8月9日土曜日の深夜24時にスタートしたトランスジャパンアルプスレース/Trans Japan Alps Race 2014は13日水曜日で四日目。大会が始まって初めての晴れの一日となり、ランナーは木曽駒ヶ岳など中央アルプスの稜線からの眺めを楽しみながらコースを進みました。上位選手は駒ヶ根市内を経由して、南アルプス・仙丈ヶ岳への登山口にある市野瀬でドロップバッグを受け取り、家族や仲間のサポートを受けています。そしてトップの望月将悟は南アルプスを快走。
五日目朝までの通過状況を含めた四日目の13日水曜日のダイジェストを、フォトグラファーによる写真とともにお送りします。
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【追記:写真集に四日目の望月将悟が塩見岳を進む写真を追加しました。2014.8.16】
【訂正・三日目に双六小屋でリタイアした福山智之さんよりリタイアの理由について、先行する選手に届いていた関門締切時刻延長を知らなかったため上高地での関門締切まで行動時間が足りないと誤解したためであった、とお知らせいただきました。以下の本文について修正いたしました。福山さん、お知らせいただきありがとうございました。2014.8.14. 2PM】
- トランスジャパンアルプスレース/Trans Japan Alps Raceの概要については当サイトの記事もご覧ください。[DC] 9日土曜日深夜12時スタート・トランスジャパンアルプスレース / Trans Japan Alps Race #TJAR2014 | DogsorCaravan.com
四日目は天候に恵まれるなか中央アルプスへ。ランナーの列は長く延びる
スタートから四日目となった13日水曜日は大半のランナーが中央アルプスに取り組みます。前夜は松浦和弘、大西靖之が寒さを避けるため一気に空木岳まで縦走、稜線から下りたところでビバーク。朽見太朗、大西靖之、山本寛人は木曽駒ヶ岳山頂でビバークしましたが寒さの中でなかなか寝付けなかった模様。その他のランナーの多くは旧木曽駒高原スキー場の登山口近くでビバークした模様です。
四日目の日が落ちる前に中央アルプス・空木岳から駒ヶ根市内に下りたランナーは同日中には、ドロップバッグが受け取れ、家族や友人のサポートを受けることもできる市野瀬(244km)までたどり着くことができました。四日目深夜の日付が変わる前には10人のランナーが既に市野瀬に到着しています。
さらに上位の選手は南アルプスを進みます。トップの望月将悟は四日目の13日水曜日の3:01には市野瀬を出発。17:36には塩見岳(277km)、19:52に三伏峠小屋に到着。仮眠後に23:05には出発し、五日目に入った14日木曜日の5:48には荒川小屋(295km)に到着しています。
スタートからのタイムでみると台風のため初日に長時間のビバークをすることとなったため、上高地では前回大会より11時間ほど遅い到着でしたが、三伏峠では5時間弱ほど前回大会より遅いだけ。南アルプスに入って、独りで進む望月のペースは徐々に上がっているようにすら思えます。
四日目までの主な通過状況は次の通りです(タイム等は当方が集約、推定したもの)。
- 木曽駒ヶ岳山頂(199km):望月将悟(三日目11:07)、阪田啓一郎(タイム不明)、飴本義一(12:33)、船橋智(12:53)、石田賢生(12:55)、紺野裕一(タイム不明)、大西靖之(18:24)、松浦和弘(18:51)、朽見太朗(4:50)、大原倫(5:11)、山本寛人(5:17)、西田由香里(タイム不明)、阿部岳史(8:38)、雨宮浩樹(8:57)、佐幸直也(8:57)、田中尚樹 (9:28)、中村雅美(11:29)、仙波憲人(11:38)、米田英昭(宝剣山荘に13:14)、柏木寛之(宝剣山荘に13:14)、江口航平(15:30)、平井小夜子(15:30)
- 菅の台(219km):望月将悟(三日目18:45)、阪田啓一郎(20:33)、飴本義一(22:01)、船橋智(22:00頃)、紺野裕一(22:00頃)、石田賢生(四日目0:31)、松浦和弘(7:18)、大西靖之(8:25)、大原倫(14:22)、朽見太朗(14:23)、山本寛人(タイム不明、四日目夕方)、西田由香里(タイム不明、四日目夕方)
