【編者より:アジア選手権となるバーティカルレース、スカイレース28kに出場する日本の有力選手について追記しました。】
【編者より:今週末の9月9日、10日にZAO Skyrunningが開催されます。スカイランニングアジア選手権となるこの大会のプレスリリースを元にまとめたプレビュー記事をお送りします。当サイトではいつものようなライブ速報はお届けできませんが、上位選手のリザルトについてはtwitterでお伝えする予定です。】
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蔵王が今年のスカイランニングアジア選手権の舞台に
東北の名湯・蔵王温泉(山形市)に世界から山を愛するアスリートが集まり、初秋の蔵王連峰を駆け上ります。欧州で生まれ、今や世界中に愛好者が広がり、大会が開催されている注目の山岳スポーツ・スカイランニング。日本でも近年競技人口が急増し、国際的な大会で日本人選手が上位に入賞する機会が増え、競技レベルも高まっています。
9月9日(土)、10日(日)に開催されるZAO Skyrunning 蔵王スカイランニングは今年、日本で初めてISF(国際スカイランニング連盟)が開催するスカイランニング・アジア選手権となりました。国際的なスポーツイベントにふさわしく、上位入賞者に合計98万円の賞金が用意されたアジア選手権には、中国、韓国、フィリピンなど各国から選手を迎えます。
日本を代表する有力選手と海外の代表選手がアジア王者を賭けて競うバーティカル・レース(4.8km +900m)、ZAO スカイレース(28km ±2300m)は国際基準を満たした本格的な山岳コースで開催。この他にも、蔵王連峰の自然と山稜からの雄大な眺めが楽しめる一般参加者のレースや、未来のスカイランナーのためにユース(高校生)・ジュニア(小・中学生)のレースも開催。地元の皆さんのご協力とおもてなしで、今週末の蔵王はアジアのスカイランニングの祭典として盛り上がります。
昨年スカイランニングの大会としてリニューアルしたこの大会が開催されるのは蔵王連峰。アジア選手権となるZAOバーティカルレース ZAO Vertical Raceは蔵王温泉の温泉街をスタートして地蔵岳山頂までを一気に登り切る距離4.8km、累積獲得高度900m。スキー場のゲレンデをスタートすると傾斜は徐々に増し、斜度30度に達する箇所も。終盤には岩が転がる本格的な登山道を駆け上ります。ZAOスカイレース28K ZAO Skyrace 28Kは蔵王山の火口湖であるお釜を臨む稜線である「馬の背」や蔵王連峰最高峰の熊野岳などをめぐる距離28km、累積獲得高度2300mのコース。昨年のコースにさらにアップダウンを加え、国際大会にふさわしい上級者向けのコースとなりました。
日本とアジアから集まる有力選手
今回のアジア選手権に参加する日本代表チームのメンバーは、海外のスカイランニングの大会で実績を持つ有力選手が揃います。ZAOスカイレースには、今シーズンのスカイランナー・ワールドシリーズのゼガマ – アイスコリで8位、ドロミテ・スカイレースで9位、スカイレース・コマペドローサで3位となって注目される上田瑠偉 Ruy Ueda、昨年日本選手権となったこの大会で優勝し、今年はスカイレース・コマペドローサで3位となって世界のトップ選手の仲間入りを果たした高村貴子 Takako Takamuraが出場。このほか、昨年のスカイランナー・ジャパンシリーズで女子年間チャンピオンとなった星野由香理 Yukari Hoshino (née Fukuda) 、2015年アジア選手権・MSIG Sai Kung 28kで2位で今年のびわ湖スカイレース優勝の近藤敬仁 Yoshihito Kondoが参加。
一方、バーティカル・レースには今年5月に世界シリーズ戦のトランスバルカニア VKで優勝、7月には富士登山競走で優勝、先週末にOCCで4位と国内外で話題を集めるバーティカルの女王・吉住友里 Yuri Yoshizumiが出場。さらに国内のバーティカルキロメーターでは無敵、2014年世界選手権で5位、昨年のアジア選手権で優勝の宮原徹 Toru Miyaharaも参戦します。このほか富士登山競走で3回優勝の小川ミーナ Mina Ogawa、ジャパンシリーズで活躍する新牛込崇史 Takashi Shinushigome、柳澤隼人 Hayato Yanagisawaもナショナルチームのメンバーとなっています。なお、昨年優勝の松本翔 Sho Matsumoto、昨年のジャパンシリーズチャンピオンの牛田美樹 Miki Ushidaは今回の出場を見送ります。
