富士登山競走 / Fuji Mountain Race 2016 プレビュー + サロモン海外アスリートとのコミュニティイベントのお知らせ

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この記事は7月22日(金)に開催される第69回富士登山競走/Fuji Mountain Raceのプレビュー記事です。今年の富士登山競走は、サロモン・インターナショナルチームのアスリートが参加して例年とはちょっと違った展開となりそう。そのためレースが開催されるまで3週間以上あるのですが、ちょっと早めのプレビュー記事をお送りします。記事の最後では、大会の前後にサロモンの海外アスリートを迎えて開催されるイベントについてもご紹介します。

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富士登山競走についての復習

Fuji Mountain Race Logo富士登山競走は午前7時に富士吉田市役所をスタートし、冨士浅間神社、馬返し、吉田口登山道を経て富士山頂(久須志神社)に至る21キロ、標高差3000m。制限時間4時間半となります。このレースにエントリーするには、過去の直近3大会のいずれかでのスタートから五合目までのタイムによる参加資格を満たす必要があります。この参加資格の合格ラインとなるタイムは67回大会(2014年)の分からそれ以前の2時間30分から2時間25分へと引き上げられています。

この山頂コースのレースとは別に富士山吉田口五合目までの15キロ、標高差1480mをコースとする五合目コースのレースがあり、一般参加で山頂コースに参加するにはまずこの五合目コースで上記の参加資格を満たすタイムを出して、翌年以降の参加を目指すことになります。五合目コースは午前8時半スタート、制限時間3時間半。

日本スカイランニング協会 / Japan Skyrunning Associationでは今年も富士登山競走をジャパンカップ/Japan Cupと位置付けています。

現在のコースレコードは山頂コース男子が2時間27分41秒(第64回大会<2011年>、宮原徹)、女子が2時間51分36秒(第39回大会<1986年>、中島和子)。五合目コースは男子が1時間19分19秒(第35回大会<1982年>、青木実雄)、女子が1時間32分12秒(第58回大会<2005年>、星野芳美)となっています。

例年とはちょっと違う顔ぶれとなる有力選手

当サイトでは2013年から富士登山競走のプレビュー記事を書いていますが、今年はちょっと有力選手の顔ぶれが例年と違ったものとなります。まず、今年はトレイルランニング・スカイランニングで世界トップレベルのアスリートから成るサロモン・インターナショナルチームからスカイランナー世界シリーズなどでトップクラスの実績を残しているジョナサン・ワイアット / Jonathan Wyattレミ・ボネ / Remi Bonnetスティービー・クレマー / Stevie Kremerの3人が参加。一方、この富士登山競走と同じ日にスペイン・カタルーニャでスカイランニング世界選手権Buff Epic Trail)が開催。日本代表チームをはじめ、これに参加する選手は富士登山競走には参加しません。

こうした状況を踏まえて今年の富士登山競走・山頂コースの有力選手をみてみましょう。

女子

スティービー・クレマー / Stevie Kremer

スティービー・クレマー / Stevie Kremer

サロモン・インターナショナルチームから今回の富士登山競走に参加するのはスティービー・クレマー / Stevie Kremer(アメリカ)。コロラドをベースにスキーマウンテニアリングのアメリカ代表として活躍するほか、地元のトレイルランニングのレースに出ていた彼女がスカイランニングで才能を発揮したのは欧州に住んでいた2012年、2013年のシーズン。欧州の伝統ある山岳レース、シエラ・ツイナール / Sierra Zinalで2012年、2013年に2位、2014年には優勝。2013年にはモンブランマラソン、リモーネエクストリームスカイレースで優勝、2014年のMatterhorn Ultraksで優勝、スカイランニング世界選手権(モンブランマラソン)で3位(この時の当サイトとのインタビューはこちら)。2013年にはスカイランナー世界シリーズ年間チャンピオンとなっています。2015年のシーズンはシエラ・ツイナールで4位、Buffalo Stampede(41k、オーストラリア)優勝、Matterhorn Ultraksで2位。こうした実力が富士登山競走でどの程度のタイムに相当するのか?例えば、昨年のCCCで男女総合8位で女子優勝のルース・クロフト / Ruth Croft2014年の富士登山競走で3時間11分で優勝しています(インタビューはこちら)。クレマーもこの時のクロフトと同じようなタイムで走れば今年の富士登山競走での優勝は堅く、さらに大会記録(2時間51分36秒)にどこまで迫れるかに期待したいところ。1982年生まれのクレマーは地元のコロラドでは小学校の教師を務めています。

