受賞者発表・2015年日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー Trail Runner of the Year in Japan, 2015

今年で3回目となる当サイトの独自企画・2015年日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー(Trail Runner of the Year in Japan, 2015)の選考を行い、受賞者を決定しました。

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以下では選考のプロセス、受賞者の紹介とコメント、選考結果についての説明、当サイトをご覧の皆さんの投票結果をご紹介しています。先行して発表した男性15人、女性7人のノミネートされた皆さんの紹介は以下の記事をご覧ください。

ノミネート発表、投票はこちらから12月25日まで・2015年日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー(Trail Runner of the Year in Japan, 2015)

2015.12.15

選考のプロセスについて

日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーは日本を拠点に活動し、2015年中にトレイルランニングのパフォーマンスにおいて際立った成果を挙げたアスリートを讃えるもので、トレイルランニングのオンラインメディア・DogsoCaravan.comが独自に行う企画です。

もっとも際立った成果を挙げたアスリートに与えられる本賞はDogsorCaravan.comのご意見番であった稲葉実さん(2014年9月逝去)への感謝をこめて、稲葉実記念賞(通称・稲葉賞)とし、男女各1名を選出。男女各2名程度に特別賞を授与。このほか、「トレイルランニングの振興やコミュニティへの特段の貢献が認められる個人や団体」を「貢献に対する特別賞」として表彰します。

  1. 有識者の皆様へのアンケート:当サイトから有識者(大会主催者、関連メーカー・ブランド、メディア関係者など)の皆様にアンケートによる候補者の選定とご意見を伺いました(締切り済み)。
  2. ノミネートの発表と投票の受付(12月25日まで):当サイトが設ける選考委員会が上記のアンケート結果をもとに候補者をノミネート。ノミネートされたアスリートの皆さんを発表するとともに、当サイトをご覧の皆様からの投票を受付けました。
  3. 受賞者の決定(12月30日<ー今ここ):有識者のご意見と投票結果を踏まえて当サイトの選考委員会が厳正に協議。受賞者を決定します。

2015年日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー(Trail Runner of the Year in Japan, 2015)受賞者

稲葉実記念賞(Minoru Inaba Memorial Award)《本賞》

  • Kaori Niwa Square2

    丹羽薫 /

    丹羽薫 / Kaori Niwa:今シーズンは5月にスカイランニングの開幕戦として注目されるトランスバルカニア / Transvulcania 83k(スペイン・カナリア諸島)で8位に。シーズン後半にはUTMFで4位と国際的な大会で上位に食い込んだことが話題となりました。その他、スカイランニングの大会でも蔵王温泉で優勝、八ヶ岳、美ヶ原で2位に。その他、各地で開催される数多くの大会に積極的にチャレンジしました。京都市在住。Transvulcaniaで8位となった際のレポートはこちらからご覧いただけます

  • UTMBを12位でフィニッシュした土井陵 / Takashi Doi。

    土井陵 / Takashi Doi

    土井陵 / Takashi Doi:2015年はITJで6位となった後、5月の比叡山50kで優勝、7月に上州武尊山120kで優勝と国内で活躍した後に、8月のUTMB®で12位。世界最高峰のレースの一つであるUTMBで上位20位以内に入るのは2012年の鏑木毅(10位)以来の快挙でした。学生時代からバスケットボールで活躍した経験はあるものの、競技としてのランニングに取り組み始めたのは2012年から。今年2015年に国内外で一気にトレイルランナーとしての実力を開花させました。大阪市在住。土井さんの2015年のUTMBでの様子とレース後のインタビューの動画はこちらからご覧いただけます

特別賞(TROYJ Honorable Mention)、順不同

  • 福田由香理 / Yukari Fukuda:2015年はITJ、八ヶ岳スリーピークス、スカイランニング日本選手権・美ヶ原80kで優勝。ハセツネCUPでは2位、UTMFで6位となるなど多くの結果を残し、日本の女子トレイルランニング界の第一人者として知られるようになりました。丹羽薫と上位で競り合うシーンも見応えがあるものでした。2014年に続く2回目の特別賞受賞です。神奈川県在住。
  • 宮崎喜美乃 / Kimino Miyazaki:昨年秋にトレイルレースにデビューしたばかりですが、今年はITJとスパトレイル、柴又100kで2位となった後、9月にSTYで優勝。この一年で女子トレイルランニング界で注目される存在として浮上してきました。東京都在住。
  • 松本大 / Dai Matsumoto:スカイランニングアジア選手権・MSIG Sai Kung 28k優勝。今年のスカイランニングの事実上の世界選手権となったゼガママラソン / Zegama-Aizkorri(スペイン)で13位となり、スカイランニング世界シリーズ年間ランキングでトップ10入り。海外のレースに焦点を絞り、世界の第一人者に仲間入りを果たしました。2014年に続く2回目の特別賞受賞。長野県在住。
  • 小原将寿 / Masatoshi Obara:春からITJ 71kと峨山道73kで優勝、富士五湖チャレンジ118kで2位と好調ぶりを発揮、9月のUTMFでは世界のトップ選手との上位争いに加わり5位に(日本選手最高位)。今シーズンはアスリートとしてのキャリアを一段押し上げました。神奈川県在住。

