2017年 UTMB®︎ プレビュー(女子) #UTMB17

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UTMB-2016-logo-Columbia来週8月28日月曜日に一週間にわたるUTMB®︎が開幕します。そしてそのクライマックスは9月1日金曜日午後6時(日本時間2日土曜日午前1時)に2,300人が参加してスタートする171km 10,000mD+のUTMB®です。シャモニーから反時計回りにモンブランの周りを一周するこのレースは今日のトレイルランニングの象徴の一つといえます。今年もトレイルランニングの事実上の世界選手権として世界中から実力あるランナーを集めるUTMB®︎は今年のUltra-Trail® World Tourのシリーズ戦第16戦で、全シリーズ中で2つしかない最も高いポイントが得られる”Serie Bonus”レーベルのレースです。

この記事では今年のUTMB®︎に出場する女子の有力選手をご紹介。男子については明日以降、ご紹介する予定です。

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(写真・2016年UTMBで優勝したカロリーヌ・シャヴェロ。Photo by Koichi Iwasa of DogsorCaravan.com)


当サイトはUTMB®︎の大会メディアパートナーとして今年のUTMB®︎を現地で取材します。有力選手のインタビューや、UTMB®︎だけでなく、各姉妹レースについても会場やコース上から大会の様子をお伝えします。大会期間中は当サイトの記事のほか、速報についてはTwitterアカウント / @DogsorCaravanFacebookページもあわせてご覧ください。

今回のUTMB®︎について大会パートナーのColumbia MontrailMountainHardwearのご協賛によりレポートをお送りします。

UTMB®︎で開催される主なイベントとその日程については当サイトの記事をご覧ください。

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15回目となるUTMB®が来週開幕、当サイトも現地からレポートします。 #UTMB17

2017.08.22
UTMB®︎に先立って行われる119kmのTDS®︎、56kmのOCC、101kmのCCC®︎の有力選手、そしてUTMB®︎の男子有力選手については、次の当サイトの記事でご紹介しています。

2017年 TDS®︎、OCC、CCC®︎ プレビュー #UTMB17

2017.08.23
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2017年 UTMB®︎ プレビュー(女子) #UTMB17

2017.08.24

2017年 UTMB®︎ プレビュー(男子) #UTMB17

2017.08.25

UTMB®︎のコース概要

今年もカロリーヌ・シャヴェロがリードするか

カロリーヌ・シャヴェロ / Caroline Chaverot

昨年のトレイルランニング界で主だった女子のタイトルを全て勝ち取ったのがカロリーヌ・シャヴェロ Caroline Chaverot (フランス)でした。昨年のUTMB®︎のチャンピオンであり、トレイル世界選手権・Trans Peneda-Geresで優勝。Transgrancanaria、MIUT、80km du Mont-Blancで優勝。スカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kを制したのもシャヴェロでした。これほどの圧倒的な活躍の翌シーズンとなる今年は春先に疲労からTransgrancanariaでDNFとなりましたが、その後は体調を取り戻して5月にはMaxi-Race 113k、6月のLaveredo Ultra Trail、そして7月にHardrock 100で優勝と好調な様子です。UTMB®︎では2013年にCCC®︎で優勝。2014年はCCC®︎をリタイア、2015年はUTMB®︎で残り18kmというところでケガのためDNFとなったものの、そこまで女子トップを走りました。今年も優勝争いは彼女を軸に進むに違いありません。

シャヴェロに7分差まで迫って昨年のUTMB®︎で2位となったのはアンドレア・ヒューザー Andrea Huser (スイス)でした。2015年からはシーズン中は80km、100kmといった長距離のレースに2-3週おきに出場し、安定した成績を残している鉄人で、今年も2月のTransgrancanariaで2位、4月のMIUT(マデイラ)で優勝、5月はTransvulcaniaで6位、Maxi-Race 113kで2位、6月はWestern Statesで10位、7月はEiger Ultra Trail E101、Montreux Trail Festival 160kで共に優勝と安定の活躍です。今年もシャヴェロとリードを争うことになるかもしれません。UTMB®︎では2014年に7位、TDS®︎で2015年に優勝しています。