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大庭知子 / Tomoko Ooba

クレマーを追うのは昨年2位の荻原真紀 / Maki Ogiharaで富士登山競走では2013年2位、2014年3位となっています。昨年3位の大庭知子 / Tomoko Oobaは2014年のこの大会7位、ハセツネカップでは2014年4位、2015年9位。今年に入ってからハセツネ30kで3位、スパトレイル3位など。昨年4位の大石由美子 / Yumiko Ohishiは4月の奥三河70kで優勝しています。さらに昨年5位、6位の鈴木遥 / Haruka Suzuki小林知美 / Tomomi Kobayashiも今年の上位入賞を狙います。

このほか、当サイトが注目するのは次のみなさん。

  • 新倉麻貴 / Maki Niikura:2011、12年に8位。13年7位。
  • 鴨井夕子 / Yuko Kamoi:昨年の五合目コース6位。ハセツネ・カップで2014年6位、15年7位。OSJおんたけ100kで2015年2位。今年は青梅高水山優勝、野辺山100k優勝。
  • 太田美紀子 / Mikiko Ota:2014年ハセツネ・カップ15位、今年の奥三河70kで2位。
  • 加藤揚子 / Yoko Kato:2015年尾瀬岩鞍VKで4位、今年の上田VKで4位。
  • 折戸小百合 / Sayuri Orito:菅平42kで昨年3位、今年4位、比叡山50kで今年6位。
  • 須藤吉仕子 / Kishiko Suto: 今年のMt. Awa VKで4位、上田VKで9位、経ヶ岳バーティカルリミット9位。
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男子

男子でサロモン・インターナショナルチームから参加するのは二人。まず、ジョナサン・ワイアット / Jonathan Wyatt(ニュージーランド)の名前はこの大会のファンなら聞き覚えがあるはず。ワイアットは2012年の富士登山競走に出場して優勝しており、この時の優勝タイムは2時間33分59秒。これは大会記録の2時間27分41秒(2011年、宮原徹)と歴代2位の2時間32分40秒(2006年、宮原徹)に次ぐ歴代3位のタイムです。ワイアットのアスリートとしてのキャリアは90年代の最後から00年代にかけての約10年間、マウンテンランニングの世界選手権で優勝を重ねたほか、2004年のアテネオリンピックにニュージーランド代表として出場(2時間17分45秒)したことで知られています。最近のトレイルランニングのリザルトでは昨年2015年のシエラ・ツイナールで7位となっています。皇帝・宮原徹の記録に最も近づいたワイアットが43歳の今年、どんな走りを見せるかに注目したいところ。

ベテランのワイアットに対して、もう一人のサロモンのアスリート、レミ・ボネ / Remi Bonnet(スイス)は弱冠20歳。スキーマウンテニアリングの経験を経て、昨年のシーズン後半からスカイランニングのレースで頭角を現しました。バーティカル・キロメーターでは9月のLone Peak VK、10月のLimoneで相次いで優勝してスカイランナー世界シリーズ年間チャンピオンに。SKYカテゴリーでも9月のThe Rut 25kで優勝、10月のLantau 2 Peaksで優勝、そのわずか2週後のLimone Extremeでも優勝。キリアンの再来を思わせる活躍ぶりで話題をさらいました。今年に入ってからは5月にイタリアのTrentapassi Skyraceで優勝しましたが、その後に腰を傷めた模様。5月のZegamaではリタイア、6月末のMont Blanc Marathonの出場も見送っています。もし十分なリカバリーができて富士吉田市役所のスタートラインに立てればボネが宮原の大会記録を破る可能性は高いですが、将来を考えれば無理は避けたいところでしょう。

