DC Weekly 2026年1月19日 Spine Race、HURT100、小岱山、千羽海崖

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ニュース

Montane Winter Spine Race でチャリティランナーがSNSで殺害予告を受け、主催者の判断で強制的にリタイアに

英国・イングランドで開催された Montane Winter Spine Race において、アフガニスタンの女性や少女を支援するためのファンドレイジングを行いながら走っていた英国人女性が、レースの進行中にSNS上で「殺害予告」レベルの脅迫を受け、主催者判断でコースから外されるという深刻な出来事が起きました。

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この大会のレースの一つである「スパイン・チャレンジャー・サウス(108マイル)」に出場していたサラ・ポーター Sarah Porter (GBR) さんは自身が主宰する人道支援団体「InspiredMinds!」を通じて、アフガニスタンなど紛争地域の女性や少女たちの教育・安全を支援するためのファンドレイジング(資金調達)を目的にレースに挑んでいました。

サラさんは大会初日の1月10日にレースをスタートし、順調にコースを進んでいましたが、レース中に彼女の活動を標的とした具体的な殺害予告(Death Threats)がSNS等を通じて届きました。事態を重く見た大会主催者は、選手の現在地を一般公開するライブトラッキング機能をサラさんのデバイスのみ直ちに停止。続いて、約30マイル(48km)地点に到着した際、レースディレクターは彼女の安全を確保するため、コースから離脱させる「困難な決断」を下しました。

サラさんは自身のセキュリティチームを伴い、万全の体制で臨んでいましたが、主催者側は「すべての参加者の安全が最優先である」とし、警察とも連携した上で、彼女がコース上に留まり続けることはリスクが大きすぎると判断した、としています。

しかし、このニュースが広まると、彼女の勇気ある行動と理不尽な妨害に対して世界中から支援の声が寄せられました。ファンドレイジングについては、目標金額を大きく上回る支援が集まっており、サラさんは「今回の件で、さらに決意が固まった。大きなレースを完走し、彼女たちを支援し続けることを決して止めない」と、強い決意で話しています。

先週末開催のイベント

1月8日 木曜日 – 11日 日曜日

Brazil 135

ブラジル・サンパウロ州からミナスジェライス州にかけての巡礼路「カミーニョ・ダ・フェ(Caminho da Fé)」を舞台とするこのレースは、累積標高差が富士山の標高の約2倍に相当する過酷なコース設定で知られています。2026年大会は、公式に150マイル(約240km)のカテゴリーがメインとして扱われ、米国・カリフォルニアで開催される「Badwater 135」への出場権をかけた熱いレースとなりました。リザルトはこちら

1月11日 日曜日 – 18日 日曜日

Montane Winter Spine Race(426km)

イギリスで「国内最も過酷な耐久レース」として知られるアドベンチャー要素の強い大会です。イングランドの背骨と呼ばれるペナイン・ウェイ(Pennine Way)の全行程268マイル(約430km)を舞台に繰り広げられた今年のレースは、嵐「ゴレッティ」(Storm Goretti)の影響による氷点下の気温、深い雪、そして強風という、まさに極限のコンディションとなりました。

そうした中で女子のレースは終盤に劇的な結末が待っていました。序盤はフィンランドのヨハンナ・アンティラ Johanna Antila (FIN) がリードし、それをアンナ・トープ Anna Troup (GBR) が追う展開に。二人は109マイル地点のハーズ Hawes で合流すると、そこから100マイル以上にわたって並走を続け、フィニッシュまで残り25マイル地点のベリンガム Bellingham までデッドヒートを繰り広げました。しかし、ここでアンティラが足の負傷によりリタイアを余儀なくされます。一人残ったトープは、凍てつく夜のクロス・フェル Cross Fell を「恐怖を感じた」と振り返るほどの過酷な状況下で攻略し、106時間19分で優勝を果たしました。トープはこの勝利により、夏季大会と冬季大会の両方で優勝を経験した史上3人目のランナーとなりました。

