プレビュー・Tarawera Ultramarathon 2016 / ニュージーランドの100km、UTWT第2戦

今年のUltra-Trail World Tourは早くも今年の第2戦となるTarawera Ultramarathon/タラウェラ・ウルトラマラソンが今週末の2月6日土曜日にニュージーランドでスタートします。

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ニュージーランドの自然の中を走る100km

Tarawera-Ultra-Marathon-logo2009年に第一回大会が開催されたこの大会は今回が8回目となります。ニュージランドの北島で、102km/+2,755mD+、87km/+2,297mD+、62km/+2,043mD+、85kmのリレーという4つのレースが開催されます。すべてのレースのスタートは15日土曜日の午前6時(日本時間同日午前2時)です。102kmの部には日本からの13人を含む623人がエントリー(このほか、87kmに92人、62kmに291人がエントリーしています)。

102kmのレースは間欠泉などで有名なロトルア/Rotoruaからタラウェラ湖の湖畔を経て、カウェラウ/Kawerauに向かいます。標高は最高でも721mで大きな山をいくつも超えるというコースではありませんが、コースの大半は森の中や川沿いのシングルトラックで豊かな自然の中で行われる大会です。

コースは毎年少しずつ変わっていますが、100kmでの大会記録はいずれも昨年2015年の記録で、男子は7:44:58でディラン・バウマン / Dylan Bowman、女子は9:02:45でルビー・ミュア / Ruby Muirとなっています。

Tarawera Ultra Marathon 2015 – YouTube

有力選手は?

UTWT-Ultra Trail World Tour logoUltra-Trail World Tourの第2戦となるこの大会には今年も欧米から有力アスリートが参加しますが、オーストラリア・ニュージーランドのウルトラランナーが世界のトレイルランニングレースで活躍する場面も増えています。地元勢と欧米勢のレース展開にも注目が集まります。

日本時間15日土曜日午前2時にスタートする大会の順位などのライブトラッキングはこちらから見ることができます。

女子 / Women

女子のレースは2013年と2015年にこの大会で優勝しているルビー・ミュア / Ruby Muir(ニュージーランド)が今年もリードすることになるでしょう。ニュージーランドの代表的なトレイルランニングレースであるKepler Challengeで4度優勝している彼女が世界のトレイルランニングシーンで知られるようになったのは2013年のこの大会での優勝からでした。

これまでの実績からいえば、ミュアは他の選手からは飛び抜けた存在ですが、後に続くのもニュージーランド、オーストラリアのアスリートとなりそうです。まずは2014年のこのTaraweraで優勝しているジョー・ヨハンセン / Jo Johansen(ニュージーランド)です。それまでほとんどランニングについての競技経験がなかったヨハンセンの勝利はギャラリーを驚かせました。その後はケガなどから競技で目立った成果は残していませんが、もしかしたら今年も大きなサプライズの主役となるかもしれません。このほか、昨年のUltra-Trail Australia(旧称TNF 100 Australia)で4位と健闘したオーストラリアのメリッサ・ロバートソン / Melissa Robertson、昨年のこの大会4位のフィオーナ・ヘイヴィス / Fiona Hayvice(ニュージーランド)も上位を走るでしょう。

地元以外では昨年のUTMBで6位となったルチアーナ・モレッティ / Luciana Moretti(アルゼンチン、ウルグアイ在住)、そしてアメリカのヘザー・アンダーソン / Heather Anderson。アンダーソンはアメリカではPCT、ATといったロングトレイルで、セルフサポート(仲間や家族のサポートなし)で男女を通じての最速踏破記録を持ち、ニックネームの「アニッシュ」でよく知られています。トレイルランニングでも2014年のHURT 100で3位という経験を持っています。

男子 / Men

比較的アップダウンの少ないトレイルでの100kmとなると、男子で一番有利なのはスウェーデンのウルトラマラソンランナー、ジョナス・ブード / Jonas Buudです。昨年、ドバイで開催されたIAU100km世界選手権で優勝するなど、ロードのウルトラマラソンで強い印象ですが、2012年UTMB(荒天で100kmに短縮)でも2位となっています。

一方地元のオーストラリア・ニュージーランドで注目されるのがデイビット・ビーン/David Byrne(オーストラリア)。陸上競技出身で10kmの自己ベストが28:40という実力、オーストラリアの伝統あるトレイルレース・Six Foot Track Marathon(45k)で2014年に優勝、昨年のスカイランニングアジア選手権(MSIG Sai Kung 28k)で5位。初めてとなる100kmのレースで成果を出せるか。そして、ニュージーランドのトレイルランナーとして各地で活躍するヴァジャン・アームストロング / Vajin ArmstrongはこのTaraweraでは2011年から毎年上位でフィニッシュしていて昨年は4位。昨年はこの他にもUltra-Trail Australiaで6位、Swiss Alpine Davosで3位でした。

2014年のUTMFで2位となったライアン・サンデス / Ryan Sandes(南アフリカ)のことは日本のランナーでも覚えている人は多いでしょう。その後、ライアンはケガなどでレースでの結果からは遠ざかっています。今回のTaraweraに万全で復帰してくるなら、優勝争いに加わることでしょう。アメリカからの参加で注目はジェイソン・シュラーブ / Jason Schlarbで、2014年の初めてのUTMBで4位となってその実力を世界に示しました。昨年はEiger Ultra Trailで2位となっており、アメリカのランナーでありながら海外のレースにも強いといえます。

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日本からは原良和 / Yoshikazu Haraがエントリー。2013年UTMF優勝で世界のトップアスリートとして知られることとなった原は昨年のこの大会で3位となっています。このTaraweraは3回目(一昨年はケガのためレースはDNS)で大会の雰囲気にはなじみがあるはず、さらに起伏の少ないコースは得意なはず、となれば期待がかかります。しかし、当サイトが聞いたところでは今シーズンは他に本命と考えているレースがある様子。昨年は信越五岳トレイルランニングレースで3回目の優勝、サロマ湖100kmで優勝。24時間走では世界歴代2位の記録を持っています。

Yoshikazu Hara 2015 Tarawera Finish

昨年のTarawera Ultra Marathonを3位でフィニッシュした原良和さん。Photo courtesy of Bryon Powell of iRunFar

このほか、昨年5位のマイク・ワーディアン / Michael Wardian(アメリカ)、昨年のTDSで2位のシリル・コワントル / Cyril Cointre(フランス)も上位をねらいます。

参考

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