マデイラ島は北大西洋のモロッコの沖合600kmにあるポルトガルの火山島です。今週末の明日4月23日土曜日の午前0時(日本時間同日午前8時)に115kmのトレイルランニング・レース、マデイラアイランド・ウルトラトレイル / Madeira Island Ultra-Trail®(MIUT)がスタートします。昨年、Ultra-Trail World Tourの準加盟大会として注目され、今年は本シリーズの第5戦として開催されます。
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火山の島の険しいトレイルで島を横断する115km
マデイラ島は奄美大島と同じくらいの面積に14万人が住む、東西に長い形の離島。島の最高峰は1,862mのルイボ山で、年間平均気温は約20℃という温暖な気候です。この島のトレイルランニング愛好家のグループが2004年に島を横断するトレイルを24時間以内で完走することに挑戦したことがきっかけとなり、2008年からマデイラアイランド・ウルトラトレイル / Madeira Island Ultra-Trail®が大会として開催されるようになりました。
2016年大会は次の4つのイベントが開催され、644人がエントリーする115kmのMIUTをはじめ、全体で約2000人が参加する大きな大会です。
- MIUT (115km / 7,000mD+)
- Ultra (85km / 4,400mD+)
- Marathon (43km / 1,100mD+)
- Mini (16Km / 350mD+)
今年の有力選手
UTWTのシリーズ戦となる115kmのMIUTには欧州の有力選手が名前を連ねています。日本から参加するランナーは少ない(2名)ですが、この大会での活躍をきっかけに今年のUTMBのような世界的な大会での活躍が期待される選手も現れるかもしれません。
女子 / Women
今回出場の女子選手の中で、フランスのカロリーヌ・シャヴェロ / Caroline Chaverotは最もコンスタントに実績を残しているアスリートです。今年3月のTransgrancanariaで優勝したばかりですが、昨年はLavaredo、Eigerで優勝し、IAUトレイル世界選手権(Maxi Race)とTransgrancanariaで2位でした。今回の優勝候補の筆頭といっていいでしょう。
スイスのアンドレア・ヒューザー / Andrea Huserの昨年の活躍を振り返ると、彼女ももう一人の優勝候補を考えざるをえません。Swiss Iron Trail-T201、Eiger、TDSと昨年の夏の欧州の長距離レースで次々に優勝を重ねた強さが印象に残ります。ただ、こうした結果の多産な一年の翌年は調子を保つのが難しく、このマデイラでのパフォーマンスに注目です。
このほか、レユニオンでの優勝など上位入賞の経験を持ち、昨年のÉchappée Belleでは女子優勝だったエミリー・ルコント / Emilie Lecomte(フランス)、昨年のTDSで3位のジュリエット・ブランシェ / Juliette Blanchet(フランス)、昨年のUTMBで9位のメラニー・ルセ / Mélanie Rousset(フランス)が上位入賞を狙います。
男子 / Men
男子ではスペインのTeam Salomonの強豪の3人、トフォル・カスタナー / Tofol Castanyer、ミゲル・ヘラス / Miguel Heras、イケル・カレラ / Iker Karreraが揃います。トフォルは2014年のUTMBで3位、昨年秋のTemplierで3位。ミゲルは2013年UTMBで2位、昨年のUltra Pirineuで3位。イケルは2014年UTMBで3位、昨年のHardrockで8位。いずれも実績、経験の豊富な3人がレースをリードするでしょうが、ここに加わりそうなのはアメリカの若手、ザック・ミラー / Zach Millerです。昨年のCCCで終始リードを保って圧勝、12月のTNF 50 Mileでは見事優勝。今回もヨーロッパで強さを見せるかもしれません。
トップ5圏内を争うことになりそうなのはまずスペインのジョルディ・ベス / Jordi Bes。2013年CCCのチャンピオンで翌年のTDSで3位でした。ファビアン・アントリーノス / Fabien Antolinos(フランス)は昨年のUTMBで6位。クレマン・ベティジャン / Clément Petitjean(フランス)は2014年のスカイランニング世界選手権だった80k du Mont Blancで4位。そして、UTMFでの活躍でもおなじみ、昨年はレユニオンで優勝してUTWT年間チャンピオンを勝ち取ったアントワン・ギュイヨン / Antoine Guillon(フランス)。イタリアのベテランでスカイランニングのレースでは上位常連のフルビオ・ダピ / Fulvio Dapit。いずれもヨーロッパのトレイルランニングの大会で活躍する有力アスリートです。
その他にも次のような選手が上位を占めそうです。
- パウ・カペル=ジル / Pau Capell Gil(スペイン):昨年のTransgrancanariaの85kmのレースで優勝。今年は1月にHong Kong 100で4位の後、Transgrancanariaでも4位でした。
- デビッド・コマ=カセス / David Coma-Cases(スペイン):2014年TDSで7位。
- レネ・ロベラ / Rene Rovera(フランス):2014年CCCで4位、昨年のLavaredo5位。
- セバスチャン・カミュ / Sébastien Camus(フランス):昨年のレユニオンで2位、2013年CCCで2位。
- サンゲ・シェルパ / Sange Sherpa(ネパール):昨年のEigerで4位、UTMFで8位。
- ルイフェルナンド・フェルナンデス / Luis-Fernando Fernandes(ポルトガル):昨年のこの大会で優勝。
- アルマンド・タイクセラ / Armando Teixeira(ポルトガル):この大会で2013年2位、2014年3位、2015年7位。
- クリストフ・ルソー / Christophe Le Saux(フランス):UTWTの各大会ではおなじみ、最近では昨年のTDSで6位に。
- ジョルディ・ガミト / Jordi Gamito(スペイン):今年に入ってHong Kong 100で6位、Transgrancanariaで10位。