2位にはフィオナ・ホースフィールド Fiona Horsfield (GBR) が112時間48分で、3位には初出場のソフィー・グラント Sophie Grant (NZL) が117時間32分で表彰台に登りました。今回は5人の女性選手が完走しています。

男子のレースは、ベテランのエウヘニ・ロセリョ・ソレ Eugeni Roselló Solé (ESP) が序盤から圧倒的なリードを保つ展開となりました。一時は2位以下に10時間近い差をつけ、独走態勢に入ったかに見えましたが、フィニッシュまで残り約30マイル(約48km)地点のバーネス近郊で、極度の疲労により無念のリタイアを喫することになります。代わって首位に立ったのは、フランスのセバスティアン・ライション Sébastien Raichon (FRA) です。イタリアの超長距離レース「トル・デ・グラシエ(Tor des Glaciers)」で複数回の優勝経験を持つライションは、今大会には初出場でした。焦らず着実なペースを守る「ウサギとカメ」のカメのような戦略で、過酷な気象条件によって有力候補が次々と脱退する中、最後まで力強い走りを披露しました。ライションは95時間43分という記録で、初出場にして初優勝の栄冠に輝きました。

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2位には地元イギリスのジェームス・ホワイト James White (GBR) が101時間52分で入り、3位にはジェームス・ハーグリーブス James Hargreaves (GBR) が105時間20分で続きました。

日本人選手では今村文昭 Fumiaki Imamura (JPN) が132時間12分という粘りの走りで、男子31位で完走しています。

リザルト速報はこちら

2026 Montane Winter Spine Race リザルト

女子 (Women)

  1. アンナ・トープ Anna Troup (GBR) – 106:19:12
  2. フィオナ・ホースフィールド Fiona Horsfield (GBR) – 112:48:49
  3. ソフィー・グラント Sophie Grant (NZL) – 117:32:18
  4. アリッサ・ゴデスキー Alyssa Godesky (USA) – 119:34:54
  5. ビクトリア・モリス Victoria Morris (GBR) – 121:50:14
  6. リンダ・ハバード Lind Hubbard (GBR) – 127:47:35

男子 (Men)

  1. セバスティアン・ライション Sébastien Raichon (FRA) – 95:43:52
  2. ジェームス・ホワイト James White (GBR) – 101:52:13
  3. ジェームス・ハーグリーブス James Hargreaves (GBR) – 105:20:53
  4. パウェル・シンバリスタ Pawel Cymbalista (POL) – 106:25:35
  5. ラドマー・スハルクス Radmer Schalkx (NED) – 115:56:35
  6. タイメン・スハルクス Tijmen Schalkx (NED) – 115:56:35
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1月17日 土曜日 – 18日 日曜日

HURT 100

ハワイ・オアフ島のジャングルを舞台にした100マイルレースで、テクニカルなコースが特徴です。女子のレースはエイミー・ウォルンキ Aimee Warnkeが27:24で優勝、男子は昨年2位のタイラー・ジュザ Tyler Juzaが19:22で優勝。日本から参加の選手では昨年4位の澤道人 Michito Sawaが23:19で今回も4位に、野田武志 Takeshi Nodaが25:07で9位、井原知一 Tomokazu Iharaが26:09で11位でした。リザルトはこちら

Long Haul 100

アメリカ・フロリダ州のコルトクリーク州立公園(Colt Creek State Park)で開催されました。例年は温暖な気候が特徴ですが、第15回目を迎えた今年は異例の寒波に見舞われました。氷点下近い気温とフリーズウォッチ(凍結注意報)が発令される厳しいコンディションの中、ランナーたちは16.7マイル(約27km)のループを6周する過酷な100マイルに挑みました。

女子のレースでは、ニコール・コッチア Nicole COCCIA (USA) が圧倒的なパフォーマンスを見せました。コッチアは冷え込みをものともしない快走を続け、大会新記録となる16時間32分07秒でフィニッシュ。男子の上位選手を抑えて総合2位に食い込むという快挙でした。コッチアは女子選手として初めて17時間の壁を突破したランナーとなりました。女子2位には、19時間05分53秒でフィニッシュしたライラ・ゴドロー Lila GAUDRAULT (USA) が入り、3位にはカリン・ルベツキー Caryn LUBETSKY (USA) が19時間27分50秒で続きました。

