山道最速王決定戦@箱根ターンパイク 2017 リザルト

春の箱根で注目のランニング・イベントが開催されました。普段は自動車しか通れないMAZDAターンパイク箱根で、「山道最速王決定戦」が3月19日日曜日に開催されました。距離13.6km、標高差981mのロードレースでは富士登山競走チャンピオンの松本翔 Sho Matsumoto、陸上女子1万メートルの元日本記録保持者の石川(旧姓・片岡)純子 Junko Ishikawa, née Kataokaが初代山道最速王・女王を勝ち取りました。さらに、箱根駅伝で三代目山の神と呼ばれ、今最も注目される長距離ランナーの一人である神野大地選手、トレイルランニングのレジェンド・鏑木毅選手の他、箱根駅伝でも活躍する現役大学生ランナーもゲストとしてコースを走り、その実力を見せました。【追記・当日エントリーの参加者を加えてロードレースの参加者は1600人となったこと、大学駅伝の現役選手は順天堂大学、城西大学、駿河台大学、専修大学の4校から参加していたことを以下の記事に反映して修正しました。2017.03.21】

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あの箱根駅伝5区よりも厳しい!登りだけのロードレースに1600人が挑戦

大会当日は薄曇りで気温も高すぎず、「山道」を走るにはいいコンディション。今回初開催で、他では類を見ない長い急坂のロードレースには1600人の参加者が集まりました。レースは午後12時10分にMAZDAターンパイク箱根の起点となる小田原料金所をスタート。最初から直線上に続く急坂をスタートし、ターンパイク終点近くの大観山駐車場までは平均7%の斜度で、累積獲得高度では1000mD+に達するコースです。

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1600人のランナーがスタート。最初から急な登り坂だ。

コースの途中には3箇所の給水所。終盤となる9km地点から10km地点の間にとりわけ急な登りが現れます。また参加した選手によれば、自動車専用に作られた道路だけにカーブが少なめで見通しがよいため、目の前に続く長い上り坂に圧倒されるコースです。

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こちらは最終盤。周囲の山々を見渡せる爽やかなコース。

初開催となる「山道最速王決定戦」を57分1秒で制したのは松本翔 Sho Matsumoto。「(ゲスト参加の)学生選手に及ばなかったのは悔しいが、初代チャンピオンとなることができて光栄です」と話しました。東大1年だった2005年に箱根駅伝に出場、東大卒業後も各地のロードレースやマラソンで活躍するアスリートでフルマラソンのPRは2時間13分38秒。著書「<東大式>マラソン最速メソッド」があり、ランニングチーム、Team M×K(チームMK)の代表としても活動。富士登山競走で2015年、2016年(悪天候で5合目打ち切り)と連覇、昨年は蔵王スカイレースでも優勝しています。

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松本翔 Sho Matsumotoが57分1秒でフィニッシュ。Photo courtesy of ©山道最速王決定戦2017実行委員会

女子では石川(旧姓・片岡)純子 Junko Ishikawa, née Kataokaが1時間12分33秒で優勝。90年代前半に3000m、10000m 、ハーフマラソン、 1時間走の日本記録を次々に塗り替えたトップ選手で10000mの元日本記録保持者(31分31秒92)です。現在はリスタートランニングクラブのヘッドコーチとしても活躍。この日の表彰台では「レースに出て一位になるというのはなかなかないことで、とてもうれしい」と振り返りました。

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女子優勝の石川(旧姓・片岡)純子 Junko Ishikawa, née Kataokaは1時間12分33秒でフィニッシュ。Photo courtesy of ©山道最速王決定戦2017実行委員会

このほか男子では2位に東本裕斗 Yuto Higashimoto、3位に生澤佑樹 Yuki Ikezawaが続きました。女子では2位に富士登山競走で2013年、15年に2位、14年に3位の荻原真紀 Maki Ogihara、3位に五十嵐彩 Aya Igarashiが入りました。

現役の大学駅伝選手も参加

今回の「山道最速王決定戦」には神野大地、鏑木毅の両選手のほか、順天堂大学、城西大学、駿河台大学、専修大学で大学駅伝の選手として活躍する選手も登場。ゲスト参加のため順位はつきませんが、今年の箱根駅伝5区で区間5位の山田攻(順天堂大学)が53分59秒でトップでフィニッシュ。服部潤也(城西大学)が55分15秒で続き、3番手はこちらも今年の箱根駅伝で6区を走った橋本龍一(順天堂大学)で55分39秒。神野、鏑木の両選手は最後尾からのスタートで、スタート直後はコース上で参加したランナーと話したりしながらコースを楽しみました。スタートラインからのネットタイムで神野選手は55分13秒、鏑木選手は1時間8分10秒で完走した模様です。