 

Yukari Fukuda Square

福田由香理 / Yukari Fukuda

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宮崎喜美乃 / Kimino Miyazaki

松本大 / Dai Matsumoto

松本大 / Dai Matsumoto

Masatoshi Obara

小原将寿 / Masatoshi Obara

貢献に対する特別賞(TROYJ Award for outstanding contribution)

  • パワースポーツ・滝川次郎:日本におけるトレイルランニングの黎明期から、トレイルランニングの大会を各地で開催することに積極的に取り組み、その後新たに生まれる大会に様々な刺激を与えてきました。パワースポーツが長野県王滝村で「クロスマウンテンマラソン」の大会を最初に開催したのは2001年。2008年にはOSJトレイルランニングシリーズをスタートし、おんたけスカイレースをはじめとする名レースを生み出してきました。加えて、滝川さんはアスリートとしてトレイルランニング、トライアスロンなどの大会に参加して活躍。こうした業績を称え、「貢献に対する特別賞」に選出しました。
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パワースポーツのウェブサイトより。

受賞者のコメント

2015年稲葉実記念賞・土井陵さんのコメント

いろんな人がノミネートされている中で稲葉賞に選ばれたことを光栄に思います。UTMBで12位となりましたが表彰台には届かなかったので、僕でいいのかなとは思いますが、こうした賞をいただけるのはうれしい気持ちでいっぱいです。来年に向けての糧としていきたいですね。UTMBが終わってからは、各地の大会で参加されている方から「おめでとう」と声をかけられることも多くなりました。2016年はUTMBなどの100マイルのトレイルランニングレースでまた世界に挑戦したいと思っています。今回はありがとうございました。

UTMBで12位となった土井陵 / Takashi Doi。

UTMBで12位となった土井陵 / Takashi Doi。

2015年稲葉実記念賞・丹羽薫さんのコメント

2015年の稲葉賞を受賞してとてもうれしいです。きっと投票では関西の皆さんが応援してくださったのではないかな、と思います。2012年から山を走り始めましたが、今シーズンは5月から12月まで10以上の大会に出場して、大きなケガや故障もなくシーズンを終えることができました。私は自分自身と向き合って走るというよりも、周りからの応援や励ましで力が出てくるタイプです。今年は地元関西だけでなく、関東や行く先々で皆さんに励ましていただいたおかげでいい走りができました。来年も皆さんと一緒に山を走ることを楽しみたいと思います。ありがとうございました。

スカイランニングの開幕戦として世界の有力選手が集まる5月のTransvulcania / トランスバルカニアで8位となった丹羽薫 / Kaori Niwa。

スカイランニングの開幕戦として世界の有力選手が集まる5月のTransvulcania / トランスバルカニアで8位となった丹羽薫 / Kaori Niwa。

選考結果について

2015年日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーの選考はお伝えしている通り、有識者の皆様へのアンケートを踏まえて候補者をノミネートし、広く投票を実施しました。それらの結果をもとに、当サイトの選考委員会で受賞者を決定しました。

選考委員長・岩佐幸一(DogsorCaravan.com編集人)による総括

今回が3回目となる2015年の日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーの選考にあたっては非常に悩みました。読者の皆さんからの投票件数も昨年に比べて大きく増えて注目度が高まっていることを実感すると同時に、今年は多くのアスリートがそれぞれに結果を残し、その中からノミネートし、稲葉賞(本賞)、特別賞を選ぶことは至難の技でした。

