サウスダウンズウェイ100、South Downs Way 100:英国の歴史と自然を駆け抜けるトレイルランニングイベントが今週末開催【Gran Canaria World Trail Majors】

サウスダウンズウェイ100 South Downs Way 100 が今週末の6月8日から9日にかけて開催されます。今回で第13回大会となる今年はグラン・カナリア・ワールド・トレイル・メジャーズ Gran Canaria World Trail Majors を構成する大会として開催されます。このレースは、イギリスのウィンチェスター Winchester からイーストボーン Eastbourne までのサウスダウンズウェイ・ナショナルトレイルを走る100マイル(161 km)をコースとしています。標高差は13,000フィート(約4,000メートル)に達し、30時間以内に完走することが求められます。

(Photo © South Downs Way 100 / Gran Canaria World Trail Majors)

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サウスダウンズウェイの歴史と自然

サウスダウンズウェイがナショナルトレイルとなったのは2010年のことで、イギリスで最も新しいトレイルの一つです。しかし、その歴史は8000年以上前に遡ります。このトレイルは古代の人々が湿地帯を避けて丘の背を通る安全で乾燥したルートとして利用していた道を結びつけたものです。トレイル沿いには、オールドウィンチェスターヒル Old Winchester Hill、シスベリーリング Cissbury Ring、ディッチリングビーコン Ditchling Beaconなどの鉄器時代の砦が点在しています。特にディッチリングビーコンは、のちの16世紀にスペイン無敵艦隊がイングランド海峡を航行するのをエリザベス1世英女王に警告するために使用されたことで有名です。

また、サウスダウンズウェイは、国際的に重要なチョークリバーや希少なチョーク草原、古代の森林など、イングランド南部の石灰岩の地盤の上にできた自然環境をつないでいます。トレイルは5つの国立自然保護区と数多くの自然保護協会特別指定地区を通過し、美しい自然と野生生物を間近で楽しむことができます。

サウスダウンズウェイ100の歴史

サウスダウンズウェイ100は、サウスダウンズウェイで行われるレースとしては第3世代となります。1972年にバリトン Buriton を起点として整備が始まったこのトレイルは、当初80マイルの長さでした。そこでレースが初めて行われたのは1983年のことで、以来14回にわたってレースが続きました。その間の1990年から1997年までは世界トレイル選手権の舞台ともなっていました。1987年にトレイルは100マイルに延長され、現在のレースルートとなりました。

現在のサウスダウンズウェイ100は2012年に立ち上げられ、最初の2年間は今と逆方向に進むレースでした。その後、現在の西から東へ進むルートに変更され、イギリスのウルトラマラソンの中で最も重要なレースの一つとして成長しました。

2024年大会の見どころ

2024年の大会には25か国から500人のランナーが参加し、グランカナリア・ワールドトレイルメジャーズシリーズの第6戦として開催されます。レースは、同じ週末に開催されるシリーズ戦であるスイスキャニオントレイルの2時間前にスタートします。これまではイギリスのトップトレイルランナーやウルトラランナーが集まるレースでしたが、新たなパートナーシップにより、世界的な関心を集める大会へと成長しつつあります。

注目の有力選手たち

女子選手

  • ニコール・ビター Nicole Bitter (USA, Altra, ITRA 732):ウェスタンステイツで複数回にわたってトップ10入りのほか、Rocky Raccoon 100では3回優勝、Black Canyon Ultra 100Kで2017年に優勝。
  • キャット・シンプソン Cat Simpson(GBR, 573):昨年のこのレースで2位。Grand Union Canal 145mileで優勝、スパルタスロンで5位。
  • カレン・ベンウェイ Karen Benway (USA, 551):2022年のQuebec Mega Trailで3位、Vermont 100でトップ10入りを3回。、2023年のTahoe Rim Trail 100で5位。

男子の注目選手

  • ジェフ・チェシャー Geoff Cheshire(GBR, 769):Centurion Autumn 100の大会記録保持者。昨年のテムズパス100で優勝。
  • ピーター・ウィンドロス Peter Windross (GBR, 756):この大会で2021年に優勝、2022年に2位。センチュリオンオータム100とテムズパス100で優勝経験あり。
  • ダン・ローソン Dan Lawson (GBR, 713):サウスダウンズウェイ50で2位。グランドユニオンキャナルレースの記録保持者。2016年24時間走欧州選手権金メダル。Ultrabalaton や Ultra Gobi で優勝、Badwater 135 で優勝、Spartathlon で2位。
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