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ゲスト参加の大学駅伝で活躍する現役大学生ランナーは練習としての参加ながら、圧倒的な実力をみせた。

この登りを走りきれたら自信を持っていい、と神野大地、鏑木毅も太鼓判

トレイルランナーの鏑木毅さんは普段の練習でも、今回のような長いロードの登りを走る「峠走」を練習に取り入れているといいます。その鏑木さんも「しかし今回の箱根ターンパイクはどんな峠走よりもきついコースだった」とのこと。「それだけに今回このコースを完走した皆さんはランナーとして自信を持っていい」と話しました。

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ゲストの鏑木毅さん(左)、神野大地さん(中)、ものまねアスリート芸人・M高史さん(右)。

箱根駅伝の「三代目山の神」・神野大地さんも「このコースは途中で気持ちが折れてしまったら走りきれない。これだけたくさんのランナーの皆さんが挑戦して走りきったことに感激しました」とのこと。「これほどの登りのコースを走れる機会はめったにない。学生選手が増えたら、この大会が箱根駅伝に向けた前哨戦となってきっとおもしろい」と話していました。そして自身の最大の目標である2020年東京オリンピックのマラソンに向けては「初めてのフルマラソンとなる12月の福岡国際マラソンで結果を出したい」と決意を語りました。青山学院大のかつてのチームメイトが相次いでマラソンに挑戦していることについては「自分は以前からマラソンへの挑戦は社会人2年目で、と決めていた。今年の福岡で仲間を一気に飛び越えたい」と表情を引き締めました。

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神野大地選手が披露したのは前傾姿勢でのランジスクワット。山登りの補強運動として取り組んでいるという。

山道最速王決定戦@箱根ターンパイク 2017 リザルト

全体のリザルトはこちらから。

これも読む
鏑木毅 Tsuyoshi KABURAKI UTMF 2022 直前インタビュー

男子

  1. 松本翔 Sho Matsumoto 57:01
  2. 東本裕斗 Yuto Higashimoto 58:44
  3. 生澤佑樹 Yuki Ikezawa 59:28
  4. 西澤誠二 Seiji Nishizawa 59:41
  5. 森一生 Issei Mori 1:00:26
  6. 吉原稔 Minoru Yoshihara 1:01:07
  7. 原直希 Naoki Hara 1:01:32
  8. 市塚遊 Yu Ichitsuka 1:01:53
  9. 栗原正明 Masaaki Kurihara 1:01:54
  10. 岩崎覚 Satoru Iwasaki 1:02:18

女子

  1. 石川(旧姓・片岡)純子 Junko Ishikawa, née Kataoka 1:12:33
  2. 荻原真紀 Maki Ogihara 1:14:10
  3. 五十嵐彩 Aya Igarashi 1:17:32
  4. 益田裕美 Yumi Masuda 1:17:42
  5. 高橋寿恵 Hisae Takahashi 1:18:16
  6. 又井ゆうこ Yuko Matai 1:22:18
  7. 菅夏樹 Natsuki Kan 1:22:49
  8. 水川あさみ Asami Mizukawa 1:23:27
  9. 杉保由紀 Yuki Sugiho 1:23:47
  10. 田中千裕 Chihiro Tanaka 1:23:58

ゲスト参加選手

  • 山田 攻 (順天堂大学) 53:59
  • 服部 潤也 (城西大学) 55:15
  • 橋本 龍一 (順天堂大学) 55:39
  • 舘脇 勇介 (城西大学) 58:17
  • 平川 貴稀 (順天堂大学) 59:08
  • 神野 大地 (コニカミノルタ) 59:13
  • 近藤 勇 (専修大学) 59:17
  • 永沼 慶己 (駿河台大学) 59:38
  • 安間 翔梧 (駿河台大学) 1:01:22
  • 赤峰 晃太郎 (専修大学) 1:02:35
  • 今井 隆生 (駿河台大学) 1:03:33
  • 鏑木 毅 1:14:32
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ハイタッチで選手を送り出した神野大地選手がスタート。Photo courtesy of ©山道最速王決定戦2017実行委員会

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鏑木毅選手も参加選手を笑顔で励ましながら箱根ターンパイクを登る。

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ものまねアスリート芸人として活躍するM高史さんは公務員ランナー・川内優輝選手のそっくりさんだが、実は駒澤大学陸上部OBでその走力は高い。

ミニ駅伝

  1. 三島走友会ドリームチーム 57:58
  2. ぷりん隊 58:18
  3. 伊豆半島連合 1:00:03
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