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今年のTransgrancanariaで2位になったアンドレア・ヒューザー Andrea Huser。

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マグダレナ・ブーレ / Magdalena Boolet

この二人に絡むことができそうな女子選手は多くありませんが、その一人はアメリカのマグダレナ・ブーレ Magdalena Bouletでしょう。フルマラソンPRが2時間26分で2008年の北京オリンピック・マラソンでアメリカ代表という経歴の持ち主は2013年のTNF 50mileで2位となってトレイルランニングのレースにデビュー。2014年はTNF 50mileで優勝、2015年にWestern Statesで優勝、CCC®︎で2位に。昨年、UTMB®︎に初出場で5位という結果でした。前回前々回の経験を活かして、今年のUTMB®︎で結果を出すことも十分に考えられます。今年は6月のWestern Statesでトップから17分差の2位となっています。

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ヌリア・ピカス / Núria Picas

カタルーニャのトップ選手、ヌリア・ピカス Núria Picas (スペイン)の2014年の活躍は圧倒的でした。Transgrancanaria、UTMF、TNF 100 Australia、Buff Epic Trail 105k、Ultra Pirineu、Templiers 74kで優勝、UTWTの年間チャンピオンとなりました。その後、昨年2016年はTemplier 76kで3位となったほかは大きなレースからは遠ざかっていました。女子トレイルランニング界を席巻したピカスですが、UTMB®︎ではローリー・ボジオ Rory Bosioが連覇した2013年、2014年にいずれも2位となっていて、2015年はDNF。まだ手にしていないタイトルを今年手に入れたい、という思いはきっとあるでしょう。今年はHong Kong 100、Transgrancanaria 42kで優勝、8月にTromsø Skyrace 57kに出て3位となっています。

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トップ10候補には?

ジュリエット・ブランシェ Juliette Blanchet (フランス)は最近になって長距離のトレイルランニングレースで上位に入ることが多くなってきた選手です。2013年のUTMB®︎では9位、2014年のレユニオン・Diagonale des Fousで2位、2015年のTDS®︎で3位となった後の昨年2016年はEiger Ultra Trail E101で3位、UTMB®︎で4位、Diagonale des Fousで2位。今年に入ってからもTransgrancanariaで7位など、たくさんのレースに出ています。直近では7月にGrossglockner Ultra-Trail 110kで優勝しています。続くレースからのリカバリーが十分なら昨年を上回る結果となるかもしれません。

 

フェルナンダ・マシェール / Fernanda Maciel

フェルナンダ・マシェール Fernanda Maciel (ブラジル)はUTWTのシリーズ戦ではおなじみのランナーで、UTMB®︎では2009年の第一回TDS®︎で優勝し、その後2012年の雨で100kmとなったUTMB®︎で7位、2014年に4位に。昨年は大会直前に体調不良から出場を見送りました。UTMFでは2014年に2位、2015年に3位、昨年の短縮されたUTMFで優勝でした。今年に入ってからはTarawera Ultramarathonで7位、Marathon des Sablesで3位となっています。

ステファニー・ヴィオレ Stephanie Howe Violett(アメリカ)は2014年にWestern Statesで優勝しているアメリカのトップ選手ですが、8位でフィニッシュした2015年のUTMB®︎で足を傷め、そこからのリカバリーが長引きました。昨年12月のTNF 50mileでは9位、そして今年1月のBandera 100kでは好タイムで優勝していて回復の兆しが見えています。ケガをする前の実力が発揮できれば上位が期待できそう。

今年のPenyagolosa Trails CSPをリードするしたヘマ・アレナス Gemma ARENAS ALCAZAR。

スペインのヘマ・アレナス Gemma Arenas Alcazar (スペイン)は2016年のUltra Pirineu 110kで優勝、トレイル世界選手権・Trans Peneda-Geresでは5位、今年のPenyagolosa Trails CSPで優勝といったところが最近のリザルト。スペイン国内でのレースでは常に上位に入っていますが、今回はいかに。100マイルのレースは昨年のUTMB®︎が初挑戦でしたがDNFとなっています。