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松本翔 / Sho Matsumoto

サロモンの二人と優勝争いをする選手としてまず挙げられるのは松本翔 / Sho Matsumoto。東大出身のエリート市民ランナーとして精力的に各地のロードレースで活躍し、この富士登山競走では2014年に五合目コースで歴代2位の1時間19分38秒で優勝、昨年の山頂コースで2時間45分56秒で優勝しています。昨年の経験値が生きるなら、2時間40分を切るタイムでの勝負となっても松本にチャンスはあると言えるでしょう。加藤聡 / Satoshi Katoは2013、14年と松本大についで2位、14年は2時間48分5秒というタイムを出しています。昨年2015年に2位となった菊嶋啓 / Kei Kikushimaのタイムは2時間49分31秒でした。一昨年2014年の3位、加藤淳一 / Junichi Katoはこの時の2時間50分21秒が自己ベスト。

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加藤聡 / Satoshi Kato

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菊嶋啓 / Kei Kikushima

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加藤淳一 / Junichi Kato

このほか、最近の富士登山競走で2時間55分を切るタイムでフィニッシュしている次のランナーも上位入りが期待されます。宮川鉄也 / Tetsuya Miyagawaは昨年3位(2:50:21)、高橋幸二 / Koji Takahashiは昨年4位(2:51:54)、大瀬和文 / Kazufumi Ooseは昨年5位(2:52:14)、小原将寿 / Masatoshi Obaraは昨年6位(2:53:30)、奥宮俊祐 / Shunsuke Okunomiyaは2013年の4位(2:53:49)、石井克弥 / Katsuya Ishiiは2014年の5位(2:54:28)。

2014年、八合目付近を登る真田卓也 / Takuya Sanada

2014年、八合目付近を登る真田卓也 / Takuya Sanada

さらに次の皆さんにも注目です。

  • 貝瀬淳 / Jun Kaise:2013年7位(2:58:04)
  • 高瀬裕行 / Hiroyuki Takase:昨年11位(2:59:35)
  • 大沢正和 / Masakazu Osawa:昨年の五合目コース2位。
  • 真田卓也 / Takuya Sanada:2014年6位(2:57:46)
  • 福永基晴 / Motoharu Fukunaga:2014年9位(3:00:00)
  • 原良和 / Yoshikazu Hara:2013年UTMF優勝や信越五岳での大会記録更新などウルトラ・トレイル、ウルトラマラソンの第一人者ですが、富士登山競走には医療スタッフとして走ってきた経験があります。今回は選手としてのナンバーを付けての出場です。
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サロモン・インターナショナルチームの選手によるコミュニティー・イベント

今回、上記のように海外のチーム・サロモンのメンバーが富士登山競走に参加する機会に、二つのイベントが北海道・札幌と静岡県・御殿場でそれぞれ開催されます。いずれのイベントも7月4日からインターネットで参加申し込みの受付が始まります。世界的に活躍するアスリートを通じてサロモンの考えるトレイルランニングに触れることのできるこの機会をお見逃しなく。(以下はサロモンのプレスリリースより)

SALOMON AMAGING NIGHT in SAPPORO ban.K 2016年7月20日(水)開催

Salomon-Sapporo-2016July札幌の夏の夜にお届けするSALOMONのスペシャルなナイトイベント!インターナショナルSALOMONマネージャーで現役の世界トップクラスのトレイルランナーであるグレッグ・ボレーとイタリアのSALOMONアスリート、マルティナ・バルマッソイのナビゲートによるトレイルランニングクリニックとSALOMONランニングTVショー&トークイベントを開催。この夏、ばんけいスキー場でSALOMON RUNNINGの世界を体験しませんか!

  • 開催日程:2016年7月20日水曜日
  • 開催場所:北海道札幌市中央区 ばんけいの森 さっぽろ ばんけいスキー場
  • 参加講師&アスリート:グレック・ボレー(サロモンランニング・マーケティングマネージャー)、マルティナ・バルマッソイ(サロモン アスリート)
  • イベント応募要項:募集人数・限定先着100名様、参加費用・お一人様 1,500円
  • エントリー方法:以下のサイトより応募ください(7月4日からエントリー開始します)
  • 参加費に含まれる内容:イベント参加、参加記念アイテム、スポーツ障害保険、軽食、飲料
  • 参加資格:16歳以上の健康な方
  • 申込の取消:申込受付後は、参加料のご返金はいたしませんのでご了承ください。
  • 協賛:SALOMON
  • 主催・お問い合わせ:アクティフ合同会社 info@actiff.jp

