMBインデックスで男女各トップ20名の平均値は、今年が過去最高となっています。

大会の模様はUTMB LIVEのウェブサイトで通過速報や映像でのライブ配信が行われるほか、一部の国と地域では配信メディアを通じてライブ配信が行われます。

UTMB

男子選手では、UTMBで頂点に立つ挑戦を続けているジム・ウォルムズリー Jim WALMSLEY (USA) 、昨年自己ベストのタイムで4度目の優勝を果たしたキリアン・ジョルネ Kilian JORNET (ESP) 、昨年のCCCのチャンピオン・ペッター・エングダール Petter ENGDAHL (SWE)、そして最近出走をアナウンスした昨年2位のマチュー・ブランシャール Mathieu BLANCHARD (FRA) と優勝候補のリストは長く続きます。【追記・キリアン・ジョルネはケガからのリカバリーのため出走しません。】

2022年に3位になり、今年のウェスタンステイツの勝者であるトム・エヴァンス Tom EVANS (GBR) にも注目が集まります。エヴァンスは「今年のUTMBに参加することに非常に興奮しています。膝の手術からリカバリーしたばかりの昨年よりもはるかに良い状態で参加できると思います。ウェスタンステイツに続いて20周年記念のUTMBを合わせたダブルを制する。これは大きな挑戦で、エントリーリストに並ぶ選手の強さを見れば簡単ではありません。でもレースが楽しみで、達成できると信じています。」とコメントしています。

加えて、今年のLavaredo Ultra Trail by UTMBで優勝しているヨナス・ルッシ Jonas RUSSI (SUI)、Trail 100 Andorra by UTMB の100Kでタイ優勝のベン・ディーマン Ben DHIMAN (USA) とジャンフィリップ・チュミ Jean-Philippe TSCHUMI (SUI) は再びサプライズをもたらすかもしれません。

さらにリストはパウ・カペル Pau CAPELL (ESP)、ザック・ミラー Zach MILLER (USA)、ロバート・ハイナル Robert HAJNAL (ROU)、 チョウ・ジアジュ Jiaju ZHAO (CHN)、アルトゥール・ジョワイヨ・ブイヨン Arthur JOYEUX BOUILLON (FRA)、ティボー・ガリビエ Thibaut GARRIVIER (FRA) 、ルドビック・ポムレ Ludovic POMMERET (FRA) といった選手たちがずらりと並びます。

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女子選手ではコートニー・ドウォルター Courtney DAUWALTER (USA) に話題が集中しそう。今シーズンは6月のウェスタンステイツ、7月のHardrock 100とアメリカのビッグイベントをいずれも大会記録を塗り替えて優勝。モンブランで伝説を作ることになるのか、自ずと注目を集めます。すでにUTMBでは2019年と2021年に優勝しています。

加えて、CCCで優勝した経験を持ち、昨年のウェスタンステイツで2位のルース・クロフト Ruth CROFT (NZL) 、今年のEiger Ultra Trail by UTMBの勝者である カタリナ・ハルトムート Katharina HARTMUTH (GER) 、昨年のTDSで優勝したマルティナ・ヴァルマソイ Martina VALMASSOI (ITA) 、昨年のUTMBで5位のエスター・チラグ Eszter CSILLAG (HUN、香港在住)。一昨年のTDS優勝で今年のWMTRC世界選手権で銅メダリストのマノン・ボアール Manon BOHARD CAILLER (FRA)。日本からは宮﨑喜美乃 Kimino Miyazakiがエントリーしています。そして今回のUTMBが初めての100マイルとなるのがブランディーヌ・リロンデル Blandine L’HIRONDEL (FRA) です。

リロンデルは次のようにコメントしています。「『どこへ行くかは問題ではない、どれだけ遠くに行くかが大事なのだ。』この引用が私の気持ちを反映していると思います。今回は未知の領域に飛び込みますが、自分の身体がどう反応するのか、どんなトラブルに巻き込まれるのか、わかりません。…できる限りの準備をして、この挑戦を楽しみながら自分なりに成功だと感じられるものにしたと考えています。」

CCC

CCCの女子のレースは世界から有力選手を集めます。スペインからは昨年のmozart 100 by UTMBで優勝のアサラ・ガルシア Azara GARCIA (ESP) とマルタ・モリスト Marta MOLIST (ESP) 、イーダ・ニルソン Ida NILSSON (SWE) 、エミリー・フォシュベリ Emelie FORSBERG (SWE) 、TDSで2018年と2019年に連覇しているオードリー・タンギー Audrey TANGUY (FRA) 、アディ・ブレイシー Addie BRACY (USA) 、プリシラ・フォージー Priscilla FORGIE (CAN) 、そして日本からは吉住友里 Yuri YOSHIZUMIといった名前が上がっています。

男子では世界トップクラスの選手であることを示す、UTMBインデックスが900を超える4人のランナーが揃います。それは、2019年のトレイル世界選手権チャンピオンのジョナサン・アルボン Jonathan ALBON (GBR) 、今年のWMTRC世界選手権銀メダリストで今年のEiger Ultra-Trail 50Kで3位のアンドレアス・ライテラー Andreas REITERER (ITA)、そして今年のTransvulcania by UTMB®で100Kで11年前に続く2度目の優勝となったダコタ・ジョーンズ Dakota JONES (USA)、そして今年のWestern Statesで4位、昨年のCCCで4位のシェン・ジャシェン Jiasheng SHEN (CHN) 。

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OCC

50KカテゴリーのUTMBワールドシリーズファイナルとなるOCC。女子のレースは激しいレースが予想されます。まず名前が上がるのは米国のアスリートです。昨年のUTMBチャンピオンで今年のウェスタン・ステイツでは2位のケイティ・シャイド Katie SCHIDEダニ・モレノ Dani MORENO 、今年のEiger Ultra-Trail 50Kの勝者であるアリー・マクラフリン Allie MCLAUGHLIN、そして今年2月のTaraweraの50Kで優勝したジェニファー・リヒター Jennifer LICHTER

欧州勢ではスペインのヌリア・ギル・クラペラ Nuria GIL CLAPERAオイハナ・コルタザ Oihana KORTAZARアンナ・コメット・パスクア Anna COMET PASCUA、イタリアのファビオラ・コンティ Fabiola CONTI、フランスのマチルド・サニェス Mathilde SAGNESが出場します。さらにケイトリン・フィールダー Caitlin FIELDER (NZL) 、ヤオ・ミャオ Miao YAO (CHN)、トニ・マッカン Toni MCCANN (RSA) などの名前が続き、ファイナルにふさわしい国際的なレースとなります。

男子のOCCは、2022年のチェンマイと2023年のインスブルックでWMTRC世界選手権のチャンピオンとなっているスティアン・アンゲルムンド Stian ANGERMUND (NOR) が再び制するのか。そこに今年のZegama-Aizkorriの勝者であるマヌエル・メリラス Manuel MERILLAS (ESP)、ロビー・シンプソン Robbie SIMPSON (GBR) 、フランチェスコ・プッピ Francesco PUPPI (ITA) が加わります。そして今シーズンの若手の注目株、アントニオ・マルティネス・ペレス Antonio MARTINEZ PEREZ (ESP) もOCCに登場します。

Dacia UTMB Mont-Blancのエリート選手のリストはこちらで随時更新されています。

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