2016年のWestern States女子優勝のケイシー・リックタイ Kaci Lickteig (アメリカ)は今回が初めてのUTMB®︎です。2016年にはLake Sonoma 50で2位、Bear 100優勝などで活躍が目立ちましたが、今シーズンは十分なトレーニングが積めずWestern Statesでは16位にとどまりました。それでもアメリカのトレイルランニング・ファンには見逃せない存在です。

アリッサ・サンローラン Alissa St Laurent (カナダ)は昨年のWestern Statesで5位、その後のRun Rabbit Run 100で2位など、高い実力を持つアスリートですが、それ以外の国際的な有名レースにはあまり出ていません。初挑戦となる今回のUTMB®︎でどうなるかは見通せませんが、トップ10に入る可能性は高いと思われます。

ポーランドのエバ・マヘール Ewa Majer (ポーランド)も母国での実績が豊富な選手ですが、国際的な大会ではあまり記録がありません。しかし、今年6月のLavaredo Ultra Trailで5位となっていることからすると、今回のUTMB®︎でも要注目の選手です。

エミリー・ルコント Emilie Lecomte (フランス)は2009年、12年にDiagonale des Fousで優勝、2015年には2位となっているほか、2014年のTor des Geantsで優勝しており、山岳系の長距離レースに強いアスリート。昨年はMIUT(マデイラ)で3位、アメリカのGrand to Grand Ultraで優勝、今年のMarathon des Sablesで4位。UTMB®︎は2012年に9位となって以来の参加です。

昨年のUTMB®︎で8位となり日本人女性として初めて表彰台に立ったのが丹羽薫 Kaori Niwa (日本)です。2013年のシーズンからトレイルのレースを走り始めた丹羽ですが、2014年のUTMFで8位、2015年はUTMFで4位、ハセツネCUPで4位、Transvulcania 73kで9位に。今シーズンは積極的に海外のレースに挑戦していて、4月に中国で開催されたUltimate Tsaigu 95kで優勝、7月のAndorra Ultra Trail 170kで2位に。8月のTromsø Skyrace 57kでは転倒してDNFに。現在も骨折した左手にギプスを巻いた状態ですが、そのままUTMB®︎に臨む予定です。無理は禁物ですが、世界に挑戦する丹羽に日本から注目が集まります。

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昨年2016年のUTMB®︎で8位となり表彰台に立った丹羽薫 Kaori Niwa。

昨年のUTMB®︎で10位だったのがイギリスのソフィー・グランド Sophie Grant。昨年2016年にTransgrancanariaで6位、Lavaredo Ultra Trailで6位に。今年はTarawera Ultramarathonで10位、Transgrancanaria 81kで4位といった結果です。

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注目の女子選手

上記の他にも注目の選手を紹介します。

  • テレサ・ニームズ Teresa Nimes Perez (スペイン): 2014年TDS®︎優勝、2016年CCC®︎3位。トレイル世界選手権では2015年のMaxi-Race、16年のTrans Peneda-Geresでともに10位。
  • ワン・チャオ Pui Yan (Wyan) Chow (香港): 2015年Hong Kong 100優勝。2017年の9 Dragons Ultra 50kで4位、TNF 100 Korea 100kで優勝。
  • アリーザ・ラピエール Aliza Lapierre (アメリカ): 2015年Western Statesで4位、UTMFで2位(タイ)。2016年UTMBで23位。2017年Georgia Death Race 112kで優勝、Lavaredo Ultra Trailで7位。
  • エイミー・スプロストン Amy Sproston (アメリカ): 2016年Western Statesで2位。2015年UTMFで9位、2014年ハセツネCUP優勝。
  • クリスティーナ・ベス Cristina Bes Ginesta (スペイン): 2015年TDS®︎で2位。
  • ケリー・エマーソン Kellie Emmerson (オーストラリア): 今年のTarawera Ultramarathonで4位、Ultra-Trail Australia 50kで優勝。
  • アマンダ・バシャム Amanda Basham (アメリカ): 2016年Gorge Waterfalls 100kで2位、Western Statesで4位。
  • ベス・パスカル Beth Pascall (イギリス): 2016年トレイル世界選手権・Trans Peneda-Geresで8位、今年のMIUT(マデイラ)で2位。
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