女性アスリートについては上記の通り、丹羽薫さんを稲葉賞、福田由香理さんと宮崎喜美乃さんを特別賞としました。しかし、丹羽さんと福田さんの今年の活躍ぶりは甲乙つけがたく、実際に二人は国内のレースで何度も直接対決して勝負を分け合っています。今回は国際的な大会での結果から丹羽さんを稲葉賞としましたが福田さんもこれに匹敵する高評価でした。もう一人の特別賞となった宮崎さんは20代の若手。アンケートでの得票の高さからも今後の活躍への期待が伺えます。このほか、現在大学生の高村貴子さんは女子の新世代登場を印象付け、UTMFで5位の高島由佳子さんもその実力が世界レベルにあることを示しました。ハセツネCUPで優勝の北島良子さん、スカイランニングの第一人者としてSJS年間ランキングトップとなった長谷川香奈子さんと合わせてノミネートされた女性ランナーの皆さんの活躍を振り返ると女子トレイルランニング界はパフォーマンスにおいて成果に恵まれた一年だといえます。

一方、男性については大会での結果、タイムといったパフォーマンスという点では、2013年受賞の原良和さん、2014年受賞の上田瑠偉さんのような飛び抜けた存在は見出しにくい一年でした。その中で稲葉賞を獲得した土井陵さんは春先から国内の大会で成果を挙げ、多くの日本のアスリートが苦戦しているUTMBで表彰台(トップ10)に手が届く結果を残し、大きく実力を開花させたことを高く評価しました。特別賞となった松本大さんもスカイランニングの世界シリーズで着実に結果を残したことも、ジャンルは異なるものの土井さんと並ぶ特筆すべきパフォーマンスでした。小原将寿さんの実力はすでにトレイルランニング界では知られていましたが、今年は大会での優勝を重ねるなど一段高い結果を残しました。

この三人に受賞を絞り込む過程ではノミネートされたすべてのアスリートの皆さんの今年の活躍を確認するたびに行きつ戻りつすることとなりました。特にアンケートで多くの得票を得た奥宮俊祐さん。この日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーが一年のランナーとしてのパフォーマンスに注目することから、やむなく稲葉賞、特別賞からは漏れました。しかし「この一年で最も優れたレースでのパフォーマンス」を挙げるとすれば、ハセツネCUPで奥宮さんが駆け引きを制しての10年目で優勝したことを選ぶことになったでしょう。このほか、審査では小野雅弘さんがトル・デ・ジアンで5位となったことも高い評価を集めました。加えて今回ノミネートされていた森本幸司大瀬和文上田瑠偉鬼塚智徳星野和昭小林慶太牛田美樹原良和近藤敬仁の皆さんについてもそれぞれの成果を振り返ると、今年の稲葉賞、特別賞の選考は僅差で判断することとなりました。

選考の過程ではノミネートされたアスリート以外にも女子で小川ミーナさん(富士登山競走優勝)、岩楯志帆さん(スカイランナー日本シリーズ年間2位)、男子で山本健一さん(L’Echappee Bell 2位)、小川壮太さん(王滝50k優勝)、東徹さん(美ヶ原80k優勝)、松本翔さん(富士登山競走優勝)、渡辺良治さん(上田バーティカルレース2位)、松永紘明さん(CCC23位、UTMF10位)、大杉哲也さん(STY3位、ダイトレ優勝)といった皆さんの活躍も注目に値するとの見方が示されました。

選考委員・渡邉孝浩のコメント

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渡邉孝浩 / わたなべたかひろ

【渡邉孝浩 / わたなべたかひろ:トレイルランナー仲間の間では「ナミネム」のニックネームで知られ、今年はOSJおんたけウルトラ100kで10位。IT業界でプロジェクト・マネージャーとして多忙な日々を送りながら、その知識と経験を生かしてレースエントリー・データマネジメントサービス、「TrailRegist」をファウンダーの一人として立ち上げる。日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーには第一回から選考委員を務める。】

今年の日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーを決めるのはかなり悩みました。稲葉賞となった土井陵さんはやはりUTMBでの活躍が鮮烈でした。UTMBに日本から挑戦している有力選手がここ数年軒並み苦戦している中で12位という結果を残したのは賞賛に値すると思いました。

稲葉賞の土井さん、特別賞の松本大さん、小原将寿さんの他では、昨年に続いてトル・デ・ジアンで5位となった小野雅弘さんは高く評価されるべきだと思います。距離の長さ、欧州での注目度の高さ、そして狙いを定めたレースで確実に結果を出したこと。さらにTJARでの三連覇で有名な望月将悟さんを凌いだことも印象的でした。森本幸司さんのSTYでの2位というのも、あのセバスチャンに4分差というものであっぱれでした。上田瑠偉さんは菅平42k優勝と結果を残しましたが、CCCで期待された結果に届かなかったのは残念。しかし序盤の走りをみると世界のトップと渡り合える力があることを示したと思います。山本健一さんはレースでの活躍だけでなく、著書や映像でレースをを楽しんでいる様子を伝えたことが素晴らしいと思います。山本さんのスタイルに憧れるトレイルランナーは私の周囲にもたくさんいます。

