[DC] 3月1日のトランスグランカナリア/TransGrancanaria有力選手紹介・欧州の経験値か、北米の若手の勢いか

Transgrancanaria-logo

世界のトレイルランニング界で今週末に注目が集まるのはトランスグランカナリア/Transgrancanaria。3月1日に北アフリカ・モロッコ沖のカナリア諸島グランカナリア島(スペイン)で開催されるこのレースの125kmのレースはUltra-Trail World Tour(UTWT)のシリーズ第二戦となります。先月のシリーズ第一戦・Vibram® HK 100に続いて、欧州勢、米国勢が顔を揃えるこのイベントに注目が集まります。

Sponsored link


125kmのTransgrancanariaは島北部の港町・アガエテ/Agaeteを3月1日(土)午前0時(日本時間同日午前9時)にスタート。樹林帯のアップダウンを繰り返して、テロル/Teror(56.4km)を経て島中央部へと高度を上げ、巨大な一枚岩の先に屹立するヌブロ岩/Roque Nubloを経て、ガラニャン/Garanon(82km)へ。ここから先、島の南部へ向かう砂漠のようなトレイルを駆け抜けて、マスパロマス灯台/Faro de Maspalomas(125km)のフィニッシュへ。

トランスグランカナリアのコースの風景。 © Transgrancanar

トランスグランカナリアのコースの風景。 © Transgrancanar

既に海外のトレイルランニングメディアはその有力選手を紹介しています。

男子・欧州勢の経験値か、北米の若手の勢いか

125km/8,500mD+という激しいアップダウンのあるコースは欧州の有力ランナーにとっては経験豊富で得意とするところのはず。となれば日本のランナーにもおなじみのセバスチャン/Sébastien Chaigneau(The North Face、フランス)の名前が一番に上がる。ここ数年、続けてこのレースには出場しており、昨年は優勝もしている。ただ、昨年のオフシーズンに疲労骨折を負った模様で、そこからの回復がどこまで進んでいるか。さらに欧州勢ではこちらもおなじみジュリアン/Julien Chorier(Hoka One One、フランス)がHOKAを履いて初めて走るレースでどんな活躍をみせるか注目。さらにスペイン勢では昨年のUTMBで2位のミゲル/Miguel Heras(Salomon)[足のケガのため出場見送り]、3位のハビエ/ Javier Domínguez Ledo(スペイン)の手堅さも見逃せない。

2013年のWestern Statesで優勝した直後のティモシー・オルソン/Timothy Olsonと当サイト岩佐。

2013年のWestern Statesで優勝した直後のティモシー・オルソン/Timothy Olsonと当サイト岩佐。

これに対して北米勢は30歳前後の最近勢いのあるランナーが顔を揃える。Western Statesで二連覇、昨年のUTMB4位のティモシー・オルソン/Timothy Olson(The North Face、アメリカ)はその筆頭だ。さらにアメリカで注目された2月初めのSean O’Brien 50で優勝して好調さをアピールしたディラン・バウマン/Dylan Bowman(Pearl Izumi、アメリカ)。1月にBandera 100kで優勝しているホルヘ・マラヴィラ/Jorge Maravilla(Salomon、アメリカ)はiRunFarが高く評価している。

これも読む
世界トップクラスのトレイルランナーがたどり着いた心と身体の関係。6月のDeep Japan Ultra 100参戦を前にゲディミナス・グリニウス Gediminas Griniusが東京で語ったこと。

欧州の百戦錬磨のベテラン勢と北米の伸び盛りの若手の対決、という構図に注目したい。

さらに注目は次のようなランナー。

  • ジェイソン・シュラーブ/ Jason Schlarb(Altra、アメリカ):ケガからの回復次第か。
  • ライアン・サンデス/Ryan Sandes(Salomon-Red Bull、南アメリカ)
  • ジェズ・ブラッグ/Jez Bragg(The North Face、イギリス)風邪のため出場見送り。
  • マイク・ウルフ/Mike Wolfe(The North Face、アメリカ) :Sean O’Brien 50で3位。
  • スコット・ジュレック/Scott Jurek(Brooks、アメリカ):いわずと知れたリビング・レジェンド。
  • アルノー・ユリア/Arnau Julià Bonmatí(BUFF、スペイン):昨年のTDSで優勝。
  • パスカル・ブラン/Pascal Blanc(Hoka、フランス):昨年のReunionで3位の48歳。その走りに感銘を受けた鏑木毅が教えを乞うたとか。
  • アントワーヌ・ギュイヨン/Antoine Guillon(Team WAA、フランス):昨年のUTMFで来日。レースが荒れれば上位に浮上する安定感が強み。
  • ジェライ・デュラン/Yeray Durán(スペイン):昨年のこのレースで3位。今年のUTMFに出場予定。
  • シリル・コワントル/Cyril Cointre(Team WAA、フランス):昨年のUTMF10位。
  • クリストフ・ルソー/Christophe Le Saux (Team WAA-Hoka One One、フランス):昨年のUTMFに来日、サハラ砂漠マラソン/MdSやトル・デ・ジアン/Tor des Geantsなどで活躍。

女子・欧州の長距離を得意とするランナーが激突

女子では昨年の欧州での長距離山岳レースでの活躍が印象に残るランナーが揃った。当サイトとしては昨年のレユニオン/Reunion, Diagonale des Fousで直接その走りをみて、レース後に話を聞いたナタリー・マクレア/Nathalie Mauclair(La Fuma、フランス)に注目したい[ケガからの回復遅れで出場見送り]。Reunionで優勝、その前にTDSでも優勝している彼女が今年も勢いに乗るか。さらに昨年はアンドラ/Ronda dels Cimsやトル・デ・ジアンでも優勝してタフなレースになるほど強いフランチェスカ・カネパ/Francesca Canepa(Vibram、イタリア)。iRunFarの一推しは昨年のUTMBで2位の後もスペイン、フランスのビッグレースを制したヌリア・ピカス/Núria Picas(BUFF、スペイン)。ヌリアは今年のUTMFで来日予定でUTMFの優勝候補筆頭となるだろう。

レユニオン/Diagonale des Fousで中盤をトップで走るナタリー・マクレア/Nathalie Mauclair。Photo by Koichi Iwasa / DogsorCaravan.com

レユニオン/Diagonale des Fousで中盤をトップで走るナタリー・マクレア/Nathalie Mauclair。Photo by Koichi Iwasa / DogsorCaravan.com

さらに注目のランナーは次の通り。

  • Uxue Fraile(adidas、スペイン):昨年のTransVulcania3位。
  • ネレア・マルチネス/Nerea Martinez(Salomon、スペイン):2012年UTMF優勝、2013年トル・デ・ジアン2位。
  • フェルナンダ・マシェール/Fernanda Maciel(The North Face、ブラジル):2012年にこのレースで優勝している他、同年のSTYで優勝。
  • Julia Böttger(Salomon、ドイツ)ケガのため出場見送り

日本からは?

日本からは2012年UTMF10位の礒村真介/Shinsuke Isomuraが出場。その他、ビッグネームの出場も予想されていたものの、出場を見送る模様。

これも読む
DC Weekly 2023年5月8日 川の道、Cocodona 250、Transvulcania by UTMB、上田バーティカル&スカイレース

当サイトでは日本から現地の模様をフォローし、随時見どころをご紹介する予定です。

この記事が気に入ったらDogsorCaravanをBuy Me a Coffeeで直接サポートできます!

Buy Me a Coffee

Sponsored link