男子のレースを制したのは、トレヴ・ヴァンノッツェンバーグ Trev VANKNOTSENBURG (USA) でした。ヴァンノッツェンバーグは終始安定したペースを刻み、16時間10分38秒で勝利を収めました。2位にはフランスから参戦したティエリー・マキシム・ギヨ Thierry Maxime GUILLOT (FRA) が17時間14分10秒(総合3位)で入賞。3位にはマシュー・ヴェレット Matthew VERETTO (USA) が17時間54分58秒(総合4位)で続きました。リザルトはこちら

Shodai Adventure Mountain 小岱山トレイルランニング(22k、14k)

熊本県玉名市に位置する小岱山で開催される大会で、ロング22kmとショート14kmのレースが行われました。ロングでは吉原綾音が3:11、塚元雄大が2:41で女子、男子でそれぞれ優勝。ショートは溝口弘恵が1時間52分で女子優勝。釜坂裕太が1時間37分で男子優勝という結果でした。リザルトはこちら

ロング女子

  1. 吉原 綾音 03時間11分38秒
  2. 古田景子 03時間20分17秒
  3. 橋本由紀 03時間21分01秒
  4. 永江紗江佳 03時間22分28秒
  5. 村田 佳代 03時間54分43秒
  6. 下間亜希子 03時間57分12秒
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ロング男子

  1. 塚元雄大 02時間41分21秒
  2. 高橋 暢孝 02時間42分08秒
  3. 池澤 啓介 02時間43分58秒
  4. 植木真 02時間50分43秒
  5. 百崎晋平 02時間54分08秒
  6. 前田 渉 02時間58分43秒

ショート女子

  1. 溝口 弘恵 01時間52分34秒
  2. 井上 美由紀 01時間56分58秒
  3. 彌生 優子 02時間04分11秒
  4. 中山 美紗 02時間10分15秒
  5. 古賀 梨津子 02時間12分55秒
  6. 塚原 真里 02時間13分47秒

ショート男子

  1. 釜坂 裕太 01時間37分01秒
  2. 田中 淳之介 01時間38分03秒
  3. 平山 晃央 01時間40分59秒
  4. 平野 誠太郎 01時間41分41秒
  5. 本田繁 01時間42分04秒
  6. 渡辺敬之 01時間42分24秒

千羽海崖トレイルランニングレース(50k, 36k, 18k, 10k)

徳島県南町の壮大な海岸線を駆け抜ける、日本屈指の景観を誇るレースです。最大の見どころは、高さ200mに達する断崖絶壁「千羽海崖」を見下ろしながら走るセクションで、潮風と波音を感じながらの走行は圧巻です。

最も参加者の多かった36.5kmのロングクラスは後藤涼子が5:35、堀江謙一が4:08で女子、男子のそれぞれのレースを制しました。49.6kmのエリートクラスは岩崎奈弥が7:00で完走。女性選手としてこの大会で初のエリートクラスの完走者となりました。男子は山田敦大が6:13で優勝しました。ミドルクラスは揚田奈穂(2:38)、山根俊介(2:13)、ショートクラスは伊藤友理(1:27)、名定里音(1:00)が女子、男子のそれぞれの優勝者となりました。

リザルト速報はこちら

エリートクラス 女子

  1. 岩崎奈弥 07:00:58

エリートクラス 男子

  1. 山田敦大 06:13:46
  2. 水野淳介 06:16:58
  3. 佐幸直也 06:53:41
  4. 木山健二 06:53:48
  5. 木村進 07:10:21
  6. 山本洋平 07:21:05

ロングクラス 女子

  1. 後藤涼子 05:35:05
  2. 武田真由 05:46:30
  3. 宮本英美佳 06:03:51
  4. 杉井清美 06:31:08
  5. 三好美智恵 06:42:38
  6. 山下奈美 06:55:38
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ロングクラス 男子