(スケジュール・内容)

  • 17:00 – 17:45 受付(スキー場センターハウス前)
  • 17:45 – 18:00 トレイルランニングクリニックブリーフィング(スキー場ゲレンデ)
  • 18:00 – 19:00 トレイルランニングクリニック(スキー場ゲレンデ)
  • 19:30 – 21:00 サロモンランニング TV ショー (レストラン)

(世界で活躍するトップ選手のテクニックを学ぼう)

ゲレンデの斜面や迂回路、急斜面、低斜面の起伏を利用しての下りの足捌きや身体ポジショニング、登りはポールを用いたポジショニングやプッシュアップに加えて、ディスタンスに応じた総合的かつ効率的なテクニックを伝授。グローバルアスリートを育て続ける世界のテクニックを惜しみなく披露します。

(SALOMON RUNNING TV SHOW)

SALOMON BRANDがエピソードをクリエイトした世界のランニングシーンとトレイルをドラマにしたSALOMON RUNNING TVのとっておきのコンテンツを裏話や秘話を交えて公開。そして、トレイルランニングシーンを牽引する若手ホープとSALOMON RUNNINGが目指す未来への夢を皆さんと分かち合う1時間半。軽食を交えながらの貴重なTVショーを行います。

SALOMON AMAZING RUN IN MT.FUJI 2016年7月23日(土)開催

Salomon-Gotemba-2016July富士山御殿場口でSALOMONがお届けするAMAGINGな2日間!インターナショナルSALOMONアスリートとのトレイルツーリングとウサイン・ボルトの世界記録に挑戦する砂走り100mダウンヒルレースを開催!レース後はSALOMONアスリートのトークショーもお楽しみいただく表彰パーティーを開催します。

  • 開催日程:2016年7月23日土曜日
  • 開催場所:静岡県御殿場市 富士御殿場登山口周辺
  • 参加講師&アスリート ジョナサン・ワイアット / Jonathan Wyatt、レミ・ボネ / Remi Bonnet、スティービー・クレマー / Stevie Kremer
  • イベント応募要項:募集人数・限定先着100名様、参加費用・お一人様 6,000円(イベント、パーティー代込み)
  • エントリー方法:以下のサイトより応募ください(7月4日からエントリー開始します)
  • 参加費に含まれる内容:イベント参加、参加記念アイテム、スポーツ障害保険、パーティ代
  • 参加資格:16歳以上の健康な方
  • 申込の取消:申込受付後は、参加料のご返金はいたしませんのでご了承ください。
  • 協賛:SALOMON
  • 主催・お問い合わせ:アクティフ合同会社 info@actiff.jp

(スケジュール・内容)

  • 9:00 – 9:30 受付(御殿場口トレイルステーション)
  • 9:45 – 10:00 トレイルツーリングブリーフィング(御殿場口トレイルステーション)
  • 10:00 – 12:00 トレイルツーリング(御殿場登山口 – 二子山)
  • 12:45 – 13:00 100mダウンヒルチャレンジブリーフィング(御殿場ルート 大砂走り)
  • 13:00 – 15:00 100mダウンヒルチャレンジ(御殿場ルート 大砂走り)
  • 16:00 – 17:30 表彰式・パーティー(御殿場口トレイルステーション)
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(100mダウンヒルチャレンジ)

ウサイン・ボルトの世界記録更新にチャレンジする100mダウンヒルチャレンジレース。富士山御殿場登山ルートの大砂走り特設コースを舞台に、2回の予選と準決勝・決勝で勝者を決定します。

(トレイルツーリング)

御殿場登山口から双子山をグループに分かれてトレイルツーリング。SALOMONアスリートによるナビゲーションで楽しみ盛りだくさん!

(その他注意事項)

このイベントは、通常の登山ルート上にコースを特設し開催しますので、一般の登山者・ハイカーに十分留意し山でのマナーを厳守してください。レースは参加者の安全確保を留意して開催いたしますが、砂礫のコースをハイスピードで走行するレースのため、参加者各自で安全に細心の注意を払い、怪我や事故のないようにご参加をお願いいたします。イベントの途中で天候が悪化した場合、主催者側で中止することがあります。

  • 表彰対象:総合男女 1–5位
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