女性で受賞した丹羽薫さん、福田由香理さん、宮崎喜美乃さんはそれぞれ順当な結果を残しました。女子では新しい世代のランナーが活躍し始めたのが大きなトピックだと思います。特に宮崎さんはSTYで大石由美子さん(2013年、2014年稲葉賞)に大差で優勝しています。大石さんが故障から回復中とはいえ、目覚しい結果で今後が楽しみです。ハセツネCUPでの活躍した大学生の高村貴子さん、そしてスカイランニングのユースでは圧倒的な走りを見せる中学生の渡部春雅さんもこれからの女子トレイルランニング界をリードしていくでしょう。

選考委員・矢崎智也のコメント

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矢崎智也 / やざきともや

【矢崎智也 / やざきともや:稲葉賞の名前の由来となっている稲葉実さんが立ち上げたトレイルランニングを楽しむ集まり、Super Trail Session(STS)でトレイルランナーとして開眼。今年は信越五岳トレイルランニングレースで19位。現在、STSのリーダーとして稲葉さんのトレイルランニングを楽しむスタイルを引き継いでいる。】

今年の日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーを選考するにあたって、私の頭に一番に思い浮かぶのは小野雅弘さんでした。トル・デ・ジアンのようなスケールの大きい山岳レースで2年連続5位でその前には8位。これは並大抵のことではない素晴らしいパフォーマンスです。その他、牛田美樹さんは出場する大会では安定した成績を残し、今年はスカイランナー日本シリーズ年間チャンピオンを手にしています。有力選手の間でも終盤まで諦めずに粘り強く競り合う牛田さんのスタイルは恐れられていると聞きます。

受賞されたアスリートのうち、土井陵さんはUTMBや上州武尊山での活躍からタフな山岳レース、小原将寿さんは走りやすいスピードの要求されるレースでそれぞれ実力を発揮したと思います。日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーの選考にあたっては、海外のレースだけでなく日本国内で開催されたレースでの活躍も注目すべきではないかと考えており、選考委員の間でも一定の理解を得ました。

女子で注目したのは福田由香理さんです。100マイルなどのウルトラディスタンスに強いという印象で今年もUTMF6位、美ヶ原80k優勝などの結果を残しましたが、一方で八ヶ岳スリーピークスのようにタイプの違うレースでも優勝しています。こうしたチャレンジをして成果を残したことは高く評価されるべきだと思います。また女子では世代交代の予感がする一方で、女子トレイルランニング界のクイーン、大石由美子さんがレースに復帰したことも嬉しいニュースでした。

受賞された皆様へ

受賞された皆様には当サイトから記念の盾をお贈りいたします。

日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーの記念楯のイメージ

当サイトをご覧の皆様からの投票の結果

稲葉実記念賞・女性の部(Minoru Inaba Memorial Award, female)《本賞》

  1. 丹羽薫 / Kaori Niwa 27.8% / 414
  2. 宮崎喜美乃 / Kimino Miyazaki 25.6% / 381
  3. 福田由香理 / Yukari Fukuda 10.3% / 153
  4. 高村貴子 /  9.9% / 148
  5. 高島由佳子 / Yukako Takashima 9.5% / 142
  6. 北島良子 /  9.5% / 142
  7. 長谷川香奈子 / Kanako Hasegawa 5.6% / 83
 (総投票数 1,491件)

稲葉実記念賞・男性の部(Minoru Inaba Memorial Award, male)《本賞》

  1. 奥宮俊祐 /  24.4% / 345
  2. 土井陵 / Takashi Doi 20.4% / 289
  3. 森本幸司 / Koji Morimoto 8.9% / 126
  4. 宮原徹 / Toru Miyahara 8.7% / 123
  5. 大瀬和文 / Kazufumi Oose 8.6% / 121
  6. 松本大 / Dai Matsumoto 6.8% / 96
  7. 上田瑠偉 / Ruy Ueda 4.0% / 56
(総投票数 1,414件)

貢献に対する特別賞(TROYJ Award for outstanding contribution)

  • 奥宮俊祐およびFunTrails 15
  • 大塚浩司および北信濃トレイルフリークス(KTF) 12
  • 鏑木毅 5
  • 松本大および日本スカイランニング協会(JSA) 4
  • 松永紘明およびトレイルランナーズ 2
  • スポーツエイドジャパン 2
  • 新名健太郎 2
  • 岩佐幸一 2
  • 以下各一件:石川弘樹、KFCトライアスロンクラブ、UTMF/STY盛り上げ隊、TRAQ、井上準哉、team ROD
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