  1. 堀江謙一 04:08:17
  2. 三島康生 04:30:32
  3. 川田直輝 04:39:51
  4. 中川康平 04:43:18
  5. 入江龍成 04:46:45
  6. 栗山和之 04:47:53

ミドルクラス 女子

  1. 揚田奈穂 02:38:52
  2. 佐竹晶子 03:02:52
  3. 小松佐和子 03:12:22
  4. 小椋亜記 03:20:35
  5. 今尾朋代 03:30:37
  6. 吉本有美子 03:31:48

ミドルクラス 男子

  1. 山根俊介 02:13:00
  2. 西尾純 02:13:05
  3. 三好英昭 02:14:13
  4. 竹原励介 02:15:13
  5. 名定慎也 02:26:11
  6. 青木雅彦 02:33:58

ショートクラス 女子

  1. 伊藤友理 01:27:58
  2. 四宮明子 01:44:22
  3. 福島瑞世 01:54:43
  4. 植田まゆ 02:00:49
  5. 中村慶恵 02:06:05
  6. 馬見理子 02:07:09

ショートクラス 男子

  1. 名定里音 01:00:09
  2. 谷川延久 01:01:50
  3. 荻野陽平 01:06:55
  4. 水口駿介 01:07:06
  5. 堅田真一 01:13:49
  6. 坂口博信 01:15:54

今週末開催のイベント

今週末開催のイベント

1月22日(木)– 1月25日(日)

Arc of Attrition by UTMB (160k, 80k, 40k, 24k)

冬のイギリス・コーンウォール半島の海岸線を舞台にした、まさに「消耗戦(Attrition)」の名にふさわしい過酷なレースです。UTMBワールドシリーズに加わった本作は、切り立った断崖、泥濘、そして強い海風が吹き荒れるテクニカルなシングルトラックが続き、完走率の低さでも知られています。ナイトセクションでのナビゲーション能力と精神力が試される、欧州屈指のウィンター・ウルトラトレイルです。

Hong Kong 100 Ultra Marathon (103k, 56k, 33k, Grand Slam)

アジアを代表する国際レースであり、世界中からエリート選手が集結する新春の恒例行事。新界(ニューテリトリー)の美しいビーチから、香港最高峰の大帽山(Tai Mo Shan)へと至るコースは、石段の連続と急峻な登りが特徴です。近代的なビル群のパノラマと手付かずの自然が交錯する唯一無二のロケーションは、世界中のトレイルランナーを魅了し続けています。

DogsorCaravanでは今年のHong Kong 100のプレビュー記事をお送りするほか、大会当日は現地取材を行う予定です。

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1月24日(土)– 1月25日(日)

Tahura Trail (42k, 21k, 10k, 6k)

インドネシア・西ジャワ州の高原都市バンドンに位置する、美しい「ジュアンダの森(Tahura)」を駆け抜ける人気レース。熱帯雨林特有の豊かな植生と、適度な起伏のある走りやすいトレイルが組み合わさり、アジア圏のランナーにとってシーズン初めのスピード練習としても最適です。地元の温かいホスピタリティと、活気あふれるコミュニティの雰囲気がこの大会の最大の魅力と言えるでしょう。

1月24日(土)

がまごおりベイサイドトレイル (30k, 13k, キッズ)

三河湾の絶景を眼下に見下ろす、愛知県蒲郡市の「さがらの森」周辺を舞台としたアットホームな大会。30kmのロングコースは、適度なテクニカルセクションを含みつつも、冬の澄んだ空気の中で海を感じながら走れる爽快感がランナーに高く評価されています。キッズ部門も充実しており、家族全員でトレイルランニングの楽しさを共有できる貴重な地域密着型イベントです。

花嫁街道・烏場山トレイルラン (23k, 14k)

房総半島の早春を感じさせる、古道「花嫁街道」を巡る歴史豊かなショートレース。標高は低いながらも、細かなアップダウンが連続する房総特有の地形で、走りごたえは十分です。1月下旬には早くも菜の花が咲き始める南房総の暖かな気候と、太平洋を一望できる烏場山山頂からの景色は、冬のトレーニングのモチベーションを大きく引き上げてくれるはずです。

前週末の主大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

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