- 市野瀬(244km)到着:望月将悟(四日目0:37)、阪田啓一郎(2:15)、船橋智(6:24)、飴本義一(8:34)、紺野裕一(タイム不明)、石田賢生(タイム不明)、大西靖之(13:58)、松浦和弘(15:05)、大原倫(20:33)、朽見太朗(21:03)、山本寛人(23:39)、西田由香里(タイム不明)
- 市野瀬(244k)出発:望月将悟(四日目3:01)、阪田啓一郎(5:57)、船橋智(8:06)、飴本義一(9:12)、石田賢生(12:17)、紺野裕一(12:29)、松浦和弘(17:01)、大西靖之(17:21)、大原倫(五日目3:57)、朽見太朗(4:06)、山本寛人(4:28)、西田由香里(6:34)
- 三伏峠小屋(283k):望月将悟(四日目19:52着、23:05発)、阪田啓一郎(五日目1:23着、4:23発)、飴本義一(五日目6:51着、7:22発)
- 荒川小屋(295k):望月将悟(五日目5:48)
- リタイア:町田吉広(一ノ越<65km>・強風は危険と自ら判断)、石川晃(一ノ越<65km>・強風に加え腸脛靭帯に故障)、笹岡誠(雷鳥沢<62km>腸脛靭帯の痛み)、福山智之(双六小屋<100km>、関門締切が延長されたことを知らない中で関門まで行動時間が足りないと判断)、飯島浩 (双六小屋<100km>、胃腸不良)、千原昇(三俣山荘<108km>、低体温症)、湯川朋彦(上高地出発後の沢渡、体調不良)、中村雅美(空木岳から池山尾根、故障)
五日目に入った夜明け前に中村雅美が脚の痛みで市野瀬の関門締切には間に合わないと判断してリタイアしました。また三日目に低体温症でリタイアしていた千原昇も四日目のうちに岩崎勉、飯島浩、福山智之とともに新穂高温泉に下山しました。
8/13 16:00 リタイア4人組。 無事新穂高温泉ロープウェイ駅到着しました。#TJAR2014 pic.twitter.com/eFRvqfF0Gp — Mgr. Team EAST WIND (@eastwind_mgr) August 13, 2014
五日目、舞台はいよいよ南アルプスへ。トップの望月将悟の畑薙第一ダム到着タイムにも注目。
五日目は15:00に市野瀬の関門締切時刻となり、全選手が南アルプスに進むことになります。天気は再び雨または曇り。六日目の土曜日の昼過ぎまで雨が降ることがあるようです。 南アルプスは街の灯りからも遠く、補給も営業小屋だけが頼りとなります。応援の人もぐっと少なくなり、ランナーの前後の間も大きく開きます。 上位選手ではトップを走る望月将悟が五日目となる14日木曜日の日中には南アルプスを下山し、畑薙第一ダム(326km)に到着するでしょう。前回大会では五日目の12:25に到着しています。三伏峠でのタイムから考えると、午後5時半ごろの到着が見込まれますが、どのくらいペースを上げてくるかに注目です。順調に行けば望月はその後の80kmのロード区間を経て、明日六日目の15日金曜日の正午くらいに大浜海岸にフィニッシュすることになりそうです。また、阪田啓一郎や飴本義一がどれくらい望月との差を縮めるかにも注目です。
写真集
本日もコース上で大会を取材する写真家の藤巻翔 / Sho Fujimaki、後藤武久 / Takehisa Goto、小関信平 / Shimpei Koseki、宮上晃一 / Koichi Miyagamiの皆さんの協力を得て、コースで撮影された写真をご紹介していきます。アウトドアスポーツのプロの作品をお楽しみください。
Day 4 Mochizuki on Mt. Shiomi – Trans Japan Alps Race 2014
Day 4 Central Japan Alps – Trans Japan Alps Race 2014
Day 3-4 Mt. Utsugi – Trans Japan Alps Race 2014
Day 3–4 Komagane – Trans Japan Alps Race 2014
参考
- 大会サイト
- 大会からのお知らせ
- 大会サイトによる各選手の状況についてのアップデート
- 大会による全選手の現在位置がリアルタイムで把握できるマップ(大会開催中に掲載)
- Twitterのハッシュタグ #TJAR2014 のタイムライン
- NHKオンデマンド | NHKスペシャル 激走!日本アルプス大縦断(2012年大会のドキュメンタリー番組を有料で配信中)