10月6日(日)に長野・新潟両県にまたがる斑尾高原で開催された斑尾高原トレイルランニングレース/Madarao Forest Trails 50km。7回目の開催となる今回は日中は汗ばむほどの天候に恵まれました。50kmのレースではこの大会の上位常連で過去2回優勝の中野賢一が優勝、女子では藤巻奈緒美が4:44で大会記録を大幅に更新、総合5位で圧勝しました。
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レースの結果
【このレースは下にあるように当サイト・岩佐が選手として参加したのみで取材を行っていないため、詳しいレース結果をお届けできません。ご了承ください。】
50kmは最初のスキー場のゲレンデの登りから、このレースの上位常連の中野賢一と今回が久しぶりのトレイルレース参加だという服部正秋(国際自然環境アウトドア専門学校講師)が並んでレースをリード。互いに相手の様子をうかがい、途中で話をしながら、5A(希望湖、約43km地点)には肩を並べて到着。その後も互いに大きなリードを許すことはなかったものの、「5Aのエイドステーションを少し自分が先に出た分だけ」(中野さん)リードした中野さんがトップでフィニッシュして優勝。2008年の第二回から連続出場で2009年、2010年に続いて3回目の優勝を果たしました。昨年優勝の西城克俊(patagonia)は序盤での転倒が響いたものの、10位でフィニッシュ。
そして、この大会のリザルトで最も注目すべきは女子優勝の藤巻奈緒美。4:44はこの大会の女子の記録としては圧倒的なタイム。トライアスロンで活躍していた2009年に初めてトレイルランニングレースに出場し、圧倒的な実力をみせたのち、しばらくトレイルレースから遠ざかっていた藤巻さんは今シーズンから本格的にトレイルランニングレースに復帰。3週間前の信越五岳トレイルランニングレースでも圧倒的な実力で女子優勝(総合14位)を果たしたばかり。今後の活躍が期待されます。
*優勝の中野賢一さん、藤巻奈緒美さんへのインタビューを続いてお送りします。
リザルト(大会サイトより)
一般クラス50km 男子
- Kenichi Nakano / 中野賢一(山梨県) 4:33:34
- Masaaki Hattori / 服部正秋(長野県) 4:34:16
- Yuji Horiuchi / 堀内祐児(茨城県) 4:38:45
- Kentaro Shinmyo / 新名健太郎(奈良県) 4:44:18
- Toru Koide / 小出徹(Salomon, 長野県) 4:46:14
- Wataru Shirota / 代田渉(神奈川県) 4:52:35
- Hiroyuki Urano / 浦野裕之(Salomon, 長野県) 4:55:12
- Hirokazu Kamikihara / 上木原寛和(茨城県) 4:55:51
- Akihiro Hirata / 平田明寛(神奈川県) 4:59:02
- Katsutoshi Saijo / 西城克俊(patagonia, 神奈川県) 4:59:02
一般クラス50km 女子
- Naomi Fujimaki / 藤巻奈緒美(神奈川県) 4:44:51(総合5位、大会新記録)
- Kazumi Miyamoto / 宮本一美(石川県) 5:48:03
- Akiko Miyajima / 宮島亜希子(千葉県) 6:06:32
- Miki Fujisawa / 藤澤美希(兵庫県) 6:07:40
- Kazuko Endo / 遠藤和子(神奈川県) 6:14:32
- Kimiko Fujita / 藤田紀美子(神奈川県) 6:16:30
- Mika Takeuchi / 竹内美香(東京都) 6:32:26
- Yukari Arai / 新井由香里(東京都) 6:35:29
- Reiko Kakuma / 鹿熊玲子(栃木県) 6:37:44
- Naho Kamoshita / 鴨下菜穂(神奈川県) 6:41:22
ビギナークラス16km 男子
- Takeo Iwahara / 岩原武男(神奈川県) 1:16:55