今回のアジア選手権では中国、韓国、フィリピンから各国代表選手が参加します。ノ・ヘソン Noh, Heeseongは2016年5月にTrail Run Jeju 50k優勝など韓国のトレイルランニングのトップ選手の一人として活躍、2016年のアジア選手権・MSIG Lantau 50kで9位、今年韓国で開催されたHigh1 Skyrunning 20kで優勝。同じく韓国のキム・ジンワン Kim, JinwanはHigh1 Skyrunning 42kで優勝しています。キムは昨年の蔵王スカイレースで6位となっており、今回のレースでさらに上位を目指します。
アジア各地の100マイルや100kmのレースで上位に入っているユエン・ワンホ Yuen, Wan Ho(中国・香港)、今年3月のCordillera Mountain Ultra 50kで2位のマルセリノ・パリトグ・サナオイ Sana-oy, Marcelino Palitogの活躍にも期待です。
昨年の蔵王スカイレースで3位のパク・スージ Park, Sooji(韓国)も今年の蔵王に戻ってきます。昨年はアジア選手権・MSIG Lantau 27kで4位、今年はHigh1 Skyrunning 20kで2位と韓国のスカイランニング界をリードする存在。韓国からは同じくHigh1 Skyrunningで42km優勝のユン・ヨンへ Jung, Eunhye、12km優勝のヨン・イェジ Jeong, Yejiも参加します。さらに中国・香港からは昨年のTNF 100 Hong Kongで3位、今年のGarmin 42kで優勝のツァン・インフン Tsang, Yin-Hungが出場します
今回のスカイランニング・アジア選手権では、男女それぞれの優勝者にバーティカルキロメーターでは10万円、ZAOスカイレースでは15万円など、男女の上位3人の選手に総額98万円の賞金が贈られます。アジア選手権以外のレースでも山形特産の「米沢牛(500g)」や「ラフランスの詰め合わせ」などの商品が上位入賞者に贈られます。さらに大会会場では参加者全員に山形名物の芋煮汁、蔵王温泉郷土料理のからから汁が振る舞われます。
追記・アジア選手権に出場する日本の有力選手
大会前日にようやくエントリーリストを入手しました。アジア各国からの参加選手はもちろんですが、日本国内でみても非常にコンペティティブな、スカイランニング日本選手権(今回の大会はアジア選手権兼日本選手権となっています)となりそうです。
Vertical Race(アジア選手権・VKの部)
女子では日本代表チームとして上でもご紹介している吉住友里、小川ミーナのほか、須藤吉仕子、星野由香理、滝澤空良がエントリー。今年7月にドイツで開催された400mで標高差140mのスキージャンプ台を登り切るRed Bull 400で女子優勝の田中ゆかりもこのレースに参戦します。
男子では上で紹介している宮原徹、新牛込崇史、柳澤隼人に加え、スカイランナージャパンシリーズで活躍する三浦裕一、永里剛城、荒木涼、加藤淳一、今年7月のユース世界選手権日本代表として活躍した吉野大和、藤飛翔、鈴木龍弥がエントリー。さらに今年の富士登山競走で3位の江本英卓、4位の宮川朋史も参戦。ベテランのエルワン・ルブラス Erwan LeBras、高校生の近江竜之介も登場です。
Zao Skyrace 28k(アジア選手権・Skyの部)
女子では日本代表チームの高村貴子、星野由香理のほか、折戸小百合、早川由香里、須藤吉仕子、長谷川香奈子がエントリー。昨年のこの大会で2位の桑原絵理やユース世界選手権日本代表の滝澤空良もスタートラインに立ちます。
男子はさらにハイレベルなレースになります。日本代表チームの上田瑠偉、近藤敬仁に加え、今シーズンジャパンシリーズで連勝、富士登山競走では今年も2位の加藤聡も参戦。その富士登山競走で3位の江本英卓、4位の宮川朋史はVKとのコンバインドにチャレンジします。5位だった小川壮太、8位だった加藤淳一も登場です。さらにハセツネCUPのヒーローの一人である奥山聡にとって蔵王は隣県の近場。上位入りをねらってくるでしょう。
ジャパンシリーズの上位常連では三浦裕一、永里剛城、藤飛翔がVKとコンバインドで出場。小山真一、工藤祐輔、星野和昭、吉田岳生もエントリー。さらにユース世代の和田優一、吉野大和、鈴木龍弥、名取将大も。このほか各地のトレイルランニングの大会で上位の長田豪史、横山忠男、石川朋奈、谷川照樹もトップ10圏内に入る実力の持ち主です。エルワン・ルブラス Erwan LeBrasもVKとのコンバインドでのエントリーです。