台風が迫る8月9日土曜日の深夜24時にスタートしたトランスジャパンアルプスレース/Trans Japan Alps Race 2014は12日火曜日で三日目。上高地の関門締切を受けてランナーは北アルプスを下りて、中央アルプスに向かいました。トップの望月将悟など上位選手はこの日のうちに木曽駒ヶ岳など中央アルプスを踏破して駒ヶ根市内に入っています。一方、体調不良などからリタイアするランナーも現れ、この三日目までに7人がリタイア、一人が関門締切に間に合わず失格。低体温症でリタイアしたランナーは大事を取って明日以降、同じ選手仲間とともに下山する予定です。
三日目の12日火曜日のダイジェストを、フォトグラファーによる写真とともにお送りします。
【訂正・三日目に双六小屋でリタイアした福山智之さんよりリタイアの理由について、先行する選手に届いていた関門締切時刻延長を知らなかったため上高地での関門締切まで行動時間が足りないと誤解したためであった、とお知らせいただきました。以下の本文について修正いたしました。福山さん、お知らせいただきありがとうございました。2014.8.14. 2PM】
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- トランスジャパンアルプスレース/Trans Japan Alps Raceの概要については当サイトの記事もご覧ください。[DC] 9日土曜日深夜12時スタート・トランスジャパンアルプスレース / Trans Japan Alps Race #TJAR2014 | DogsorCaravan.com
本日も雨、三日目に入り次第にランナーの間が広がる
三日目の12日火曜日の上高地(124km)は夜明け前の深夜からランナーが次々とチェックポイントを通過しました。3時間延長されて午前11時となった上高地の関門締切時刻までの通過状況は次の通りとなりました(タイムは実質的な到着タイムで当サイトが各種ソースから推定)。
- 上高地(124km)通過:望月将悟(18:24)、阪田啓一郎(18:24)、石田賢生(18:24)、紺野裕一(18:24)、飴本義一(18:40)、船橋智(18:40)、松浦和弘(19:19)、大西靖之(20:53)、大原倫(21:18)、山本寛人(21:21)、雨宮浩樹(23:35)、阿部岳史(3:23)、西田由香里(4:17)、朽見太朗(4:41)、仙波憲人(5:18)、米田英昭(5:36)、佐幸直也(6:16)、田中尚樹 (6:20)、中村雅美(7:03) 、柏木寛之(7:03)、江口航平(8:40)、平井小夜子(8:40)、湯川朋彦(10:30)
- 上高地の関門締切に間に合わず失格:岩崎勉
- リタイア:町田吉広(一ノ越<65km>・強風は危険と自ら判断)、石川晃(一ノ越<65km>・強風に加え腸脛靭帯に故障)、笹岡誠(雷鳥沢<62km>腸脛靭帯の痛み)、福山智之(双六小屋<100km>、関門締切が延長されたことを知らない中で関門まで行動時間が足りないと判断)、飯島浩 (双六小屋<100km>、胃腸不良)、千原昇(三俣山荘<108km>、低体温症)、湯川朋彦(上高地出発後の沢渡、体調不良)
リタイアしたランナーのうち、千原昇は健康状態がやや厳しく、三俣山荘の診療所で応急手当を受けた後、岩崎勉、飯島浩、福山智之が付き添って下山することとなったようです。
また、湯川朋彦は前夜から体調が優れない状態だったといい、上高地を出発後、沢渡でリタイアしています。
三日目のこの日も雨が降る中、上高地を出発したランナーの多くは車道でいっぱいの「恐怖のトンネル」を経て、奈川渡ダムのカフェで補給。さらに木祖村藪原のスーパーマーケットまるとでしっかり食事をしてからいよいよ中央アルプスへ。木曽駒ヶ岳の登山口となる旧木曽駒高原スキー場でビバークして明日から中央アルプスに取りかかるランナーが多いようです。
一方先行するランナーはこの三日目の火曜日から木曽駒ヶ岳に登り始めます。登山道を横切る沢の中には台風で増水して膝上まで水位が上がっていました。さらに雨と風で寒さに体力を消耗しながら先に進みます。この三日目のうちに中央アルプスを抜けて駒ヶ根市の菅の台まで下りてきたのは、望月将悟(18:45)、阪田啓一郎(20:33)、飴本義一(22:01)、石田賢生(四日目0:31)の4人。残るランナーは山中でピバークしている模様です。また4人のうち、望月将悟と阪田啓一郎は日付が変わって四日目となった深夜に市野瀬(243km)に到着し、仮眠をとっています。
四日目は待望の晴れ。大半の選手は中央アルプスを越え、上位はいよいよ南アルプスへ。
初日の台風に始まり、雨、霧にみまわれている今回のTJARですが、天気予報によれば四日目の水曜日は晴れ。こうした中で大半のランナーは中央アルプスの木曽駒ヶ岳から空木岳まで縦走して、駒ヶ根に下りることになるでしょう。次の関門は市野瀬で5日目の木曜日の15:00(3時間延長)。順調に進めれば多くのランナーが、ドロップバッグや家族や友人のサポートの受けられる市野瀬に締切までにたどりつけそうです。
一方、上位のランナーはいよいよ南アルプスへ。TJARのコースの中に含まれる山岳パートの中でも南アルプスは距離も長く、エスケープするとしてもクルマのアクセスできるところまでは距離が長く、体力や経験の差は命に関わります。仙丈ヶ岳(257km)への登山から始まるここからがTJARの正念場といえるでしょう。現在トップの望月にとっては南アルプスは地元といえる慣れ親しんだエリアです。
天気予報によれば晴れが続くのは実は四日目の水曜日のみ。五日目の木曜日から天気は崩れる模様で、多くのランナーに試練が待ち受けています。
写真集
本日もコース上で大会を取材する写真家の藤巻翔 / Sho Fujimaki、後藤武久 / Takehisa Goto、小関信平 / Shimpei Koseki、宮上晃一 / Koichi Miyagami の皆さんの協力を得て、コースで撮影された写真をご紹介していきます。アウトドアスポーツのプロの作品をお楽しみください。
Day 3 From Kamikochi to Komagane – Trans Japan Alps Race 2014
Day 3 Yarigatake, Kamikochi and more – Trans Japan Alps Race 2014
Day 3 Shogo Mochizuki in Ichinose – Trans Japan Alps Race 2014
参考
- 大会サイト
- 大会からのお知らせ
- 大会サイトによる各選手の状況についてのアップデート
- 大会による全選手の現在位置がリアルタイムで把握できるマップ(大会開催中に掲載)
- Twitterのハッシュタグ #TJAR2014 のタイムライン
- NHKオンデマンド | NHKスペシャル 激走!日本アルプス大縦断(2012年大会のドキュメンタリー番組を有料で配信中)