- Makoto Kobayashi / 小林誠(神奈川県) 1:17:58
- Mito Tanabe / 田邉深冬(新潟県) 1:21:25
- Nobuhiro Nakajima / 中島信裕(神奈川県) 1:21:28
- Ryota Koyasu / 子安亮太(長野県) 1:21:56
- Yoichi Usuki / 薄陽一(東京都) 1:27:53
ビギナークラス16km 女子
- Yoko Nakajima /中島陽子(兵庫県) 1:33:49(総合13位)
- Manami Arai / 荒井真奈美(神奈川県)1:42:32
- Yuko Nakajima / 中島裕子(神奈川県) 1:44:39
- Yuki Kuboura / 久保浦友紀(東京都) 1:45:43
- Nozomi Shoji / 庄司希美(神奈川県) 1:47:39
- Miyako Kurahashi / 倉橋美也子(神奈川県) 1:49:13
参戦記・走れるトレイルの楽しさを満喫
当サイト・岩佐がこのレースの50kmの部に参加。普通に受付をして、ナンバーカードをつけてスタートラインに立つのは、今年の国内のトレイルランニングレースではこれが最初で最後。7回目となる人気レースを楽しみにしてスタートしました。
天気予報はよい方に外れて、レース当日は終日晴れ。朝6時半のスタート前もさほど寒くなく、日中は25-6℃くらいまで気温が上がるとか。ではでは、と当方は着ていたランシャツを脱いで上半身はシャツ無し、下はランパンのみ、足下はソックスもはかずにシューズはNew Balance/MT110というミニマルスタイル。欧州での重装備から久々に身軽な姿で自然の中を走ることを楽しみました。
コースは信越五岳トレイルランニングレースと重なる袴岳まではレースで走ったことがあるものの、その先は初めて。序盤はついテンションが上がってペースは上がり気味に。1A(まだらおの湯、7.7km)を過ぎて、林道区間のゆるい登りになる頃には前後のランナーがまばらになり、落ち着くところに落ち着いた感じ。
2A(菅川、18.5km)のエイドでボトルに水を満たして斑尾山への登りをスタート。この辺りも気持ちよくリズムを生かして気がつけば山頂。下りも快適ですが、少し湿り気で滑りやすいところで滑って尻もちをつくことに。ケガはなかったものの裸の背中は泥まみれ。
さらに沼の原湿原を気持ちよく駆け抜けて、万坂峠(26kmくらい)から袴岳に登るものの、ここでなんだか登りの脚が重くなります。トレーニング不足のスタミナ切れでしょうか。大きく減速しないようにリズムを意識して脚を動かし続けますが、ここでセカマスこと世界の増田さんをはじめ何人かに抜かれた記憶。こういうところを耐える経験は活きるはず、とポジティブシンキング。4A(赤池33.8km)のエイドで昨年のこのレースでの出会いから今年結婚したというZorioさんの背中を発見。その後もZorioさんの背中を追いかけるものの結局最後まで追いつくことはできず。
毛無山への小さな登りも相変わらずペースは戻らないまま。毛無山からの下りに入ると残りはあと10kmと少し。ここはタイムとかリザルトに関係なく、終盤のきついところで力を出し切るよい経験にしたいと思っていたので、時折現れる短い急な登り以外は全て走ることに。途中で後ろからやってきた二人のランナーにぴったりと付かれることになり、これは抜かれると思ったものの抜いてこないので、ペーサーに付いてもらって走っているつもりになってできる限りプッシュしている内にフィニッシュ。5:33でした。ほどなくフィニッシュされたお二人と握手して感謝。
この斑尾高原トレイルランニングレースの魅力はよく知られている通り。トレイルランニングのレースにもいろんなタイプがあり、最近はUTMBをはじめとするタフな山岳エリアをめぐるコースが人気のような印象がありますが、当方としてはこういうシンプルなスタイルで走り抜けるコースは楽しく、好きなタイプのレースです。2011年に走った、カリフォルニアのWay Too Cool 50kを思い出しました。